想いは彼方へ   作:水甲

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04 誘い

退院してから数日後

 

彼方さんにあるお願いをされていた。

 

「同好会に?」

 

「そう~詩音くんどうかなって~」

 

同好会って、響と同じ様にサポートしてほしいと言うことかな?でも……

 

「やめておくよ。生徒会の仕事で手一杯だし」

 

「そうなの~?でも響くんは両立してるよ~」

 

「あいつはどっちの仕事もしっかり終わらせたりしてるから、俺には無理だよ」

 

断ると彼方さんは頬を少し膨らませ、ちょっと不満そうにしていた。何と言うか可愛らしい……

 

と言うか何か色々と気持ちが溢れてきた。ちゃんと伝えるべき時に伝えないといけないから、我慢しないと…………

 

 

 

 

 

 

 

彼方さんにある相談を持ちかけられた僕。その相談内容は…………

 

「同好会に入れたいって…………」

 

「そうなの~響くんなら何かいい方法思い付かない~?」

 

彼方さんは詩音の事を気に入ってるな…………

 

「まぁ、あいつの言う通りだと思いますよ。生徒会の仕事は基本的に忙しいですし、せつ菜も何とか終わらせて、同好会に参加してる感じですからね」

 

「響くんは~?」

 

「合間合間に終わらせてるので」

 

休み時間とかに少しずつ終わらせてる。たまにしずくが手伝っているし…………

 

「そっか~同好会に誘うのは無理か~」

 

ちょっと残念そうにしている彼方さん。何かいい方法がないか考えていると、ある方法を思い付いた。

 

僕は彼方さんにそれを伝えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

次の日の放課後、帰ろうとしていると響からメッセージが入った。

 

『彼方さん、まだ練習に来ないから連れてきてもらえないか?』

 

何で俺なのかと思ったが、特にやることはないし、思い当たる場所に行くと、彼方さんが保健室で眠っていた。

 

「彼方さん、起きてください。練習始まりますよ」

 

「むにゃ~おはよ~詩音くん~」

 

「起きましたね。それじゃ俺はこれで…………」

 

「ん~部室まで送っていって~」

 

目を擦りながら言う彼方さん。送っていってって…………どうやって……

 

「おんぶ~」

 

おんぶしろと…………断る気になれないし、俺は彼方さんをおんぶした。胸やら太腿やらの感触を気にせず、同好会に向かうのであった。

 

 

部室に着くと出迎えてくれたのは、響の姉、友里さんだった

 

「彼方さんを連れてきてもらってありがとう。詩音くんね」

 

「は、はい」

 

俺は彼方さんを下ろし、帰ろうとすると友里さんがあることを言い出した。

 

「詩音くん、お願いがあるんだけど、彼方さんのマネージャーになってくれない?」

 

「マネージャーって、同好会に入るつもりはないですよ」

 

「知ってるわよ。マネージャーって言っても、彼方さんをここに連れてきて貰えたりしてもらうだけでも良いの。詩音くん、彼方さんを起こすの得意みたいだしね。ね、いいでしょ」

 

この先輩、押しが強くないか?断ってもいいけど、納得してくれなそうだし…………

 

「暇なときならいいですよ」

 

「ありがとう~それじゃよろしくね」

 

何と言うかこんな姉を持って、響は大変だな…………


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