退院してから数日後
彼方さんにあるお願いをされていた。
「同好会に?」
「そう~詩音くんどうかなって~」
同好会って、響と同じ様にサポートしてほしいと言うことかな?でも……
「やめておくよ。生徒会の仕事で手一杯だし」
「そうなの~?でも響くんは両立してるよ~」
「あいつはどっちの仕事もしっかり終わらせたりしてるから、俺には無理だよ」
断ると彼方さんは頬を少し膨らませ、ちょっと不満そうにしていた。何と言うか可愛らしい……
と言うか何か色々と気持ちが溢れてきた。ちゃんと伝えるべき時に伝えないといけないから、我慢しないと…………
彼方さんにある相談を持ちかけられた僕。その相談内容は…………
「同好会に入れたいって…………」
「そうなの~響くんなら何かいい方法思い付かない~?」
彼方さんは詩音の事を気に入ってるな…………
「まぁ、あいつの言う通りだと思いますよ。生徒会の仕事は基本的に忙しいですし、せつ菜も何とか終わらせて、同好会に参加してる感じですからね」
「響くんは~?」
「合間合間に終わらせてるので」
休み時間とかに少しずつ終わらせてる。たまにしずくが手伝っているし…………
「そっか~同好会に誘うのは無理か~」
ちょっと残念そうにしている彼方さん。何かいい方法がないか考えていると、ある方法を思い付いた。
僕は彼方さんにそれを伝えるのであった。
次の日の放課後、帰ろうとしていると響からメッセージが入った。
『彼方さん、まだ練習に来ないから連れてきてもらえないか?』
何で俺なのかと思ったが、特にやることはないし、思い当たる場所に行くと、彼方さんが保健室で眠っていた。
「彼方さん、起きてください。練習始まりますよ」
「むにゃ~おはよ~詩音くん~」
「起きましたね。それじゃ俺はこれで…………」
「ん~部室まで送っていって~」
目を擦りながら言う彼方さん。送っていってって…………どうやって……
「おんぶ~」
おんぶしろと…………断る気になれないし、俺は彼方さんをおんぶした。胸やら太腿やらの感触を気にせず、同好会に向かうのであった。
部室に着くと出迎えてくれたのは、響の姉、友里さんだった
「彼方さんを連れてきてもらってありがとう。詩音くんね」
「は、はい」
俺は彼方さんを下ろし、帰ろうとすると友里さんがあることを言い出した。
「詩音くん、お願いがあるんだけど、彼方さんのマネージャーになってくれない?」
「マネージャーって、同好会に入るつもりはないですよ」
「知ってるわよ。マネージャーって言っても、彼方さんをここに連れてきて貰えたりしてもらうだけでも良いの。詩音くん、彼方さんを起こすの得意みたいだしね。ね、いいでしょ」
この先輩、押しが強くないか?断ってもいいけど、納得してくれなそうだし…………
「暇なときならいいですよ」
「ありがとう~それじゃよろしくね」
何と言うかこんな姉を持って、響は大変だな…………