「お姉ちゃん、もし詩音さんに寝ているときに声をかけられたら、寝た振りして」
私はお姉ちゃんにそんなことを伝えた。お姉ちゃんは不思議そうな顔をしていた。
「詩音くん、迎えに来てもらったりしてるから、寝た振りはちょっと~」
「いいから、きっと良いことがあるから」
「う~ん、わかった~」
とりあえず納得するお姉ちゃん。さて明日が楽しみだな~
次の日の夜
「ねぇ~遥ちゃん」
「どうかしたの?お姉ちゃん?」
「言われた通り寝た振りしてたら~詩音くんに~」
「詩音さんに?」
「ううん、何でもない~」
言いかけるお姉ちゃん。これはいい感じかもしれない。後少ししたら……今度は
それから数日後
お姉ちゃんが顔真っ赤にしている。やはり効果は抜群だ。さてそろそろお姉ちゃんには答えてあげるように言わないと
「ねぇ遥ちゃん」
「何?お姉ちゃん?」
「答えた方がいいかな~?」
私が言わなくても良さそうみたいだけど、ここは…………
「答えって?」
「詩音くんが寝てる私に好きって言ってくるの~」
「うんうん」
「遥ちゃん、驚かないの~」
「驚いてるよ~私から言えることは答えてあげて」
「そうした方がいいよね~」
さて明日辺りが楽しみだな~
「えっと、彼方さん?」
「私も~詩音くんの事好きだよ~」
「も、もしかしてさっきの…………」
彼方さんは首を横に振った。
まさかと思うけど…………
「詩音くんが寝てる私に好きって言ってきたときから聞いてたよ~詩音くん、私の事好きだったんだね」
全部聞かれてたのか…………ここは変に誤魔化さずに…………
「はい、俺は彼方さんの事が好きです。俺と付き合ってください」
「うん、いいよ~でも私の事だけじゃなく、遥ちゃんの事も好きになってね」
何で遥ちゃんの事も?
「私は詩音くんと遥ちゃんが同じくらい好きだから、貴方も…………」
妹思いだな…………でも彼方さんがそうしてほしいなら…………
「分かりました。彼方さん」
「えへへ~嬉しいな~折角だから…………えいっ」
彼方さんが抱きつき、そのまま倒れこんだ。何か色々と柔らかい。というか何とか理性を保たないと…………
「あたたか~い。このまま一緒にお昼寝しよ~」
「いや、それは…………」
無理矢理引き剥がすのも悪い気がする。ここは諦めて一緒にお昼寝するしかないけど…………
彼方さんの顔が近いし、匂いもいい匂いで…………
自分との戦いになりそうだよこれ…………
「二人、あんなにくっついて……寝てるなんて……あんなの……」
「わ、私と響くんもあんな風に寝ましたよ」
「そうなの?響くん」
「しずく、バラすなよ……」
「二人の仲がよくなってよかったわ」
せつ菜は顔を赤らめながら見つめ、しずくは前に泊まったときの事をばらして、歩夢お姉ちゃんに驚かれ、姉さんはニコニコしていた。
二人が遅いから迎えに行ったら、まさかの場面を目撃してしまった。
せつ菜は注意するべきか悩んでいるけど、放っておくことにしよう