想いは彼方へ   作:水甲

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06 遥ちゃんの作戦

「お姉ちゃん、もし詩音さんに寝ているときに声をかけられたら、寝た振りして」

 

私はお姉ちゃんにそんなことを伝えた。お姉ちゃんは不思議そうな顔をしていた。

 

「詩音くん、迎えに来てもらったりしてるから、寝た振りはちょっと~」

 

「いいから、きっと良いことがあるから」

 

「う~ん、わかった~」

 

とりあえず納得するお姉ちゃん。さて明日が楽しみだな~

 

 

 

 

 

 

次の日の夜

 

「ねぇ~遥ちゃん」

 

「どうかしたの?お姉ちゃん?」

 

「言われた通り寝た振りしてたら~詩音くんに~」

 

「詩音さんに?」

 

「ううん、何でもない~」

 

言いかけるお姉ちゃん。これはいい感じかもしれない。後少ししたら……今度は

 

 

 

 

それから数日後

 

お姉ちゃんが顔真っ赤にしている。やはり効果は抜群だ。さてそろそろお姉ちゃんには答えてあげるように言わないと

 

「ねぇ遥ちゃん」

 

「何?お姉ちゃん?」

 

「答えた方がいいかな~?」

 

私が言わなくても良さそうみたいだけど、ここは…………

 

「答えって?」

 

「詩音くんが寝てる私に好きって言ってくるの~」

 

「うんうん」

 

「遥ちゃん、驚かないの~」

 

「驚いてるよ~私から言えることは答えてあげて」

 

「そうした方がいいよね~」

 

さて明日辺りが楽しみだな~

 

 

 

 

 

 

「えっと、彼方さん?」

 

「私も~詩音くんの事好きだよ~」

 

「も、もしかしてさっきの…………」

 

彼方さんは首を横に振った。

まさかと思うけど…………

 

「詩音くんが寝てる私に好きって言ってきたときから聞いてたよ~詩音くん、私の事好きだったんだね」

 

全部聞かれてたのか…………ここは変に誤魔化さずに…………

 

「はい、俺は彼方さんの事が好きです。俺と付き合ってください」

 

「うん、いいよ~でも私の事だけじゃなく、遥ちゃんの事も好きになってね」

 

何で遥ちゃんの事も?

 

「私は詩音くんと遥ちゃんが同じくらい好きだから、貴方も…………」

 

妹思いだな…………でも彼方さんがそうしてほしいなら…………

 

「分かりました。彼方さん」

 

「えへへ~嬉しいな~折角だから…………えいっ」

 

彼方さんが抱きつき、そのまま倒れこんだ。何か色々と柔らかい。というか何とか理性を保たないと…………

 

「あたたか~い。このまま一緒にお昼寝しよ~」

 

「いや、それは…………」

 

無理矢理引き剥がすのも悪い気がする。ここは諦めて一緒にお昼寝するしかないけど…………

彼方さんの顔が近いし、匂いもいい匂いで…………

 

自分との戦いになりそうだよこれ…………

 

 

 

 

 

 

「二人、あんなにくっついて……寝てるなんて……あんなの……」

 

「わ、私と響くんもあんな風に寝ましたよ」

 

「そうなの?響くん」

 

「しずく、バラすなよ……」

 

「二人の仲がよくなってよかったわ」

 

せつ菜は顔を赤らめながら見つめ、しずくは前に泊まったときの事をばらして、歩夢お姉ちゃんに驚かれ、姉さんはニコニコしていた。

二人が遅いから迎えに行ったら、まさかの場面を目撃してしまった。

せつ菜は注意するべきか悩んでいるけど、放っておくことにしよう


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