不沈戦艦キイ   作:マーダー

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大分間が空いたので、前回と設定が違う場所あったら教えて下さい。本人も分かっていません


交渉?

「はい。その日本の海を閉鎖して欲しいのです」

 

「…は?」

 

「正確には現在世界の海を我々霧が封鎖しています。貴女にはその片翼を担って欲しいのです」

 

「ふむ、自己紹介で言ってなかったな。私は程度が過ぎた嘘が大嫌いだ」

 

部屋の空気が一気に冷え込む。

 

「はい、そうですか」

 

「その上でお前のお願いをもう一度聞かせて貰おう」

 

「貴女の艦の力を私たち霧の海域封鎖に貸して欲·····」

 

ヤマトが言い切るのが先か、キイが机を蹴り飛ばすのが先か、2人の間にある机が粉々に砕かれ、弾け飛ぶ。

 

チョウカイは素早くヤマトの前に立ちキイをじっと見つめ、ヤマトは笑うことこそ止めたが、特に恐れているといった顔でもなかった。

 

「貴···様は···」

 

キイが体と声を震わせながらヤマトを睨みつける。

 

「貴様は!祖国に砲を向けろと言うのか!?かつて!この身を挺して守ろうとした祖国に!臣民に!そして陛下に!この私にお国を滅ぼす片棒を担げと言うのかぁ!!」

 

キイが激昴し、チョウカイの陰に隠れているヤマトを射殺さんとばかりの顔貌で睨む。

 

「言葉を間違えました。正確には全世界の海を閉鎖するのを手伝って欲しいのです」

 

「巫山戯るなぁ!」

 

激怒したキイがチョウカイに襲いかかる。チョウカイはクラインフィールドを展開してキイの攻撃を防ごうとしたが、キイの人外じみた膂力で、フィールドごと跳ね飛ばされ、隣の部屋まで吹き飛ばされる。

 

「交渉は決裂だヤマト。そして貴様は帝国に仇なす外敵と判断した。死ね国賊!」

 

残像すら見えるキイの拳の目標はヤマトの頭。だがヤマトは避けようとしなかった。それどころかクラインフィールドすら展開せず、手や道具で防ごうともしなかった。

キイは確信した。この攻撃速度でこの距離、確実に殺れる。ヤマトがなんら抵抗を示さないことが気がかりだが殺せば問題ない。

 

しかし、先に地面に伏したのは──

 

「残念です」

 

キイであった。

キイの体は地面に勢いよく倒れ、起き上がることは無かった。

 

「貴女の力は非常に脅威です。私達霧と同等以上の力を持っています。そんな力を持つ貴女を人類に渡す訳にはいきません」

 

「総旗艦」

 

吹き飛ばされたチョウカイが戻って来た。着物が破けるどころか、着崩れてすらない。先程吹き飛ばされた筈だが、まるで嘘のようだった。

 

「その者を破壊しないのですか?我々に従わないのであれば、機能停止している今のうちに破壊しませんと…」

 

チョウカイの言っていることも尤もである。

自分達と同じ力を持つ人物が敵対してきたのである。相手が友好的でも十分に脅威だが、今は完全に敵対している。脅威はどんなに小さな芽でも摘める時に摘む方が安全で手っ取り早い。

 

「早まっちゃダメよチョウカイ」

 

ヤマトは転がるキイから目を離さないが、それはキイを警戒している目ではなく、まるで玩具を手に入れた子供のような目だった。

 

「彼女の記憶領域を覗いてご覧なさい」

 

「は?しかし私の演算力では彼女の固有防壁は突破できないかと思われますが?」

 

「騙されたと思ってやってご覧なさい」

 

渋々チョウカイはキイの記憶領域にアクセスする…と同時に驚愕の声を洩らす。

 

「···えっ?これは····」

 

チョウカイはキイの記憶を見て驚いた訳では無かった。彼女が驚いたのは、

 

「ね、驚いたでしょ?記憶領域のみならず、ほぼ全てのデータにロックをかけてないの」

 

 「不用心ですね」

 

 「不用心というかやり方が分からないという方が正しいかな」

 

ヤマトの言う通りキイはデータにロックを掛けておらず、フリーパス状態だったのだ。

 

「それに記憶を見る限りでは彼女の言うこともあながち嘘ではなさそうですね」

 

キイの記憶は新しいモノだとコンゴウに会っているが、その前にも海戦を繰り広げていたり、大きな爆発を間近で喰らい、彼女自身が沈む場面もあったりする前いた世界とやらの記憶も残っていた。

 

「結局総旗艦は彼女をどうするのですか?」

 

チョウカイは疑問をぶつける。

キイはこちらの条件を呑まなかった。つまり霧の庇護下に入らず無所属でこの世界を彷徨うということになる。

万が一彼女が人類に味方するとなると非常に脅威になる。駆逐艦、巡洋艦では相手にならず、大戦艦や海域強襲制圧艦を動員する必要があるだろう。しかし、それでは海上封鎖に支障が出てしまう。

そうなればアドミラリティ・コードの使命を全う出来なくなる可能性が出てくる。

それを回避するためここで説得する必要があった訳だが、説得に応じなかった以上ここで無力化ないし破壊する必要が出てきた。

つまりチョウカイは

「どうやって破壊するの?それとも手足でもふんじばって艦体でもぶち壊す?」と既にキイを破壊する気でいたのだ。

 

「私に任せない」

とヤマトはニッコリと笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ではこれより駆逐艦の演習に行ってくる」

 

「はい、気を付けて」

 

足音が遠のくの確認してチョウカイはヤマトに話しかける。

 

「本当にこんなこと出来るんですね…」

 

「本当にこんなこと出来るんです」

 

2人は離岸する巨大な艦を間近で見送っていた。

 

沖にはちらほらと小さな影が見えており、あれが駆逐艦だと容易に判断できた。

 

「まさか記憶を全部改ざんするとは驚きました」

 

「あら人聞きの悪い。弄ったのは1部だけよ」

 

ヤマトはキイがデータにロックを掛けれてないことを利用し、キイの記憶を都合の良いように勝手に改ざんしていたのだ。

当然キイは気付くはずもなく、"自分の記憶"に従い行動していた。

 

「あの時のヤマトの提案を受け入れた。あれは日本を害するものでなく、逆に救うモノである。霧の封鎖はあくまでも一時的なもので、いつかは封鎖を解除する。その間私(キイ)は霧に全面協力し、指揮下に加わる。それとヤマトをお姉ちゃんと呼ぶ」

といった感じで最後を除き全てキイは真実だと思い込んでいた。

 

「問題が解決したので、私も此処を離れます。彼女にはこれを渡しておいて下さい」

 

ヤマトはチョウカイに『指令書』書かれた封筒を渡す。

 

「概念伝達で宜しいのでは?」

 

「それでは人間味がないでしょう?メンタルモデルなのだから少しは人間の真似をしてみましょう」

 

ヤマトは大きく跳躍すると別の埠頭にある。自らの艦体に乗る。

 

「後を任せました」

 

「お気を付けて」

 

ヤマトは多数の護衛艦を連れてキイが出航した逆の方角へ進路を向けた。

 

 

 




投稿遅れて申し訳ない!
だって、ほら、ね?色々あるやん?(言い訳)
ていう訳で今日が空いた分急いで書いてます
次こそ戦闘シーンぶち込みますお楽しみに〜
あ、それと次の投稿は1週間以内です!
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