ロマン兵器(*だけとは言っていない)を愛する変態、異世界に転移する   作:ELDIAN

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第4話:街へといかう

 

 

 

 「いやいやいやいや……なんだよ……コレェッ!?」

 

 信じられない。退役した艦艇を座礁させて前哨基地にするくらい、信じられない(いや前例*あるけどね?)。

 

 「GPSの不具合……?いや、それはあり得ない……。じゃ、じゃあどゆこと!?」

 

 全くもって、謎である。そもそも、死んだと思えば実は生きてて森の中に……ハッ!!

 

 「まさか……本当に『異世界転生』だったのか!?」

 

 ……まぁ、うん。このシチュエーションは、おそらくソレなのだろう。いや、きっとそうに違いない!!実際、物的証拠はこうして眼前にあるわけだし。

 

 「いや、でもなぁ……」

 

 だがそうだと仮定すると、少なくとも一般常識で考えればこの世界はおかしい。異世界なのであれば、衛星があること自体信じられないのだ(偏見)。……いやまぁ、地球レベルで文明が発展している異世界があってもおかしくないのだが。

 だが、実際衛星軌道上に衛星がなければGPSは使えないはず。そのはずなのに、このスマホは確かに衛星を介して得たのであろう画像を表示しているのだ。

 

 「……自分の目で確認した方がいいな、これ」

 

 考えるだけ無駄、と言ったところか。

 変態は地図の倍率をある程度下げ、周辺に何か目印になるものがないか探す。街でもあればいいのだが。

 

 「あるじゃん、街!!」

 

 はい。街、あった。

 

 「んーとどれどれ……距離は……結構近いな」

 

 どうやら、今いる位置から見て右側約10kmほど先に、小さな街……というよりも、村に近いものがあるようだ。

 

 「よいせっと……適当に軍用車でも出して、街に向かうとするかな」

 

 変態はそうぼやくとスマホの電源を切り、バックパックへと無造作に詰め込む。それとは逆にバックパックからPadを取り出すと、後片付けと言わんばかりに『X-ジェット』を『消去』。

 それを終えると、変態は静かにちょうど良さそうな車両がないか探すのであった。

 ……あ、因みに『消去』は何気に初めてしたが、それの印象を言うとすれば『なんか一瞬で消えた』……それだけである。

 

 

 _一方その頃

 

 

 「く、クソッ……!グラティナの連中……もうこんな近くまで来てやがったのか!?」

 

 『X-ジェット』に乗り、森上空を飛行していた変態。そいつを偶然目撃してしまったのは、どこかの悪の組織でもなく、ただの一般人——運悪く木の伐採のために、この森林へと足を運んでいた木こりのハンス・ヴァーデノンであった。

 彼は今、田舎では(・・・・)特に珍しくもない馬車に乗り、馬車を引く二匹の馬とともに林道を突っ走っている。

 

 「とにかく村に知らせなければ……!!」

 

 彼がここまで急ぐのには理由があった。

 発端は2週間前……。突如として、アレース大陸南方に位置するエリス大陸の長、グラティナ帝国がエリス大陸に侵攻を開始したのだ。その侵攻速度たるや凄まじく、既にアレース大陸南部に位置する最大の半島を要した国である、フェルア共和国が陥落してしまったという。

 今の戦況がどうなっているかわからないが、彼らの住む地域にも奴らの魔の手が忍び寄る日は近いだろう。事実、彼が現在住んでいるこの地域は旧フェルア共和国領土から100キロも離れていない。侵攻を予測し、既に村では疎開準備が始まっている。ハンスは森林伐採を早々に繰り上げ村へと帰る予定だったのだが……。まぁ、あの変態が現れたおかげで大騒ぎである。

 

 「そろそろか……」

 

 林道は徐々に開けていき、道路も無舗装のソレから……無舗装のままである。

 何はともあれ森を抜けたハンスは、そのまま村へと向かう——。

 

 「ぉぉぉぉぉぉぃ!!……」

 

 「ん?」

 

 つもりだったのだが、その流れを、後ろから発せられた声が断ち切った。ハンスは反射的に後ろを振り向く。

 

 「ちょ、ちょっと……待ってくれぇ!」

 

 「なっ……!?」

 

 ハンスはそれを見て、驚愕した。こんな辺境の地……文字通り、彼の拠点である丸太小屋以外、何もない地に、何やら見慣れぬ青い服を着た男がいるではないか。

 ハンスは慌てて馬車を止めると、青い服を着た男は走って馬車へと駆け寄る。

 

 「あ、あんたこんなところで……何してるんだ!?」

 

 ハンスからの問いに、男は若干困ったような表情で答える。

 

 「えーっと…‥その……なんだ……」

 

 青い服を着た男は少し間を置き、再度口を開く。

 

 「——そう!ヒッチハイク!ちょ、ちょっと街まで連れて行ってくれないか!?」

 

 「は、はぁ……」

 

 ハンスはその答えに、若干の疑問を覚える。

 その疑問は至極単純。『戦争中にヒッチハイクなんてやる馬鹿がいるのか』ということだ。

 ただまぁ、実際そう言っている輩が目の前にいるわけで。それに、ここにもグラティナの連中がやってくるであろうことは時間の問題。彼を置いて見捨ててしまった、となるとまぁ……後味が悪い。

 

 「だ……だめ……か?」

 

 「……まぁいいさ、乗れ。街まで連れて行こう」

 

 「ほ、本当か!?……あ、ありがとう!」

 

 青い服を着た男は鞄を馬車に乗せたあと、自分も嬉々として馬車へと乗る。

 

 「乗ったな?」

 

 「あ、あぁ!」

 

 青い服を着た男は、鞄を抱えた状態で答える。

 

 「それじゃ行くぞ——馬車から落ちるなよ!」

 

 

 

 ______

 *前例:南沙諸島にフィリピンが意図的に座礁させたシエラ・マドレ号の事。艦齢76歳だけど、今日も元気に働いてます。

登場希望兵器

  • パンジャンドラム
  • E-100&Maus
  • デイビークロケット(携帯型戦術核兵器)
  • MOAB
  • ツ ァ ー リ ボ ン バ

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