えー、親しくしているマスターBTさんという作家さんにGOD EATER書いたら私も書くよ、と言ってしまって、BTさんつい先日書いてしまったので私も投稿です。
前々から設定だけはあったので楽だったんですが、一話のプロット無かったのでそこだけ誤算でした。
少し雑ですがよろしくお願いします。
幼い頃、両親は俺を庇って人類の天敵──アラガミに喰い殺されたらしい。
らしい、というのはその時より前の記憶を失っているからだ。
当然親の顔など知らない。
憶えていたのは自分の名前と、この世界が『オラクル細胞』という細胞で構成された異型の化物──荒ぶる神の如く、という意味でアラガミと呼ばれた化物が跋扈する世界だという事、そして鮮明に残る、両親を殺したアラガミの姿だけだ。
「──ドウ」
それから数年間はパッチテストに合格してフェンリル極東支部──通称アナグラの周辺に存在する外部居住区で生活していた。
度々アラガミが、防壁を破って侵入してくることがあったが特に怪我をするわけでもなく、極東支部の防衛班によって殲滅されていた。
「──おい、高──」
そして現在、俺はフェンリル極東支部、通称アナグラに来ており、アラガミから人類を守る者、
話に聞いたところ、俺ともう一人は今回から導入される第二世代型の神機、『新型』の適合者候補らしい。
候補と言っても『新型』の神機のコア──中枢を成す核の事──は二つあり、ほぼ『新型』の神機使いになる事は確定している。
ただ、その適合試験なのだが、ガッチガチの防壁でできている試験場で行う事から、結構危ないと思われる。
確かに、この試験を受ける前に、適合しなかったら神機に捕食されると言われたが……流石に怖いな。
「聞いて──神シド──」
そういえば、さっきから声がかかっているような気がする。俯いていた顔を上げて、声のする方へ向けるとそこには、
鬼がいた。
「やっとこっちを向いたか。
大人の色香を漂わせる、白色のフェンリルの制服を着た女性が青筋を浮かべながら俺の名を呼んだ。
俺はその女性を見て顔が引き攣るのを感じた。
「さっきからずっと呼んでいたのだがな。まったく……まぁいい。それより、次はお前だ」
「は、はい。すみませんでした」
どうやら、俺の前に試験を受けた人は合格したのか、次は俺に回ってきた。
俺は女性に頭を下げて、試験場の扉を開く。すると、俺の視界に飛び込んできたのは、部屋の真ん中に置かれたプレス機のような機械。
その機械の上に載せられているのは、これから俺の神機となるのだろう、銀色に統一された大きな剣状のもの。
『長らく待たせてしまってすまない。これより適合試験を始める。なに、緊張しなくていい。リラックスした方が良い結果が出るだろう。準備が出来次第、前に出給え』
上で、ガラス越しにこちらを見ている人が俺に、スピーカーでそう言った。
俺は深く深呼吸をし、一歩、また一歩と前に進み出た。
プレス機のような機械の前に立ち、スピーカーから、神機の柄を握るように伝えられる。
俺は言う通りに従って、赤いU字の台のような場所に手首を置いて神機の柄を握った。
数秒経ったと思って瞬間、
「ぐっ!? あ゛、ああぁぁぁぁぁっ!?」
ガシャンと勢い良く上から、強く挟まれたと思いきや、赤いU字だったものは腕輪状になり、そこから何かが身体の中に入ってくるのを感じた。
とても不快で、とてつもなく痛い。立っているのがやっとの状態で、俺は痛む右腕を左手で押さえ付けた。
暫く痛みで悶絶していると、プレス機が離れ、俺の右腕には赤く大きな腕輪が装着されていた。
神機使いが普段付けている腕輪だ。これで、神機の制御を行うらしく、この腕輪は一生取れなくなる。
腕輪からは黒い瘴気のような煙が出て、少し禍々しい印象を受ける。
やっと痛みが引き、俺は神機を持ち上げて掲げて見せた。
照明の光に照らされた白銀の神機は、刀身をキラリと輝かせた。
すると、柄の根本付近にあるオレンジ色に光るコアから一本の触手のようなものが、一つの穴が空いた腕輪に突き刺さると、俺の手の甲に黒い脈のようなものが浮かび上がった。
『おめでとう。これで君は晴れてこの支部二人目の新型神機使いとなった。健闘を祈るよ』
神機を少し振っていると、スピーカーからそう声がした。
何はともあれ、これで適合試験は終わったようだ。
──右腕が凄く痛くて正直泣きそう。
✕ ✕ ✕
試験場を出て、神機の整備士をしているという、鈍色のショートカットの髪をした、顔に油がついた少女──
「確か、俺と同じ新型の人がいるはずなんだけど……」
広いエントランスを見渡してそれっぽい人を探す。
時間が別だったから姿見てないんだよなぁ。
うーん、うーん、と唸っていると突然肩に手を置かれた。
「高神シドウ、適合試験が終わって直後で悪いが、ついてこい」
俺の肩に手を置いているのは、さっきの白い制服を着た女性だった。
俺はコクリ、と頷いて先に歩く女性を追いかけた。すると、任務の受付近くに置いてあるソファに、二人の少年少女がフェンリルの制服を着て座って談笑していた。女性はその二人の目の前まで歩いて立ち止まる。
「立て」
「「え?」」
急にそう言われ、橙色の髪をした少年とポニーテールにまとめられた金髪に緑眼の少女が頭上にハテナを浮かべた。
「立てと言っている。立て!」
女性の鋭い叱責により、二人はバッ、と立ち上がった。俺もその声で少しビクッ、と肩を震わせた。
立ち上がった彼らを見た女性はふむ、と頷いて、鋭い視線を俺と二人に向ける。
「私の名は
「「は、はい」」
「はい!」
「高神は良し。どうしたそこの二人、返事が小さいぞ!」
「「はい──ッ!!」」
こ、怖かった。逆らったらメッタメタにされそう。
雨宮教官は二人の返事を聴いて一つ頷き、手に持っているバインダーに目を落とした。
「これから三人にはメディカルチェックを受けてもらう。最初は
「「「はい!!」」」
今度は二人も大きな声で返事をし、雨宮教官はひとつ頷いて去っていった。
教官の背中が見えなくなった後、橙色の髪をした少年が大きな溜息をつく。
「こ、怖かったぁ……」
「はは、確かにね」
金髪の少女が笑って肩に手を置く。
おそらく、この二人の内一人がさっき俺が探していた、俺と同じ新型神機使いなのだろう。
そう考えていると金色のポニーテールを揺らして、少女が俺の方を見た。
「あっ、君が高神シドウ君?」
「あ、あぁ」
「はじめましてっ! 神薙ユウっていいます! ユウでいいよー! あたしと同じ新型なんだよね、シドウ君って」
快活そうな笑みを浮かべて神薙ユウと名乗る俺の一、二歳くらい上の少女が元気に挨拶してくる。
彼女の勢いに負けて、黙って頷くとそっか! とまた笑って俺の手を握った。
「同じ新型同士よろしくねー!」
「あ、あぁ……よろしく、お願いします……?」
戸惑いながら手を握られていると、隣で苦笑いを浮かべている少年が目に入る。
「あはは……。びっくりするよなー、やっぱ」
「こんなにコミュニケーション能力高い人初めてなんだけど……」
「だよなー! ほら、ユウ! 困ってるから離してやれよ」
「はーい」
少年のおかげでなんとか俺の手は解放された。
ぶんぶんとまぁ、まだ痛む腕を振ってくれた。マシになっていた痛みがまたぶり返しそうだ。
「オレは藤木コウタ。コウタでいいぜー! 旧型だけどよろしくな!」
「高神シドウだ。よろしくコウタ」
今度はコウタと握手を交わす。ユウとは違ってぶんぶんと振ってこないので安心した。
今度一緒に飯行こーぜ、と笑って言ってくれたので俺も笑って頷く。
「ずるい! あたしも混ぜてよー」
「わかったわかった。じゃあオレ、メディカルチェック行ってくるなー! またな二人ともー!」
じゃれて来るユウをあしらってコウタは手を振ってエントランスに設けられたエレベーターの方へ向かっていった。
「じゃ、あたし達は順番まで待ってよう!」
ユウはそう言ってさっきまで座っていたソファに腰掛ける。隣をポンポンと叩くあたり、俺に座れと促しているようだ。仕方ないので素直に従ってユウの隣に座る。
「シドウ君の神機ってどんなやつなの? あたしのは茶色の剣ですごいダサかったんだけど」
「君はつけなくていい。俺のは全部色統一されてたぞ」
「りょーかい! いいなー、何色だったの?」
「銀色」
「鉄?」
「違うと思う」
あれは鉄っぽい色じゃなくて貴金属の銀っぽかったんだよな。なんの素材でできてるかリッカさんに訊くか。
「そういえばシドウって何歳なの? 身長的にあたしより下っぽいけど」
「十四」
「あ、やっぱり下なんだ。あたしは十五!」
「ひとつしか変わんないじゃん」
俺がそう言うと、ユウはそうだけどさ、と食い下がる。
「それでもあたしはひとつお姉さんなんだしなんかあったら言ってね」
「……まぁ、なんかあったら」
朗らかに笑うユウを見る限り愛想で言っているわけではないようだ。少ししつこいけど悪いやつではないし話していれば話すのが好きなのだとわかる。
そうして彼女と話し、住んでいた外部居住区の話だったり、そこで起きたことを話した。
コウタのメディカルチェックが終わったらしく、先輩の神機使いが来てユウを連れていった。
「また明日ねー、シドウ!」
「へいへい。前向いて歩けよ」
はーい、と言いながらこちらに手を振る彼女を見送り、俺は一人でソファに座る。やけに静かに感じるのはさっきまでうるさいのがいないせいだろう。
周辺を見回すと神機使い達がターミナルでなにかを調べたり素材の管理をしている。
すると、近くのゲートが開き、何人かの神機使い達が喋りながら帰ってきた。
「くっそー! 次は負けねぇからなカレル!」
「ふん、聞き飽きたぜそのセリフ」
「はいはい、その辺にしときなさいよ二人とも」
「それよりヒバリちゃんたっだいまー!」
「またか、タツミ……」
「あ、あはは……」
アナグラに帰ってきたのは六人のゴッドイーター。
赤いジャケットを着た熱血っぽい男性が受付の少女に声をかけている。俺はそれを遠目から見て、受付の人に同情の眼差しを送った。
ふと、赤いジャケットを着た男性の後ろにいる人達に目がいき、その中でも若い少年を見た。
「あれ、シュンさん?」
「ん? お、シドウじゃねーの!」
思わず声が出てしまい、それに気付いたシュン──小川シュンがニッ、と笑ってこちらに歩いてくる。
「そっか、今日だったな適合試験!」
「うん、合格したよ。今メディカルチェック待ち」
「あー、アレな。眠くなって気付いたら終わってっから」
「え、なにそれ」
シュンさんとは、外部居住区にいた頃にアラガミが防壁を破って来た時に助けてくれた時に知り合った。ちなみにシュンさんと同じ部隊の人達とも知り合いだ。
俺に気付いたのか、その人達もやって来た。
「あら、シドウじゃない。おめでとう、合格したのね」
ジーナ・ディキンソンさん。真っ直ぐな銀色の髪で、左目は眼帯で覆われている女性。あとはちょっと直視できないくらい大胆な紫色の服を着ている人。
「ありがとうジーナさん」
「新型なんだろ。訓練が終わったら、まぁ任務に連れてってやる」
そのジーナさんの後ろから現れたのは癖のある金髪の目付きの怖い男性。カレル・シュナイダーさん。少しだらしない服の着方をする人だ。
「珍しいわね、カレルがそんなこと言うなんて」
「うるせぇぞジーナ」
「じゃ、落ち着いたらお願いします、カレルさん」
「そん時はこのシュン様の剣捌きを見せてやるぜ!」
珍しそうなものを見る目をするジーナさんにカレルさんが顔を引き攣らせながら毒づく。そんな二人を無視して、シュンさんは胸を張って嬉しそうに笑う。
なんだかんだ言い合っていてもこの三人はいい部隊なんだろう。
「おーい、お前らーそろそろ行くぞー」
受付の両サイドに設けられた階段の上、エレベーターがある階から、先程の赤いジャケットを着た男性が手を振ってシュンさん達を呼んだ。
「行くか」
「それじゃあね、シドウ」
「じゃあなシドウ!」
三人に手を振って別れ、俺はまた一人に戻った。しかし、シュンさん達と話していたのを見ていたのか、受付の女性がふふっ、と小さく笑う。
俺がそちらに目を向けると、彼女はあ、と声を出して頭を下げた。
「すみません、つい」
「いえ、そっちこそ大変でしたね絡まれて」
「あはは……タツミさんのはいつものことなので」
いつものことなんだ、アレ。
「わたし、竹田ヒバリと申します。任務やその他受付はわたしにどうぞ」
「高神シドウです。よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いしますね!」
流石受付。笑顔が眩しい。俺の住んでた外部居住区にいなかったぞ、ここまで眩しい笑顔。
そのあと先程のシュンさん達以外の三人のことを教えてくれたり、アナグラの地図を出して簡単な説明をしてくれたりしてくれた。
「あ、シドウさん。そろそろメディカルチェックのお時間です」
「やっとか……」
結構長かったな。ユウが寝なかったとか? そりゃないか。
✕ ✕ ✕
少しした後に先輩神機使いが迎えに来てくれた。その先輩の背中を追って、エレベーターを使ってラボラトリに向かう。
サカキ博士の研究室の前で先輩神機使いとは別れ、俺は今その博士の前に立っている。
「遅くなってすまない。私はペイラー・
「俺の適合試験にいたあの人か」
「うん。新型神機使いは貴重だからね。さて、お喋りもこれくらいにして君のメディカルチェックを済まそう。なに、君は寝てるだけでいい」
気付いたら終わっているから心配しなくていい、と言われ、俺は研究室の奥の部屋に寝かされた。
「そういえば、君の神機は少し面白い機構が組まれていてね。私とリッカくんが組んだんだ。ぜひ、使って欲しい」
眠りに落ちる寸前、サカキ博士がそんなことを言ってメディカルチェックに取り掛かった。
面白い機構、か……訓練の時に、使って……みようかな……。
意識が途切れ途切れになりながら、俺はそんなことを思った。
神薙ユウは女の子にして原作通りいい所は取って行ってもらう、というのが今回のスタンス。
オリ主のシドウくんは2から本領発揮してもらいたい。長いけど書き続けますのでよろしくお願いします。
感想、評価お待ちしております!