戦闘シーンが物足りなったですが、楽しめました。
二期やらないかなぁ。
前回のあらすじ
メイド服って萌えるよね
「んーと、ここをこうして…こうか」
自宅に帰ると、衣装が届いていたのだがスーツなんて着たことないので悪戦苦闘である。
なんか衣装と一緒に、『
「そういうことやってるから仕事が片づかないんだよ…。うし、こんなもんかな?」
鏡で確認してみるが、正直よくわかんらんでござる。
コン、コン
「勇さん、入ってもよろしいでしょうか?」
「うん、いいよ」
鏡と睨めっこしていると、別室で着替えていたアスタルテの準備も終わったようだ。
「お待たせしました」
「いや、俺も今終わったところだよ。にしても…」
入室してきた彼女のドレスを見てみる。
色は髪と同じ藍色で、普段着ているメイド服と同じように肩と背中が露出しているワンピースだった。
「へ、変でしょうか?」
「ん?よく似合ってるし、可愛いよ」
「あ、ありがとうございます」
不安そうに尋ねてきたので、思った通りの感想を述べると、頬を少し赤く染め俯きながらお礼を言うアスタルテ。
「んじゃまぁ、行きますかねぇ」
「あ、勇さんお待ち下さい」
準備も出来たので玄関に向かおうとすると、アスタルテが何かに気がついたようで呼び止めてきた。
「どしたの?」
「すいません。ネクタイが曲がっていたので」
そう言うと俺の目の前まで移動して、ネクタイのズレを直してくれる。
「ありがとうね」
「いえ、お役に立てて嬉しいです」
本当に嬉しそうにだなぁ。って言ってもそれに甘えてもいかんが。
「っともう時間がないや、行こうアスタルテ」
「はい」
時計を見ると、迎えが来ると言う時間になろうとしていたので、少し急いで家を出るのであった。
マンションを出ると、玄関前に黒塗りのベンツが停まっており、チャイナドレス風の衣装を着た俺と同年代と見られる小女が出迎えてくれた。
「神代 勇様ですね。獅子王機関、”舞威媛(まいひめ)”煌坂 紗矢華と申します」
「神代 勇です。よろしくお願いします」
煌坂と名乗った少女が、丁寧にお辞儀してながら名乗りを上げたので、同じようにお辞儀しながら名乗った。
「そう畏まらないで下さい。あなたは主賓なんですから」
「い、いやぁこういうの慣れてなくてあはは…」
一応習ってはいるんだけど、実践したことが殆どないんだよね。
「そちらにいる方が、ご同伴される方ですね?」
「はい、アスタルテです」
煌坂さんが、俺の隣にいるアスタルテの方視線を移しながら確認すると、軽く会釈しながら答えるアスタルテ。
「承知しました。では、参りましょうか」
そう言うと、煌坂さんがベンツの後部ドアを開けてくれる。
俺とアスタルテが乗り込むと最後には彼女も乗り、ドアが閉められゆっくりと車が走り出す。
「にしてもベンツとは、蛇がいらん気を使いおって」
「アルデアル公は、貴方にお会いになるのを、とても楽しみにされておりましたから」
「さいですか…」
思わずしかめっ面になってしまう。蛇めこっちは微塵も会いたくねぇつーの。
「あの、一つお聞きしたいことがあるのですが」
「ええ、いいですよ」
「アルデアル公とは、どのようにしてお知り合いになられたので?」
煌坂さんが、気になってしょうがないといった口調で尋ねてきた。
ただの攻魔官が、
「ああ、今年の春に
「今年の春にですか?」
考え込むような仕草をする煌坂さん、思い当たる事件が無いか考えているのだろう。
「公にはなってないですし、獅子王機関でも知ってるのは”三聖”位のもんでしょうね」
「そんな事件が…」
煌坂さんが息を呑む。自分の所属する組織のトップの名前も出てくれば無理もないな。
「で、その事件で殺し合ったんですよ。経緯は省かせてもらいますけど」
「え?」
俺の回答に目を丸くする煌坂さん。自分でもどうしてそうなったんだよと思うよ。
「それで、何か気に入られたみたいで暫く付き纏われましてね…。ははっ」
「それは、大変でしたね…」
乾いた笑いを出す俺に、同情の眼差しを向けてくる煌坂さん。彼女もアイツの監視に苦労しているようだ。
「まあ、この話はもういいでしょう。獅子王機関って言えば最近、学校の後輩に剣巫の子がいるんですけど」
「!それって、もしかして姫柊 雪菜って言いませんか!?」
身を乗り出すように尋ねてくる煌坂さん。
「あ、ああ。知り合いなの姫柊とは」
「ええ!高神の杜(たかがみのもり)ではルームメイトでね!それはもう天使のような可愛さで…!」
「すげぇ嬉しそうだなぁ。つーか素が出てるがな…」
「おもしろい人ですね」
とても幸せそうに姫柊の自慢話をする煌坂さんを、暖かい目で見守る俺とアスタルテ。
その後、目的地まで延々と姫柊との思い出を語り続ける煌坂さんであった。
車が停車し降りると、眼前に海と馬鹿でかい船が目についた。ここは絃神港か。
「この船、朝モノレールから見えてたのだな」
「”
「趣味悪い名前だなぁ。アイツと一緒に沈んじまえばいいのに」
「不吉なこといわないでよ…。色々と外交問題とかになるから」
目の前の船を眺めながら本音を呟くと、隣に立っていた煌坂が半目で睨みつけられたでござる。
え、タメ口になってるって?姫柊について話していたら仲良くなったんだな。
「何度も言うけど絶対に問題は起こさないでよね。あなたには特に注意するようにって言われてるんだから」
「失敬な。俺は獅子王機関に目をつけられるようなことはしてないぞ。ちょっと三聖の長に喧嘩吹っかけたことならあるけど」
「滅茶苦茶あるじゃない!そんなことしたのあんた!?よく生きてたわね!?」
信じられない物を見るような目で俺を見てくる煌坂。うん、確かに死に掛けたね。
「俺は気に入らないことがあれば容赦なく潰すし、それを邪魔する奴には噛み付くだけだ」
「獅子王機関が何であんたを警戒しているか、わかった気がするわ…」
呆れたような顔をしながら納得した様子の煌坂。俺をそんな哀れんだ目で見るんじゃない。
「今回は情報を聞き出すだけだから大丈夫さ。ついでに美味いもんでも食ってくけど」
「本当かしら」
「そんな怪しまないでよ。傷つくから」
物凄く疑わしい者を見るような目つきをしないで頂きたい。俺のハートはガラスなんだから。
「つーか、そろそろパーティ始まらない?」
「そうね。行きましょう」
煌坂の先導に着いて行こうとするが、アスタルテが立ち尽くしたままであった。
「どうしたのアスタルテ?」
「この胸に
「まさかのジェラシー!?」
ふふふっと背後からどす黒いオーラを放って、無表情で笑うアスタルテ。怖っ!?
「他の女の人と話すくらいいいじゃん!」
「わかってはいても抑えられないんです。ふふ」
「笑い方が可笑しいよアスタルテ!」
あかん!この子ヤンデレか!?刺されるの?あなたを殺して私も的なことになっちゃうの!?
「いかんぞアスタルテ!この作品のヤンデレ枠は原作メインヒロインだぞ!」
「メタはアウトです。勇さん」
「何してるの!早く来なさい!」
もたもたしてたら怒られたでござる。
受付を済ませ船内に入ると、テレビなんかで見たことがある顔ぶれが見えた。
「さすが、大物さんがわんさかだねぇ」
「そりゃぁ
吸血鬼それも”古き世代”ともなると、一人で小国並みの軍事力を持ってるも同然だからな。ましてや真祖に最も近いと言われる蛇だ、政治家さんのストレスもマッハだろうな。
「つーか、浮いてるよね俺達?」
明らかに場違いですよ的な空気を感じるんですけど。
「正式な招待を受けてるんだから、堂々としていればいいのよ。ほら、アルデアル公の部屋はこっちよ」
もう帰りたい気持ちを何とか抑えて煌坂の後を着いて行くと、ひときは豪勢な扉が見えてくる。
「ここがアルデアル公の部屋よ。絶対に失礼のないようにしなさいよ。何があっても我慢するようにね」
「わかってますって」
「じゃあ、いくわよ」
神妙な面持ちで念を押す煌坂に頷くと、ドアをノックする煌坂。
「アルデアル公。神代 勇様をお連れしました」
「ああ、入りなよ」
ドア越しのやり取りを終えると、ドアを開け入室する煌坂に続く俺とアスタルテ。
「やあ!会いたかったよ、僕の勇!」
部屋に入ると、純白のスーツを着込んだ金髪碧眼の男。ディミトリエ・ヴァトラーが腕を広げて、不吉なことをほざきながら出迎えて来た。
「死ねやボケェェェェェェェェエエエッ!!!」
一瞬で我慢の限界を超えてしまい。ヴァトラーの腹部に、助走をつけてとび蹴りを叩き込んでやると、盛大な轟音と共に壁をぶち抜いていった。
「え、えええぇぇぇぇぇぇえええ!!??」
その一部始終を見ていた煌坂の絶叫が船内に響き渡ったのだった。