ハイスクールD×D ~神魔兄弟の奮闘~   作:さすらいの旅人

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明けましておめでとうございます。

新年早々にすみませんが、今回は短いです。


第一話

 翌日の放課後。

 

 下校時間間近だが、俺達は気にしてないようにお茶を飲んでいる。イッセーたち二年生がやる予定の修学旅行の話を聞きながら。

 

 顧問であるアザゼルは今日部室に来ていない。この所、冥界に帰って各勢力との談合を行っている。本来であれば元トップの聖書の神(わたし)も参加すべきと思われるが、三大勢力の助っ人と言う立場である為に極力参加はしない。と言うより、積極的に参加したら聖書の神(わたし)がトップを退いた意味が無いしな。

 

「そう言えば、二年生は修学旅行の時期だったわね」

 

 リアスは優雅に紅茶を飲みながら言う。

 

「確か前に兄貴から聞いた話だと、部長と朱乃さんも京都に行ったんですよね?」

 

 イッセーの質問に朱乃が答えようとする。

 

「そうですわ。部長と一緒に金閣寺、銀閣寺と各所を回ったものですわ」

 

「そうね。けれど、意外に三泊四日でも行ける場所は限られてしまうわ」

 

 リアスが頷きながら話を続けようとする。

 

 イッセー達に計画的な行動をするように言ってると、朱乃が途端にリアスの失敗談を語ってくれた。最後に訪れる予定だった二条城に行く時間がなくなってしまい、駅のホームで悔しそうに地団太踏んでいたと。

 

「成程。だからあの時、リアスがおかしな行動をしていたって事か。これで漸く謎が解けたよ」

 

「リューセー、もしかして見てたの……!?」

 

 俺の呟きに反応したリアスが、頬を赤らめながらこちらを見る。

 

「ああ。二条城を見た後、駅のホームへ戻った時にリアスの姿を見かけてな。『上級悪魔のリアス・グレモリーに一体何が起きた?』ってな感じで」

 

 言うまでもないが、当時の俺は悪魔のリアス達に素性を知られないよう、普通の一般人として振舞っていた。

 

 あの時は安倍も含めた数人のクラスメイト達とグループで行動していて、偶然に地団太を踏むリアスを見た時は驚いたよ。一緒にいた安倍は俺と同じく疑問を抱いていたが、他のクラスメイト達は戸惑いつつも麗しのリアスを見れてラッキーだとはしゃいでいた。

 

 俺が去年の事を軽く説明すると、リアスは更に恥ずかしくなったのか、両手で赤くなっている顔を隠そうとする。

 

「まさか、リューセーだけじゃなく清芽さんにまで見られていたなんて……!」

 

「あらあら、うふふ」

 

 予想外に醜態を晒してしまったと後悔するリアスに、面白そうに見ている朱乃。

 

 因みにリアスが二条城へ行けなかった理由は、日本好きに加えて憧れの京都だった為、必要以上に町並みや土産屋に目が行って時間が掛かってしまったらしい。それだけ京都が楽しみだったと言うのがよく分かったよ。

 

 すると、イッセーが何か気付いたように尋ねようとする。

 

「修学旅行で訪れるまで京都へ行かなかったんですか? 移動は魔法陣ですればいいと思うんですが」

 

 そう言うイッセーに、リアスは人差し指をノンノンと左右に振った。

 

「分かってないわね、イッセー。修学旅行で初めて京都に行くからいいのよ? それに移動を魔法陣でするなんて、そんな野暮な事はしないわ」

 

「憧れの京都だからこそ、自分の足で回って、空気を肌で感じたかった。ってか?」

 

「その通りよ、リューセー」

 

 俺が繋げて言うと、リアスは正解だと頷く。

 

 日本好きなのは知っているが、リアスって本当にこういう関連は夢中になるなぁ。

 

 確か以前、次期当主になっても人間界と冥界を行き来しながら生活したいって俺とイッセーに言ってたし。

 

 それはそうと、今回の修学旅行にアザゼルも同行するとイッセーが言ってた。どうやらアイツも京都を堪能したいようだ。

 

 用意されたお茶を飲み干した後、リアスは話題を変えようとする。

 

「修学旅行もいいけれど、そろそろ学園祭の出し物についても話し合わないといけないわ」

 

 そう。リアスの言う通り、今回オカ研の議題は学園祭の出し物だ。

 

 駒王学園は、体育祭、修学旅行、学園祭は間が短くて連続で行う。行事関連は特に二年生が大変だ。

 

 朱乃からプリントを受け取ったリアスは、すぐにテーブルの上に置いた。これはオカ研の出し物を書いて生徒会に提出する物となっている。

 

 提出は本当ならもう少し先になるが、リアスはイッセーたち二年生の修学旅行を考慮して、早めに決めて提出する事になった。イッセー達が修学旅行に行ってる間、三年生と一年生で準備が出来るからな。

 

 修学旅行だけでなく、学園祭をやる事にアーシアとゼノヴィア、そしてイリナも楽しみにしている。教会トリオは、こういったイベントが大好きだからな。はしゃぐ気持ちは分かる。

 

「確か去年は……お化け屋敷でしたっけ? 俺と兄貴、その時は所属してませんでしたけど、本格的な作りで話題になってましたよ」

 

「そう言えば去年ウチのクラスメイトから聞いたが、随分リアルだったと言ってたぞ。まるで本物のお化けにしか見えなかったって」

 

 俺とイッセーは当時、オカ研を警戒してお化け屋敷に入らなかったから、話を聞いただけに過ぎない。

 

「そうね。本物のお化けを使っていたのだもの。それは怖かったでしょうね」

 

 さらりと言ってのけるリアスに、俺とイッセーは驚いた顔をする。

 

「ほ、本物だったんですか……?」

 

「おいおい、そんな事して大丈夫だったのか?」

 

 俺たち兄弟からの問いに、リアスは平然と笑顔で答える。

 

「ええ。人間に害を与えない妖怪に依頼して、お化け屋敷で脅かす役をやってもらったわ。その妖怪たちも仕事がなくて困っていたから、お互い丁度良かったのよ」

 

「いやいや、俺が訊いたのはそっちじゃない。そんな反則的な事をやったら生徒会が絶対に黙っていないと思うんだが」

 

 俺が細かく言うと、朱乃がリアスの代わりに応えようとする。

 

「リューセーくんの仰る通り、後で生徒会に怒られましたわ。当時副会長だったソーナ会長から、『本物使うなんてルール無視もいいところだわ!』って」

 

 矢張りな。あの真面目なソーナが見逃す筈がない。

 

 ってか、本当にルール無視もいいところだぞ。

 

「って事は、今年もお化け屋敷ですか? だったら段ボールヴァンパイアのサーカスでもやりますか?」

 

「ははは。それは名案だ、イッセー。引き籠もりを更に改善させる案としては良いかもしれないな」

 

 俺たち兄弟の発言にギャスパーがぷっくり頬を膨らませて、すぐにイッセーの頭をポカポカと叩く。

 

「先輩たちのいじわるぅぅぅぅっ! すぐに僕をネタにするんだからぁっ! 特にイッセー先輩はぁ!」

 

 ギャスパーはイッセーが卒業するまでは弄られるだろう。まぁその分、イッセーもイッセーで、貴重な男子の後輩の面倒を見る事になっている。

 

 にしても、ギャスパーは凄く進歩したよ。今までは俺が何とかしようと時間を掛けていたと言うのに、イッセーに任せた今はこうして部室で俺達と談笑してるんだよな。改めて考えると、イッセーは本当に凄いよ。流石は俺の弟だ。

 

 俺の考えを余所に、イッセーからの提案にリアスは悩んでいる様子だった。

 

「取り敢えず、新しい試みを――」

 

 リアスがそこまで言ったところで、全員のケータイが同時に鳴った。

 

 それが何を意味しているのかを知っているので、俺達は顔を見合わせていた。

 

「お前達、行くぞ」

 

 俺がそう言うと、リアス達はコクンと頷いて行動を開始する。




今回は話を区切る為に短くなってしまいました。
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