ハイスクールD×D ~神魔兄弟の奮闘~   作:さすらいの旅人

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今回は前話が長かったので短い幕間話としました。


幕間

「なぁ朱乃、父親のバラキエルと話し合う気はないのか?」

 

「……あの人は、私の父なんかじゃありません」

 

 オーディンとアザゼルが風俗店へ向かった後、俺は朱乃と二人で話をしようと五階の廊下にいる。フレイヤには朱乃と大事な話があるから離れるよう言っており、今も最上階のVIPルームにいる。

 

 因みに俺が朱乃を連れて行くのを見たバラキエルが後を追おうとしていたが、来ないように言っておいた。このまま付いて来たら絶対に話し合いにならないのが分かっていたので。

 

 朱乃は俺からの問いに冷たく鋭い声で否定する。不機嫌極まりないと言わんばかりの表情で。

 

「どんなに否定した所で、バラキエルはお前の父親だよ。それにアイツもあの時、お前を父として心配を――」

 

 バラキエルをフォローする為に言いかけるが、途端に朱乃は言い放った。

 

「断じて父親じゃないわっ! もしそうなら、あのとき来てくれた筈よ!? 母さまを見殺しになんてしないわ!」

 

「………………」

 

 どうやら思っていた以上に朱乃とバラキエルの確執は深いようだ。と言うより、朱乃が一方的に嫌っているか。

 

 何とか話をしようとするバラキエルに、朱乃が頭ごなしに何もかも否定している。これじゃ和解なんて無理だな。まぁバラキエルも堅物で口下手な為、今もこうして和解しないのも問題だが。

 

 因みに俺は二人が不仲な理由を既にアザゼルから聞いている。本当なら親子間の話に首を突っ込みたくはないが、バラキエルが今後も俺達と会う事があるので、事情を知っておく必要があった。

 

「一つ訊こう、朱乃。バラキエルが母親を見殺しにしたと、本気でそう思ってるのか? アイツがそんな薄情者じゃないって事は、娘のお前が一番に分かっている筈だが」

 

「っ………」

 

 俺の台詞に朱乃は戸惑いの様子を見せる。

 

「即座に否定しないのは、分かっているみたいだな。なら良い。急に呼び出して悪かったな」

 

「……え?」

 

 確認した俺は話を終えて去ろうとすると、朱乃は次に素っ頓狂な声を出した。

 

「あ、あの、リューセーくん……」

 

「ん?」

 

「話はもう、終わりなの?」

 

「ああ、終わりだよ。こんな場所でお前にああだこうだと追求する気は無いし、偉そうに説教する気も無い。後はお前自身がどうにかする事だ」

 

 余りにも予想外過ぎると言う感じの朱乃に、俺は振り返らずに思ったままの事を口にする。

 

 自分から話を振っておいて、それはどうかと思われるだろう。俺が土足で踏み込むようにズケズケと言ったところで、却って朱乃の心を傷付けるだけだ。それどころか、余計にバラキエルとの関係が拗れてしまう。

 

 なので俺は、朱乃がバラキエルの事をどう思っているかの確認だけで済ませた。その結果、口で否定しても、内心ではバラキエルを父親と見ている事に俺は気付いた。なので後は、朱乃が動いてくれるのを待つだけだ。

 

「まぁ敢えて言うなら……そろそろ重い腰を上げて、一歩進んでみたらどうだ? その先でずっとお前を待ち続けている奴の為にもさ」

 

「え?」

 

「俺からはここまでだ。そんじゃ」

 

 遠回しな言い方だが、朱乃は理解してる筈だ。俺の言いたい事を。

 

 朱乃と別れた俺は廊下を突き進んだ後に左へ曲がると――

 

「盗み聞きとは感心しないな、イッセー」

 

「何だよ、やっぱ気付いてたのか」

 

 そこには隠れるように立ち止まっているイッセーがいた。向こうにいる朱乃は未だ立ち止まっているが、こちらには気付いていない様子だ。

 

「これでも闘気(オーラ)を消してたんだけどな……」

 

「完全には消えてなかったぞ。気付いてないから言っておくが、今のお前は今も闘気(オーラ)が垂れ流し状態になってるぞ」

 

「え、マジ?」

 

「ああ、マジだ」

 

 俺からの指摘に、驚いた顔をするイッセー。

 

 知っての通り、イッセーは悪魔に転生した事で身体能力の他に闘気(オーラ)も上がっている。特に闘気(オーラ)は人間の時と比べると、かなり上昇している。

 

 その為に今まで通り抑えても、上昇した分の闘気(オーラ)まで抑える事が出来なかったって訳だ。

 

 どうやらイッセーには、闘気(オーラ)の調節と制御の修行をもう一度やらせる必要があるな。こんな不安定のままでいると、下手をしたら暴走してしまう恐れがある。

 

 まぁ、それは後でやるからいいとしてだ。今は――

 

「それはそうとイッセー、いきなりで悪いがこのまま朱乃と鉢合わせて、少しの間だけ話し相手になってくれないか?」

 

「え? ……まぁ、それ位なら良いけど」

 

「頼んだぞ」

 

 朱乃にはイッセーで慰めて貰うとしよう。

 

 そして俺の言う通りに動くイッセーは、偶然を装って朱乃と会って話をしようとする。

 

 向こうに気付かれないよう盗み見ると、その先には朱乃がイッセーを抱きしめていた。突然の抱擁に戸惑うイッセーだが、何かを察したようにそのまま優しく抱こうとしている。

 

 確認した俺は即座に去り、VIPルームにいるバラキエルやリアス達には適当に誤魔化していた。




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