奥特曼†夢想 ‐光の三雄伝‐   作:焼き鮭

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超パワー激突!!

 

 馬に跨り、城塞へ突撃してく孫軍の騎馬に混じってオレも走ってくが、城が近くなってくると、その瞬間に城壁から矢が雨あられと飛んできた。

 

〈孝矢〉「うおおあぁッ!?」

 

〈雪蓮〉「孝矢、私の後ろに!」

 

 仰天するオレの前に、雪蓮の馬が入り込んでくる。

 

〈雪蓮〉「焦らないで! よく見ればよけられるわ!」

 

〈孝矢〉「よけられるって……!」

 

 そうは言っても、それこそ雨のように降ってくるぞ! 当たったら痛いじゃ済まされねぇ……! それを思うと、恐怖で顔が引きつる。

 

〈雪蓮〉「はぁぁっ!!」

 

 だが雪蓮は剣を抜いて、馬を操りながら向かってくる矢を的確に弾き返す。

 

〈孝矢〉「すげッ……!」

 

 オレに飛んでくる矢までも、雪蓮が弾いてくれる。すげぇ腕だ……。

 だが、このまま守られっぱなしでいいのか? オレだって男だ、あんまおんぶにだっこじゃいられねぇ。それにオレだって、ULの怪物とまで言われた強打者だ。こっちに向かって飛んでくるなら、矢もボールも同じだ! やってやれねぇことはねぇッ!

 

〈孝矢〉「うおおぉーッ!」

 

〈雪蓮〉「孝矢!?」

 

 決意して雪蓮の後ろから飛び出すと、護身用の剣を抜いて、飛んでくる矢をしかと見つめる。

 大丈夫だ、集中しろ! 確かに目で追えるッ!

 

〈孝矢〉「どりゃあッ!」

 

 思いっきり剣を振るうと、刀身が鏃に当たって、見事打ち返した!

 や、やったッ! オレにも防御できたぜ!!

 

〈孝矢〉「よっしゃあぁッ! どうだオレの超絶ファインプレー!」

 

〈タイタス〉『おい孝矢ッ!!』

 

〈孝矢〉「え」

 

 タイタスが急に叫ぶんで、前を見ると――オレの眉間に向かってまっすぐ、矢が飛んできてて――。

 

〈雪蓮〉「危ない!!」

 

 すんでのところで、雪蓮が矢を払った。

 

〈雪蓮〉「馬鹿なことしてんじゃないわよっ!!」

 

〈タイタス〉『愚か者ッ!! 戦場では、君でも助けることは出来ないのだぞ!!』

 

〈孝矢〉「……ご、ごめん……!」

 

 二人から、本気でキレられた。

 そ、そうだ……何考えてたんだ、オレは……。みんな命懸けなんだ、なのにこんなとこで見栄張って死んだりなんかしたら、本物の馬鹿じゃねぇか……。

 

〈タイタス〉『本気で肝を冷やしたぞ……全く……』

 

〈雪蓮〉「母様も言ってたでしょ? 今日は戦の空気を肌で感じるだけでいいの! しっかりと私の後ろに隠れててっ!」

 

〈孝矢〉「悪かった……もう出しゃばんねぇ……」

 

 頭を冷やして、そこからは大人しくすることにした。

 

〈炎蓮〉「おおおおおおおおおっっ!!」

 

 一方で、先頭を走ってる炎蓮さんは、あろうことか十メートルはある梯子を担いだまま矢の雨を潜り抜け、城壁の真下にたどり着いてた。

 

〈盗賊〉「な、何だありゃ!?」

 

〈盗賊〉「あの女、化けモンかッ!?」

 

〈炎蓮〉「ハッハァーっ! 腰抜けどもめ、待っていろ! すぐにそこまで行ってやるぞっ!」

 

 そして一人で梯子を投げつけるように城壁に立てかけ、ものすげぇ勢いで登ってく。

 

〈盗賊〉「ヒィィッ! 人間じゃねぇッ!!」

 

〈雪蓮〉「ふふっ、本当に人間じゃないわよねぇ」

 

〈孝矢〉「ッ……」

 

 炎蓮さんは色々と無茶苦茶な人だが、まさかあそこまでやるとは……。変な笑いすらこみ上げてきそうだ。

 

〈祭〉「文台様に続けぇええっ! 梯子を掛けよっ! 城門を打ち破れぇぇ――――っ!!」

 

〈冥琳〉「進めっ! 敵は怯んでいるぞっ!」

 

〈粋怜〉「ゆけぇええ―――――っ!!」

 

〈雪蓮〉「掛かれぇえええええっっ!!」

 

 炎蓮さんの勢いに乗って、孫軍の全員が怒涛となって城に立てこもる賊を攻撃していく!

 

 

 

 ――炎蓮は軍の誰よりも先んじて梯子を登り切り、城壁の上に飛び乗ると、防衛に敷かれている盗賊たちに向けて咆哮を発した。

 

〈炎蓮〉「貴様ら、オレの庭での狼藉、生きて帰れると思ってんじゃねぇだろうなぁ!」

 

 盗賊らは、こちら側からの射撃を難なく潜り抜け、供もつけずに単騎で陣地に侵入してきた炎蓮に恐れおののいている。

 

〈盗賊〉「たった一人でここまで!? バッ、バケモノだぁぁーッ!」

 

〈炎蓮〉「そいつは褒め言葉だな! 後悔ならあの世でしてきやがれ!」

 

 炎蓮は腰に佩いた鞘から細身の剣を抜くと、間髪入れずに盗賊たちに飛びかかっていく。

 

〈炎蓮〉「叩き斬ってやらぁっ!!」

 

〈盗賊〉「うッ、うわああぁぁぁぁぁぁぁッ!?」

 

 恐慌しながらも、武器を手に取り反撃しようとする賊たちだが……彼らが武器を振りかぶろうとした時には、炎蓮は恐るべき踏み込みで距離を詰め、剣を一閃した。

 

〈炎蓮〉「おらおらぁっ!!」

 

〈盗賊〉「げぶぁぁッ……!?」

 

 炎蓮が薙いだ剣が、固まっていた五人の賊を一辺に両断。斬られた賊たちはたちまち骸と化して石畳に転がった。

 

〈炎蓮〉「ふん……ハナから期待などしちゃいねぇが、手応えの無い連中だぜ」

 

 簡単に斬り捨てられる賊に、炎蓮は呆れて鼻を鳴らす。対する賊たちは、あまりもの格の違いを見せつけられてガタガタ震えていた。

 

〈盗賊〉「こんな……こんなおかしな奴に勝てる訳がないッ……」

 

 炎蓮一人によって、城壁に配置されている弓隊は大混乱に陥っていた。この機をすかさず、冥琳が察知して檄を飛ばした。

 

〈冥琳〉「敵は既に総崩れだ! この機を逃すな!」

 

 

 

〈炎蓮〉「おおおおおおっっ!!」

 

 オレと雪蓮が城壁の前までたどり着いた時には、上では既に暴れまくってる人がいた。それは当然……。

 

〈雪蓮〉「母様!!」

 

〈孝矢〉「あれって炎蓮さんか!?」

 

〈雪蓮〉「本当に一人で登っちゃったみたいね……もう! 祭、母様を援護して!」

 

〈祭〉「承知!」

 

 下から祭さんが矢を射って、上の敵を撃ち抜く。兵士たちも梯子を掛けて登ってこうとするが、上手いこと行かずに手間取ってる。

 その間にも、炎蓮さんは敵を片っ端から蹴散らしていってる。

 

〈盗賊〉「ギャアアッ!!」

 

〈盗賊〉「ぐぎゃッ!」

 

〈盗賊〉「ぐはッ!」

 

〈盗賊〉「ガッ!!」

 

〈盗賊〉「ごぉふッ……!!」

 

〈炎蓮〉「オラオラどうしたっ!? オレに喧嘩を売ったからには、相応の覚悟はしていたんだろうなぁっ!!」

 

 味方の援護も必要ないほどに、炎蓮さんの強さは圧倒的だ。たった一人で、何十人も続々と斬り伏せてく。

 城壁から、鮮血に塗れた死体がボトボト落ちてくる。

 

〈孝矢〉「ッ……!!」

 

 想像を優に超える残酷な光景と、鼻を突き刺す血の臭いに、血の気が失せるのがはっきり分かった。

 これが、戦場……! 紙に描かれてるものを見るのとは、何もかもが違げぇ……!!

 

〈タイタス〉『孝矢、大丈夫か』

 

 青ざめるオレを、タイタスが気遣う。

 

〈タイタス〉『逃げたければ、逃げればいい。誰が許さなくとも、私が許そう』

 

〈孝矢〉「……いや、大丈夫だ。ありがとな……」

 

 優しいタイタスだが……これがここでの現実なんだ。これを受け止められなきゃ、オレは呉の城で世話になる資格がねぇんだ。天の御遣いなんて、以ての外だ。

 

〈祭〉「炎蓮様! 軽挙はなりませぬぞっ!」

 

〈炎蓮〉「貴様らが愚図愚図しているせいよっ! 攻め時は今ぞっ! さっさとオレに続かんかぁっ!!」

 

〈雪蓮〉「もう、母様……! 孝矢はここにいてっ!」

 

〈孝矢〉「ああ……!」

 

〈雪蓮〉「祭、孝矢をお願い!」

 

〈祭〉「承知した!」

 

 ようやく梯子が掛かり、雪蓮が兵を連れて登り出していった。

 

 

 

〈炎蓮〉「おぉぉぉらあああぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

〈盗賊〉「ぎやあああぁぁぁぁぁ――――――――ッ!!」

 

〈盗賊〉「助けてくれぇぇぇええええッ!!」

 

 ――鬼神の如き暴力を振るい続ける炎蓮に、賊は全く歯が立たずに蹂躙されるばかり。最早陣形は滅茶苦茶である。

 しかしそこに、盗賊たちのリーダーがどかどかと踏み込んできた。

 

〈頭〉「おめぇらぁッ! 何をやってやがるッ!」

 

〈盗賊〉「お、お頭!!」

 

〈頭〉「相手はたった一人じゃねぇか! それにいいようにされやがって!」

 

〈盗賊〉「で、ですが、奴は尋常じゃねぇ強さですッ!」

 

〈盗賊〉「あの孫文台ッ! 噂に聞く江東の狂虎ですぜ!?」

 

〈盗賊〉「バケモンだッ!!」

 

 すっかり恐怖に震えている賊徒だが、部下がどれだけ斬り捨てられようとも、頭は妙な余裕で溢れていた。

 

〈頭〉「落ち着け! 俺たちには『アレ』があることを忘れたのか?」

 

〈盗賊〉「お、おおッ! そうだった!!」

 

〈盗賊〉「『アレ』があれば、俺たちは無敵だ!!」

 

 賊たちが急激に落ち着きを取り戻していくことを炎蓮も見て取って、警戒を見せる。

 

〈炎蓮〉「何か仕掛けてきやがるな……」

 

〈頭〉「如何に孫堅がバケモンだろうと、本物のバケモンには敵うまいッ! さぁ、出てきやがれぇぇッ!!」

 

 頭の怒号を合図として――城壁に張りつく孫軍の背後の地面が、突然裂け始めた。

 

〈祭〉「何事じゃ!?」

 

〈粋怜〉「下から、何か出てくる!?」

 

〈冥琳〉「動ずるな! 梯子を支えよ!!」

 

 動揺が走る兵士たちを冥琳が統率し、震動で倒れかける梯子を抑えさせた。

 そして、地面の下より這い出てきたものは――。

 

〈雪蓮〉「な、何あれ!? 鉄の衝車!!?」

 

 全長が100メートルを超えるほどの鋼鉄の塊。腕のように二本のショベルアームが機体の左右から伸び、正面のブレードの中央に、スクリュー型の削岩機が取りつけられた、破壊することのみを目的としたような超巨大ブルドーザー。

 元々は対怪獣用として開発された超兵器、ヘクトールだ!

 

 

 

〈孝矢〉「で、でっけぇブルドーザー!? 時代無視してんじゃねぇよッ!!」

 

〈タイタス〉『怪獣用兵器ヘクトールだ! 何故ここに……!』

 

 とんでもねぇ代物のお出ましに、オレはある意味さっきよりも度肝を抜かれた。

 しかも巨大ブルドーザーは、こっちに向かって進み出した!

 

〈孝矢〉「おいおいマジかよ!? 賊の隠し玉って、アレって訳か!? けど……!」

 

〈祭〉「ええい、賊どもは阿呆か!? あんなものを城にぶつけさせれば、己らまで潰されてしまうだろうがっ!!」

 

 怒鳴る祭さんだが、ブルドーザーが止まる気配はねぇ。こーなったら……!

 

〈タイタス〉『孝矢、ゆくぞ!』

 

〈孝矢〉「おうよ! 反則する奴には、レッドカード叩きつけてやるぜッ!」

 

〈タイタス〉『それはサッカーだろう!』

 

[カモン!]

 

 非現実を更に上回る非現実の登場で、逆にオレの調子が戻ってくる。タイガスパークのレバーを下げて、タイタスキーホルダーを掴んだ。

 

〈孝矢〉「いっくぜタイタス!」

 

 叫んで、スパークを嵌めた右手で握り締める。

 

〈孝矢〉「バディー……ゴー!!」

 

[ウルトラマンタイタス!]

 

 オレの身体がぐんぐんと、筋肉が膨張しながら大きくなっていく!

 

「ヌンッ!」

 

 

 

 徐々に城塞に接近するヘクトールを示しながら、頭は炎蓮に勝ち誇る。

 

〈頭〉「ハッハー! どうだ孫堅! いくら虎でも、あの鋼鉄のバケモンには歯が立たねぇだろ!」

 

〈盗賊〉「で、ですがお頭、このまま突っ込ませたら、この城までぶっ壊れちまいますぜ!?」

 

〈頭〉「構うもんか! 次のを奪い取るまでだ!!」

 

 頭はすっかり調子に乗り、炎蓮に向けて恫喝する。

 

〈頭〉「とっとと剣を捨てな! さもないと、テメェの軍隊も纏めてお陀仏だぜぇ!?」

 

 しかし――。

 

〈炎蓮〉「くっ……はぁーはっはっはっ!! こりゃ滑稽だなっ!」

 

〈頭〉「な、何がおかしい!?」

 

〈炎蓮〉「何を出すかと思えば、たかが脅しの道具か。オレがテメェだったら、オレの真下に出させるぜ? 所詮、テメェのおつむはその程度ってことよ」

 

 炎蓮に剣を捨てる様子はなく、むしろ血に濡れた剣を嬉々と掲げた。

 

〈炎蓮〉「たとえば……あれがここに来るまでに、オレがテメェをぶった斬るとか、考えなかったのかよ?」

 

〈頭〉「は、はぁぁぁぁぁ!? 正気かッ!? アレが怖くねぇのかよ!? テメェが良くったって、テメェの兵隊もくたばるって言っただろうがッ!」

 

〈炎蓮〉「それこそ笑止っ! オレの兵に、死を恐れるような生ぬるい鍛え方などさせておらんわっ!!」

 

 たった数秒の内に顔色が急転直下した頭へと、炎蓮は不敵な笑みを向けた。

 

〈炎蓮〉「それに、テメェらはとんでもねぇ勘違いをしてるぜ。降ってわいた力を、土地を食い荒らすことにしか使えんイナゴどもに……天は微笑まねぇのさ」

 

 言い切った炎蓮の側方から、巨躯の影が立ち上がった。

 

〈頭〉「な……何だありゃああッ!?」

 

 

 

 城に向かって突き進んでくるヘクトールの正面に、タイタスが堂々と仁王立ちした!

 

〈タイタス〉『平和のための兵器を、人を踏みにじることに使おうとは……たとえ天が許しても、私のウルトラマッスルが許さんぞ!!』

 

 妙ちくりんな見得を切ったタイタスが、自分よりもでかい鉄の塊にも怯むことなく正面から挑んでく!

 

「ムゥンッ!」

 

 ヘクトールに突進してくタイタスだが、中央のスクリューが伸びてきたので回避を余儀なくされる。

 あっぶねぇ……! あんなもんが当たったら、スプラッターになるのは避けられねぇぜ……!

 

「ヌンッ!」

 

 タイタスは伸び切ったスクリューをへし折ろうとチョップを振りかざすが、その腕をショベルアームが掴んだ。

 

「ヌオッ!」

 

 二本のショベルが器用にタイタスを吊り上げる! タイタスのムキムキボディを軽く持ち上げるなんざ、すげぇ馬力だ!

 

「ヌオッ!」

 

 そんで投げ捨てられるタイタス!

 

〈孝矢〉『「大丈夫か、タイタス!」』

 

〈タイタス〉『何のこれしき!』

 

 タイタスはすぐ起き上がって、ヘクトールの横からショルダータックルを決めた。

 

「ムンッ!」

 

 けどびくともしねぇ! かってぇ……!

 ヘクトールはグルリと旋回して、ショベルとスクリューを振り回して反撃。タイタスはそれから逃れながら、ヘクトールの後部に組みついた。

 

「ヌンッ! ドォッ!」

 

 そのままガシガシと機体を殴りつけるが、やっぱ効いてる様子がねぇ。

 それでも攻撃してたら、ショベルが後ろ向きにグルリと伸びて来て、またタイタスを捕まえた。

 

「グオッ!」

 

 タイタスがスクリューの前まで引きずり出される! やべぇ!

 

「グッ……オォォッ!」

 

 けど流石はタイタス。力ずくでショベルを振り払って、スクリューをかわした。危ねぇとこだったぜ。

 一旦ヘクトールから距離を取って態勢を立て直すタイタスに呼びかける。

 

〈孝矢〉『「こりゃやばくねぇか……? このまんまじゃジリ貧だぜ。持久戦じゃ勝ち目ねーだろ……!」』

 

 正直、変身して戦うのはかなり体力持ってかれる。あんま長いこと戦い続けるのは無理だ。絶対変身解けちまうぜ……!

 人間重機みてぇなタイタスでも、流石に本物の重機には分が悪りぃのか……!

 

〈タイタス〉『しかし、どうしたものか……。流石、元は対怪獣用。頑丈さが違う……!』

 

 問題はそこだ。攻略法が出てこねぇ。単純に強えぇから、隙とか弱点とかが見えてこねぇ。ここからどう巻き返せばいいもんか……。

 考えてると、ふとあることを思い出した。

 

〈孝矢〉『「そうだッ! あれ使ってみよーぜ!」』

 

〈タイタス〉『あれ? まさか……。何か分からない物を無闇に使うのは危険だぞ!』

 

〈孝矢〉『「やってみなきゃ分かんねーだろ!」』

 

 有無を言わさずに、タイガスパークを操作してアレを呼び出す。

 

[カモン!]

 

 オレの左手の中指に嵌まったのは……この前の戦いで手に入れた、雪蓮の指輪だ!

 

〈孝矢〉『「頼むぜぇ……!」』

 

 望みを懸けながら、それに右手の平をかざす。

 

[雪蓮リング、エンゲージ!]

 

 リングから薄桃色の電流が走って、スパークで吸収。するとオレの横に、雪蓮の姿が現れた!

 

〈孝矢〉『「雪蓮!? 何でここに!」』

 

〈タイタス〉『それは幻像だ!』

 

 あッ、そうなのか。

 肝心のリングの力は……何か、タイタスの全身が赤い光に包まれた!

 

〈タイタス〉『これは……! 身体の奥から、力がこみ上げてくるッ!』

 

 こーいうの、ロボットアニメで見たことある!

 

「ウオオォォォッ!」

 

 もう一度ヘクトールに向かって突っ込んでくタイタス。ショベルアームが伸びてきて迎撃しようとしてくるが、

 

「ムンッ!」

 

 タイタスがショベルを掴み返すと、そのまんま本体ごとブンブン振り回す!

 

「オオオオ―――!」

 

 す、すっげぇパワー……! さっきよりも確実に強くなってるぜ! 雪蓮のリングは、パワーアップの効果があんのか!

 

「ドウッ!」

 

 ヘクトールを地面に叩きつけたタイタスが、パンチを食らわせる。それがショベルアームとスクリューを一気に叩き折った!

 

〈タイタス〉『とどめと行くぞ! 相手は機械、電撃を浴びせてやるのだ!』

 

〈孝矢〉『「おうッ!」』

 

[カモン!]

 

 タイタスの指示でもう一度スパークに触り、エックスレットを召喚!

 

[エックスレット、コネクトオン!]

 

 プラニウムバスターに電撃を纏わせて、強化!

 

〈孝矢・タイタス〉「『エレクトロ! バスターッ!!」』

 

 電撃がバチバチほとばしる光球を、ヘクトールにぶち込んだ!

 ヘクトールはボンッ! と黒煙を噴き出して、バラバラに大爆発!

 

〈孝矢〉『「……壊して良かったのかよ? 平和のためのもんだとか言ってただろ?」

 

〈タイタス〉『しかし、流石にあれほどの超兵器がこの世界にあるのは極めてまずい。やむを得んだろう……』

 

 そうだな……また誰かに悪用なんかされたりしたら、もっとやべぇことになるかもしれねぇ……。

 タイタスを包んでた赤い光が消えると、カラータイマーが一気にピコピコ点滅した。パワーが上がる分、やっぱデメリットもあるみてぇだ。

 

「ムンッ!」

 

 盗賊どもの切り札をやっつけて、タイタスが空を飛んで去ってく。――肝心の城攻めの方は、どうなったんだ?

 




 
機械怪獣ヘクトール

 元地球防衛軍所属の大河原大介によって開発された、ブルドーザー型対怪獣用戦闘兵器。地底に潜む怪獣の探知、追跡、及び攻撃を一機のみで行えるほどの性能を誇るが、かつて機械に取り憑く能力を持つ液体怪獣にコントロールを奪われ、大惨事を引き起こしてしまった。
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