この作品は高嶋友奈を主人公にして相棒のガメラと共に怪獣と戦う、そんな作品にしたいと思っています。所々オリジナル設定がありますが許してください。勿論高嶋ちゃん以外にも他の勇者達も怪獣使いになりますのでお楽しみを
そして少し原作との相違点があります。まず高嶋ちゃんが初めて四国にやって来たのは小学5、6年頃だと作中で言われていますが僕の作品ではもう中学2年生になっています。理由は…小学生を怪獣との戦いなんて危険な場所に送り込む鬼畜な事はしたくなかったからです
『友奈。この勾玉はね、母さんの一族に所縁ある品物なんだ』
『お母さんの?』
幼い頃、少女は父に灰色の勾玉の首飾りを貰った。母は彼女が物心つく前に死んだと父に教えられた。
『もし困った事があったらこの勾玉に祈りなさい。そうすれば
『玄武…様?』
少女は玄武様という聞き慣れない単語を聞いて首を傾げる。
『玄武様はこの星の守り神なんだ。今は揺り籠の中で眠っているが…この勾玉を持った者が強く祈れば眠りから覚め、この星を悪しき者から守る…そう母さんは言っていたなぁ』
『じゃあ、私が助けててお願いしてくれたら助けてくれるの?』
『ああ、友奈が悪い子じゃなかったらね』
そう言って父は娘の頭をわしゃわしゃと優しく撫でる。少女は父に頭を撫でられて嬉しそうに顔を綻ばせた。
『これをお守りの代わりに持っていなさい。いつでも玄武様がお前も守ってくれる様にね』
額と口元に深く刻まれた
彼女は捨て子だった。平城京跡の朱雀門に籠に入れられたまま放置されていたところを父が見つけ、子供に恵まれなかった父と母はその赤ん坊を養子にする事に決めたのだ。
『いいかい友奈。本当に自分ではどうにも出来ない事が起こった時に祈るんだよ。例えば…人間では相手に出来ない
『うん!分かった!もし困った時はその玄武様に祈ればいいんだね!』
そう言って父にかけて貰った首飾りの勾玉を両手で握りしめながら彼女は朗らかに笑う。娘の笑顔を見て父も微笑み返した。
「お客様、港に着きましたよ」
「……むにゃ?」
身体を揺さぶられ、赤い髪を右側に結んだ少女…
「あ、すみません!すぐ降りますから!」
「いえ、先程着いたばかりなので大丈夫ですよ…まあ、お客様が最後の乗客なんですが」
大慌てで横に置いておいたリュックを背負って洋室から逃げる様に出て行く友奈。走って桟橋を渡って船を降り船着場に着く。
「わぁ〜ここが香川かぁ」
高嶋友奈は中学2年生である。夏休みに父に勧められて四国の香川県まで一人で旅行にやって来た。彼女は思い切り伸びしながら港を見渡す。
「あ、あれが赤灯台かな?で、あの大きな建物がシンボルタワーだよね」
港にあった全体が朱色の灯台や遠くに見えるビルを眺める友奈。彼女が現在いる場所は香川県高松市の高松港。近くにある建造物に興味津々な目を向けながらスマホを取り出す。
「さてと、まずは何処かでご飯を食べなきゃだね。香川といえば美味しいうどん、てお父さんが言ってたから何処かに美味しいうどん屋さんはないかな」
そう言ってスマホでうどん屋を検索する友奈。暫くして近場のうどん屋を見つけたのかスマホ片手に目的地を目指す。
その時彼女は気づいていなかった。首にかけた父に貰った勾玉の首飾りが淡く光り、何かを警告している事に友奈は気付かなかった。
うどん屋に入って、友奈はテーブル席に座って肉ぶっかけうどんを注文した。
「お待たせしました。肉ぶっかけうどんでございます」
とん、とテーブルに一杯の肉ぶっかけうどんが置かれ、友奈は早速うどんを啜り始める。
「う〜ん、美味しい!このうどんモチモチしてて歯応えがあるね」
うどんの麺を啜りながらそう呟く友奈。やはり本場の讃岐うどんは美味しい。そう考えながら美味しそうに友奈は笑顔で食べる。
「お父さんと一緒にこのうどんを食べたかったな…でも、仕方ないか。もし機会があったら一緒に食べたいな…あれ?」
友奈はそう言いかけてある事に気付いた。首にかけた勾玉が温かく感じたからだ。気になって勾玉を見てみると淡い光を放っている事に気付いた。
「え?これって……」
友奈がその現象を疑問に思ったその時だ。街の方から凄まじい轟音と絶叫が鳴り響いた。
ーーーピギャアアアァァァァァ!ーーー
ーーーキィイイイァァァァァッ!ーーー
「え!?何!?」
友奈は窓の方を向くと、窓の外に巨大な二体の怪物が街中に立っていた。
ーーーピギャアアアァァァァァ!ーーー
ーーーキィイイイァァァァァッ!ーーー
「か、怪獣?」
両腕が翼で翼竜やワイバーンとでもいうべき姿をした赤い目の凶暴そうな顔付きの怪獣。一体は幼体なのか少し幼さを残しており、もう片方は成体の様で幼体よりも一回り大きく、大きな角や突起、翼も相まってより凶暴そうな雰囲気が漂っていた。
ーーーピギャアアアァァァァァ!ーーー
ーーーキィイイイァァァァァッ!ーーー
その二体の怪獣…だだっこ怪獣 ザンドリアスもその母親である親怪獣 マザーザンドリアスはまるで
「は、早く逃げないと……!店員さんこれうどん代です!」
「え、いやこんな非常時に…と、とにかく君も早く逃げて!」
友奈は店員に代金を払った後、急いで店から出る。そして外に出てザンドリアス達を眺めある事に気付く。
「……あの子達、怯えてる?それによく見たら怪我してる…」
そう、ザンドリアス達は街を破壊するのではなく、まるで何かから逃げる様に歩いているのだ。よく見ればザンドリアス達の身体には無数の傷跡が痛々しい程に刻まれており、ザンドリアスに至っては痛みのあまり涙を流しマザーザンドリアスが時折その傷口を舐めている。
「……もしかして何かから逃げてるの?でも一体何から逃げてるんだろう?」
では何にザンドリアス達は怯えているのか?と友奈が思った瞬間。地を裂く様な咆哮が轟き建物が大きく揺れた。
ーーークゥオオオオオォォォン!!!ーーー
「え!?」
その咆哮と共に降り注ぐ紫の刃の雨。それが地上に降り注ぎ建物が破壊され、大地が裂け街は炎上。ザンドリアス達の身体に命中し新たな傷を与える。
ーーーピギャアアアァァァァァ!?ーーー
ーーーキィイイイァァァァァッ!?ーーー
悲痛な叫びを上げる二体、そして先程の攻撃を放った元凶はゆっくりと空から落ちる様に現れた。
ーーークァウウウゥゥゥゥッ!!!ーーー
その怪獣はまるで地獄から現れた番犬の様な恐ろしい姿をした怪獣だった。黒と赤の体色に体中に生えた鋭い刃、悪鬼の如き凶悪な容貌。その名は最凶獣 ヘルベロス。宇宙で名を馳せる怪獣だ。
「……あの怪獣から逃げてたんだ」
友奈はあの怪獣からあの二体は逃げていたのだと理解した。
ーーークァウウウゥゥゥゥッ!!ーーー
ヘルベロスは地響きを起こしながら地上へと着地。そして自身の獲物であるザンドリアス達を見て残虐な笑みを浮かべ、唸りながら親子怪獣へと迫る。
ーーーピギャア…ピギャアアアァァァァァ!ーーー
ーーーキィ!?キィイイイァァァァァッ!?ーーー
マザーザンドリアスは怯えながらも我が子を守る為にヘルベロスへと立ち向かう。目から赤色光線 ヨルゴビームを放ちながら翼を広げ迫るマザーザンドリアス。対してヘルベロスは避けるそぶりを見せず突進。ヨルゴビームが身体に命中するが痛くも痒くもないとばかりにヘルベロスは笑い、マザーザンドリアスに体当たりを食らわす。
ーーーピギャアアアァァァァァ!?ーーー
「あ、お母さんが!?」
後ろに吹き飛ぶマザーザンドリアス。ヘルベロスは角を赤く光らせて雷撃 ヘルホーンサンダーをマザーザンドリアスへと放つ。赤き雷撃がマザーザンドリアスの全身を容赦なく雷で焼き、マザーザンドリアスは苦痛の声を響かせる。
ーーーキィィ…キィイイイァァァァァッ!ーーー
ーーークァウウゥゥッ?ーーー
ザンドリアスは母親がヘルベロスに痛めつけられる姿を見て最初は怯えていたが、勇気を持ってヘルベロスへと突進。翼でペチペチとヘルベロスの背中を叩きまくる。
ーーーキィイイイァァァァァッ!ーーー
ーーーピギャアァァ……ーーー
ザンドリアスは「お母さんを虐めるな!」と言わんばかりに必死に翼でヘルベロスを攻撃するも、ヘルベロスは欠伸をする様に口を開けつまらないものを見る目でザンドリアスを見つめる。それを見てマザーザンドリアスは早く逃げろとザンドリアスに弱々しい声で鳴く。
ーーークァウゥ…クァウウウゥゥゥゥッ!!ーーー
ーーーキィイイイァァァァァッ!?ーーー
次第に鬱陶しくなってきたのかヘルベロスは少し苛立った唸り声を上げ、ザンドリアスを蹴り飛ばす。そして右の肘の刃を赤黒く光らせ大きく腕を振るい光刃「ヘルスラッシュ」をザンドリアスへと放ち、ザンドリアスの身体を斬り裂こうとする。 その光刃はザンドリアスの身体を簡単に裂き、絶命させる死の刃。だがザンドリアスがその刃に当たる事はなかった…何故なら。
ーーーピギャアアアァァァァァ!!ーーー
ーーーキィイイイァァァァァッ!?ーーー
マザーザンドリアスが身を呈して我が子を守ったからだ。背中をヘルスラッシュで裂かれ赤い血が飛び散る。
ーーーキィイイイァァァァァッ!キィイイイァァァァァッ!!ーーー
ーーーピギャァァ……ーーー
ザンドリアスは母親のその悲惨な姿を見て泣きそうな声を上げる。マザーザンドリアスはザンドリアスを安心させようとするが痛みのあまり立つ事すら出来ず地面に這い蹲る。それを見て邪悪な笑みを浮かべるヘルベロス。
「…………ッ」
友奈はそんな光景を見ている事しか出来なかった。当然だ、怪獣の争いに人間の様な非力な存在が何が出来ようか。精々踏み潰されるのがオチだ。出来る事と言えば逃げる事。幸いヘルベロスの注意はザンドリアス達へと向いている。その隙に逃げればいいのだ。ザンドリアス達は所詮は怪獣。人間ではないし助ける義理もない…ない筈なのに、友奈は拳を強く握りしめた。
「……確かにあの子達は人間じゃない…でも、それが助けちゃいけない理由にはならない」
友奈と言う少女は優しい子だ。例え相手が人間でなくとも、見捨てられない。目の前で痛ぶられる親子の怪獣を助けたい、そう彼女は思った。
(でもどうしたら…あんな怪獣に私が勝てる筈ないし…注意を引かせる?どうやって?何か、何か私に出来る事は…!?)
どうやればザンドリアス達を助けられるか必死に考える。その時だ、勾玉が一際強く輝き始めた。脈打つ心臓の鼓動の様な音が友奈の耳に響く。まるで何かを訴えているかの様に。
「……そうだ、この勾玉が…お父さんがくれたお守りがあった」
友奈は思い出す。父が昔言っていた言葉を。
『もし困った事があったらこの勾玉に祈りなさい。そうすれば玄武様がお前を助けてくれる筈だ』
父の言葉を思い出して友奈は勾玉を強く握りしめながら祈る。目を深く閉ざして一心に祈った。
(お願い玄武様。あの子達を、私達を助けて!お願い!)
友奈は願った。ザンドリアス達を、ヘルベロスに怯え逃げる人々を助けてくれと。その祈りが届いたのか勾玉は緑色に輝いた。
深い、深い海の底。そこで眠っていた守護神は純粋無垢な少女の祈りを聞き深く閉ざされていた瞼を開いた。
ーーーゴアアアアアアアァァァァァ!!ーーー
守護神は雄々しい咆哮を海底に轟かせる。そして頭部と尻尾、両手足を甲羅の中に収納し、手足を引き込んだ位置から火炎を噴射してUFOの様に回転しながら自分に祈った少女の元へと向かう為に海上を目指した。
ーーークァウウウゥゥゥゥッ!!ーーー
ーーーピギャアアァァァァ………ーーー
ーーーキィイイイァァァァァッ……!ーーー
執拗に両腕を振るいヘルスラッシュをマザーザンドリアスへと放つヘルベロス。背中を何度も斬り裂かれても我が子だけは守ってみせると決して倒れないマザーザンドリアス。死に体な母を見て泣き叫ぶザンドリアス。
ーーークァウウウゥゥゥゥッ!!ーーー
嗜虐的な笑みを浮かべ、トドメと言わんばかりにヘルホーンサンダーを放とうとしたまさにその瞬間。
ーーーゴアアアアアアアァァァァァ!!ーーー
ーーークァウウウゥゥゥゥッ!!?ーーー
黒い物体がヘルベロスへとぶつかり、ヘルベロスはその黒い物体に吹き飛ばされ建物を押し潰しながら転倒した。黒い物体は回転を止め、甲羅へと収納していた各部を出して地上へと降り立った。
漆黒の甲羅を持つ黒い巨体の怪獣…それは友奈が以前父から聞かされた"玄武様"という存在に非常に酷似した姿をしていた。
「……玄武、様?」
そう呟いた瞬間、友奈が首にかけていた勾玉が砕け散って光なり、その光が友奈の手の中に集まて三つの窓の様な枠がある青色の縦長の機械となった。
「これは……」
友奈はその謎の機械…バトルナイザーを握る。その瞬間友奈の頭の中に様々な情報が流れ込む。
「……まだよく分からないけど…これなら皆を、あの子達を助けられるんだよね」
その情報を理解した友奈はバトルナイザーを握りしながら黒い怪獣…自分の相棒である守護神に向かって叫ぶ。
「お願い
ーーーゴアアアアアアアァァァァァ!ーーー
友奈のその願いを聞き、大怪獣 ガメラは咆哮を轟かせながらヘルベロスを睨みつけた。
ーーークゥオオオオオォォォン!!ーーー
対するヘルベロスも自分を吹き飛ばしたガメラを睨む。自分のお楽しみを邪魔した愚か者を排除する為に背中のトゲから無数の光弾を矢の如く降り注がせる。
ーーーゴアアアアアアアァァァァァ!ーーー
それを見たガメラは自分の頭部や尻尾、手足を甲羅へと引っ込ませ甲羅の中へと収納。光弾の雨が甲羅へと命中するが甲羅には何の傷一つもなかった。
ーーークァウウウゥゥゥゥッ!?ーーー
自身の攻撃が通用しない事に呆気にとられるヘルベロス。その隙にガメラは収納していた各部を戻し、体内に貯蔵したプラズマエネルギーと酸素を融合・圧縮する事で電離作用を起こし、形成されたエネルギーを口から放つプラズマ火球をヘルベロスへと放つ。ヘルベロスは左腕でプラズマ火球を防ぎ、そのままヘルスラッシュを放とうとし…そこでヘルベロスは気づいた。自分の左腕の肘の刃が焼失し左腕が黒焦げになっている事に。
ーーークァウウウゥゥゥゥッ!!!?ーーー
「す、凄い……!」
プラズマ火球は万物を瞬時に燃焼させるガメラの得意技だ。その威力は頑強な肉体を持つヘルベロスの腕すらも瞬時に焼き焦がしてしまう程だ。
ーーークァウウウゥゥゥゥッ!ーーー
ヘルベロスは怒り狂い、口から火球を、角からヘルホーンサンダーをガメラへと放つ。だがその火球と雷撃はガメラの身体を傷つけず、逆にガメラの身体に吸収される様に吸い込まれていたのだ。
ーーークァウウウゥゥゥゥッ!?ーーー
それを見て驚きの叫びを上げるヘルベロス。ガメラはヘルベロスが混乱している間に接近し、拳を握りしめ拳打
「まだだよガメラ!あの怪獣に休む暇も与えないくらい攻撃を与えて!」
ーーーゴアアアアアアアァァァァァ!!ーーー
友奈の指示を受け、怯むヘルベロスにガメラは息もつかせぬ拳打の嵐をヘルベロスの身体へと打ち込んだ。その拳の一発一発がヘルベロスの装甲を砕き、拳の衝撃がヘルベロスを襲う。
ーーークァウウウゥゥゥゥッ……!ーーー
ヘルベロスも右腕で反撃するがガメラの左手で受け止められ、ガメラは自身の足のふくらはぎにある蹴爪
ーーークァウゥッ!?ーーー
地面に顔面を強打し苦痛の声を上げるヘルベロス。何とか立ち上がるが立ち上がった瞬間にガメラの肘にある爪の様な突起
ーーークァウウゥゥッ!?クァウウゥゥッ!ーーー
ヘルベロスはよくもやってくれたなと言わんばかりにガメラを睨みながら唸り、右腕を大きく振るいヘルスラッシュを放つ。ガメラは右手をヘルスラッシュに軽くぶつけて弾き飛ばす。
ーーークァウウ……クァウウウゥゥゥゥッ!ーーー
自分のあらゆる攻撃を防がれ、ヘルベロスは自身のプライドが大きく傷ついた。ヘルベロスはくるりと回転し鋭利な先端がついた尻尾をガメラへと向ける。この尻尾はどんな怪獣の硬い皮膚をも突き破るヘルベロスの切り札だ。どんなにガメラの装甲が硬くともこれは防げまい。そうヘルベロスは考え嗤っていた。
ーーーゴアアアァァァァ……ーーー
それに対しガメラはプラズマエネルギーを右腕に収束させ、右腕に炎を纏う。右手を手刀の形にして真っ直ぐヘルベロスの尻尾を睨む。
「ガメラ!尻尾を切っちゃえ!」
ーーーゴアアアアアアアァァァァァ!!ーーー
ガメラはその炎の手刀
ーーークァウウウゥゥゥゥッ……?ーーー
ヘルベロスは何が起こったか分からなかった。気がついたら自分の尻尾が宙を舞っていたからだ。尻尾の切断箇所が灼け爛れている。漸くヘルベロスはガメラの手刀で自らの尻尾が切断されたという事実に気づき、悲鳴を上げる。
ーーークァウウウゥゥゥゥッ!?ーーー
痛みのあまりよろよろと後ろへ退がるヘルベロス。漸くヘルベロスは悟った。目の前の
ーーークァウ……クァウウウゥゥゥゥッ!!ーーー
自暴になったヘルベロスは右腕を何度も振るい、ヘルスラッシュをガメラへと放つ。当然の如くガメラには傷一つない。こっちに来るなとヘルベロスは悲鳴の様な叫びを上げ発狂した様に背中のトゲから光弾を放ったり、ヘルスラッシュを放つ。だがやはりガメラには通用しない。
「ガメラ、トドメだよ!」
ーーーゴアアアアァァァ……!!ーーー
友奈の声を聞いてガメラはバニシング・ソードの時と同様、右腕にプラズマエネルギーを収束。拳を握りしめ炎の拳を形成する。そして咆哮を轟かしヘルベロスへと駆け出す。
ーーークァウウウゥゥゥゥッ!!ーーー
ヘルベロスは炎の拳を見て直感で危機を察知。全力で阻止すべく背中のトゲから光弾を、右腕の肘の刃からヘルスラッシュを、口から火球を、角からヘルホーンサンダーを放ちガメラの動きを止めようとする。
ーーーゴアアアアアアアァァァァァ!!ーーー
だがガメラは止まらない。雷撃と火球は吸収し、ヘルスラッシュと光弾はその身で受ける。迫り来るガメラを見てヘルベロスが喚き立てるがガメラは容赦なく燃える拳をヘルベロスへと突きつける。
ーーークァウウウゥゥゥゥッ!!!?ーーー
肉を潰す音が響き、ヘルベロスの背からガメラの炎の拳が突き出ていた。これがガメラの必殺技の一つ
ーーークァウウウゥゥゥゥッ!?クァ……ウ…ウ…ゥゥゥ………ッ……ーーー
ガメラがヘルベロスの身体から拳を引き抜く。ヘルベロスの腹部は大きな穴が開きそのまま断末魔を上げて地面へと後ろ向きに倒れ…大爆発を起こした。
ーーーゴアアアアアアアァァァァァ!!!ーーー
「……勝った、勝ったんだ」
勝利の咆哮を轟かせながらガメラは傷付いたザンドリアス達の元へと歩む。そして両手をザンドリアス達に向け、そこから黄金の光…マナと呼ばれる神秘的なエネルギーを注ぐ。
ーーーピギャア…?ピギャアアァァァァ!!ーーー
ーーーキィイイイァァァァァッ!?ーーー
マナを注がれ、みるみると傷口が塞がっり始め、ザンドリアス達の傷が癒えてしまったのだ。自分の傷が癒えた事に驚くマザーザンドリアスと母親の傷が治った事で喜ぶザンドリアス。
「凄いよガメラ!傷を治す事も出来るんだね!」
マナとは地球の生命エネルギーだ。そのエネルギーを生命体に注入すれば回復治癒を齎す事が出来る。その力を使い、親子の傷を完全に治したのだ。
ーーーピギャアアアァァァァァ!ピギャアアアァァァァァ!ーーー
ーーーキィイイイァァァァァッ!!ーーーキィイイイァァァァァッ!!ーーー
親子は自分の傷を治してくれたガメラに頭を下げ、翼を羽ばたかせて空へと飛翔。宇宙へと帰っていった。ザンドリアスは見えなくなるまでずっとガメラの方を見て何度も感謝の叫びを上げていた。
ーーーゴアアアアアアアァァァァァ……ーーー
最後にガメラは口を開けて、炎上する街の火を吸収して鎮火させる。そして主人である友奈の方に向き直す。
「ありがとうガメラ。あの子達を助けてくれて」
ーーーゴアアアアアアアァァァァァ!ーーー
友奈の言葉に当然だと言わんばかりに優しげに咆哮を上げるガメラ。そしてガメラは光となって友奈の手に持つバトルナイザーへと収納された。
「……これからもよろしくねガメラ」
そう彼女は呟いた。きっとこれからも自分を助けてくれるであろう
友奈は知らなかったが、怪獣が現れたのは香川だけでなかった。愛媛や高知、徳島…四国全土だけに留まらず日本各地、世界各地にこの日を境に怪獣が出現する様になった。世界は怪獣無法地帯となり、人類は怪獣という脅威に蹂躙される事になる。
だが、希望は残されていた。それは怪獣使いと呼ばれる少女達と彼女達が使役する怪獣達。邪悪な怪獣と空の彼方から襲来する異星人からこの星を護る最後の砦。いずれ友奈も出会うだろう、自分以外の怪獣使いの少女達と。
これは少女と怪獣の物語。勇者ではなく、怪獣使いとして少女達が世界を救う物語。
ヘルベロスは強い怪獣なのでガメラの強さを引き立てる敵役にピッタリでした(そこかませとか言わないで)。マナの使い方や高嶋ちゃんの過去は捏造及び独自解釈です。
ここで怪獣についての説明です。これも少し独自設定があります
大怪獣 ガメラ
身長 80メートル
体重 120トン
必殺技 バニシング・フィスト
遥か昔に生息していた亀という生き物を器に「天の神」と「地の神」が協力して地球上のマナを集め創り出された神造兵器。地球に住む生命体と地球を守護する怪獣。環境への適応や戦闘能力の向上の為に、短期間で進化する性質があり勾玉を通じて人間との会話も可能。友奈の祈りによって永き眠りから覚め、彼女の最初のパートナーとして怪獣と戦う事になった
さて次回は友奈ちゃんとガメラのお話…ではなく、タマっち先輩とあんずんのお話です。この二人があの大映の公式リア獣夫妻と出会うお話です。ぜひ楽しみにしていてください
次回もお楽しみに