今回は登場人物が多いので長めです。そして敵怪獣も強豪だけどマイナーな兄弟怪獣をチョイスしました。そして原作キャラのあの巫女さんの設定を少々改造しました
愛媛にある小さな森、地元に住む者達はそこを「入らずの森」と呼ぶ。滅多に人は近寄らず、好き好んで入る者もいない。入るのは肝試しに来る恐れ知らずの少年ぐらいである。
そんな森の中に一人の少女が地面に倒れ涙を流していた。淡い黄色の長い髪を持つ病弱そうな少女だ。
「痛ぁ……動けないよ……」
彼女は森の近くでいつもの様に読書にふけていたら森の方から謎の声が聞こえ、その声に導かれるまま森の中へと入った。そして声の主の所まで行こうとして…木の根っこに足を引っ掛けてしまい転んで足を捻ってしまったのだ。
「うぅ……やっぱり森の中に入るんじゃなかった…暗いし怖いし…こんな場所に誰も助けに来てくれないよ…」
入らずの森、その名の通り誰も足を踏み入れない場所だ。当然誰かが自分を助けてくれる…そんな漫画みたいな展開はない。
「もしかしたら…このまま誰にも気付かれずに一人で死んじゃうのかな?」
そう沈んだ気分になる少女。自分が死んだら両親は悲しんでくれるだろうか、友達は泣いてくれるだろうか、そんな暗い事を考えていたその時だ。奥から何かが歩いてくる音が聞こえた。
「!?だ、誰…?」
まさかこの森には怪物がいて、自分を食べに来たのか?そんな事を少女が考えた瞬間。奥から全身葉っぱだらけの少女が現れた。
「うひゃー!全身葉っぱまみれだ!流石のタマもこんな森の奥まで来た事ないぞ!」
「お、女の子?」
見るからにガサツで男の子っぽそうな少女が頭や服についた葉っぱを取る姿を見て少女は呆気に取られる。
「ん?誰かいるのか?」
そこで漸くもう一人の少女は倒れている少女がいるのに気づいた。
「なあ、お前がタマを呼んでた奴なのか?」
「え?違うよ、わたしも変な声に呼ばれて…」
「なんだお前もか…て、どっか怪我してるのか?」
「うん…足を捻っちゃって…」
男の子っぽい少女は少女が足を捻っている事に気付き、歩み寄って彼女を引き起こし背中に背負わす。
「よっこらしょ、と」
「え!?な、何してるの?」
「おんぶだ。怪我してるんだろ?ならタマが森の外まで背負ってやる」
そう言って彼女は微笑んだ。
「え…でも、大丈夫?わたし重いよ?」
「なぁに、タマは力持ちだからな。まあ、タマに任せタマえ!」
そう豪快に笑う彼女。そして少女を背負いながら歩き始める彼女。少女は思った。自分より背は小さいけども、彼女の背中はとても大きく感じた。そして自分を助けてくれた彼女が少女には王子様に見えた。
これが彼女達の最初の出会い。彼女達の運命が決まった日。
時は流れ、少女…
「…………」
木陰で熱心にその本を黙読する杏。そんな彼女に一人の少女が近づいて来る。
「おーい!あんずー!」
「あ、タマっち先輩」
走ってやって来たのはタマっち先輩こと
「すまんなまたしてしまって…で、今日はどんな本を呼んでるんだ?」
「ああ、
「あの森か?何でまたあの森の事を?」
杏が何故入らずの森について調べているのか分からず首を傾げる球子。
「実は昔タマっち先輩と出会った時の頃を思い出してね…少し気になって入らずの森について調べてるんだ」
そう言って杏は不入森と書かれた一冊の本を球子に見せる。
「この本によるとあの森の奥には神社があって、そこには虫の神様が二柱祀られてるらしいんだけど…誰もその神社に行った事がないんだって。一説によると神社に行く為の道が神秘的な力で隠されてるんじゃないかて言われてて、まさに入らずの森は現代のダーク・ゾーンなんだよ!」
「お、おう…」
目をキラキラと輝かせてそう語る杏に若干引き気味な球子。
「でね、その神社に祀られてる神様ていうのは……なんと蛾なんだって」
「蛾?そんなものを祀ってるなんて趣味悪いんじゃないかその神社」
「あはは、だね。でも何で誰も行った事がないのに祀られてる神様だけは知られてるのか…気にならない?」
「んー確かに気になるといえば気になるな」
誰も行った事がないのに何故か祀られている神だけは知られている…それを疑問に思う二人。そんな時だ、二人の耳に謎の声が聞こえた。
ーーーこっち、こっちに来てーーー
ーーーこっちだ、こっちに来いーーー
「「!?」」
二人は同時に同じ方角を見る。二人が向いた場所は入らずの森。そこから声が聞こえて来たのだ。
「……聞こえたタマっち先輩?」
「……ああ、聞こえたな」
二人は顔を見合わせて頷き合う。そして口を揃えてこう言ったのだ。
「「小さな女の子/男の子みたいな声が…ん?」」
あれ?と二人は首を傾げる。杏が聞いた声は女の子で球子が聞いた声が男の子…軽い矛盾が起こるが取り敢えず置いておく。
「……そういえば2年前にわたしが聞いた声もあんな声だったかも」
「確かに前に聞いた声もあんな声だった気がするぞ
…」
2年、二人が森に入るきっかけになったあの声と似ていると呟く二人。
「……タマっち先輩」
「あんずが言いたい事は分かってるぞ。さっきの気になるんだろ?タマもだ」
杏が言葉を出さずとも彼女の真意を理解する球子。杏も読んでいた本を手提げ鞄の中にしまいながらゆっくりと立ち上がる。
「少し、森の中に入ってみようか」
「だな。もし迷子になってもあの時みたいにタマが背負ってやるから安心しタマえ」
「うん」
そう言って二人の少女は森の中に入って行った。
ーーーこっち、こっち。早く来てーーー
ーーーこっちだ。あまり待たせるなーーー
時折二人の耳にそんな声が響く。やはり杏には女の子の、球子には男の子の声しか聞こえないらしい。
「結構奥深くまで来たな…」
「だね」
森の奥へ進み始めて15分程たった。奥へ奥へと進む度に周囲が暗くなり杏は不安になるが球子が彼女の手を優しく握っている為に怖くはない。
やがて段々と辺りが明るくなり始める。そして奥に鳥居が見えた。
「……神社?」
鳥居を抜けた先にあったのは古びた小さなお寺だった。暗い森の中とは違い、何処と無く神秘感が漂う場所だった。
「ここがあの本に書かれてた神社?」
本に書かれてた神社とはここの事だろうか?そう二人が考えたその時だ。
「貴女達が
「「!?」」
突然現れてそんな事を叫ぶ巫女に驚く二人。そんな二人に一切構わず巫女は鬼気迫る速さで二人に歩み寄る。
「最近
茶色の三つ編みを靡かせながら二人の眼前まだ迫る少女。二人はその気迫に押され後ろに少しづつ後ろに退がる。
「こうしてはいられないわ!さっそく貴女達にはお役目を「はい、そこまでです馬鹿姉様」痛ぁ!?」
((後ろからハリセンで殴られた!?))
バチコーン!と背後からハリセンで叩かれる巫女。それに驚く杏と球子。大きなタンコブが出来て地面に倒れる巫女の背後には球子達より2、3歳ほど年下そうな少年が神官服を着て立っていた。
「申し訳ありません神に選ばれた少女達よ。僕の馬鹿で不出来な姉がご迷惑をかけた事、心よりお詫び申し上げます」
「あ、そんなに気にしてないから大丈夫です…それより貴方達は?」
「申し遅れました。僕は
「
どうやらこの二人は姉弟らしい。しっかりした…というより大人びている弟とダメな姉という印象だ。
「あの…さっきから言っている婆堵羅様とか最珠羅様てどういう意味なんですか?」
「そうね、まずはその事を教えてあげるわ。ついていらっしゃい」
「まあ、そういう事ですので社の方に入ってください」
そう言って社の方に入っていく二人。杏と球子は暫く顔を見合わせてどうするかと考えるも、社の方へ入っていく。
「この森は私達…いえ、安芸一族が代々守ってきた土地なの」
「そこで僕ら一族はある卵を祀り、それが孵化するまで守ってきたんです」
「卵?」
社の中に仏壇や祀られている偶像はなかった。その片隅に地下へと降りる階段があったぐらいだ。その階段を降りながら安芸姉弟の会話を聞き球子が首を傾げる。卵を守ってきた、その言葉の意味が分からずに。
「昔、宇宙から虚空の神
「まあ、昔と言っても800年程度ですがね。そこで暴れる二柱の神を封印すべく、大地が誕生させた双翼の守護神 最珠羅様と婆堵羅様。全てを恨みながらも四国だけを愛した怨霊神
「そして力を使い果たした禍大蛇様は海の底で永き眠りにつき、死にかけた最珠羅様と婆堵羅様は二つの卵を森に残し死んだ…そう私達は聞いたわ」
「……もしかしてその卵というのが…」
「ええ、この社で祀られている神様です」
階段を降りきり、球子と杏が辿り着いたのはとても大きな二つの卵が安置された祭壇らしき場所だ。
「「これが私/僕達一族が代々崇め護ってきた愛媛の守護神 最珠羅様と婆堵羅様よ/です」」
そう言って卵の前に立つ安芸姉弟。祭壇の上に鎮座された二つの卵。それを思わず見入ってしまう球子と杏。
「で、デカイなぁ…オムレツ何個作れるんだ?」
「タマっち先輩、これは蟲の卵だからオムレツは出来ないよ…」
球子の言葉を聞いて、一瞬卵がビクッと震えた気がしたが気の所為だろう。
「そうだ、まだ貴女達の名前聞いてなかったわね」
「あ、わたしは伊予島 杏です」
「タマは土居 球子だ」
「……私は15歳だけど歳は?」
「え、14ですけど」
「同じく」
「ふぅん、14…ねぇ」
真鈴は杏をジロジロと眺める。主に胸の部分を。
「……14なのに発育いいわね…揉んでいい?」
「何真剣な眼差しで言ってるんですか!?」
手をわしゃわしゃさせてそう懇願する真鈴に両手で胸を覆う杏。球子は「あ、こいつタマと同類だ」と感じ取った。大樹は頭を抱えた。
「まあ、10%の冗談は置いておいて…本題に入るわね」
「90%本気だったんですね?!」
「姉様は黙ってて下さい。こほん、早速ですが二人にお話したい事があります。それは世界の命運がかかった大事な話です」
「い、いきなり話が大きくなったな」
「僕達安芸一族には「太平風土記」という予言書があります。そこにはこう書かれているのです「天災の日来たりし時、天から災いの獣、来らん。そして最珠羅と婆堵羅と絆結びし乙女が獣を退けん」と」
「災いの…獣?」
「ええ、僕等の一族はそれを怪獣と呼びます。そしてその予言の日というのが…今日です」
「「今日!?」」
「ええ、だから安心してるのよ。ギリギリだけど最珠羅様と婆堵羅様の盟約者が見つかって」
その災いの獣…怪獣とやらが現れる日が今日だと言われ驚く二人。
「いきなり過ぎないか!?説明されてすぐなんて流石に無理だぞ!」
「そうです!小説じゃないんですからいきなり戦えなんて言われても…」
「……悪いですけど、四の五の言ってる暇はないようですよ」
慌てる二人に対し、大樹は冷静な顔でそう呟く。その瞬間大地が大きく振動し地下室が大きく揺れる。
「きゃ!?」
「な!?じ、地震か!?」
「……大樹」
「ええ、来たようですね」
安芸姉弟は悟る。これは地震ではなく予言に記された天災の日だと。
すぐに地下室の階段を登り、社から出て森の中を走り森の外へと出る。そして四人が目にしたのは炎上し、煙が上がっている町だった。だがそれよりも四人の意識が向いたのは街の中で暴れ回る二体の怪獣だった。
ーーーピギィィィィィィィッ!ーーー
ーーーガィギィィィィィィッ!ーーー
「な、なんだあいつら!?」
その二体は共に同じ青色の体色で、全身刺々しい身体をしている。一体は鋭い一本の角に三つの口を持つ怪獣。もう一体は二本の角を持ち間抜け面の怪獣だ。
「……ありました。この太平風土記にあいつらに似た姿の怪物が描かれています。名は兄鬼
怪獣達の名は合体怪獣 プラズマと合体怪獣 マイナズマという兄弟怪獣だ。二体は咆哮を轟かせプラズマは胸の二本の角から白色光線を、マイナズマは二本の角から青色光線を放って街を炎上させる。
「ま、街が……!」
「不味いですね。盟約者が見つかったとはいえまだ卵は孵化していないのに…」
自分達が住んでいる街が怪獣に蹂躙されるのを見て顔を青ざめる杏。大樹はまだ卵が孵化していない事に軽く舌打ちする。
「こうなったら無理やり卵を孵化させるしか…」
「いえ、そうすると未熟児になります。仕方ありませんがこの方々を社に匿いましょう。結界のおかげであそこなら匿う事が…」
もう無理やり孵化させるしかないと真鈴が呟くが、それで未熟児になってしまったら元も子もないと大樹は首を振り、杏と球子を神社に隠すことを提案する。だが、それに対し球子が声を上げる。
「ちょっと待て!街のみんなはどうなるんだ!?」
「……見捨てる他ないでしょう」
「大樹!?何を言って…」
「怪獣に勝てるのは最珠羅様と婆堵羅様の子達だけです。いずれこの世は怪獣達の巣窟となります。折角の世界を救う切り札を失うのは愚策です。残念ですが町の人達は諦め…」
諦めよう、そう大樹が言おうとすると球子が彼の襟首を掴む。
「巫山戯るな!見捨てるのか!?町のみんなを!」
「タマっち先輩!?」
「……そうです、ここで未熟児な個体を孵化させるより、完全体である個体の方が世界を怪獣から守る事が…「そんな事知らん!」!?」
大樹の言葉を遮る様に球子は大声を上げる。
「タマには世界を救うだとか難しい事は分からん!でも、それと町のみんなを見捨てるのは違うだろ!それに目の前の命を助けずに見捨てる奴が世界を救えるなんてタマは思わない!」
「で、ですが…!」
球子の言葉を聞いて押し黙る大樹。そして杏も球子の言葉を聞いて口を開く。
「……わたしもそう思います。わたしも世界を救うだとかそんな難しい事は未だに理解できないけど…ここで皆を見捨てたら…世界も救えない気がするんです」
「……成る程、やっと分かったわ。こんな子達だから…あの子達もこの子達を選んだのね」
杏の言葉を聞いて、真鈴は笑みを浮かべた。やっと卵が何故この二人を選んだのか分かった気がしたからだ。
「でも、どうやってあの怪獣達を…」
大樹がそう言いかけた、まさにその時だ。地面が激しく揺れ、地面から何かが出現したのだ。
ーーーキュアァッ!ーーー
ーーーピギュアアォォォッ!ーーー
現れた二体の怪獣…一体は茶色の芋虫…頭部が大きく、後ろが小さい為クロワッサンにも見える可愛らしい怪獣。もう一体は鋭い角に漆黒の外殻、身体の各部に刺々しい棘が生えた恐ろしい怪獣。そんな二体が地中から現れたのだ。
「そんな…!?自らの意思で孵化したのか!?」
地中から出現し、街中で暴れ回るプラズマとマイナズマの元へと這って進む。
ーーーキュアァッ!!ーーー
ーーーピギュアアォォォッ!ーーー
一生懸命地面を這って兄弟怪獣の元へ向かう双子の守護神。それを見て真鈴が球子と杏に向けて口を開いた。
「……杏、球子。このままじゃあの子達はあの怪獣に勝てないわ」
「「!?」」
「守護神の子とはいえまだ幼虫…正直あの兄弟怪獣には勝てるか分からないわ…ええ、あの子達
そう言って真鈴は懐からある物を取り出す。それは鏡と似た形状をした物だった。
「これは『エリアスの盾』。呉爾羅と魏怒羅を封じた祭具であり、最珠羅と婆堵羅の力を増す乙女が持つ神具…さあ、これを受け取りなさい。あの子達と盟約を交わしあの怪獣達を倒すのよ」
真鈴がそう言ってエリアスの盾を球子と杏へと差し出し、二人は同時にエリアスの盾を掴む。するとエリアスの盾が激しい光を放ち、鏡に似た形状が溶け、二つの青色の縦長の機械 バトルナイザーとなり二人の手に握られていた。
「これは……?」
「機械……?」
「さあ、行きなさい守護神に選ばれた乙女達。それこそ盟約の証。貴女達の力で悪逆を尽くすあの怪獣に裁きを与えなさい!」
バトルナイザーを握った瞬間から何をすべきか理解している。二人は二体の幼虫の姿をした怪獣達の方を見る。
ーーーさあ、早くしろ小娘。俺の名を叫び、指示を出せーーー
ーーー行こうよ私のパートナー。私の名前を早く呼んでーーー
「……ああ。行くぞあんず」
「……うん。行こうタマっち先輩」
声が聞こえた。球子と杏はその声に頷き、バトルナイザーを構え叫ぶ。自分達の相棒の名を。
「行け
「お願い
ーーーキュアァァァッ!ーーー
ーーーピギュアアォォォッ!!ーーー
二人の少女の声に応じた怪獣達…バトラとモスラは大きな声で
ーーーピギィィィィィィィッ!?ーーー
ーーーガィギィィィィィィッ!?ーーー
モスラとバトラの攻撃を喰らい、驚きの声を上げる兄弟怪獣。すぐに自分達を攻撃した存在を見つけ、怒りの目を向けモスラとバトラへと突進する。
「バトラ!とにかく攻撃してくれ!」
ーーーピギュアアォォッ!ーーー
バトラは球子の指示通り先程同様に両眼からプリズム光線を、更に天を穿たんばかりに伸びた角から放電を放ちプラズマとマイナズマの進行を止める。
ーーーピギィィィィィィィッ!?ーーー
ーーーガィギィィィィィィッ!?ーーー
バトラの猛攻に怯む兄弟怪獣。バトラは攻撃の手を緩める事なく、両眼と角からプリズム光線と放電を放ち二体を攻撃し続ける。
「モスラ!貴女は姿を消して!」
ーーーキュアァァッ!ーーー
モスラはプリズム状の組織で構成された自らの皮膚で周囲の光景に擬態するフェイク・リフレクションを行い、自らの姿を隠した。
ーーーピギィィィィィィィッ!!ーーー
ーーーガィギィィィィィィッ!!ーーー
突然プラズマとマイナズマも白色光線や青色光線を放って応戦するも、バトラのプリズム光線や放電に相殺されバトラに届かない。そして二体はモスラがいない事に気付き怪訝な顔をし…直後、虹色の糸で全身を絡め取られた。
ーーーピギィィィィィィィッ!?ーーー
ーーーガィギィィィィィィッ!?ーーー
ーーーキュアァァァァッ!!ーーー
「やった!」
拘束され戸惑うプラズマとマイナズマ。そして兄弟怪獣の背後に現れ勝ち誇った様に鳴き声を上げるモスラに自分が考えた作戦が上手くいき喜ぶ杏。
「よし!これであいつらの動きは封じたな!流石あんずだ!」
「違うよタマっち先輩。わたしはただ作戦を考えただけ。モスラがいなかったらわたしは何にも出来なかったもん」
「それもそうだな。ありがとなモスラ!」
ーーーキュアァッ!ーーー
そう二体を縛った虹色の糸はモスラが口から吐き出した糸 エクセル・ストリングスという拘束技だ。この糸は強酸を含んでいる為触れているだけで激痛が走り兄弟怪獣は皮膚が酸で焼け爛れていた。
「よおし、バトラ!あいつらが動けない間にどんどん攻撃だ!」
「モスラもプチ・レールガンでバトラの援護をお願い!」
ーーーピギュアアォォォッ!ーーー
ーーーキュアァッ!ーーー
身動きの取れない今が好機と言わんばかりにバトラとモスラはプラズマとマイナズマに攻撃を集中させる。プラズマ光線とプチ・レールガンの嵐に兄弟怪獣は火花を散らしながら翻弄される。
ーーーピギィィィィィィィッ!?ーーー
ーーーガィギィィィィィィッ!?ーーー
モスラが吐いた糸の拘束はどんなに足掻いても千切る事は出来ない。どれだけ力を込めても破壊する事が出来ないのだ。
ーーーピギィィッ……ピギィィィィィィィィッ!!ーーー
ーーーガィギィッ……ガィギィィィィィィィッ!!ーーー
プラズマとマイナズマは理解した。
ーーーピギィィィィィッ!!ーーー
ーーーガィギィィィィッ!!ーーー
プラズマは一本角からプラス電撃光線を、マイナズマは二本の角からマイナス電撃光線を互いへと放ち互いの身体をくっつけ合う。それにより二人を縛りつけていた糸が合体の際に生じたエネルギーで消滅した。
ーーーピギィィィィィィィッ!!!/ガィギィィィィィィッ!!!ーーー
「「「「く、くっついた!?」」」」
ーーーキュアァッ!?ーーー
ーーーピギュアアォォォッ?!ーーー
単に背中合わせにくっついているだけなのだが、これにより+エネルギーと-エネルギーが合わさり身体能力が何倍にも強化され、死角がなくなるのだ。
ーーーピギィィィィィィィッ!/ガィギィィィィィィッ!ーーー
プラズママイナズマは唸り声を上げ、プラズマを前にしてモスラとバトラへと突進する。バトラは両眼と角からプリズム光線と放電を放つも、強化された肉体はそれらの攻撃を受け付けない。モスラが吐いた糸も腕力だけで無理矢理引きちぎってしまう。
「そんな!?モスラの糸が……!?」
「単にくっ付いただけなのに無茶苦茶強くなってないかあいつら…!?」
先程まで通用していた攻撃が通用しなくなり戸惑う球子と杏。その隙を逃さずプラズママイナズマはバトラとモスラに破壊光線 シンセサイズレーザーを発射、バトラとモスラは光線により吹き飛ばされ宙を舞い地面に叩きつけられる。
ーーーキュアァッ!!?ーーー
ーーーピギュアアォッ!?!ーーー
「モスラ!?」
「バトラ!?」
地面に倒れる相棒達に叫び声を上げる二人。それを見て大樹は舌打ちする。
「くっ……やはり未熟児では……!」
「いえ、まだよ。あの二人を信じなさい」
真鈴は弟を宥めながら球子と杏を見つめる。確かにバトラとモスラだけでは勝てないかもしれない。だがあの二人がいれば勝てる。そんな確信が真鈴にはあった。
「まだだ!立ち上がれバトラ!」
「頑張ってモスラ!」
ーーーピギュアォォッ……ピギュアアアアォォォォォッ!!!ーーー
ーーーキュアァッ……キュアアアアアァァァァァァァッ!!ーーー
盟約者の声を聞きバトラとモスラは雄々しい啼き声を上げ、プラズママイナズマを睨む。
ーーーピギィィィィィィィッ!/ガィギィィィィィィッ!!ーーー
プラズママイナズマはバトラとモスラにシンセサイズレーザーを発射。被弾せずとも地面にぶつかった衝撃で土塊が吹き飛び双子の進路を妨げる。
(バトラの光線だけじゃあいつらは止められない)
(モスラじゃ火力不足であの怪獣達を倒せない)
(ならバトラだけじゃない。モスラの力も借りればいいんだ)
(あの怪獣達みたいに力を合わせれば…倒せる)
プラズマとマイナズマと同じ様に、バトラとモスラも力を合わせればプラズママイナズマに勝てる。そう二人は思考する。
((タマ/わたしとあんず/タマっち先輩が力を合わせれば絶対に勝てるっ!!))
球子と杏は同時にバトルナイザーを前へとかざす。示し合わした訳でもない。ただ会話せずとも、目を合わせたりせずとも互いの考えてる事を理解した、それだけである。
「「行け!バトラ/モスラ!!!」
ーーーピギュアアォォォッ!!ーーー
ーーーキュアァッ!!ーーー
盟約者達の叫びを聞き、バトラとモスラはプラズママイナズマへと突進。二体同時に体当たりをプラズママイナズマに命中させ後方へ押し飛ばす。
ーーーピギィィィィィィィッ!?/ガィギィィィィィィッ!?ーーー
ーーーピギュアアォォォッ!!!ーーー
ーーーキュアァァァァァッ!!!ーーー
プラズママイナズマの態勢が緩んだ今が好機と言わんばかりにバトラとモスラが鳴く。バトラは角にエネルギーを収束し、赤色に輝く光線 プリズムシュートを、モスラは腹部から極太の光線 スパークリング・パイルロードを放ちそれを重ね、合体光線と化しプラズママイナズマを穿たんと二重螺旋を描き直進する。
ーーーピギィィィィッ!?/ガィギィィィィッ!?
ーーー
プラズママイナズマは慌ててシンセサイズレーザーを放つ。だが双子の合体光線に破壊光線は押され、合体光線が破壊光線を打ち破りプラズママイナズマの身体を穿つ。
ーーーピギィィィィィィィッ!!?ピ……ギ…ィィ…ィィィ……ィ……ッ…/ガィギィィィィィィッ!?ガィ…ギィィィ……ッ……ーーー
合体光線によりプラズマもマイナズマも身体のほぼ半分を消し飛ばされ、兄弟怪獣は当時に後ろに倒れ爆散する。
「「やった!!」」
ーーーピギュアアォォォッ!!ーーー
ーーーキュアァァッ!!ーーー
プラズマとマイナズマを倒し喜ぶ二人と二匹。大樹も安堵の息を吐く。
「やったなあんず!モスラの後押しのお陰で勝てたぞ!」
「ううん、タマっち先輩とバトラのお陰だよ。わたしとモスラだけじゃきっと勝てなかったから」
「じゃあタマとあんず、バトラとモスラの協力プレイて事で全員の手柄だな!」
ーーーピギュアォッ!!ーーー
ーーーキュアァァッ!!ーーー
そう笑い合いながら喋る球子と杏、初めての勝利に喜び顔を首をリズムよく揺らすバトラとモスラ。
「ね、なんとかなったでしょ?」
「ええ……その様ですね」
真鈴は弟の肩に手を置き、笑みを浮かべる。それを見て大樹も微笑み…すぐに表情を硬くする。
「ですが…
「そうね。他の場所にも怪獣が当然現れてるんでしょうね」
予言では怪獣が現れるのは愛媛だけではない。世界中に怪獣が現れている筈だ。今倒したプラズマとマイナズマも数多の怪獣達の氷山の一角だ。
「早く球子さんと杏さん以外の怪獣との盟約者達を探さないといけませんね」
「そうね……はぁ、予言に書かれた怪獣との盟約者の数は
「流石にそれはないと思いますよ姉様」
初勝利に喜ぶ球子達を他所に、球子と杏以外の六人の怪獣使いを探さなければならないのかと溜息を吐く真鈴…まさかこの時は八人の怪獣使いの内、五人が四国出身だとは彼女は夢にも思わなかった。
真鈴さんと弟の大樹君はモスラにおける小美人みたいな感じです。片方は男ですけどね…因みにオリキャラの大樹君ですが原作でも真鈴さんには弟がいるて設定があるのでそれを採用した、のとゆゆゆいだと出番ゼロな真鈴さんを活躍するならここだな、と思ってこうなりました。大樹君の名前の由来はモスラ(1996年)の主人公 後藤大樹からです
因みにバドラがお兄ちゃんです。モスラが世話のかかる好奇心旺盛な妹。そんな妹に振り回される堅物お兄ちゃんがバトラです。バトラのパートナーがタマっち先輩なのもバトラは攻撃重視で防御力も高いからタマっち先輩向きだと思ったから、モスラは糸での拘束、透明化と応用力が高いから頭脳派なあんずん向きだと思ったからです
ここでバトラとモスラについての説明です
戦闘破壊獣 バトラ(幼虫)
身長 35メートル
体重 5,000トン
必殺技 プリズムシュート
800年前に死亡した守護神 バトラとモスラの残した卵から孵った双子の兄。地の神に属する守護神で妹 モスラよりも攻撃性に優れている。非常に妹思いなので球子と気が合う。星を護るためなら文明を滅ぼす事も辞さないが今は文明(人間)よりも怪獣の方が害悪と判断している為攻撃する気はない
守護神 モスラ(幼虫)
身長 20メートル
体重 3,000トン
必殺技 スパークリング・パイルロード
800年前に死亡した守護神 バトラとモスラの残した卵から孵った双子の妹。地の神に属する守護神で兄 バトラよりも技の多彩さに優れている。悪戯好きな所があり兄が大好き。人間に興味津々でそんな人間を害する怪獣を倒す事を使命としている。
次回は等々満を辞して原作主人公の登場。修学旅行先で彼女が出会った怪獣とは…!?因みに出てくる怪獣は今回名前だけ登場した円谷のロリママとか言われるあの怪獣です
次回もお楽しみに!