絶世の美女が俺の恋人に!? 前世は王女様とその従僕。いや、全部マッチポンプだから!   作:里奈使徒

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第29話「運転手、石橋真照の困惑」

 草乃月総合病院の廊下を足早に歩く。自分の足音が、やけに大きく響いていた。

 

 心臓が早鐘を打っている。手のひらが汗ばむ。

 

 昨日の夕方、病院から電話があった。

 

「奥様のドナーが見つかりました」

 

 その言葉だけなら、まだ信じられた。何年も待ち続けていたことだ。いつかは、いつかはと祈り続けてきた。奇跡的なタイミングだが、ありえないことではない。

 

 だが、続く言葉が引っかかった。

 

「明日、十二階の特別フロアにお越しください。奥様は既にVIP病室に移されております」

 

 VIP病室?

 なぜだ?

 

 俺たちは一般病棟の患者だ。保険診療で精一杯の庶民だ。それがなぜ突然、金持ちしか使えないVIP病室に?

 

 手術費用だって、三千万円という途方もない金額で頭を抱えていたのに。

 

 狐につままれたような気分だった。

 

 でも、嬉しい。心の底から嬉しい。

 

 VIP病室なら最新の医療設備が整っている。専門医師も常駐し、看護体制も手厚い。一般病棟とは治療の質が段違いだ。

 

 何より美奈子の心境が違う。希望を持てる環境にいることで、きっと回復も早まるはずだ。

 

 それでも、おかしい。あまりにもおかしい。

 

 うまい話には必ず裏がある。それが世の中の鉄則だ。

 

 それでも信じたい。信じたいんだ。

 

 いつもなら三階の一般病棟なのに、今日は十二階。エレベーターを降りた瞬間、空気が違った。

 

 廊下の絨毯は深いワインレッド。壁には上品な絵画、照明は温かみのある間接照明。高級ホテルのロビーに迷い込んだかと思った。一般病棟の殺風景な白い廊下とは別世界だ。

 

 窓の外では、西日が都心のビル群を照らしている。十二階からの眺めは一般病棟とは比べものにならない。

 

 看護師の制服も違う。忙しなく走り回る一般病棟の看護師とは違い、ここの看護師は高級レストランのソムリエのような落ち着いた足取りで歩いている。廊下ですれ違う患者の家族らしき人々も、身なりが違う。スーツや上質なワンピース。俺の安っぽいジャケットが浮いている気がした。

 

「石橋様でいらっしゃいますね」

 

 声をかけられて振り返る。上品な中年女性——看護師長らしき人が微笑んでいた。

 

「はい、そうですが……」

「奥様がお待ちです。こちらへどうぞ」

 

 案内された部屋の前で、俺は足を止めた。

 

『VIPスイート1205号室』

 

 金の文字で刻まれたプレート。眩しくて目を細めた。

 

 ドアを開ける。そこはもう病室じゃなかった。

 

 まず目に飛び込んできたのは、床から天井まで続く大きな窓。東京の街並みが一望できる。夕日が高層ビル群を金色に染めている。

 

 室内は我が家のリビングより遥かに広い。入口近くにソファセットと大型テレビ。奥に仕切りのカーテンがあり、その向こうがベッドスペースになっている。ホテルのスイートルームだ。

 

 そして奥に、電動リクライニング機能付きの最新式ベッド。そこに妻の美奈子が横たわっていた。

 

「あなた……」

 

 美奈子の声が震えていた。いつものやつれた顔ではない。瞳に光が戻っている。

 

「信じられないの。ドナーが見つかったって」

 

 よかった。本当によかった。

 

 俺は駆け寄ろうとして——足が止まった。

 

 ベッドの横に、見慣れた背広姿の男が立っていた。

 

 社長、草乃月涼彦。

 

 俺の雇い主にして、心の底から軽蔑している冷血漢。

 

 頭が真っ白になる。

 

 なぜここにいる?

 なぜ、俺の妻のそばに?

 まさか、妻の見舞い?

 

 いや、ありえない。この男に人情があるわけがない。

 

 それなら——

 

 その瞬間、すべてが繋がった。

 

 そうか。これは罠だったのか。

 

 最初から全部、仕組まれていたのだ。

 VIP病室も、ドナーの話も、全部こいつの仕組んだ罠だ。

 

 希望を持たせておいて、最後に叩き落とす。

 

 妻の喜ぶ顔を見せておいて、「やっぱりダメでした」と絶望させる。

 

 そうやって俺を完全に服従させるつもりなんだ。

 

 血が頭に上る。

 

 この前、息子のいじめの件で社長と口論したことを根に持って、俺を徹底的に追い詰める気なんだ。妻に希望を持たせておいて、最後に「やっぱり手術はできません」と言って絶望の底に突き落とす。

 

 そうやって俺が苦しむ姿を見て楽しむつもりなんだ。

 

 許せん。

 

 俺ひとりなら我慢できる。

 

 今まで散々我慢してきた。手島さんを裏切ったときも、社長の冷酷な言動に歯ぎしりしながら耐えてきた。息子がいじめられているのを知っても、妻の治療費のために何も言えずに我慢してきた。

 

 全部、妻のためだった。

 愛する妻が助かるなら、どんな屈辱にも耐えてきた。

 

 そして今日、ついにその願いが叶うと思った。妻の希望に満ちた笑顔を見たとき、これまでの苦労がすべて報われると思った。

 

「信じられないの。ドナーが見つかったって」

 

 あの輝くような表情。久しぶりに見た妻の心からの喜び。

 

 それを、この男が踏みにじろうとしている。

 

 美奈子を、俺の愛する美奈子を弄ぶなんて——

 

 病気で苦しんでいるのに、いつも俺や息子を気遣ってくれる美奈子を。

「無理はしなくていいのよ」と言いながら、本当は生きたがっている美奈子を。

 息子の将来を心配し、俺の仕事を案じ、自分のことより家族のことばかり考えている美奈子を。

 

 そんな素晴らしい妻を、希望を与えておいて絶望に突き落とすなんて——

 

「貴様ぁぁああ!」

 

 気づいたら社長に馬乗りになっていた。

 

 ドスッ!

 

 拳が顔面に食い込む。頬骨に当たった手応えが、腕を伝って肩まで響く。

 

「ぐっ!」

 

 短い呻き声。鮮血が宙を舞った。赤い雫が白い壁に飛び散る。

 

「死ね! 死ね! 死ね!」

 

 止まらない。拳を振り上げ、また叩きつける。今度は鼻に直撃した。メキッという嫌な音。鼻血が噴き出す。

 

 俺の手にも返り血がべっとりと付いた。

 生暖かく、粘つく。

 

「バカにしやがって! 懸命に生きている妻を! 病気と闘っている美奈子をからかいやがって!」

 

 右、左、右。拳が顔面を打ち続ける。社長の顔が見る見るうちに腫れ上がっていく。

 

「あなた、やめて!」

 

 何か聞こえた気がしたが、怒りで頭が真っ白になっていて止まらない。

 

「やめてぇぇぇ!」

 

 細い手が、俺の肩に触れた。痩せ細った、震える手。

 

 美奈子だ。

 

 その瞬間、我に返った。

 

 はぁ、はぁ、はぁ……

 

 社長の顔は血だらけだった。鼻が曲がっている。唇も切れている。

 

 終わった。

 完全に終わった。

 

 よりによって、あの冷血漢の草乃月涼彦を殴ってしまった。

 

 周囲がざわめき始めた。

 

「きゃああああ!」

 

 看護師たちの悲鳴。いつの間にか、病室の入口に三人ほどの看護師が集まっていた。

 

「何てことを。ここは病院ですよ!」

「警察を呼びます!」

 

 看護師が携帯電話を取り出した。

 

「よい」

 

 社長が血を拭いながら立ち上がった。曲がった鼻を何事もないように元の位置に戻す。痛みをまったく表情に出さない。まるで戦場慣れした兵士のような冷静さだった。

 

「しかし、これは明らかに——」

「よいと言っておろう!!」

 

 空気が変わった。

 

 低く、静かな声だった。なのに、部屋全体を震わせるような響きがある。

 

 看護師の言葉が途中で止まった。

 

 部屋にいる全員が息を呑む。俺も、身体が硬直していた。

 

 普段から厳しい男だと知っている。だが、今の社長からは別の何かが漂っている。

 

 単なる威圧感ではない。

 

 もっと根源的な、人を従わせる力。

 

 まるで王が臣下に命令を下すような——そんな響きだった。

 

「ストーンブリッジ卿の怒りは当然だ」

「ストーンブリッジ卿?」

 

 気がつくと声に出していた。

 

 なんだそれ、俺のことか? 石橋だからストーンブリッジ?

 

「……いや、石橋の怒りは当然だ」

 

 社長が慌てたように言い直した。

 

 何をふざけたことを言ってるんだ、この人は。

 

「お父様がよいと言っているのです。他言は無用ですよ」

 

 いつの間にか、上品な女性が部屋に入ってきていた。黒いスーツに身を包んだその姿には威圧感がある。

 

 社長と似た顔立ち。おそらく娘だろう。確か名前は麗良だったな。

 

「皆、席を外してくれ」

 

 社長が看護師たちに声をかけた。

 

「しかし、お怪我の手当てが……」

「お父様は大丈夫よ。何かあればすぐに呼ぶわ」

 

 麗良が補足すると、看護師たちは渋々と病室を出ていった。

 

「石橋よ、少し別室で話をしよう」

 

 社長が立ち上がった。

 

「仕事の話だ。奥方には心配をおかけしたくない」

 

 俺は美奈子に軽く謝罪と説明をしてから、社長と共に病室を出た。

 

 廊下を歩く。窓の外では、夕日が沈みかけている。ビル群のシルエットが黒く浮かび上がり、空がオレンジから紫へと変わりつつあった。

 

 談話室は病室から少し離れた廊下の突き当たりにあった。『1210』というプレートが掛かっている。

 

 まさに死刑台に向かう気分だった。あの冷酷な草乃月涼彦を、血だらけになるまで殴ってしまった。今から談話室で、どんな恐ろしい報復を言い渡されるのか。足が震えそうになる。

 

 談話室のドアを開けると、高級ホテルのラウンジのような空間が広がっていた。窓際に革張りのソファが二脚、向かい合わせに置かれている。その間にはガラスのローテーブル。壁には抽象画が飾られ、コーナーには観葉植物。空調が静かに空気を循環させている。

 

 俺と社長は窓際のソファに向かい合って座った。麗良は少し離れた場所に立っている。

 

「すまぬ、ストーン——いや、石橋よ」

 

 社長が俺に向かって頭を下げた。

 

 え? なんで俺が殴ったのに謝られてるの? いつもなら少しでも気に入らないことがあれば、容赦なく罵声を浴びせるのが普通なのに。

 

 らしくないどころの話ではない。いや、そんな疑問より謝罪だ。

 

「申し訳ございませんでした。本当に申し訳ございませんでした!」

 

 頭を深々と下げた。

 

 これは本当にまずい。どんなに腹が立っても、暴力を振るってはいけなかった。よりによって相手は陰険の塊、草乃月涼彦というのに。

 

 どんな些細なことでも根に持ち報復する性格の男に、これだけの怪我を負わせてしまった。

 

 妻の手術費はどうする? 生活費は? 息子の将来は?

 

 何をやってしまったんだ、俺は……。

 

「謝罪などするな。貴公の怒りは正当なものだ。そなたに頭を下げられる価値など、この身にはない」

「えぇ、お父様がお悪いのです。もう二、三発殴られてもよろしいのでは?」

 

 麗良が割って入ってきた。

 

 えぇえ! 何言ってんの! 血まみれの父親に向かって「もう二、三発殴られろ」って、そんなに父親と仲が悪かったのか?

 

 喧嘩をしたとは聞いていたが、まさかここまでとは……。

 

 殴った俺が言うのもなんだが、娘として、人としてどうなんだ?

 

「ふっ、そうだな」

 

 社長が苦笑いしている。

 

 なっ!? 嘘だろ? 肯定してるぞ。

 父と娘で俺に殴られるのが当然と思っているようだ。

 

 この人たち、本気で頭がおかしいのか?

 

 とにかく誠意を見せねば。このままでは本当に終わる。

 

「社長、慰謝料はお支払いします。治療費も全額負担させていただきます。責任は必ず取らせていただきますので、何卒ご容赦を……」

 

 必死に言いかけたとき、社長が手を上げて制した。

 

「そのようなことは不問とする。それより大事なことがある」

 

 えぇ、さんざんに殴ったのに不問!? 普通に懲戒免職でおかしくない状況で、この男がそんな度量を!

 

 一体何が起きているんだ?

 

「石橋よ、そなたが命を捨ててまでの忠勤に、余は十分に報いてこなかった」

「いえ、命がけで働いてはいますが、命を捨てるとは……?」

「ヴュルテンゲルツ王国のことは覚えていないか?」

 

 社長が真剣な顔で聞いてくる。

 

「は? ヴュルテン何ですか? 王国って……」

「……そうか。やはり、まだか」

 

 社長が深くため息をついた。

 

「では、そなたは長年、余の運転手として真面目に働いてくれた。常に時間を守り、安全に送迎し、決して不平も言わなかった。そのような忠実な働きぶりに、余は十分に報いてこなかった。今こそ、それを正したい」

 

 急に何を言い始めたんだ?

 

 もしかしてコンプライアンス違反で国から指導でも入ったのか? 労働環境の改善を迫られて、急に従業員待遇を見直し始めたとか?

 

 パワハラ、モラハラを自覚して改めようとしている?

 

 昨今のご時世に沿った話ではある。ただ、この男なら鼻で笑って己の道を行くと思っていたが。

 でも……チャンスではある。

 

 今は金が必要だ。妻の治療費、息子の将来、生活費……一万でも二万でもアップできれば助かる。理由はどうあれ、この話が流れるわけにはいかない。

 

「手術費用は全額負担してやる。それだけではない。新しい住居も用意してやろう。最高級タワーマンション、月150万円の家賃だ」

 

 えっ!? 手術費用の全額負担! 月150万円の家賃!

 

 聞き間違いか?

 

 手術費用は三千万円だぞ。それに俺の月収より高い家賃って何だ?

 

「息子の教育費も心配いらん。最高の私立校への転校、大学の学費まで全て面倒を見てやる」

 

 待て。待て。待て。

 

 なぜそこまで?

 

「さらに、給料も3倍にしてやろう」

 

 3倍! 役員並みの給料だぞ。

 

「退職後の生活も保障する。年金とは別に、月50万円を支給してやる」

 

 おかしい。あまりにもおかしい。

 

 この人、別人なのか? 双子の兄弟でもいるのか?

 

 VIP病室、手術費全額負担、最高級タワーマンション、息子の教育費、給料3倍、老後保障……

 

「あの……一万、二万の話じゃなかったんですか?」

 

 思わず口に出してしまった。

 一、二万円の昇給の話だと思っていたのに、とんでもない規模になっている。

 

 社長と麗良が顔を見合わせた。

 

「お父様、王としての器量が試されますよ。忠臣にはそれ相応の報酬を」

 

 麗良が小さくたしなめるように言った。

 

「余の不明であった。そなたの功績に見合った褒賞ではなかった」

 

 社長が深刻な顔で言った。

 

「そうか、一万か。うむ、それぐらいは与えねばならぬな。それでは領地も与えよう。一万坪の土地を——」

「ち、ちょっと待ってください!」

 

 慌てて止めた。

 

 一万坪って何だ? 東京ドーム何個分だ?

 

 なぜここまで?

 俺が何をしたっていうんだ?

 

 運転手として働いただけだぞ。

 

 こんな厚遇、普通じゃありえない。

 

 裏がある。

 絶対に裏がある。

 

 これだけの厚遇、必ず何か見返りを要求されるはずだ。

 

 冷や汗が背中を伝う。

 

 妻を助けたい。

 でも、後ろめたいことに手を染めてまで大金を得たくない。

 

「申し訳ございません。結構です」

 

 きっぱりと断った。

 

「なぜだ? 何か不服があるのか?」

 

 社長が困惑した表情で聞いてくる。

 

 裏があると思っているなんて言えない。でも、言えることがある。ずっと上申しようと思っていたことが。

 

 今の社長なら……何があったか知らないが、腹の内まではわからない。でも、少しはコンプライアンスを意識しているようだ。今なら言えるかもしれない。

 

「いえ、不服などありません。私の待遇改善よりも、手島さんを復職させてください」

 

 社長が静かになり、深く考え込むような表情を見せた。

 

「手島さんは真面目で誠実な方です。利根川の件でも正しいことを言っていた」

 

 社長の反応を見ていると、意外にも聞く耳を持っているようだ。これはいけるかもしれない。

 思い切って言ってみよう。

 

「率直に言えば、あなたがやめて、手島さんを社長にすべきです」

「貴公の言う通りだ。だが、今はできん」

 

 がっかりした。一瞬期待したが、結局はダメか。

 

「反省なんてしていないんですね」

「違う」

 

 社長の声に、今まで聞いたことのない重みがあった。

 

「今すぐこの座を譲るのは、己の責務を放棄することになる。だが、手島を要職に戻すのは当然だ。ハンドアイランド卿は……いや、手島は忠義の士だ。明日にでも重臣として復帰させよう」

「ほ、本当ですか」

 

 信じられない。あんなに冷遇していた手島さんを引き上げるというのか?

 

「利根川問題の後始末、小金沢グループとの決着、やるべきことは山積している。王として、いや、経営者として、これらに決着をつけてから身を退くのが筋だ。その間、手島には私を支えてもらう」

 

 小金沢グループとの決着?

 小金沢家とは親子ぐるみで仲が良いと聞いていたが、何かトラブルでもあったのか?

 

 それに王として? さっきから変なことばかり言っている。

 でも……その声には、妙な説得力があった。

 

 とはいえ、今日起きたことがあまりにも異常すぎる。一度冷静になって整理する必要がある。

 

「社長のお言葉を信じたいと思います。それと、改めて申し訳ございませんでした」

 

 俺は深々と頭を下げた。

 

「失礼いたします」

 

 席を立ち、談話室を出た。

 

「ストーンブリッジ卿、お待ちください」

 

 廊下で、麗良に呼び止められた。

 

「おい、娘さんまで俺を馬鹿にする気か!」

 

 さっきからこの親子は何なんだ。父親は「卿」だの「そなた」だの言うし、娘までストーンブリッジ卿呼ばわり。一体何の冗談だ。

 

「失礼いたしました、石橋さん」

 

 麗良が慌てて訂正した。

 

「まだお話があります。戻っていただけませんか?」

「すみません、急用ができました」

 

 俺は麗良を振り切って、エレベーターに向かった。

 

 妻を助けたい。

 でも、このままでは納得できない。

 

 社長の豹変、破格の厚遇、意味不明な発言……

 

 そして手島さんを要職に戻すという約束。

 

 もしかして、手島さんが何か動いたのではないか?

 

 手島さんは優秀で策略にも長けている。何らかの方法で社長を動かし、態度を変えさせたのかもしれない。

 

 そうでなければ、この急激な変化の説明がつかない。

 

 手島さんに会いに行こう。

 手島さんなら、何か知っているかもしれない。

 

 社長の本当の姿を。この豹変の真相も含めて。

 

 エレベーターで一階に降り、病院の正面玄関を出た。外はすっかり暗くなっていた。街灯が点き、帰宅ラッシュの車のヘッドライトが道路を照らしている。

 

 俺は手島さんがいる閑職の部署へ向かった。

 真実を知る時が来た。

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