ここは.....?どうして俺は此処にいるんだ..確か....俺は...。」長らく五感が使われていなかったのか、体が今置かれている状況を理解するのには、数分の時間がかかった。
......もともと寝起きが良くない方だったから、だけかもしれないが
「此処は、森か?」
鬱蒼と生い茂る草や蔦
木が陽光を遮り、そこから点々と漏れだす光が地面を照らしている。
何処の森なのかは全く見当がつかないが森だということは理解出来る
森の中にいるなんて何年ぶりのことだろうか、という感情に浸った後
自分の体を触り何か変わった所はないか、確認する。
「ちょっと待て、色々とおかしいが...まずこの悪趣味な服は何なんだ?」
今着ている服は紫色で三本の赤いラインが入ったパーカーに中は真っ黒の色をした下着
下はこれまた紫色で赤いラインが上と繋がるような形で作られた作られたズボン。
パンツも紫であり、この一式を着たやつは俺以外にいるのかと思うぐらいダサい...初の紫攻めにかなり戸惑う。
「それと何でこの木はこんなに大きいんだ...というか俺の歩幅もかなり短くなっているし、
それに声が高くて気持ち悪い.......自分じゃないみたい.....というか母がよく言っていた『アンタがかわいかった頃』にそっくりなようなきもするが」
そんなことは絶対にない筈だ、母が言っていた時期は幼稚園生~小学三年生位だった気がする。
俺は高校二年生だし、背も180センチを超えていてこの頃は玄関に入る時ゴツンという気前の良さそうな音をあげて入るのが悩みの種で、180センチの壁をこえてしまうと色々な物が不便だなぁ。
と思い始めていた位なのに、元々声は高い方ではあったが.こんなハスキーなボイスではなく
もっと落ち着いていて少し濁っているような声だったが..今では老若男女のどの声とも聞き取れる澄んでいる声に早変わり。背は高身長だったがショタコンどもが好みそうな低身長になった。
....自らが一番気になっていた小太りに関しての点だが........それがなくなっている!!!
「っフハハハハハハハハ」
ドス黒い笑い声が聞こえてくる。前までの声ではないのに感覚てきにはそれ以上に低く感じる笑い
声だ。思考する感情もより黒い物えと豹変していくのが分かる。
「笑いが止まらん」
最近では友人が「昔は痩せていたのにな..過去の栄光に縋らずしっかり痩せろよ」
と言われた笑い混じりでいわれた時は辛酸を舐める程の屈辱を覚え、ダイエットをしよう。ダイエットをしよう。と思い立ち早三か月、ダイエットはいっこうに進まず
そのことを知っている友人は会話の先立ちとして「ダイエット進んでいるかww」から
始まる会話を聞くたびに留瑠を飲まされる思いだったが..........今その全ての留瑠が下った。
最高の気分だ。何も努力せずにスリムボディが手に入るとは、背が小さくなったのは余計だがそれを
算段しても得する物を得た気がする。くっくっクック、今あの友人に会ったらどのような反応をするのだろうか、驚き嗚咽の声をあげ悔しがるだろうか、それともこの体をてにいれた秘訣を聞きに来る
だろか、
どの結果を想像しても笑いは尽きない。
「フハハハハハハ.ハハハ...ハハ.ハ」
笑っている場合ではないし俺の友人だったらまず、俺の身を案じてくれたのではないだろうか、
それに今一番驚くべき所は無駄肉がへった所より体に起きた変化について考えてみるべきではなかったのではないか?この変化が体に重大な打撃を与え致死的ダメージが与えられないとどうして考えられなかったんだ、今までの感覚とは違う『何か』が精神にかなりなダメージを与えられてしまった
のだと理解する。
「...状況整理だ、状況整理。」
こいううのは口に出した方が良いと聴いたことがあるので口に出して言ってみることにする。
「一に声が高い、二に、背が小さくなっている、三に痩せている.....それは置いといて」
この三つの現状を鑑みるに考えらる可能性は...
「若返り..?推定十一歳位若返ったのか?それか別の肉体に魂が移ってしまったのかの二択
だな。」
これがこの現状でなければ(中二病乙)と言われてしまいそうな言葉で、今でも自分で言ったことを
若干後悔している最中だが可能性があるとすればこれしかない、という確信的な物がある..からだ
神様転生、これが起きる前はよく自宅でネットサーフィンを行っていた俺だったが
一時期ネット小説にドップリとつかり込み四六時中読んでいた時によく目にした言葉
ではある。
一般的に用いられる形とすれば神様がなんらかのミスを犯し、その代償としてなんらか特典などを持たせてアニメなどの世界に転生する、という場合と、神が暇を持て余し神の娯楽のためだけに
人間を攫い無理矢理転生させる(特典の有無は不明)ものがある。
今回の場合は前者にも後者にも当てはまらないが共通点は幾つか存在する、
一つはナコルルという女が言っていた特典、二つめはこの体。
髪の色や目の色などは確認できていないが、髪は短髪なのか確認できず
眼は反射するものがないのでそれれも同じく、と言った所だ。
眼や髪が碧眼や銀髪やらなら確信を得るには充分な証拠だったが、それができないため若返りという
点を考えた訳だ。
「他に何か持っていないのか...」
と言いながら体をまさぐっていたが、特に何も出てくる気配はなくちょっとした絶望感が募っていく。もし特典というものが物が何かの手違いで存在していなかったり、それ自体が聞き間違いであった場合この山のなかで野垂れ死ぬことはほぼ確定的な未来であり、そのことを想像してしまった瞬間思わず身震いしてしまう
。
『.......情緒不安定な人間ですね』
「!!」
音源は頭の中に直接響いているものであり、トンネルの中で喋った時のように音が反響して聞こえる。
『すいませんね、ずっと思考しているようでしたからお邪魔は悪いかと思いまs』
「誰だ、どこにいるんだ!姿を見せろ!」
突然聞こえてきた声にに思わず怒声を放ってしまった、今思えば何をやってしまっているんだ俺
はという状況であり、直ぐに謝罪の言葉を掛けようとしたが音源の声は侮蔑混じりの冷静な声で答える。
『何処にいるんだ!..という質問ですが、貴方が理解出来るかどうかは私の思考の範疇ではありませんが...貴方の体の中、と言ったところでしょうか』
「体の中...?」
意味が分からない、体の中と言われても自分に全く実感はないし少なくても肌が露出している
部分にはそういった痕跡は見られない。仮に体の中にあるのならそれはそれで怖いが
『”ライズ”と言ってみて下さい、そうすれば貴方が目視出来るようになるでしょう』
「....ライズ」
体からスウッと『何か』が抜けていくのを感じる、青白い光と共に空にはキラキラとダイアモンドダストを思わせる粒が空から降り落ちてくる。
数秒後、ポンという効果音とともに右手に何か丸い機械的な感触が感じられる、不意にきたこの感触に思わず右手をに握ると、カチッというライターのスイッチの部分を押したような虚空に響く。
「?」
すると某カロイドの何とかの消失を彷彿とさせる早口で手の中の機械〈?〉が言葉を紡いでいく、某カロイド顔負けの滑舌で分間四千字強ととれる言葉がまるで暴風が走るような速さで紡いでいくが、一言も詰まらずに発せられることに人間味というものが欠けているようなきがする。
『外界とのアクセス完了、モード”c4”への変形完了。内容データ確認中...
データあり、モード”ダイナマイト”への移行プログラムを確認................』
手の中の機械らしきものが白銀の輝きを発し辺り一面を純白に変えていく、白銀の輝きのなか手にある機械らしきものが宙へと浮かび上がり直接は目に入れられないほどの眩い閃光をあげた直後、突然光が止み地面にコロンと落ちる。
怪しみながら、発光していた物体を手に取ると、その楕円形のような円の真ん中辺りに小さいエメラルドのような0.5カラット位の宝石がついており、さっきまで輝きを発していたからか、僅かな熱を帯びていて人肌のようにほんのりと温かみを感じる。
『おはようございますマイスター篠原、私はこのデバイスの管制人格をしております者です。
名はないのでご希望でお決めになることもできますが、ランダムでお決めすることもできます。
貴方様の〈能力〉が爆発ということなので勝手が良いと思いこの形状を取らせて頂きました。
それではマイスター以後お見知りおきを。』
「..は?、はあ」
エメラルドのような宝石が発光しながら矢継ぎ早に言葉を繰り出していく。その言葉達に反応するには反射神経が脳髄に到達し帰ってくるまでには数秒の時がかかってしまいかつ、疑問形で言葉を返してしまった。
「質問......してもよろしいですか?」
『はい、なんなりと。』
屈託のない声で返してくる言葉に質問しようとしていた内容が頭の奥に飛んでいくのを抑え、
怪しい物体に質問する。
「まず、あなたは?」
『私はこのデバイスの管制人格ですさっき申した筈なのですが.....お聞きにならなかったのですか』
知ってるかい?こういうのを会話のドッチボールて言うんだぜ、というくだらないことを考えながら
何故かすべての言葉に侮蔑の意が込められているように感じながら会話に戻る。
「それは分かりましたが、....デバイスと言っていましたよね?もしかしてここは....」
....もしかしてという考えが実現してしまいそうな感覚に、顔は真っ青になり身震いがしてくる。
『御察しの通り此処は魔法少女リリカルなのはの世界でございます。貴方の〈試練〉もこの世界に起きる出来事ごとに関係した試練が出される筈なのでご了承下さい』
魔法少女リリカルなのは、言わずとしれた大人気アニメである。3クールという長い間深夜枠で過ごしておきながらその人気は衰えず、二次創作の分野やコミックマーケットなどにも市場を広げていったアニメである。
主人公が魔法少女になりそのことで周りが巻き込まれて行き、最初は自分の街を守っていく、大切な人を傷つけたくないという清廉潔白な感情だけで動いていくが、ことが大きくなるにつれ沢山の人
の命も預かっていくことになりそのプレッシャーにも負けず最後まで善を貫き通すというストーリー
である。
俺も最初はタイトルから馬鹿にしていた時期もあったが、主人公の熱い思いに見れば見るほど感銘
を受けたアニメだ。
その登場人物達が共通で持っている武器がデバイスであり形状は様々、カード型のもあればブレスレットのような形をしたものまで存在する、まさか今自分の手に持っているものがデバイスであるとは夢にも思わなかったが、これが特典だというのならば納得がいく。
魔法少女リリカルなのはの二次創作作品ではさっき話した〈神様がミスをしてしまったから特典を付けて転生させる〉というものが数多く存在し、大体の場合は特典がデバイスであることが多い。
これらの点を踏まえた結果なのだが、今まで見てきたデバイスのなかでこのような形状をしたものは
見たことがない。
楕円形で円周の右側には細長い鉄の棒のような物が付いており、それごと掴むとカチッという音を鳴らしながら細長い鉄の棒は内部に収まって行く、洋映画で出てくる設置型爆弾で手動で爆破させる
ものにそっくりな気がするが勘違いであって欲しい。
そこで『貴方の能力は爆破』という単語が脳裏をよぎりだす。まさかまさかという逸る気持ちを
抑え会話を再開する。
「じゃあ能力については?」
冷静な口調だが何故か嘲りを感じさせる口調で言葉を放つ。
『〈能力〉である爆破を利用し貴方の元の世界にあった兵器を再現します。兵器は魔力量に応じて変化して行きますが、今使える機能は”モードc4”と”モードダイナマイト"の二つです』
....ヤバい雰囲気が漂ってくる単語がかなり多い、能力の話は置いといて俺自身のことについて
聞いてみようと思う。
「私のことについて知っていることはありますか?」
『名前.篠原 件...歳転生前十七歳...転生後七歳
髪の色....黒....眼..青..〈ベンゼン〉を着用....これ位でよろしいでしょうか?』
衝撃的な事実は二つ、一つ目は転生したという事実。薄々感づいていたが俺は小さかった頃
ここまでスタイル抜群ではなかった、以前の体には特に未練はなかったのでこの点は良いとして、
問題があるのは二つ目だ。
青眼.ブルーアイズ.粉砕☆玉砕☆大合唱......
社長が大好きな目になってしまった。
......冗談はさて置き青眼になってしまったことは驚きだ。以前にもカラコンなどには手をだしていなかったため、一瞬北欧人に転生したのかと思ったが黒髪ということを思い出し否定する。
誰得だよ、ブサメンの青眼。転生してイケメンになっていることを願う。
一旦区切ります