「そうか、おっさんは私の為に脅迫してくれていたのか!」
「.....まあ、そう言う事だ。」
あれからこの少女.....霧雨魔理沙と会話をした。この少女、ちまたで噂?の妖怪退治の専門家らしく今回もあの八雲紫から「この森の奥にとんでもないヤツがいる」みたいな事を言われて探索に来たらしい。
八雲のヤツ.....今度会ったら絶対ボコす!!
「へぇ、私気に入ったぜ、おっさんのこと!」
「...そうか」
気に入られても困るだけだがな、俺としては。
「あっ、そういやおっさん、よく私のマスタースパークを受けて無傷だったな、何したんだ?」
「.....これさ。」
俺は指をパチンと鳴らし、無数の人魂を出現させる。
「コイツらで俺に当たる分だけは相殺した。」
「おおー!人魂も操れるのか?!もしかして元々地獄に住んでた妖怪なのか?」
「そう言うわけじゃない、この森に来てから発現した能力だ。何でかは知らんが。」
「恐らく、貴方の寂しいって気持ちが生み出した力じゃないかしら?」
聞き慣れた声が隣から聞こえたと思ったら、八雲紫がスキマからひょっこり顔を出していた。
「八雲テメェ!!よくも他人に俺の住処バラしたなゴラァ!!?」
「あらあら、寂しいってのは否定しないのね。」
「うるせぇ!!テメェのせいで家が壊れただろうが!!」
「知らないわよそんなこと。私が壊したワケじゃないんだし」
「.....ごめんな、おっさん。」
「あ、魔理沙は許すぞ、だってお前脅迫されてたからな。」
「やったぜ」
「おかしくないかしら」
知るか、八雲の言うことなんざ
「...話戻すけど、一部始終見させてもらったわよ。」
「マジかよ、見られてたのか。」
「まぁね、私が魔理沙に切り出した話だから事の成り行きを見届けるのは当然のことでしょう?」
「.....まあそうだな。」
「私の見立てじゃ貴方、魔理沙と会った瞬間に逃げると思ったんだけどね。まさか脅迫するなんて思わなかったわ」
「悪かったな。」
「いやいや私としては意外性があってよかったわよ、それに誰かに危害を加えるような妖怪じゃないって分かったし。」
「私もそれは思ったぜ。」
「.....で、結局の所、何で魔理沙に話したんだ?」
「貴方に対する試験って所かしら、この幻想卿で生活するに値するかどうかのね。」
成る程な、合点がいった。
全く知らんヤツ相手にどう出るのか試したって言うことか。
「で、その試験の結果は?」
「合格よ!当たり前じゃない!」
「よかったな!おっさん!」
二人から背中をバシバシ叩かれる。
「.....もし、不合格だったらどうなってたんだ。」
「スキマに入れて火山の火口に落としてたわ。」
「ヒイィィ!!!」
何それこっわ!!死ぬやんそれ!!
「ま、おっさん、受かったんだから気にしなくていいじゃんか!」
「そうよそうよ!あ、あとこれもあげるわ。」
八雲紫がスキマの中から何かを取り出しこちらに投げ渡した。
キャッチしてよく見てみると手袋だった。
と、いうか.....!!
「腐る!腐るって.....あれ?」
触ってるのに腐らない!.....どういうことだ?
「やっぱり、貴方の能力って腐らせることの出来ない物質には効果がないようね。因みにそれはプラスチック製の手袋よ。破れやすいから何箱かあげるわ。」
そう言ってボトボトとスキマから箱を落とす。俺はそれを慌てて広い集める。
箱は腐ってボロボロになったが、中身は腐らない!
「マジかよ.....!」
早速手袋を付けて瓦礫に触れる、腐らない!
「よっと!」
急に魔理沙が俺の手を握って来た。
「ホントだ、腐らないぜ!これで私達普通に仲良くできるな!」
「ああ、そうだな!.....だが、俺はここから離れるつもりは無いぞ。」
「..........何故かしら、貴方の住むべき家も瓦礫の山になったのよ?人里或いは博霊神社にでも引き取って貰えばいいじゃない。」
「何だよ博霊神社って、てか俺は.....そうだ、俺はここで生きていかなければならないんだ...............」
「何がそこまで貴方をここに留まらせるのよ!!!」
「ちょっ、紫!」
俺は八雲紫に胸ぐらを掴まれる。コイツは俺のことを思ってこの言葉を言ってくれているっていうのは十分伝わってくる。
それでも、言えないものはある。ソレは俺の
「..........だからそれを赤の他人であるお前に言う必要があるか?」
「!!!.............もういいわ、私は帰る。」
そう言い残し、八雲紫はスキマの中に消えた。
取り残された魔理沙はオドオドしている。
「え、え~っと...なんでここにいるんだ?紫の言った通り家も最早使い物にならないしさ、人里に降りたっていいんじゃないか?見た目人だし。」
「.....俺は、罪を犯したんだよ。」
「罪?」
「..........この件に関して、言えることは何もない。帰りな、今日のところは。」
「あ、ああ、じゃあまたな!おっさん!」
そう言って魔理沙は箒に乗って飛んで行ってしまった。
.....嫌われてしまっただろうか、彼女達に。
いや、これでいいんだ。
..........だから嫌なんだ。何がとは言わないけどさ。