ステカセキングの奇妙な冒険   作:ブラッドマスカレイド

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悪魔超人になった!の巻

ある何も無い空間にて老人と青年の二人がいた。

「お前には今から転生して踏み台をやって貰う。」

「は?」

青年は突然老人から意味不明な事を言われ混乱した。

「あのいや…どう言う事?」

「あー説明するとな…お前は転生者って分かるか?」

「あぁ漫画とか小説で見た事あるから分かるぜ。死んで別の世界で転生?ってやつをする奴の事だよな?」

「あぁそれで合ってるぞそれでな…ある世界に転生者を転生させたんだよ。」

「うんうん。」

「…結構すんなり受け入れるな?」

「いやだってさっき道歩いてたらトラックが突っ込んで来て気づいたらよく分かんない空間にいるんだぜ?今更転生者とか言われても驚かなねぇよ。」

「はぁ…それじゃ話を戻すぞ。」

「あぁ。」

「それでなその世界と他の世界が融合しちゃってね…」

「はぁ…?」

「実はこのままだとその融合した世界が崩壊して消えてしまうんだよ」

「はぁ!?何でだよ!?」

「いや世界にもバランスってのがあってだな?そのバランスが融合した結果崩れるんだよ…」

「なるほど…で俺にその踏み台?ってやつをやれば良いのか?」

「まあ踏み台ってか悪役キャラをやって貰う。」

「てか何で世界の崩壊を防ぐのに悪役キャラをやるんだよ?」

「実はな…融合した世界は悪役キャラが少ないのよ…だから悪役キャラを増やしてね…」

「バランスを整えると…なるほどねぇ〜」

 

青年は腕を組み頷く。

 

「そんなお前の為に特別に特典をあげよう!」

「特典?」

「転生者に渡してる物だ。特殊能力、アイテム、見た目や肉体の改造…等々欲しい物をあげるんだよ。」

「ほー……」

「でっ?何が欲しい?普通なら1人1つなんだが特別に3つ渡そう!」

「そうだな〜」

 

青年は欲しい物を思い浮かべる。

 

「あっ!そうだ!」

「なんだ?決まったのか?」

「あぁ!まず1つ目!俺をステカセキングにしてくれ!」

「……へっ?ステカセキング?」

 

老人は青年の言葉を聞き思わず聞き返す。

ステカセキング…それは漫画『キン肉マン』に出てくる悪魔超人と呼ばれるキャラクターで格闘能力は殆ど無く、超人レスラーとしての実力は超人達の中でも最下位だったが、他の超人の音声情報が収録されたカセットテープをセットすると、その超人の技を完璧に再現できるという恐ろしい能力を持っている。

 

「俺の大好きなキャラクターなんだ!」

「そうかそうか…分かった!」

 

老人は指をパチン!と鳴らす。すると青年の体はみるみると変形し体はステレオカセット、両足はヘッドホンとなり背中にはミラクルランドセルを背負った悪魔超人ステカセキングとなった。

 

「すげぇ!?マジでステカセキングになった!!」

「喜んでくれてなりよりだ…それで?2つ目は?」

「2つ目は…ある程度の戦闘能力をくれ!大体『ドラゴンボール』のヤムチャ位の!」

「あー…ステカセキング戦闘能力低いもんね…でもクリリン位の方が良いんじゃない?」

「大丈夫!ヤムチャ位あれば十分!」

「そーか…分かった!それじゃ最後は何が良いんだ?」

「最後は…色々な漫画やアニメのキャラのカセットテープをくれ!」

「なるほどねぇ分かった!カセットテープは転生したら後々送ってやろう!」

「おっ!サンキュー!」

 

すると近くから穴が出現した。

 

「あの穴は…?」

「あの穴からさっき話した世界に転生できる。」

「そうか!それじゃありがとうな!!行って来るぜ!」

 

そう言うとステカセキング(以降ステカセ)は穴に飛び込んだ。

 

「後は頼んだぞ。」

 

老人はそう言うとその場から立ち去った。


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