ここは文月学園。
「試験召喚システム」と呼ばれる、科学とオカルトの偶然によって発見されたシステムを
世界で唯一採用した学校である。
そんな学校の校舎内では、激しい追いかけっこが繰り広げられていた。
大勢が追いかけるのは、茶髪の少年ただ一人だった。
「アキー!また他の女子と一緒に居たわねー!お仕置きよ!」
「そうです!明久君!!お仕置きです!」
「「「「待てぇーー!吉井!!」」」」
現在追いかけられている少年の名は吉井明久という。
文月学園始まって以来の『観察処分者』にして、学園一のバカである。
そして明久を追いかけてくるのは、FFF団とFクラスの女子二名だ。
彼等が襲ってくる理由は単純明快・・・嫉妬だった。
FFF団とは女子と一緒に居る男子に嫉妬し、その男子達に八つ当たりする集団である。
つまりとてもバカで面倒臭い最低な迷惑集団なのである。
明久も昔はFFF団に居たが、その事がどんなに空しく相手をどれだけ傷つけることに
なるのかを知った今はFFF団を抜けている。
学園一のバカと言われる明久でさえその事に気付いたのに、
他のFFF団の人間は未だに気付いてすらいないようだ。
(姫路さんと美波に関しては・・・なんでだろう?)
いい加減気付けよ!鈍感も程々にしてほしい物である。
まあ、そんなことはさておき彼は今ヤバい状況に陥っていた。
「くっ!仕方ない。窓から飛び降りるしか・・・。」
マジか。と言いたくなるが、彼はそれ位切羽詰まっていた。
しかし、追手はそうすることを読んでいたのか、一気に明久を包囲した。
「か、囲まれた!!」
一気に顔が青ざめ、肩を落とす明久。
どうやら諦めたようだ。
「アキ(明久君)!観念しなさい(して下さい)!!」
「「「「異端者吉井!覚悟!!」」」」
「ギャアーーーー!!」
結局、散々ボコボコにされてしまった明久であった。
「・・・痛てて、もうちょっと手加減してほしいよ。」
現在、明久はなんとか復活し帰宅中である。
しかし、復活までにかなりの時間が掛かってしまい辺りは既に薄暗かった。
「最近回復のスピードが落ちてる気がする・・・。」
因みに、明久の身体はいつ倒れてもおかしくない程にボロボロである。
度重なる暴力に、殺傷兵器と化した姫路作の料理の摂取や無茶苦茶な食生活・・・。
それらの要因が重なり、明久の身体を確実に蝕んでいた。
「・・・ハァ、早く帰って寝よう。」
そう思いながら信号待ちをする明久。
すると、目の前でトラックが通り過ぎようとした時、
信号を無視して子供が飛び出してきた。
このままでは確実に子供が轢かれる・・・。
それを瞬時に理解した明久は反射的に子供に向かって駆け出していた。
身体の至る所から激しい痛みがするが、それに構わず明久は走った。
「間に合えーーーー!!」
そして、子供を反対側の道路に突き飛ばす事に成功する。
しかし、明久は身代わりにトラックに轢かれてしまった。
明久の身体は信号から数メートル先で赤い水溜まりを作っていた。
薄れゆく意識の中、明久の心にあったのは死ぬかもしれないという恐怖ではなく、
目の前の子供が無事だった事への安堵だった。
(よか・・・・った・・・。)
それから間もなくして、明久は意識を手放した。
その後明久はすぐに病院に運ばれるが、治療も空しく息を引き取った。
今回はここまでです。なんか途轍もなく暗い感じになってしまった・・・。
まあ、ここから色々と挽回していけば問題無い・・・ですよね?
次回は明久がどうなったのかについての話です。
今回の話についての感想や質問があれば、どしどしお願いします。
流石にボロクソに言われるのは心に響きますが・・・。