僕と逆行と新たな再出発   作:妖牙

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まずは皆様に謝罪をさせていただきます。

本来ならば、事情を説明してから小説の投稿を中断すれば良かったのですが、

ついズルズルと引き延ばしてしまい、結局こんなことになってしまいました。

今更こんな小説を書きに戻ってきたのかよと思う方もいらっしゃるとは思いますが、

今後も暇を見て更新していく所存ですので、何卒、温かい目で見てもらえれば幸いです。




第七話「ミーティング」

何とか無事に宣戦布告をし終わり、僕達はミーティングの為に屋上に来ていた。

 

(そういえば前もここでミーティングをしたんだっけ。)

 

まあ、あの時と違うのは、この場にクレアが居る事だろう。

 

そのクレアは僕の隣で大人しくジッとしている。

 

流石に皆の前じゃ、くっついてきたりはしないようだ。

 

「さてと、全員揃ったな。んじゃ始めるぞ。」

 

そう言うと雄二は腰を下ろし、僕達もそれにならって腰を下ろす。

 

「明久、開戦は午後からだとちゃんと伝えたか?」

 

「勿論、バッチリ伝えてあるよ。」

 

雄二は念の為か確認してくるが、僕はそれに自信を持って答える。

 

雄二は僕の返事だけで十分だというように頷いて見せる。

 

「それじゃあ、先にお昼ご飯って事ね?」

 

「ああ、そうなるな。明久、今日ぐらいはまともなものを食えよ。」

 

島田さんの言葉に返事をするのと同時に、そんなことを言ってくる雄二。

 

「まともなものって・・・吉井君ってお昼はいつも何食べてるの?」

 

クレアは驚きが籠った声で僕に質問してきた。

 

因みに彼女は僕がどんなものを食べていたのかは知っているし、

 

わざわざ僕の事を君付けで呼ぶ辺り、多分というか絶対に演技だろう。

 

「食ってるつっても水と塩だけだからな。」

 

「・・・確かにあれは食べてるとは言わんと思うぞ。」

 

「・・・・食べるというより舐める。」

 

「・・・吉井君、いくらなんでもそれは無いと思う。」

 

呆れを滲ませた声でそう言ってくるクレア。

 

「アハハ・・・返す言葉も無いよ・・・。」

 

その一言がずっしりと心に響くが、何とか持ちこたえる。

 

するとクレアが無言で箱のような物を差し出してきた。

 

一応それを受け取り、蓋を開けて中身を見る。

 

中には所狭しと、サンドイッチが収められていた。

 

「えっと・・・これは?」

 

「何にも食べる物無いんでしょ?少し位は分けてあげるよ。」

 

どうやら食べ物を恵んでくれるらしい。

 

この配慮はとても嬉しいけど・・・。

 

「良いの?知り合ったばかりでそんな・・・。」

 

そう、今はお互い知り合ったばかりということになっている筈だ。

 

いきなり馴れ馴れしく貰うというのも気が引けるし、何よりそんなことをすれば皆から『本当に知り合ったばかりなのか?』と疑われそうだからね。

 

しかし、彼女は首を横に振りながら口を開いた。

 

「気にしなくていいよ。沢山作ってきたから少し位は問題ないよ。」

 

「そっか、じゃあ頂くよ。それとランスフィールドさん、僕の事は明久で良いよ。」

 

食べ物を貰ったお礼と同時に、さりげなく名前呼びしてほしいとお願いする。

 

いい加減、クレアを名字で呼ぶのは嫌になってきたしね。

 

「そう?じゃあ私もクレアで良いよ明久。」

 

彼女は笑顔で僕のお願いを快諾してくれた。

 

彼女が笑顔で、『その言葉を待ってました!』と言っている気がするのは、きっと僕の見間違いじゃないはずだ。

 

「それならわしの事も秀吉で良いのじゃ。」

 

「俺の事も好きに呼んでくれ。」

 

雄二達も僕に続くような形でそう言っていく。

 

「分かった。これからよろしくね。」

 

「あ、あの。」

 

クレアと皆がある程度打ち解けたところで、姫路さんが僕に話しかけてきた。

 

「ん?どうかしたの姫路さん?」

 

「もし吉井君が宜しければ私のお弁当も食べてくれませんか?」

 

そういえばこの時だったっけ、姫路さんの料理を食べるって約束したの。

 

(ヤバい・・・確実に阻止しないと・・・。)

 

でないと命が危ない・・・主にここにいる全員が。

 

「気持ちはありがたいけど、お弁当を作るのは姫路さんだって大変でしょ?」

 

「私、料理は好きなので大丈夫です。」

 

「いや、でも・・・。」

 

僕が渋っていると、姫路さんは涙目になり始めた。

 

「そ、その、吉井君。もしかして私の料理は食べたくありませんか?」

 

「えっ?やだな姫路さん、そんなわけ無いじゃないか。」

 

(とても、はいそうですとは言えない・・・。)

 

そんな僕の内心とは無関係に会話は進んでいく。

 

「・・・ふーん。瑞希って随分優しいんだね。吉井だけに作ってくるなんて。」

 

「あ、いえ!その、皆さんにも・・・。」

 

「俺達にも?いいのか?」

 

「はい。嫌じゃなかったら」

 

あれ?このままだと回避は不可能?

 

「おお、それは楽しみじゃのう。」

 

「・・・・(コクコク)」

 

「お手並み拝見ね。」

 

「それじゃあ、明日のお昼に持ってきますね。」

 

結局そのまま明日の昼に姫路さんのお弁当を試食することになった。

 

もう何も言わないよ・・・甘んじて受け入れよう・・・。

 

「さて、明日の楽しみが出来た所で、話を戻そうか。」

 

雄二のその一言で、皆が真面目な顔をし始める。

 

そして、秀吉が最初に雄二に質問し始めた。

 

「雄二よ。一つ気になっていたんじゃが、何故Dクラスなんじゃ?段階を踏んでいくならまずはEクラスじゃろう?」

 

「そういえば、確かにそうですね。」

 

「坂本の事だから、何か考えがあっての事だと思うけど。」

 

「まぁな。理由は色々あるんだが、とりあえずEクラスを攻めない理由は簡単だ。戦うまでもない相手だからだ。」

 

「しかし、わしらよりはクラスが上じゃぞ?」

 

「確かに、振り分け試験の時点では向こうの方が強かったかもしれないな。けど実際の所は違う。周りにいる面子をよく見てみろ。」

 

雄二の言葉に頷いてから僕は回りを見て

 

「うん。転校生の女子が一人とクラスメイトの女子が二人、悪友が一人と男の娘の親友が一人にムッツリが一人いるね。」

 

そう言った。

 

強ち間違ってないでしょ?

 

「ま、要するにだ。姫路に問題の無い今、正面からやり合ってもEクラスには勝てる。Aクラスが目的である以上はEクラスなんかと戦っても意味が無いって事だ。」

 

Eクラスなんかってサラリと酷い事言うね~。

 

まあ、僕とクレアが本気を出せば二人だけで殲滅出来るだろうけどさ。

 

「それじゃあDクラスとは正面からぶつかると厳しいの?」

 

「ああ。確実に勝てるとは言えないな。」

 

「勝てるかどうか分からないなら、最初からAクラスを狙った方が良いんじゃないの?」

 

クレアが疑問に思ったのかそう言う。

 

「初陣だからな。ここで派手にやって景気づけにしたい。それに、さっき言いかけた打倒Aクラスの作戦における必要なプロセスだしな。」

 

(ねえ、明久はいつ本気を出すの?)

 

雄二の話の途中でクレアが僕にそう聞いてきた。

 

さて、どうしよっかな・・・。

 

(うーん、取り敢えずAクラスまでは適当で行くよ。いきなり本気出して警戒されるのも面倒だし。)

 

(分かった。)

 

取り敢えずクレアの質問に答え、クレアも同意したのかそれ以上は何も聞いてこなかった。

 

「それでだ、ランスフィールド・・・いや、クレアで良かったか。一つ確認したいことがある。」

 

「何かな?坂本君?」

 

「点数は大雑把で構わないから、得意教科と苦手教科を教えてくれないか?」

 

「どうしてなのか理由を聞いてもいい?」

 

「これからの試召戦争に備えて、取り敢えずお前の成績も把握しておきたいんだ。成績次第じゃ、お前がこっちの切り札にもなるからな。」

 

どうやら雄二は、クレアが使える手札に成り得るのかが気になるらしい。

 

まあ、この時期にいきなり転校してきたんだから他のクラスには僅かな情報しか回っていないだろう。

 

その状況下で、もしクレアが高得点を持っているとすれば、他のクラスにとって十分な脅威となるに違いない。

 

例え脅威にはならなくとも、警戒を抱かせるには十分な要素になるだろう。

 

「そういうことならいいよ。得意なのは数学と英語で、二つとも200点は越えてたかな。それ以外は全然だけどね。」

 

クレアがそう答えると、雄二は少し考えるそぶりを見せてから顔をこちらに向けた。

 

「なるほど、お前は島田と同じで日本語の読み書きが出来ないんだな。だから、他の教科のテストの点数が良くないんだろ?」

 

雄二の言葉にクレアは少し驚きの表情を見せた。

 

「よく分かったね。確かに私は会話なら出来るけど、まだ日本語の読み書きは簡単なものしか出来ないんだ。まあ、数学なら言葉は関係ないし、英語は元々英語圏の国に住んでたから余裕なんだけどね。」

 

「まあ、何はともあれ二つの教科でBクラス並みの点数があるなら戦力として上々だ。十分に主戦力として戦えるだろう。」

 

こりゃ思わぬ拾いものをしたな・・・と雄二は呟きながらまた何か考え始めた。

 

クレアの存在はどうやら雄二にとっては嬉しい誤算になったようだ。

 

「あ、あの~」

 

「ん? どうした姫路」

 

姫路さんが、考え事をしている雄二の思考を遮るように質問をしてきた。

 

「えっと、その・・・吉井君と坂本君は前から試召戦争について話し合ってたんですか?」

 

「ああ、それか。それはついさっき「そんなことよりもさ。」・・・ん?」

 

雄二の言葉を途中で遮っておく。

 

あのまま言わせたら余計な事を言うのは分かってたしね。

 

「さっきの話、Dクラスに勝てなかったら意味が無いよ?」

 

「心配ない、負ける訳ないさ。お前達が俺に協力してくれるなら、どこが相手だろうと必ず勝てる。」

 

それだけ言うと一旦口を閉じ、そして一息置いてから再び口を開いた。

 

「いいか、お前達。ウチのクラスは・・・最強だ!」

 

雄二のその言葉に皆のテンションは上がっていった。

 

さーてと、僕も取り敢えず頑張るとしようかな。

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

今更だとは思うのですが、見ていただいている人がいるのなら幸いです。

今まで何故投稿が出来なかったのかということについて言い訳をさせて頂きますと、

一言でいえば、進学の為の準備や新生活の準備に忙しかったというのが原因です。

報告を怠ったうえで失踪してしまい誠に申し訳ありませんでした。

次もゆっくりとしたペースでの投稿になると思いますが見ていただければと思います。

次回はようやく試召戦争に突入出来そうです。

それでは失礼させていただきます。

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