第一話『夢の始まり』
西暦2519年。人類による科学文明が発達した時代、人々の生活はより豊かになったその一方で衰退していたのが魔術文明だった。人類は魔術を空想の物だと仮定し、怪しげな宗教儀式の産物とされ、人々の中で魔術は夢物語として語り継がれていた。俺の通う『時計塔』はそんな衰退していく魔術や魔術士を管理し、育成する機関としてその文明を保っている。
そして俺『
エルメロイ二世
「であるからして、魔術とは根底の概念にある事象を、変革させる技術と言っていい。」
俺のいるこの『エルメロイ教室』は時計塔の最下層、落ちこぼれの生徒が集まる教室だ。その中で俺は最下位の落ちこぼれどころか、魔法も使えないし魔術の知識も浅いし、それ以前に興味もない。ただ毎日授業中窓に映る外の景色を見ているだけだった。
何してるんだろ・・・・俺。
エルメロイ二世
「そんなに私の授業は退屈か。黒河剣城。」
この人はそのエルメロイ教室の教員である『ロードエルメロイ二世』だ。今は亡き前ロードの後を継いでいる四人のロードの一人だ。本人曰く代理だと言う話だ。
スヴィン
「全く、この教室の最下位だと言うのになんだその態度は。名前だけは大層立派なのに等の本人はまるで
で此奴は『スヴィン・グラシュエート』と。
フラット
「そうだ!今の君は只の錆び付いた鉄屑だ!!」
スヴィン
「それは言い過ぎだ。」
そして腹の立つ発言しかしない『フラット・エスカルドス』。この二人はエルメロイ先生のお気に入りで、性格は変わっているが魔術に関してはエリートと言えるだろう。
エルメロイ二世
「これが魔術の根源だ。君自身の本質は変わっていないが、第二者、第三者が別の存在と認識しているなら、君がどれだけ自身の本質を主張しようとそれは否定される。魔術の基本だ。よく覚えておけ。」
まるで呪いだな。
エルメロイ二世
「さて、ここからは剣城でも興味を唆る話をしてやろう。」
なんだ?唐突に?
エルメロイ二世
「君達は・・・・『
アニメーション?なんだそれ?
スヴィン
「何か魔術のようなものでしょうか?」
エルメロイ二世
「いや、魔術とは全く関係のない話だ。ここから少し歴史の講義を始める。」
歴史?なんでまた?
エルメロイ二世
「アニメーションとは今から約400年前、第三次世界大戦によって消失した技術であり、残っていた産物もその殆どが失われた。」
フラット
「センセー!それなんですかー?」
エルメロイ二世
「脳みそが空っぽなお前でもわかりやすく教えてやる。」
酷い言われようだな。
エルメロイ二世
「あれはまさしく『生きた絵』だ。」
は?何を言っているんだ?
スヴィン
「先生、もっと詳しくお願いします。」
エルメロイ二世
「原理は未だ解明されていないが、まるで絵が生き物ように動き、更には意思疎通による会話が可能とも言われていた。」
スヴィン
「俄かに信じ難い話ですが、本当に実在したんですか。」
エルメロイ二世
「私も実物を見たことはないが、もし仮にこの被造物を魔術で召喚出来るとしたら、君達はどうする。」
魔術で召喚?どう言う事だ?
スヴィン
「可能何ですか?そんな事が。」
エルメロイ二世
「心当たりがあるとすれば、魔術士である君達なら知っているだろう。『冬木』の儀式を。」
スヴィン
「10年前、冬木の地で行われた魔術士の儀式『聖杯戦争』ですか。」
エルメロイ二世
「そうだ。七騎の英雄の魂と七人の魔術士同士が万能の願望機『聖杯』を巡って争い殺し合う儀式だ。その英雄の魂を召喚する術式を応用すれば有り得ない話ではない。」
いや・・・・そんな話誰が信じるんだよ。
エルメロイ二世
「黒河剣城。もし万が一、アニメーションの英雄が召喚されたら君は彼等をどう見る。」
どうって?
エルメロイ二世
「化物か、道具か、それともただの絵か。君ならどう受け入れる。」
そんな事聞かれてもな。意思疎通の出来る相手ならいつもと変わらないんじゃないか。
剣城
「多分人間と同じように普通に会話します。」
スヴィン
「なんだそれ?」
フラット
「真面目に答える気ないでしょー!!」
至って真面目だったけどな。だが先生の方を振り向くと彼は少し笑っていた。いつも眉間にシワを寄せているような人が笑うのは珍しい。そんなに面白かったのかな。
エルメロイ二世
「授業はここまで!解散とする。」
やっと今日の講義は終わって、俺は直ぐに教室を出て校舎から少し離れた教会へと向かった。その教会には天使がお祈りをしているような白い石像が置かれていて、天井と壁に貼られた鮮やかなステンドグラスに囲まれていて、丁度夕方辺りになると夕日の光がステンドグラスに照らされて神秘的な光景になる。その光を見ていると不思議と心が安らいでいく。俺にとってはオアシスみたいな場所さ。
綺礼
「祈りを捧げるでもなければ懺悔をする訳でもない。ここは休憩所ではないのだよ。」
剣城
「すいません。ここが一番落ち着けるので。」
この人が教会の神父をしている『
綺礼
「ここに安らぎを求めに来たにしては浮かない顔をしている。神の元で安らぎを得られないのなら無駄な時間だ。今日は大人しく帰りたまえ。」
不思議と俺は先生が話していた『アニメーション』を何故か神父様に聞いてみた。
剣城
「神父様はアニメーションをご存知でしょうか。」
綺礼
「第三次世界大戦で消失した産物だと聞いている。それがどうかしたのかね。」
剣城
「さっき先生の講義でその話をされたのですが、余りに現実離れしすぎてよく理解出来ませんでした。ただ仮にそのアニメーションの英雄を聖杯戦争で使われていた召喚システムを使って召喚出来たら、それをどう受け入れるか聞かれました。」
綺礼
「君は何と答えたのかな。」
剣城
「「人間と同じように普通に会話します。」と答えました。」
綺礼
「そうか。」
神父様は考え込む仕草をしていた。先生の表情といい神父様のこの仕草といい、今日の二人の行動がいつもよりおかしかった。
綺礼
「君は神の導きにより運命の分岐点に差し掛かったのだと私は思う。それに君が物事に疑問を持つ事など、厄災が降りかかるより遥かに珍しい感情だ。」
剣城
「神父様?何か知っていますよね。」
綺礼
「私から真実を語る事はない。君自身の運命だ。君が切り開くがいい。」
はぐらかされたような気がした。神父様には何かある。そんな予感がしてならなかった。
とりあえず俺は教会を出て先生の部屋に向かった。その途中、先生の姿を見つけて後を追いかけたが、そのまま自分の部屋に入った。俺はノックして先生を呼んだが返事がない。居留守でも使ってるのかな。失礼ではあるが勝手に部屋に入ろうした瞬間ドアが開いた。鍵を掛けいなかった所を見ると益々怪しい。だから勝手に入る事にした。
部屋に入ると本棚に置かれた書物、正面には先生の机、お客さんの応対に使うのか目の前に置かれたテーブルとソファー、そして入り口付近にはコーヒーポッドが置かれていたなんの変哲もない部屋だ。
だが一つおかしいのは、この部屋に入った筈の先生がいなかったという事だ。見間違いでも無ければ部屋を間違えた訳でもない、この部屋に入った事は確かだ。多分、先生は隠し部屋に入ったと見て間違い無いだろう。
剣城
「だとしたら、本棚だな。」
小説なんかだと隠し部屋と言うものは大体本棚に置かれている一冊の本を動かすと扉が開くと相場が決まっている。だとしたら本棚の中心に沿って左右どちらかの本を引き抜くと開く仕組みの筈だ。大体先生の身長をから位置を割り出すとこの辺りだな。
その辺りの一冊の本を引き抜こうとした辺りで「ガチャッ!」と音がした瞬間、本棚が自動ドアのように開き、中から鉄製のドアが出てきて、それも開いてしまった。
剣城
「先生、無用心過ぎ。」
中は下に降りる階段が続いていた。多分地下に何かあるんだろう。早速その階段を下りてみると、今度は長い一本の通路が伸びていた。そのまま通路を進むと、また自動ドアに差し掛かった。ここが地下施設と確信した俺はそのドアに設置されているボタンを押してみた多分開かないと思っていたけど簡単に開いた。
剣城
「なんだここは?」
どうやらその施設の通路に出て来たようだ。左右に道があるが俺は迷わず左に進んだ。どうやらあの隠し通路はこの施設の通路の壁際から出るらしく、どっちに進んだらいいかわからなかった。更にもう一つ問題が、数メートル歩いて突然アラームが鳴り始めた。
[緊急警告!現在『
更には放送まで始まった。
剣城
「やばい!早く隠れる場所を見つけないと!!」
その時だった。
ゆめ
「こっちです!」
女の子がいきなり俺の腕を掴んでそう叫んだ。正直不信感はあったけど彼女に付いて行った。そしてある部屋に辿り着き、そこに身を隠す事にした。
ゆめ
「この部屋は空室なので誰も来ない筈です。ここでやり過ごしましょう。」
剣城
「ありがとう。でもよかったの?俺一様侵入者って事になってるけど?」
ゆめ
「いいんです。多分興味本位でこの施設に立ち寄ったら迷子になった。違いますか?」
剣城
「当たってる。」
楽しげに会話をしていたが、彼女からある違和感を感じていた。彼女の姿がリアルじゃないと言うか、まるで絵がそのまま実体化しているような感じだった。だが不思議と嫌な感じはしなかった。
剣城
「変な事聞くかもしれないけど、君人間じゃないよね。」
ゆめ
「わかりますか。やっぱりこっちの世界の人からしたら気味が悪いですよね。」
剣城
「そんな事はない。ただ・・・・綺麗だなって思っただけ。」
ゆめ
「え・・・・。」
なんか・・・・お互いに照れ臭くなった。彼女も顔を赤くしてるし話題変えよ!
剣城
「そう言えばまだ名前聞いてなかったね。俺は黒河剣城。この時計塔で魔術士をしている者だ。」
ゆめ
「私は『
剣城
「サーヴァント?」
ゆめ
「
剣城
「半分?じゃあもう半分は人間?」
ゆめ
「正確には実体化してると言っていいでしょう。」
実体のある幽霊って事だよな?聖杯戦争で使われていた召喚術式を改良して召喚されたのか?
剣城
「君がサーヴァントってのは解ったけど、やっぱり戦うの?」
ゆめ
「私のクラスは聖杯戦争の行く末を見守る裁定者の役割をしています。聖杯戦争中に影響を及ぼす事態にならない限り動きません。スポーツで言う所の審判のようなものです。」
彼女そんなにすごい英霊だったのか。ルーラーって言うくらいだから元の世界じゃ最強って言った所か?
剣城
「すごい英霊だったんだね。因みに元いた世界では何をやってたの?」
ゆめ
「アイドルをやっていました。」
え?
剣城
「アイドルって・・・・あの歌って踊ってお客さんを楽しませるあのアイドル?」
ゆめ
「そうですよ。」
剣城
「いやいや冗談でしょ!?それとも副業で戦闘の仕事か何かを!」
ゆめ
「いいえ!アイドル一本一筋!私の夢は「アイドルのいちばんぼし!」になる事ですから!」
剣城
「いやいやおかしいでしょ!?どうやって他のサーヴァント達と戦うの!?アイドルが戦争に参加する話なんて聞いた事無いし!!」
そう言うと、ゆめは頬を膨らませて怒っているような感じだった。もしかして失礼な事言ったかな?
ゆめ
「剣城さん?もしかして聖杯戦争のサーヴァントが戦争で名を挙げた人達しか参加出来ないとか勘違いしてません?」
剣城
「違うの?」
ゆめ
「大違い!私達サーヴァントのスキルは自分達の世界で起きた出来事や経験が召喚された時にそのまま力となって身につくのです!私だってその気になれば戦えますよ!」
剣城
「それってまだ一回も戦った事無いって事だよね?」
ゆめ
「まあ・・・・そうですけど。」
彼女は恥ずかしかったのか顔を赤くして俺から目線を逸らしていた。まあそんな彼女も可愛かったけど心配でもあった。もし戦いに駆り出されたら、戦闘が未経験の彼女に何が出来ただろうか。そう考えるとゾッとした。
その時だった。突然閉まっていたドアが外から開けられて、目の前に白衣を着た女性が現れたのだ。
紅莉栖
「やっぱりここにいたのね。」
だが彼女は明らかに人間じゃなかった。ゆめと同じ被造物の英霊、サーヴァントだった。ゆめと違って彼女は何処か神秘的と言うかミステリアスな感じの姿だった。アニメーションのサーヴァントってゆめみたいに皆んな一緒って訳じゃないんだな。
紅莉栖
「捜したわよ。しかもお客様と一緒にいたなんて。」
ゆめ
「クリスティーナさん!」
剣城
「誰?」
ゆめ
「彼女はクリスティーナさん。私と同じサーヴァントでこの施設の化学班に所属してます。」
紅莉栖
「人のあだ名で勝手に紹介しないの!」
あだ名だったんだ。
紅莉栖
「初めまして侵入者さん。私は『キャスター』の『
剣城
「アース?」
紅莉栖
「詳しい説明は後にして。ゆめ、直ぐに準備して。出動よ。」
ゆめ
「やっぱり現れたんですね。」
現れた?一体何が?
ゆめ
「剣城さん。お話できてよかったです。また後でお会いしましょう。」
そう言って彼女は笑顔で行ってしまったが何処か引きつっていた。この時の俺は嫌な予感しかしてなくて、急いで彼女の後を追いかけようとしたその時だった。
紅莉栖
「じゃあ私達も行きましょうか。」
行くって何処に!?
紅莉栖
「移動しながら色々説明するわ。」
俺は彼女に連れられて移動した。そこでこの組織の目的を説明された。
『異次元再生機関
紅莉栖
「そしたら異次元にある事がわかったの!場所は合ってるにも関わらず見当たらない!そりゃ異次元にあれば見つからない筈よ!」
なんか説明が愚痴っぽくなってるけど概ねわかった。そしていつの間にか、司令室っぽい自動ドアがある部屋に辿り着いた。入るとそこは複数のオペレーターがモニター越しに何かしているのは見えた。しかも奥の壁はガラス張りになっていて、上から覗くとその外には巨大な装置みたいなのがある。
紅莉栖
「そこで私が開発したこの異次元転送装置を使って、その次元空間にダイブするの。」
剣城
「造った!?貴女がこれを!?」
紅莉栖
「苦労したわ。タイムマシン理論を応用して何度か実験を繰り返してようやく完成したのよ。」
何者なのこの人!?タイムマシン造るとか普通は無理だから!!
と驚いていたが、それどころでは無くなって来た。その装置にゆめが近づいていたのが見えたからだ。つまり彼女は、聖杯を回収する為に自ら戦地に向かおうとしていたからだ。俺は急いで彼女の所に向かった。
紅莉栖
「ちょっと!」
その部屋には装置の所へ降りる階段があって、俺は急いで階段を降りてゆめを追いかけた。
剣城
「ゆめ!」
ゆめ
「剣城さん。」
ゆめは直ぐに止まって俺の方を振り返ってくれた。俺は息を切らしながら彼女の所に行った。
剣城
「今・・・・何処に行こうとしていたの。」
ゆめは俺から逸らすように目を閉じて黙り込んでしまった。それを見て一気に不安が高まって来た。
剣城
「ゆめ!」
紅莉栖
「そう言えば、まだ説明していない項目があったわね。」
後から紅莉栖さんも追いついて説明された。もう嫌な予感は的中していた。ゆめが聖杯の欠片を回収しに行かなければならない理由があるからだ。
紅莉栖
「聖杯によって破壊された異次元空間の崩壊を阻止しなければ、異次元空間で起きた事象が現実世界に反映される。つまり聖杯の欠片を回収しなければ冬木は壊滅、放っておけば世界中が崩壊する。」
それを聞いて段々と怒りが込み上げて来た。なんで彼女が戦わされなきゃならないんだ。
剣城
「だから彼女じゃなきゃダメなんですか。」
紅莉栖
「そうよ。だって私はゆめ程戦闘力はないし。それなら彼女が適任の筈でしょ。」
剣城
「ふざけるな!!ゆめはただのアイドルなんだぞ!!彼女は戦うべきじゃない!!」
紅莉栖
「ならこのまま自分の世界がどうなってもいいと言うの?ゆめを止めて自分の世界が壊れていく所を虚しく見ていくだけしか出来ないと思うわよ。」
剣城
「だからって彼女にその運命を背負わせるなんておかしいだろ!!俺達人間がその責任を負うべきじゃないのか!!」
紅莉栖
「私達はその
彼女のこの一言に胸が突き刺さった。理不尽な運命を与えられた彼女達にとっては今更かと思うくらいの怒りがあってもおかしくないからだ。
紅莉栖
「貴方達人間を楽しませる為に私達を作って、理不尽な運命を与えてた挙句、いざ目の前に召喚されたら今度は自分達の世界の為に戦ってくれ?そして今度はその子は戦えないから戦わせるな?正直言って今の貴方の発言と行動は不愉快よ。」
俺はその場で黙り込んでしまった。彼女の心情を知らないまま、勝手な発言をしていたのは確かだし、でもそれは別の話だ!ゆめが戦うなんて間違っている!!
剣城
「昔の俺達の世界の人間が、貴方達にどんな運命を与えたか知らないけど、ゆめを送り出すのは間違っています!!」
その時だった。
ゆめ
「もういいです。剣城さん。」
ゆめが何故か俺を引き留めようとしていた。
ゆめ
「気持ちは有り難いけど、私にしか出来ない事ですから。」
剣城
「でも戦ったことがないんだろ!?」
ゆめ
「そうです。でも私は、自分の世界を守りたい、剣城さんの世界を助けたい、クリスティーナさんの世界を救いたい。私の輝きで誰かを守れるなら私は戦います。」
じゃあ・・・・君を守れるのは。
剣城
「俺は・・・・。」
俺の中で迷っていたその時だった。
エルメロイ二世
「ならば何故君はここへ来た!!」
突然、先生が俺達の前に現れた。やっぱり先生は
エルメロイ二世
「君は私にこう言ったな。「サーヴァントと普通に会話をする。」それは彼女達アニメーションのサーヴァントと対等の立場で接する。そう受け取っていいな。」
剣城
「はい。」
エルメロイ二世
「なら彼女達の話を聞いて、君の中で答えが出てるのではないか。」
そうだ。ゆめが決めた事なら行かせてあげればいい。でも一人では行かせられない。俺も戦えればいいけど、まともな魔法戦なんて出来ないし足手纏いにしかならない。どうしたらいい。
剣城
「聖杯戦争・・・・そうか!!」
俺はある事を思いついた。聖杯戦争のサーヴァント達は魔術師と契約してその本来の力を発揮出来ると聞いた事がある。もしかしたらゆめにも出来るのではないかと閃いたからだ。
剣城
「聖杯戦争のサーヴァント達は、魔術師と契約して本来の力を解放させる事が出来ますよね!」
エルメロイ二世
「そうだ。正確にはサーヴァントと契約する事で聖杯戦争の参加資格を得られる内容だが、それがどうかしたのか。」
剣城
「それって被造物の英霊でも可能ですよね!」
エルメロイ二世
「仮に可能だとして、君はそれをどうするつもりだ。」
俺の答えはもう決まっていた。
剣城
「俺がゆめのマスターになります!」
ゆめ
「え・・・・。」
俺がマスターになれば、ゆめを万全の状態で戦わせてあげる。彼女に任せるんじゃなくて、一緒に戦う選択は間違いじゃない。
エルメロイ二世
「それが君の選択だな。」
剣城
「はい。」
そう返事をすると先生は授業の時と同じ時みたいに笑みを浮かべていた。まるで俺がそう答えるよう期待していたようだった。俺がアニメーションのサーヴァント達のマスターになる事が、先生の願いだったからかもしれない。ならその願いに応えよう。
エルメロイ二世
「ルーラーと手を合わせ、契約の詠唱を唱えるだけだ。それで君は彼女のマスターとして成立する。」
俺は軽く頷き、ゆめの所に向かい手を合わせるように彼女に
剣城
「ルーラー『虹野ゆめ』に告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に、聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うなら我に従え!"全ての星々を導く一番星"よ!この命運、汝がこの剣を預けよう!」
ゆめ
「ルーラーの名に懸けてその誓いを受け取ります。」
契約の呪文を唱えると、突然手を重ねていた所から青い光が照らし出し、俺の手の甲に赤い入れ墨みたいなの模様が浮かんできた。
エルメロイ二世
「それが『令呪』だ。サーヴァントとの絆の証とも言っていい。」
サーヴァントとの絆の証。
ゆめ
「嬉しかった。剣城さんが私を引き止めてくれた事、私と一緒に戦ってくれるって言ってくれた事、一人じゃ不安だったけど、貴方と一緒なら何処まででも行けそう。」
剣城
「ゆめ。」
ゆめ
「だから・・・・これからよろしくね!マスター!!」
剣城
「よろしく。ゆめ。」
彼女と合わせた掌はいつしか組み替えて握手に変わっていた。その後、クリスティーナさんから腕時計型の通信機を渡され、俺達は巨大な装置の前に行き、準備が出来るまで待っていた。
剣城
「そう言えば一つ気になってた事があったんだけど、アニメーションのサーヴァントって事は物語も存在していたんだよね?」
ゆめ
「よくわからないけど多分そうだと思う。」
剣城
「君の中で物語は完結したの。」
ゆめ
「私の物語。私のアイカツは、S4に憧れて四ツ星学園に入って楽しくレッスンやライブをして、悲しい事も苦しい事も乗り越えて、憧れの先輩やライバル達と競い合って、ようやく念願のS4になる事が出来た。その後は、世界を舞台に挑戦して、その頂点に辿り着いた。そこからは色んな人達との出会いかな!」
剣城
「じゃあここから君の新しい物語が始まるんだね。」
ゆめ
「違うよ、私達の物語だよ!マスター!」
そうか。ゆめに言われるまで気づかなかったけど、俺の物語もここから始まるんだ。止まっていた時間が動き出した。
オペレーター
「エネルギー充電完了。システムオールグリーン。これより次元転送による
装置が稼働し、俺とゆめは青い光に包まれた。この出会いが俺に新たな目標と人生を与えてくれるとは思ってなかった。
英霊紹介
真名:『
クラス:『
作品名:『アイカツスターズ!』『劇場版 アイカツスターズ!』『アイカツオンパレード!』
宝具:『MUSIC OF DREAM』
プロフィール
四ツ星学園に通う中学二年生(最終話までの学歴参照)で、そのトップに位置する『S4』に所属するアイドルである。
彼女の礼装である地球の星のツバサ『レインボーエトワールコーデ』とその覚醒礼装『太陽のドレス』が宝具と思われがちだが、彼女の本来の宝具はその歌である。『MUSIC OF DREAM』は全てのサーヴァントのステータスを最大値まで上昇させる能力と、宝具の威力を上昇させる能力である。
聖杯が彼女を『
真名:『
クラス:『
作品名:『シュタインズゲート』『劇場版シュタインズゲート 負荷領域のデジャブ』『シュタインズゲートゼロ』
宝具:『
プロフィール
アメリカの『ヴィクトル・コンドル大学』の脳科学研究所の研究員であり、タイムマシン理論を成立させた若き女性科学者である。
『シュタインズゲート』では死の運命を主人公によって免れ、『負荷領域のデジャブ』では、その消息不明となった主人公を彼女が救い、『ゼロ』では自身がいなくなってしまった世界と三つの世界線で存在しているが、『アース』にいる彼女はその三つの世界線の記憶が一つとなって存在している。
主人公が使っていた『
『アース』での彼女の所属は開発ラボの研究員で、『二次元空間転送装置』を開発するなどその技術を最大限に活かしていた。