突如、私達の前に現れたセイバー煉獄杏寿郎が告げたのは聖杯戦争の中止だった。いきなりの事でバーサーカーやセイバーとアサシン、そしてキリエもひびきもそして私達も混乱していた。
豊久
「聖杯戦争が中止とはどう言う事じゃ!何が起きとる!」
煉獄
「うむ!それをこれから説明する!」
彼は私達の所に来てその真相を語った。何でも、私達が来る数日前の出来事らしく、不安定な状態で聖杯がアベンジャーを誤って召喚し、さらにアベンジャーはその聖杯を持ち出して逃走したらしい。それを重く見たルーラーはアベンジャーの対策に乗り出したが、彼自身も現界出来るだけの魔力は残っておらず、最後の魔力を使い煉獄杏寿郎を召喚し、彼にアベンジャー討伐を命じたと言う訳だ。勿論、聖杯戦争で召喚されたサーヴァント達と協力する様にと言われたらしい。当然聖杯戦争は中止せざる終えなかったと言う。それが彼に与えられた使命と言う訳だ。
豊久
「
ひびき
「全くだ!!私達が求めた聖杯を横取りするなんて最低だ!!」
キリエ
「ふざけてるよね!!いっぺんそいつぶん殴りたいんだけど!!」
ゼフォン
「奇遇ですねライダー。私も同じ事を考えていました。やられっぱなしは趣味ではないので。」
こいつ等短気か。まあ気持ちはわかる。けど、セイバーだけは冷静に状況を判断していた。
シズ
「事情は理解したわ。私達も協力しましょう。」
煉獄
「そうか!!感謝する!!」
シズ
「でもあの子達はどうするの。聖杯を回収しに来た彼女達も私達の敵なんじゃないの。」
そうか、そうだよな。聖杯戦争に参加者から見たら聖杯を回収しに来た私達も敵になるって話だよな。警戒されてもおかしくないよな。
豊久
「
豊さん!!私の事信じてくれるんだ!!ありがとう!!
ゼフォン
「シズ。既にライダーとキャスターは彼女と契約しています。如何なる理由にせよ、目的は一緒のはずです。」
あれ!?なんか知らんが私の首狙って来たアサシンまで肩持ってくれるの!私の首狙って来たけど!!
シズ
「それは彼が決める事よ。」
けどセイバーは煉獄に答えを聞こうとしていた。だが彼に迷いはなかった。
煉獄
「その心配は無い!彼女達は信用できる!その証として、俺は魔術師レベッカ・スカーレット・ティファニーとそのサーヴァント二騎の真名を授かっている!だから問題ない!!」
そのサーヴァントはセイラとエルちゃんの事だった。二人には本当に感謝だよ。
シズ
「わかった、貴方がそこまで言うならそれで構わないわ。いいわねレベッカさん。」
レベッカ
「うん!これからよろしく!」
セイバーは何とか納得してくれた。
とがめ
「ふふふ・・・・見たかレベッカよ!これが私の奇策よ!」
レベッカ
「まさか炎柱も来るとわかって見学してた?」
とがめ
「うむ!予想通りでお主等の戦いを堪能させて貰ったぞ。」
そうですか。じゃあこちらも煉獄杏寿郎に謝りますか。
レベッカ
「あのー、煉獄杏寿郎さん。」
煉獄
「ん?何だそんなに畏まって?」
レベッカ
「実は貴方に謝らなきゃいけない事があって。」
煉獄
「うむ。話してみろ。」
レベッカ
「私達うどん屋で貴方と別れた後、貴方の真名を白玄から聞かされてたの。」
煉獄
「ん!?つまり・・・・セイラとエルザ最初から俺の真名を知っていたのか!?」
セイラ
「まあ、私達が真名を明かしたのもそれが理由何だけどね。」
エルザ
「でも、私達は貴方がパーフェクトだったから真名を明かしたのよ。それは誇りに持ちなさい。」
煉獄
「そうか!それで君達に俺の真名を明かした白玄と言う御仁はどこにいる!!」
レベッカ
「こちらのとがめと言う方が白玄です。」
とがめ
「イェーイ!!」
煉獄
「君だったのか!?何者なんだ君は!!」
とがめ
「まあそれは置いといて、まさか鬼殺隊の炎柱がよもや死神の犬に成り下がろうとはな。元柳斎殿もお主を大層見込んだ様だ。」
煉獄
「山本殿を知っておられるのか!!」
とがめ
「護廷十三隊一番隊隊長兼十三隊総隊長の死神だ。そんな偉大な方からの要請であれば、我等も裏切る事は出来ない。」
煉獄
「タダならぬ御老人ではあったが、そんな凄い方であったか!ならばいっそ励めばなるまい!!」
何か白玄上手いことはぐらかしたな。でもルーラーのサーヴァントがまさか仙人みたいな人だったのか。しかも死神に目を付けられるなんて、アベンジャーも気の毒だな。
とがめ
「煉獄殿。アベンジャーの真名は既に知っておられるのか。」
煉獄
「うむ!アベンジャーの真名は『
とがめ
「志々雄真実だと!?」
アベンジャーの真名を聞いて、白玄の顔が一気に青ざめた。って!?そんなにやばい奴なの!?
レベッカ
「ねえ白玄。アベンジャーってそんなにやばい奴なの。」
だが白玄は答えなかった。
とがめ
「その話は帰ってからだ。先ずは、私とレベッカの問題を解決せねばな。」
レベッカ
「え?何かあった?」
とがめ
「もう忘れたのか。そこでずっと私の事を睨みつけている不忍の仮面付けた元相生忍者!!つまりお主のサーヴァントの事だ!!」
右衛門左衛門
「否定せず。白玄よ、私は貴様を信用しかねる。」
そうか。右衛門左衛門だった。なんで京都に来たのかも聞いてないからな。
とがめ
「ほう。この姿でまだ私を白玄と呼ぶか。左右田右衛門左衛門殿。」
右衛門左衛門
「有り得ず。そう言う貴様は正体が割れてもなお奇策士を演じるか。」
何か話長くなりそうだから帰ってからにするか。二人を止めよう。
レベッカ
「二人ともそこまで!!」
右衛門左衛門
「ですが姫様。」
レベッカ
「その話、多分七花にもしなきゃいけない話でしょ。」
右衛門左衛門
「既にご存知でしたか。」
レベッカ
「感づいてはいた。でもそう言う大事な話は当人達で解決する事!」
右衛門左衛門
「承知しました。」
とりあえず右衛門左衛門は大人しくさせたし、帰るとしますか。そろそろこの固有結界も解いて欲しいものだ。熱し。
レベッカ
「それじゃあ煉獄さん。この固有結界そろそろ解いてもらえる。」
煉獄
「ん?なんの話だ?これは君達が出したものではないのか?」
レベッカ
「え?」
ん?何か話と違う?だってこの固有結界は煉獄が発動させたんじゃ?でも白玄は煉獄の心象風景だって言ってたし・・・・。
レベッカ、マリア、セイラ、エルザ、ひびき、キリエ、ゼフォン
「白玄!!」
シズ
「聞いてた話と全然違うんだけど?」
銀さん
「いや合ってるから!!杏寿郎君が自覚ないだけだから!!」
煉獄
「すまん!話が見えないのだが!?」
銀さん
「つまりあれ。心を燃やしすぎていつの間にか周りに引火しちゃったようなそんな感じ。」
煉獄
「言ってる事がよくわからん!!」
銀さん
「だからお前が心沈めてくれたらここから出られるの!!」
豊久
「今度は銀髪頭の男になっとるぞ!?お
と言う訳で煉獄の固有結界の解除に乗り出した。
銀さん
「とりあえず一旦落ち着こうか。」
煉獄
「うむ!!わかった!!」
ゼフォン
「あのすいません。余計火の手が上がっていますが?」
でも思ったより彼の性格上これが中々難しい。
豊久
「おい。火がさっきより強くなっとるぞ。」
レベッカ
「子守唄はどうかな?」
銀さん
「子守唄か。それなら銀さんに任せなさい。」
色々試してみたはいいものの。
銀さん
「うっせえ!うっせえ!うっせえわ!!貴方が思うより健康です!!」
レベッカ、セイラ、キリエ
「それのどこが子守唄だ!!」
銀さん
「ブヘッ!!」
なかなか上手くいかず。
煉獄
「うむ!何故うまくいかない!!」
銀さん
「そんな威風堂々としてら静まるものも静まらないよ!!」
信長
「おいマリア!お前ちょっとオッパイ触らせてやれ!!」
マリア
「いい加減張っ倒すわよ!!てかなんで私!?他にもいるでしょ!!」
信長
「だってレベッカとゼフォンとシズとキリエは微妙だし、セイラ、エルザ、ひびきは論外だし、気持ちよく鷲掴み出来るオッパイってお前しかいないのよ。」
マリア
「こいつ殺してもいいかしら?」
時間だけが過ぎて行くが。
煉獄
「ええい!!静まれ俺!!静まるんだ!!」
レベッカ
「いや余計火が強くなってるから!!」
銀さん
「やっぱ逆に貧乳を掴ませた方がいいんじゃねえか?」
信長
「おい!セイラにエルザにひびき!お前等煉獄にペチャパイ触らせてやれ!」
銀さん
「あとシズさんもかな?見た目はあれでも実年齢は70のお婆ちゃんだし。」
信長
「シズ!!お前もシワシワオッパイ触らせてやれ!!」
状況は何も変わらなかった。
銀さん
「テメー等アフロ軍曹通り越して焼死体になるところだったぞ!!なにしやがるんだ!!」
シズ
「あらごめんなさい。まだ生焼けだったかしら?」
エルザ
「それなら消し炭にでもしましょうか。」
ひびき
「灰にしよう。」
ゼフォン
「賛成です。」
銀さん
「やめろって言ってんだよこの非常時に!!てかセイラとキリエはどっからそのフライパン出したぁ!!」
セイラ、キリエ
「殴りたいと思ったら出てきた。」
銀さん
「嘘つけぇ!!」
煉獄
「うおぉぉぉぉ!!心を燃やせぇぇぇ!!」
レベッカ
「だからやめろって言ってるだろ!!」
煉獄
「いたぁ!?」
新八
「だからどっから出したそのフライパン!!」
そんで最終的に何とか固有結界は解除され元の廃村のいた場所に戻った。まあ最後は白玄が煉獄と同じ鬼殺隊の柱の人に変身して何とかなったんだけどね。
しのぶ
「煉獄さーん。大丈夫ですか。」
煉獄
「胡蝶・・・・もう少しまともな方法は無かったのか。毒は流石にやり過ぎでは。」
しのぶ
「だって煉獄さん中々静かにしてくれませんし、長引きそうだったのでこの方が手っ取り早いかと思いました。」
煉獄
「限度がある!!」
レベッカ
「本当だよ!!これ大丈夫なの!?」
しのぶ
「身体が痺れるくらいの分量しか入れてません。しばらくしたら動ける様になります。」
なら・・・・良いんだけど?流石に毒はやり過ぎでは?
しのぶ
「それに煉獄さんより彼方のお嬢さん方が大変そうですし。」
既に疲れ切ってぶっ倒れてたマリア姐さん達の姿があった。
しのぶ
「皆さん煉獄さんの所為で疲れ果てているんですよ。少しは反省して下さい。」
レベッカ、マリア、エルザ、セイラ、ひびき、キリエ、ゼフォン
「お前の所為だろぉぉぉぉ!!」
白玄が女性陣を揶揄うから疲れてんだよ!!
右衛門左衛門
「なんだこの茶番劇は。」
右衛門左衛門の仮面してても困った顔をしていたのが直ぐにわかった。
しのぶ
「では帰りましょうか。お二人の件もありますし。」
レベッカ
「そうだね。帰って寝よう。疲れた。」
廃村で新たに仲間になったバーサーカー、セイバー、アサシン、そして煉獄杏寿郎を連れて私達は京の街に戻った。まだ気づかなかった来客を残したまま。
今泉
「聖杯戦争。まさか京都でその様な戦が行われていたとは。そしてレベッカと炎柱はその戦を終わらせに来た。奴等は一体何者だ。」
民家の何処かに潜んでいたのか、青龍が私達の話を聞いていた様だ。どうやら私達は彼等を甘くみていた様だった。
それはそうとすっかり忘れてたけど右衛門左衛門と七花の問題があった。家に帰ると二人は早速顔を合わすなり睨み合うかのような気不味いオーラを放っていた。
とがめ
「七花。今帰ったぞ。それとお前に客人だ。」
七花
「ああ。そうみたいだな。」
白玄は道中でとがめの姿に戻っていた。家に入るとそこには七花しかおらず、子供達はいつもの出稼ぎに出ていた様だ。
七花
「まさかあんたも召喚されてたとはな、左右田右衛門左衛門。」
右衛門左衛門
「この様な形で再会するとはな。虚刀流。」
とりあえず私達は中に入って七花達の話を聞く事にした。
レベッカ
「それで、二人はどう言う関係なの?」
右衛門左衛門
「そこの白玄が化けている奇策士とがめ。彼女は虚刀流の相方でも有り、愛人でも有る。そんな彼女を虚刀流の目の前で私が殺しました。」
その言葉に驚いたが詳しく話を聞くと、二人は不遇の運命にあった。その元凶は、刀鍛冶の
実は四季崎は占星術も使えたらしく、それで未来を占ったらしい。それが事の発端だった。「日本が海外の侵略戦争で滅びる」と出たのだ。それはこれからの日本に訪れる太平洋戦争の事だった。だが一族は将軍家を無くすために改変を試みたが上手くはいかなかった。結果私達が知っている徳川の江戸幕府では無く、家鳴の尾張幕府になっているのも、その過去改変が原因とされている。
四季崎はそれに対抗する為、占星術を使って未来予知を行い、先の時代の兵器を元に刀を作った。それが12本の完成形変態刀である。
そんな刀を巡っての七花達の旅は終わりを迎えたに見えたが、二人の前に右衛門左衛門現れ、お役御免との事でとがめを殺した。
それが二人の因縁に結びつく話だった。
マリア
「それが貴方達の因縁なのはわかった。けど何故彼女を殺さなければならなかったの?貴方が個人的な理由で人を殺める様には見えないけど。」
確かに姐さんの言う通り、主人に忠実な右衛門左衛門が自分の我儘でそんな大胆な事が出来るわけが無い。
右衛門左衛門
「それは・・・。」
右衛門左衛門が語ろうとした時だった。
否定姫
「誰が喋って良いって言ったの。」
突然金髪の女性が私達の前に現れた。てか一体何処から湧いて出た!?
右衛門左衛門
「不愉快。」
否定姫
「何?」
右衛門左衛門
「不愉快極まり無い。かつて仕えていた主人に化けて何のつもりだ!白玄!」
あっ!白玄か。そんな事だろうと思ったよ。でもなんで?
否定姫
「何のつもりって?貴方どうせ否定姫の事については話さないつもりでしょ。だったら貴方達の事情を知っている私から話した方が都合が良いじゃない。」
右衛門左衛門は黙ってしまった。どうやら何かを隠すつもりで説明しようとしていたのだ。そして白玄からその真実が語られた。
否定姫
「この否定姫が右衛門左衛門に命じたからよ。「目的は果たしたから奇策士を殺せ。」って。尾張幕府を崩壊させるのに、奇策士の存在は邪魔だった。家鳴将軍家を落とさなければ異国との戦争は避けられない。でも何もかもが遅過ぎた。」
七花
「それは俺達も覚悟はしていた。そんで俺と姫さんが出した答えが、もし戦争が起きたら「そん時の時代の人間に任せる。」って事で納得した。」
右衛門左衛門
「なるほどな。貴様と姫様らしい。」
七花
「それにとがめの仇はもう討ったからな。」
レベッカ
「それってつまり・・・。」
右衛門左衛門
「黙らず。私は虚刀流との死闘の末命を落としました。」
まさか右衛門左衛門が物語の最後で七花に殺されていたなんて。ん?じゃあこれでお愛子になるから。
七花
「だからこいつと戦う理由がないって事だ。」
右衛門左衛門
「だが私は信用しかねる。虚刀流よ。白玄は貴様が信用足りるマスターか。貴様は私達の敵か。」
七花
「白玄は無闇に争う気はないし、それに目的は一緒だから多分違う。」
右衛門左衛門
「そうか。ならば拒否せず。この様な形で共闘するとは夢にまで思わなかった。」
七花
「それはお互い様だろ。」
二人は仲直りの握手だろうか、微笑みながら同盟を結んだ。
エルザ
「ところでエモンザエモン・ソウダ。」
右衛門左衛門
「その呼び方はいささか不快だライダー。右衛門左衛門で構わない。」
エルザ
「なら右衛門左衛門。貴方私達に連絡もよこさず京都に来たのはそれ程の事態が起きていると言う事でいいのかしら。」
そういや右衛門左衛門が来た理由を聞いてなかった。
右衛門左衛門
「その前に確認したい事がある。セイバー、ライダー、キャスターはこの京都に着いて妙な気配を感じなかったか。」
何故か姐さん、エルちゃん、セイラにそんな質問をした。何?私達の近くに何かいるの!?
マリア
「いいえ?何も感じないわよ。」
右衛門左衛門
「では聖杯戦争の参加者は。」
ゼフォン
「これと言って何も。」
豊久
「敵が潜んどる気配もなか。」
右衛門左衛門
「では虚刀流と炎柱は。」
七花
「何も感じないぜ?」
煉獄
「うむ!一体何があると言うのだ。」
右衛門左衛門
「では白玄は。」
とがめ
「今確認してみる。」
白玄はそのまま座禅を組み目を瞑った。多分集中してると思うけど、目元に隈のようなアザが浮かび上がった。何かの感知魔法?だと思う。
右衛門左衛門
「姫様。失礼してアースとの通信を所望致す。」
レベッカ
「わかった?」
何が起きてるのかわからなかったが、とりあえずアースに通信してみた。向こうなら何かわかってるかもしれない。
ロマニ
[やっと繋がった!!]
ドクターが慌てた様子で出てきたんだけど?え?今まで通信出来なかったの!?
ロマニ
[あれから君からの連絡がないから、こちらから近況を聞こうとしても通信が繋がらないし!皆んな心配していたんだよ!!]
レベッカ
「なんかすいません。あれから色々有りまして。でもそれなりに収穫はあったよ!」
ドクターにこれまでの事を説明した。その中で本部で驚いたのがアベンジャーの存在だった。
ロマニ
[アベンジャーか。まさかエクストラクラスのサーヴァントまで出現とはまずい事になった。]
剣城
[通信障害や京都全体から放たれてる殺気はアベンジャーの仕業なのかな?]
ロマニ
[その可能性はあるかもね。白玄の反応からして、そのアベンジャーはかなり危険な存在かもしれない。]
ん?何か剣城君からヤバそうな一言が聞こえて来たんだけど?
レベッカ
「右衛門左衛門!説明プリーズ!!」
右衛門左衛門
「姫様達が出立されて数日の事でした。京都の地全体から殺気が放たれていたのです。アースに向けて。」
マリア
「京都全体からですって!?」
右衛門左衛門
「今現在、ニンジャスレイヤーと黒の陣営のアサシンが見張っております。」
との事で私は二人に確認を取ってみた。
ニンジャスレイヤー
[未だに京都の殺気は消えていない。エモンザエモン=サン。そちらで何か感じるか!]
右衛門左衛門
「京都に着いた途端何も感じなくなった。」
ゴブリンスレイヤー
[それはおかしい。こっちは強力な殺気を受けている。そっちで何も感じないはずはない。]
いや、でも戦の達人の豊さんや七花ですら気付いてないのに?
レベッカ
「何かの間違いじゃないの?」
とがめ
「いや。アースの情報は間違いなく正しい。」
さっきまで感知していた白玄がようやく口を開いた。目元にあった隈は消えていた所を見ると終わったと言っていい。
とがめ
「仙人モードで自然のエネルギーを感知してみたが、そこに混じってより濃度の濃いマイナスエネルギーを察知した。かなりヤバい奴が京都に潜んでいるな。」
レベッカ
「それってアベンジャーなの。」
とがめ
「いくらアベンジャーでもここまでの殺気は放てまい。それよりかなりヤバい奴だ。怨霊の類かもしれない。」
レベッカ
「え!?それってヤバくない!?都の人達何もなかったけど大丈夫なの!?」
とがめ
「今のところ誰かに危害を加える気配は無い。ただ話を聞く限り恐らく狙いはアースだろう。」
正体不明の殺気はアースに向けて放たれている事になる。それがアベンジャーか、はたまた七騎の大罪なのか、いずれにしても放って置けない事態には違いなかった。
とがめ
「さて。わからぬものをいつまで考えてもしょうがない。早速ではあるが本題に移ろう。アベンジャー、志々雄真実について全てを語ろう。」
白玄から志々雄真実について彼の物語が語られた。
時は明治時代。彼は明治政府打倒と日本征服を目論んでいた。『弱肉強食』を信念にしており、弱者を踏み殺し強者が生き残る世界を思考にしている。自らを悪人と自覚しているが、それが日本を強国にする正義と信じている。そんないかれた性格をした剣士だった。
全身に大火傷を負ったのは、幕末に明治政府の維新志士の仲間に斬られ、動けなくなった所を燃やされたのだと言う。だが彼は生還した。全身に大火傷を負い、発汗機能はほぼ死滅し、普通の人間以上の高温を常時保っていると言う。普通なら熱中症で死んでもおかしく無いのだが、体内に内熱機関の様なものがあって高温になるほど、身体能力を向上させる能力を持っている。けどその持続時間は僅か15分だと言う。
正直、私には理解できない事ばかりだった。彼の思想も野望も、その身体能力も全てがデタラメである。それは私だけじゃなかった。
煉獄
「うむ!とてつもなく危険人物と言う事は理解した!」
エルザ
「弱肉強食。確かにアイドルの世界では良くある話よ。でも命を奪われる筋合いは無いわ!」
ひびき
「全くだ!そんなの弱いものいじめと変わらないじゃ無いか!!」
右衛門左衛門
「理解できず。もはやイカれてるとしか言いようがない。」
けど豊さんだけは彼を称賛していた。それは戦国武将の豊さんにしかわからない意見だった。
豊久
「志々雄真実は勿体のう男じゃ。戦の世に生まれていれば、奴は名を上げた立派な武者になれたもの。」
マリア
「だからこそ彼は平和の世に出るべきではなかった。」
皆んなは『志々雄真実』と言う男の存在が悪である事はハッキリしていた。私もそうだったが、でも数日後、私は彼を目の当たりにした時に後悔する。もはや「悪」とは一言では片付けられないそんな信念を持った英霊だと言う事を身をもって体験する事になるのだから。
更にこの後、白玄から残酷な現実を突きつけられた。
とがめ
「この際だからはっきり言わせてもらう。この場にいる者では志々雄真実を倒せる者は誰一人としていない。この私も含めてだ。」
要は志々雄真実の攻略は不可能と叩きつけられた。
レベッカ
「じゃあどうやって倒すんだよ!!」
煉獄
「落ち着けレベッカ!何も誰か一人が挑むわけでは無い。ここにいる俺達全員で、志々雄真実を討つぞ!」
わかってるけど!!白玄でも難しい相手でしょ!?
とがめ
「そう騒ぐなレベッカ。今は混乱してても仕方ない。」
レベッカ
「いやそうだけど。そんなヤバい奴にどうやって勝つの。」
とがめ
「その為の情報収集だ。これだけの人員が揃ったんだ。お主抜きでも手掛かりが掴めるだろう。」
レベッカ
「え?私抜きで?何で?」
とがめ
「もう忘れたのか。お主今守護柱から狙われておるのだぞ。」
そうだったぁぁぁ!!すっかり忘れてたぁぁぁ!!
ゼフォン
「彼女何かやらかしたのですか?」
マリア
「私達の存在がここのお役人に目をつけられて何故かレベッカを狙ってるみたいなの。」
ロマニ
[レベッカ。ど言う事か説明を。]
レベッカ
「はい。」
ドクターは怒りを抑えながら問いただして、私は怯える様に説明した。
ロマニ
[出来れば現地の一般人を巻き込むのはやめて欲しかったが、まさかお偉いさん方のお役人に目を付けられるなんて。]
とがめ
「いや、こればかりは仕方ない。なんせ向こうもかなりの手練れでな、これ以上は隠しきれんかもしれん。」
ロマニ
[そうか。ならその時はそちらで対処を頼む。]
厄介な問題は、守護柱達と志々雄真実に京都全体から放たれている謎の殺気だ。どちらかは必ず何か起こっても不思議じゃ無い。そう思っていた。
シズ
「だとしたら早くアベンジャーを何とかしないと都の人達が危ない。」
すると彼女が話し出した時だった。
リムル
[シズさん・・・・。その声シズさんだよな!?]
アースの向こう側から誰かが彼女に呼び掛けた。シズも聞き覚えのある声だったのか、さっきまで冷静だった彼女が取り乱していた。
シズ
「え!嘘!もしかして・・・スライム君!?」
彼女は咄嗟に仮面を外したが・・・あらやだスゲー美人!!
とがめ
「剣城くん。お主の陣営にはリムル・テンペストがおるのか?」
剣城
[そうですけど・・・セイバーと知り合いですか?]
とがめ
「当たり前だ!何故リムルがいる事を教えてくれなかった!!」
リムルってゴブリンスレイヤーが抱えてたあのスライムか?てかこの二人どう言う関係?
とがめ
「リムルよ!通信が繋がってる内に伝えたい事を全て伝えよ!この機会を逃したら次は無い!」
リムル
[ありがとう!シズさん!!俺、シズさんに話さなきゃいけない事がいっぱいあるけど、先にこっちから話しておくよ!!]
リムルの話だと、シズには教え子がいたらしく、訳あってその子達と別れて旅をしていたらしい。ただその子供達は不完全に異世界に召喚されたらしく、寿命も長くなかったと言うのだ。その事をシズは気にしていたらしいのだが、彼女と出会ったリムルがその事実を知り、シズの亡き後彼女の代わりにその子達を指導しつつ、精霊を宿す事で短命の問題も解決したのだと言う。
その話を聞いたシズの目から涙が零れ落ちていた。
シズ
「よかった・・・本当によかった・・・。」
リムル
[それとユウキとヒナタにも¥€$2€€5¥¥→・・・・プツンッ。]
電波が悪いのか通信は再び遮断された。せっかく再会出来たのにタイミング悪すぎる。そう思っていたけど彼女はそんな感じではなかった。
シズ
「ありがとう・・・ありがとう!レベッカ!」
彼女は泣きながら私にお礼を言っていた。シズの事は本当によかったと私も含め、誰もがそう思った。
その後で報告と会議は終わり、皆んな早速行動に移った。煉獄は怪しまれぬよう御所に戻っていき、私と白玄だけが残った。彼も残ったのは私を護衛してくれるサーヴァントがいなかったから代わりに入ってるだけだった。私は一夜人通しで歩き回っていたから、体はクタクタだし眠いしお休みなさいと行きたいところだったが。
今泉
「失礼する。」
灯
「お久しぶりね!」
鏡夜
「なるほど。ここなら見つからないわけだ。」
守護柱の青龍と、あろう事か私が聞き込みで訪れた一座の座長さん、そして姐さんが会った紫の着物を着た男の人がこんな辺境の場所にやって来たのだ。
レベッカ
「あの私夜勤明けなんで寝かせてもらえます。」
今泉
「奇遇だな。俺も夜勤明けだ。」
そう言うと三人は入り込んで座り始めた。話勝手に進んでるし!てか眠い!!
灯
「これで会うのは二度目になるかしら。西洋のお嬢さん。」
レベッカ
「はい。」
灯
「それじゃあ改めまして、京都の西を守護している朱雀の守護柱で、京都一座の座長もしている櫻田灯よ。よろしくね。」
レベッカ
「あれ?でも芸者さんじゃ?」
灯
「そうね。普段は一座を開きながら京都の街を回ってるわ。」
レベッカ
「そうだったんだ。」
なんか勝手に自己紹介始まったけど?
鏡夜
「南を守護する玄武の守護柱、陰陽師の九条鏡夜だ。」
レベッカ
「オンミョウジ?」
鏡夜
「西洋で言う所のエクソシストの様なものだ。病魔や妖を祓う術者だよ。」
レベッカ
「なるほど。」
エクソシストにも詳しいんだこの人。てか帰ってくれないかな。
今泉
「手嶋さんからも聞いているが改めて名乗らせてもらう。東を守護する青龍の守護柱、今泉竜星だ。」
レベッカ
「レベッカ・スカーレット・ティファニーです。」
今泉
「話を始めたいところだがその前に聞きたい事がある。」
レベッカ
「ああ・・・。白玄ね。私も気になってる。」
白玄がまた変なリアクションで彼等を見ていたからだ。目玉が飛び出ていたがやめてくれ恥ずかしい!!
とがめ
(弱虫ペダルの今泉俊介だけじゃなくて『城下町のダンディライオン』の
レベッカ
「あの白玄。皆んな貴方の顔に気が散ってまともに話せる状況じゃないんだけど?」
とがめ
「すまぬ。こちらの事だ。始めてくれ。」
やっと話に打ち出せたが、私達は驚愕の内容を聞かされた。
今泉
「お前達の目的は理解した。まさか京都で聖杯戦争と言う戦が行われていたとはな。」
レベッカ
「ッ!?」
え・・・・なんで青龍が聖杯戦争の事を知っているの?そう言えば私と同じ夜勤明けって言ってたけど・・・・まさか廃村まで付けられてた!?
今泉
「廃村での密会は聞かせて貰った。お前達が聖杯戦争を止めるべく動いていた事も、客将で迎えている炎柱と共に動いていた事もな。」
レベッカ
「じゃあ志々雄真実の事も?」
今泉
「聞いていた。真実を話してもらおうか。」
それを聞いた時、私は今までの事、サーヴァントや聖杯戦争の事を全て話した。白玄は何も言わなかったが、恐らく止める気も無く、話すつもりでいたのだろう。それを聞いた彼等の表情すらも変わる事は無かった。
鏡夜
「炎柱を含めた者達はサーヴァントとと言う最強の使い魔で、君達二人はその主人である魔術師なんだね。」
今泉
「そして聖杯戦争は言わば聖杯を掛けた戦争ではあるが、真相は願望を叶える為の儀式だった。」
灯
「レベッカちゃん達と炎柱はその聖杯戦争を止める為に動いて阻止は出来たものの、今度は志々雄真実って言う殺人鬼が動いた。こんな感じでいいかしら?」
レベッカ
「そんな感じです。」
京都の人達が巻き込まれるのはわかり切っていた。わかった上で、私は正直に彼等に伝えた。
レベッカ
「早急にお引き取り下さい。私達は志々雄真実の件が済み次第、京都を離れます。貴方方にこれ以上迷惑を掛けるつもりはありません。だから、今回の事は見なかった事にして忘れて下さい。」
今泉
「甘えるな小娘。そんな理由でこちらも引くつもりはない。ましてやそんな悪人が彷徨いているなら尚更だ。それを見過ごす事など職務怠慢、率直に言えばお前達の存在こそこちらは迷惑している。余所者が立場を弁えろ。ここは我等の京都だ。」
厳しい口調でそう突き返された。彼等は私達の戦いに介入するつもりでいたんだと思う。
今泉
「俺達は帝からお前に不穏な動きが有れば拘束するよう命を受けている。先程話した事も報告させてもらう。」
やっぱり向こうは私を何とかしたい考えのようだ。でも捕まるわけにもいかなかったその時だった。
今泉
「今回は見逃してやるが、誤解を招く行動は控えろ。」
レベッカ
「え?捕まえに来たんじゃ無いの?」
今泉
「前にも言った筈だ。「災いをもたらす者か、災いを祓う者か、こちらで見極めさせてもらう。」とな。」
レベッカ
「それじゃあ。」
今泉
「少なくともお前達は京都の悪鬼を祓う為に動いている。そんな者達を罪人にする訳にはいかない。」
灯
「ただ聖杯戦争や志々雄真実の事は帝に報告させて貰うわ。」
レベッカ
「わかりました。ありがとうございます。」
私達を見逃してくれるようだった。何とか助かったみたいだが、まだ安心は出来ない。
鏡夜
「我々三人は見逃すが、白虎は西洋人を良くは思っていない。彼には近づかない事だ。」
玄武からその様に念押しされた。やっぱり数年前に起きた世界大戦が原因だと思う。
今泉
「俺達はこれで失礼する。何かあれば手嶋さんに相談してくれ。」
レベッカ
「手嶋さん?」
今泉
「少なくともあの人はお前達の味方だ。」
そう言って彼等は立ち去って行き、私も糸が切れた様にそのまま寝てしまった。起きた時には辺りは暗くなっていて、サーヴァントも子供達も帰って来ていた。皆んな白玄から昼間の話をしていたらしい。その事で私は煉獄杏寿郎から今後どうするか相談した。
煉獄
「あの後、帝や守護柱の会合に立ち会ったが、引き続き監視が続行される事になった。」
レベッカ
「貴方は?」
煉獄
「追い出されずに済んだ。レベッカ達との連絡や報告役として置いとくそうだ。」
レベッカ
「そっか。」
煉獄
「だが、白虎殿は些か納得していない御様子だった。余程レベッカ達西洋人を良く思っていない様だ。出歩く時は護衛を付けた方がいい。」
それなら出歩けるか。ずっと部屋の中にいたら腐りそうだし、やっと解放されるわ。危険なのは変わらないけどね。
煉獄
「俺は君達をそうは思わない。レベッカもエルザも、心の中に熱い物を感じた。それに君達には感謝している。」
レベッカ
「どうして?」
煉獄
「正直な所、聖杯戦争に参加しているサーヴァント達を説得するなど一人でやり遂げる自身が無かったからだ。あれ程の猛者を相手に俺の話を聞いてもらえるか、恥ずかしながら心の中で迷っていた。だが、セイラからは可能性を、エルザからは優しさを、そして君からは、何事にも真っ直ぐに立ち向かう勇気を見せてくれた。だから俺も進む事が出来た!!」
そうか。威風堂々してても、心の中で彼は迷う事もあったんだ。私は心底彼の事が気に入ってしまった。
レベッカ
「まあこれから忙しくなるけど、よろしくね!
だから私は親しみを込めて兄貴って呼ぶ事にした。
煉獄
「わっしょい!!」
そう呼ばれて余程嬉しかったのか、兄貴は興奮しながら「わっしょい!!」と叫んでいた。波乱の京都はいよいよ後半戦に突入した。