Fate/Animation   作:Mr.tosi

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第七話『未来からの来訪者』

 

 

 

 

京都の聖杯戦争のサーヴァント達に会う為、私達は廃村を訪れた。

 

 

そこでバーサーカーの島津豊久と出会い交渉を試みたが、女だからって理由で私達との協力を拒否していた。そんな理由で頭にきた私はバーサーカーに文句を言いたい放題言ったが、それが功を奏したのか協力する気になった。

 

 

だが喜んだのも束の間、私達の行動を目にしたセイバーの井沢静江とアサシンのゼフォンが襲いかかって来た。二人は話を聞く気も無く、そのまま戦闘に入ってしまった。ゼフォンが私の首を取ろうとした時、右衛門左衛門が駆けつけて来た。

 

 

そんな時、聖杯戦争の中止を高らかに宣言する声が聞こえた。私達と戦ってくれた煉獄杏寿郎の兄貴だった。彼はアベンジャーの志々雄真実の出現に危機を伝える為、聖杯戦争の中止宣言と協力要請を皆んなに訴えた。

 

 

快く承諾した私達は家に戻り、右衛門左衛門と七花の因縁。志々雄真実の脅威。そして京都守護柱との密会とさまざまな出来事が起こった後、私達は志々雄真実の行方を探る為、皆んな情報収集に動いてくれていた。私はと言うと、京都の守護柱の存在もある為、行動が制限されていた。

 

 

 

 

 

レベッカ

「でも流石に買い物ぐらいは大丈夫だろ。」

 

 

シズ

「油断しちゃダメよ。白虎にも狙われているんだからね。」

 

 

 

 

私はシズさんを護衛に付けて買い物に出掛けていた。警戒心の強かった彼女とはすっかり打ち解けて、今では楽しくお喋りしている。最初は怖かったけど、いざ話してみると明るいし優しくて、同い年くらいの見た目とは思えないほど大人びてるし、なんだかお姉ちゃんって感じがした。おまけに美人だし、言う事なしかな。

 

 

 

 

シズ

「どうかしたの?」

 

 

レベッカ

「ううん。何でもない!」

 

 

 

 

まるで静かな平穏が、訪れた様に見えた。

 

 

その頃セイラ、マリア、エルザの三人は手嶋さんの元を訪ねていた。やはり青龍から私達の事を聞いていると言う話なので確認しに訪れていたのだ。

 

 

 

 

手嶋

「事情は理解した。けど幽霊にしては随分可愛げがあるな。」

 

 

セイラ

「そう言われるとなんだか照れちゃうよ。」

 

 

マリア

「セイラ。男って可愛い娘には問答無用で口説いてくるから気をつけなさい。」

 

 

手嶋

「ひでぇ言われ様だな!外人さんにはウケが悪いか!?」

 

 

 

 

けどいざこざが起こる訳でもなく、お互いいつも通りに接していた。それを聞いた時は安心した。

 

 

だが問題は、キリエとゼフォンとひびきの方だった。

 

 

 

 

チンピラA

「おいジジイ!てめぇいつまでここに居座るつもりだ!!」

 

 

チンピラB

「汚ねぇから集落に行けえ!!」

 

 

 

 

それは、若い男の通行人が一人の老人に殴る蹴る暴行を見かけた時だった。

 

 

 

 

ひびき

「やめろ!!」

 

 

 

 

当然、ひびきは許せなかったのか彼等に注意を呼び掛けに迫った。キリエもゼフォンも、チンピラに頭来たのか、賛同して着いて行った。

 

 

 

 

ひびき

「寄ってたかってお爺さんを痛ぶるのはやめろ!!」

 

 

チンピラA

「なんだガキ共引っ込んでろ!!」

 

 

チンピラB

「数日前からこの爺さんここに居座ってるんだ!!だから親切に注意してやってんだよ!!」

 

 

ゼフォン

「注意?老人相手に暴行を加えるのがですか?頭いかれてますね?今この場で死にますか?」

 

 

キリエ

「こらこら何でも殺しちゃいかんよ。殺るなら両腕両足へし折って顔面めちゃくちゃにした後にして!」

 

 

チンピラA

「言ってくれるじゃねえか!」

 

 

チンピラB

「テメー等も痛い目合わせて・・・・ッ!?」

 

 

 

するとさっき痛ぶられていたお爺ちゃんが、チンピラの片腕を掴んでいた。ひびき達に殴りかかろうとしていた所を掴んでいた。ただ、その老人に掴まれたチンピラの腕はピクリとも動かず・・・いや動かす事が出来なかった。

 

 

 

???

「若者よ。目の前の弱っている敵に止めを刺さず、余所見をするのは己の破滅を招く要因。敵の救援を阻止し、速やかに息の根を止める事こそ戦いの鉄則よ。」

 

 

チンピラB

「腕が動かね!なんて力だ!?」

 

 

???

「ただ・・・・命をもて遊ぶのであるなら愚の骨頂。災いは唐突にやって来る。」

 

 

チンピラB

「何言ってやがる。」

 

 

???

「このまま汝の腕を折っても構わぬと申している。内なる心に暗雲が立ち込めたのなら、潔く退くのもまた一興。汝の選択が今後の事象を引き起こす。娘等に嬲り殺されるか、ワシに腕を折られるか、小動物の様に逃げ回るか、このまま沈黙を続けるか。この選択は汝の特権なり。」

 

 

 

 

そして彼等がとった選択がこちら。

 

 

 

 

チンピラB

「・・・・うわぁぁぁぁ!!すいませんでしたぁぁぁぁ!!」

 

 

チンピラA

「待ってくれ!置いてくなぁ!!」

 

 

 

無様に逃げていく事だった。てか浮浪者のお爺ちゃん強!!ひびき達は直ぐにお爺ちゃんの所に駆け寄ったけど、平気な様子で土埃を払っていた。

 

 

 

ひびき

「大丈夫ですか!!」

 

 

???

「何、可愛い子供等が戯れて来たに過ぎぬ。」

 

 

キリエ

「いや、もうボカすか殴られてたけど?」

 

 

 

うん。メッチャ殴られてたけど?

 

 

 

???

「ホホホ。お主達が手を差し伸べたのも解、若僧共が善意で行ったのもまた解。」

 

 

キリエ

「いやいや、どう見てもあいつ等が悪いでしょ?」

 

 

ゼフォン

「善意と言うより悪意の塊です。不審な行為をしている貴方に鬱憤を晴らしに来たとしか言いようが無い。」

 

 

 

 

うん!キリエとゼフォンの言う通りだ。

 

 

 

 

???

「成ればそれも正当な解と言える。」

 

 

ゼフォン

「は?」

 

 

キリエ

「え?」

 

 

 

 

だがこのお爺ちゃんはそれすらも許そうとしていた。相当な変人だな。

 

 

 

 

ゼフォン

「では何が誤りなのですか?お答え下さい。」

 

 

 

 

ゼフォンが問いかけると何か言い難い答えが返って来た。

 

 

 

 

???

「何かを成さず、何も考えず、何も感じず、己の心に従わず。理由無き行い程残酷なものは無い。」

 

 

 

 

さっぱりわからん!!

 

 

 

 

???

「どの様な行にも必ず理由が存在する。『欲望』『野望』『正義』『復讐』『嫉妬』『独占』『遊戯』『快楽』『否定』『差別』『軽蔑』『運命』。他者を傷つけ命を奪う事もそこに理由が存在してこそ正当化される。」

 

 

ひびき

「そんなの間違ってる!!それは私達が一番やっちゃ行けない事だ!!」

 

 

ゼフォン

「それに貴方の話は訳がわかりません。さっきから聞いていれば、まるで理由があれば何でもかんでも許される。それでは矛盾だらけになってしまいます。」

 

 

 

 

もう私には何が何だかさっぱりわからんけど、ひびきに賛成!!

 

 

 

 

???

「その矛盾こそ対立する解を導く最も最良の方法。即ち『勝負』『戦い』『決闘』『戦争』である。」

 

 

 

 

もうやめてお爺ちゃん。私の頭がパンクしそう。

 

 

 

 

キリエ

「お爺ちゃんさ。イカれてるって言われない?」

 

 

 

 

いや言われてもおかしくないよね。私でもドン引きだもん!

 

 

 

 

???

「ホホホ。イカれているか。狂戦士にとっては名誉な褒め言葉よ。」

 

 

キリエ

「いや褒めてないけど?」

 

 

 

全くだ!!

 

 

 

 

ひびき

「お爺さん。ケンカが嫌だから、戦争が嫌だからしたく無いし止めるんだ。それを正しいって言うのは間違っている。」

 

 

 

 

この後、ひびきが気持ちをお爺さんに伝えた時だった。彼はひびき達にとんでもない情報を伝えた。

 

 

 

 

???

「うむ。やはり()()()()()()()()を止められるのはお主しかおらぬようだな。」

 

 

 

『ソルベットの皇女』つまりアリシアの事だった。

 

 

 

ひびき

「アリシアを知っているのか!!」

 

 

???

「うむ。お主を待っておった。『天翔ひびき』。お主等の旅路にはソルベットの英霊達が立ちはだかるであろう。」

 

 

キリエ

「ソルベットの英霊?」

 

 

ゼフォン

「アリシア・シャーロットが召喚した七騎の英霊だと思います。」

 

 

 

 

うそ!?てっきり城を守る衛兵かと思ったけど、刺客として送るんかい!!

 

 

 

 

???

「既にアサシンが動き出している。その者の実態を語ろう。」

 

 

 

 

アサシンか。確かに先鋒で差し向けるとしたらベストだ。でもどんなサーヴァントなんだろ?もしかしてジャパニーズニンジャ!?

 

 

 

???

「その英霊「人であって人にあらず。」その耳と尾は馬にあり。目元に刻まれたアイシャドーは継承の証。青き衣を纏い、芝を駆けるその姿はまさに『女帝』と名乗る風格にあり。」

 

 

キリエ

「わかった?」

 

 

ひびき

「さっぱりだ!!」

 

 

ゼフォン

「おそらく獣人でしょうね。それも馬の。何故クラスがアサシンなのでしょう?」

 

 

 

てかお爺ちゃんの説明が難しすぎるんですけど!?

 

 

 

???

「その者の真名は『エアグルーヴ』。既に『アトランティス』に向かっておる。」

 

 

 

するとお爺さんの身体が光り始めた。まるで英霊が元の世界に帰る時のような感じだった。

 

 

 

???

「時が来てしまったようだ。やはり封印されていてはこれが限界か。」

 

 

ひびき

「聞いてもいいですか。」

 

 

???

「構わぬ。話すが良い。」

 

 

ひびき

「私にしかアリシアを説得出来ない。それはわかりました。ですが貴方が私に頼む理由があるのではないですか。貴方は本当は助けて欲しいんじゃ無いんですか!憤怒の狂戦士(ラースバーサーカー)!!」

 

 

キリエ

「え!?」

 

 

ゼフォン

「やはりそうでしたか。」

 

 

キリエ

「えぇぇぇ!?」

 

 

 

 

えぇぇぇ!!まさかの七騎の大罪!?てか何でソルベットにいるはずの憤怒の狂戦士(ラースバーサーカー)が京都にいるの!?

 

 

 

 

???

「語る時無し。全ての聖杯を手にしソルベットに来れり。そこに答えはある。」

 

 

 

 

そう言って彼は消えていったと言う。私達がその話を聞かされたのは、夜の出来事だった。報告がてら皆んなで集まったが、たまたまその日はアースと通信が繋がっていた。

 

 

 

 

レベッカ

「疲れたぁ!!」

 

 

マリア

「話の間にあれだけツッコミ入れたら疲れるわよ。」

 

 

 

 

私はひびき達の話の合間にツッコミを入れて疲れていた。

 

 

 

 

エルザ

「白玄。その女帝を名乗っているエアグルーヴは何者なの。」

 

 

 

 

アリシアに召喚されたアサシンのサーヴァント、エアグルーヴについて語られた。

 

 

 

 

とがめ

「彼女の前に、先ずは三次元世界のある時代について語ろう。」

 

 

 

 

なじぇ?と思いながらも話を聞いた。終戦後の昭和後期から平成の初期に渡って、日本のスポーツ界は有力な選手が生まれた時代があった。

 

 

そして競馬界にも、数多くの名馬が誕生した。エアグルーヴはその平成初期に活躍していた世代で、かなり上位の成績を取っていたらしい。

 

 

 

 

レベッカ

「ん?ちょっと待って!エアグルーヴってアニメーションのサーヴァントじゃないの!?」

 

 

とがめ

「勿論、憤怒の狂戦士(ラースバーサーカー)が言っていたエアグルーヴはアニメーションのサーヴァントだ。私が話したのは、彼女のモデルとなった競走馬の方だ。」

 

 

レベッカ

「馬の獣人って言ってたっけ?だとしたら聖杯の影響でそうなったのかな?」

 

 

ゼフォン

「そうなりますね。」

 

 

 

だが私達が真剣に考えてるのにこの変態は隣でクスクスと笑っていたのだ。

 

 

 

レベッカ

「こら!真面目な話をしてるのに何笑ってんだ!!」

 

 

とがめ

「すまん。だがそれは聖杯の影響では無く元からそうなのだよ。」

 

 

レベッカ

「え?でもエアグルーヴって馬なんだよね?」

 

 

とがめ

「うむ。馬であるぞ。」

 

 

 

 

訳わからない!?三次元世界の馬が何をどうしたらアニメーションの人間の姿になるの!?

 

 

 

 

とがめ

「レベッカよ。『擬人化(ぎじんか)』は知っておるか。」

 

 

レベッカ

「知らないけど?」

 

 

とがめ

「例えば豊さんの『刀』、右衛門左衛門の『銃』、キリエの『戦闘機』、エルザ達アイドルの衣装に付いている『宝石』。それ以外にも『車』に『機関車』に『新幹線』。そう言った道具や乗り物に関わらず、『動物』に『昆虫』に『植物』と言った生き物。更にはアニメーションから生まれたロボットや怪獣。それ等の人成らざる者を人に変えてしまうアニメーションの技法の一つだ。」

 

 

 

 

可愛いネコちゃんを可愛い女の子にするって事か?アニメーションって何でもありか?

 

 

 

 

豊久

「つまりあれか?(おい)の刀が妖術で人の姿に化けるっちゅうことか!?」

 

 

とがめ

「しかも驚くでないぞ豊久殿。500年後の未来人はそれ等を妖術など使わず、職人の技で変えてしまうのだ!」

 

 

豊久

「そげばほんとか!?」

 

 

 

 

うわぁ・・・何も知らない豊さんからかい出したよ。

 

 

 

 

とがめ

「そのエアグルーヴもまた、三次元世界の競走馬から競走ウマ娘として擬人化を果たしたサーヴァントなのだ。彼女達の世界に馬と呼ばれる動物がいない代わりに、『ウマ娘』と言う種族が人間と共に繁栄を築いてきた。そしてエアグルーヴは平成の黄金時代に活躍し、女帝を受賞した名誉ある名を継いだウマ娘なのだ。」

 

 

 

 

何か聞いてると凄い武勇伝のような。ん?でも内容からしてそれって『競馬』だよな?

 

 

 

 

レベッカ

「そのエアグルーヴってスポーツ選手?」

 

 

とがめ

「うむ。アイカツ!のアイドル達同様戦闘向きのサーヴァントではない。だが、彼女はアサシンとして召喚された。どの様な戦いをするのかは皆目検討もつかん。」

 

 

 

 

確かセイラとエルちゃんは、自分達が発するオーラを操って攻撃してたけど、スポーツ選手はどんな技を繰り出すんだろ?

 

 

 

 

とがめ

「レベッカ、剣城君。二人は擬人化サーヴァントと契約した方がいいだろう。」

 

 

剣城

[どうしてですか?]

 

 

とがめ

「さっきも説明したが、擬人化サーヴァントは刀剣や軍艦、馬が人の形を成して生まれてくる。そのモデルは、私達三次元世界の聖遺物から来ている。」

 

 

レベッカ

「そうなんだ。アニメーションって自分達が想像した物だけじゃ無くて私達の住んでる世界を舞台に物語が形成されて行くんだ。昔の人のイマジネーションは凄いな。」

 

 

とがめ

「それが、お前達の世界では有難い物になっている筈だ。」

 

 

 

 

いや・・・・考えてもわからんのだが?

 

 

 

 

クライド

[そうか!!擬人化サーヴァントは言わば『歴史の資料』と言う事になる!!]

 

 

 

 

クライドさんが突然叫び出したかと思ったら、何と擬人化サーヴァントが私達の世界で失われた歴史の重要な資料の役割も果たしているのだ。500年前に起きた第三次世界大戦で消失したのはアニメーションだけで無く、歴史の資料や文化財も失い、その知識は大まかな物から断片的な物しか無かったのだ。

 

 

 

 

レベッカ

「凄く重要じゃん!!」

 

 

とがめ

「うむ。アースにとっても重要な存在になるやも知れぬ。かつての偉人達が残した物が、教訓として活かされぬのは残酷であるからな。」

 

 

 

 

そうかもしれない。もしまた世界大戦なんて起きたら大変だ。昔の歩く資料が擬人化サーヴァントなら是非とも遭ってみたい。

 

 

 

 

とがめ

「ラースバーサーカーは持てる力を振り絞って、ひびき達の所に現れ、情報を伝えてくれた。今後の為に有効活用させて貰おう。」

 

 

 

 

そう言って今回はお開きとなった。アリシアの計画が動き出そうとしていた事にも驚きだったが、まさか被造物のサーヴァントの中に私達の世界の歴史を再現した物までいたとはね。アニメーション凄すぎる。

 

 

それから数日の時が流れ、あの残酷な出来事が来てしまった。

 

 

 

レベッカ

「あれから何も起きないし、志々雄真実も出て来ない。やっぱりガセネタだったのかな?」

 

 

シズ

「だといいけど、もしかしたらって事もあるわ。油断しないで。」

 

 

 

 

今、私とシズさんは今日の街を周っていた。こうも何もないと不気味に感じ、私達は手分けして情報を探していた。

 

 

 

 

男性A

「おい聞いたか。伏見温泉の話。」

 

 

男性B

「急に店を休業したって話だろ?あれから三日は経つがな。」

 

 

男性A

「何かあったんだろうな。」

 

 

 

 

年老いた男性二人が『伏見温泉』の話をしていたが、どうも数日前から休んでいるらしい。怪しいな。

 

 

レベッカ

「行こう!シズさん!」

 

 

シズ

「待って。私達だけで行くのは危険だわ。せめて皆んなに報告してからにしない?」

 

 

レベッカ

「その為にも、先ずはそこで情報収集しないとだよ。正確に情報を伝える為にも調べる必要がある。」

 

 

シズ

「わかったわ。ただし、危険と感じたら直ぐに退くわよ。」

 

 

レベッカ

「うん!」

 

 

 

私とシズさんは、その人達から伏見温泉の場所を聞いて訪れてみた。そこは、西の一番端側にある温泉宿だった。周辺には人気が無く、その宿も不気味に鎮まり変えていた。私達は慎重に宿に入ろうと、玄関を開けた時だった。

 

 

 

 

レベッカ

「何・・・・これ。」

 

 

 

 

店に入ると男女問わず、複数の死体が転がっていた。

 

 

 

 

シズ

「刀傷ね。多分誰かに斬られたんだと思う。」

 

 

レベッカ

「志々雄真実の仕業?」

 

 

シズ

「わからないけどこの空気、かなり危険よ。」

 

 

 

 

その時だった。床をギシギシと歩く音がこっちに近づいていた。それと同時に今まで感じた事のない恐怖を感じていて身動きが取れなかった。

 

 

 

 

志々雄

「何だ?もう他のサーヴァントに気付かれたのか。」

 

 

 

 

暗闇から現れたのは、包帯グルグル巻きのミイラみたいな男だった。まさか・・・・こいつが志々雄真実!?

 

 

 

シズ

「旅館の人達を殺したのは貴方なの!」

 

 

志士雄

「だったらどうした。」

 

 

シズ

「何故一般人まで巻き込んだの!?聖杯があるから魔力の消費切れも無い!彼らの生命力を吸う必要はないはず!!殺す必要は無かったはずよ!!」

 

 

 

シズさんも内心恐いはずなのに、怯えながら志士雄に質問した。そしたら彼から常識外れの答えが返ってきた。

 

 

 

 

志士雄

「ここの温泉は火傷を癒すのに最適なんでな。コイツらは邪魔だから全員殺した。それだけだ。」

 

 

 

 

は?じゃあ温泉に入りたいから殺したって事?意味わからない!!

 

 

 

シズ

「レベッカ!!逃げて!!」

 

 

 

 

シズは声を荒げながらも、剣を構えて志士雄に仕掛けた。

 

 

 

 

シズ

「宝具解放!!インフェルノフレイム!!」

 

 

 

 

彼女の剣から炎が吹き出し、瞬く間に志士雄を飲み込んだ。だがその一瞬だった。

 

 

 

 

レベッカ

「えっ。」

 

 

 

 

いつの間にか、シズの背中から刀が突き出ていた。

 

 

 

 

志士雄

「奇遇だな。俺も火を使うんだ。まあテメェみたいな雑魚に使う必要はないがな。」

 

 

 

 

あっという間の出来事だった。炎を振り払って志士雄がシズさんの胸元に刀を突き刺していた。しかも霊核ごと貫通している。

 

 

 

 

レベッカ

「シズさァァァァァァァァん!!」

 

 

 

 

志士雄はシズさんを蹴り飛ばし、彼女はそのまま私の所に転がって来た。

 

 

 

レベッカ

「シズさん!!」

 

 

シズ

「レベッカ逃げて。生き延びて・・・・。」

 

 

レベッカ

「嫌だよ!嫌だよ!!シズさん!!」

 

 

 

 

シズさんはもう、光となって消え掛かっていた。こんな別れ方なんて嫌だよ。

 

 

 

 

シズ

「無事に帰ったら・・・・スライム君の事お願いね。」

 

 

 

 

シズさんはそう言い残して、消えてしまった。その時、私に怒りが込み上げてきた。自分の判断の甘さにシズさんは止めてくれた。なのにそれを無視して貫いてしまった。なんで・・・・。

 

 

 

 

レベッカ

「何で今出てくるんだよ。何で旅館の人達やお客さんまで殺すんだよ。何でそんなくだらない理由でシズさんまで殺すんだよぉ!!」

 

 

 

 

その怒りを志士雄にぶつけた。

 

 

 

 

志士雄

「所詮この世は弱肉強食。強い者が生き弱い者が死ぬ。それがこの世の理だ。」

 

 

 

 

志士雄は座り込んでいる私に刀を振りかざした。

 

 

 

 

志士雄

「テメェも同じだ。ただ喚くだけの腰抜けは死んでいくのがお似合いだ。精々地獄で泣き喚いていろ。」

 

 

 

 

志士雄の刀が振り下ろされたその瞬間だった。

 

 

 

 

ルドルフ

「雷の呼吸。一ノ型!霹靂一閃!!」

 

 

志士雄

「ッ!?」

 

 

 

電光石火の如く、私の目の前に、緑の軍服に馬の耳と尻尾が生えた女性が立っていた。しかも魔力からしてサーヴァントだったのだ。

 

 

 

志士雄

「誰だ。」

 

 

ルドルフ

「悪党に名乗る名など無い。だがレベッカには指一本触れさせない。」

 

 

志士雄

「いきなり出て来て随分な物言いだ。」

 

 

ルドルフ

「いきなり出て来てすまないが、これで退散させてもらう。」

 

 

 

彼女は刀を構え始めた。まさか、あの化け物から逃げるつもり?

 

 

 

ルドルフ

「大空の呼吸。五ノ型。乱気流!!」

 

 

 

辺り一面が物凄い風に煽られ、志士雄も思わず目を隠した。その一瞬、彼女は私を抱き抱えて物凄い速さで駆けて行き、その場から立ち去る事が出来た。

 

 

 

ルドルフ

「すまない。少々荒っぽいが我慢してくれ。」

 

 

 

彼女はそう言って、もうスピードで人気の無い道から人通りの道を駆けて行き、向かっていた先は私達の家だった。その途中で私は気絶していたみたいだが、ルドルフは物の数分で辿り着いた。

 

 

 

ルドルフ

「ごめんください!!」

 

 

 

と礼儀正しく挨拶して入ったら、鏡歌と雀が家にいて二人はルドルフの登場に驚いていた。

 

 

 

 

鏡歌

「あのーどちら様で?」

 

 

ルドルフ

「失礼をした!!レベッカの看病をしたい!!直ぐに寝具と水で濡らした布を用意してはもらえないだろうか!!」

 

 

鏡歌

「わかりました!!」

 

 

 

鏡歌はルドルフに言われた通りに用意をしたけど、雀は誰かいない事に気が付いていた。

 

 

 

「ねえお姉ちゃん。シズお姉ちゃんは?レベッカお姉ちゃんとお出掛けしていたはずだよ?」

 

 

ルドルフ

「すまない。駆けつけた頃にはいなかった。」

 

 

 

 

ルドルフは気を遣って雀を悲しませないようにしていたが、内心彼女が納得していない様子だった。

 

 

 

 

ルドルフ

(話に聞いた通り、シズさんがいなくなった後に私が駆けつけたのだな。すれ違うように入れ替わるとは何とも烏滸がましい。)

 

 

 

 

鏡歌が布団を敷いて私をそのまま置いて毛布を掛けてくれた。その時、誰かがこちらに走ってくる足音が聞こえて来たのだ。

 

 

 

 

煉獄

「レベッカを物凄い速さで連れ去ったのはお前かァァァァ!!」

 

 

 

 

兄貴だった。どうやらルドルフが私を抱えて通り過ぎる所を見掛けて追いかけて来たようだ。

 

 

 

 

煉獄

「君は誰だ!!何故レベッカを連れ去った!!シズはどうした!!」

 

 

ルドルフ

「その話は全員揃ってからでも良いと思うのだが。それでも構わないかい。」

 

 

煉獄

「うむ!!了解した!!」

 

 

 

 

だが思った以上に、皆んな早く集まった。次にゼフォンが戻ってきて。

 

 

 

 

ゼフォン

「煉獄!!」

 

 

煉獄

「ゼフォン!今戻ったか!」

 

 

ゼフォン

「貴方が猛スピードで走るのが見えたので、何事かと追いかけた所です。彼女は?」

 

 

煉獄

「分からん!!だが全員揃って話をするそうだ!!」

 

 

ゼフォン

「でも彼女ウマ娘ですよね?」

 

 

煉獄

「うむ!!言われてみれば特徴が一致しているぞ!!」

 

 

ルドルフ

「驚いたな。ウマ娘の事を知っているとは。」

 

 

ゼフォン

「つい先日、貴女の同胞の話を聞かされましたから。」

 

 

 

 

その後に姐さん達も戻って来て、その次は豊さんだった。

 

 

 

 

マリア

「レベッカの魔力が急に不安定になったけど何かあったの!!」

 

 

エルザ

「シズは何をしていたの。」

 

 

セイラ

「あれシズさんは?」

 

 

ひびき

「そう言えば見当たらないな?」

 

 

キリエ

「何か知らない人混ざってるし?」

 

 

豊久

「何じゃ何じゃ!この騒々しさは!?」

 

 

 

それで最後は白玄達だった。

 

 

 

七花

「おい!レベッカは無事か!!」

 

 

ひびき

「七花達も戻って来たのか!?」

 

 

右衛門左衛門

「薄気味悪い魔力反応を感知したかと思いきや、井沢静江の反応が突然消えた矢先に新たな魔力反応と姫様の魔力が乱れたのを確認した。」

 

 

とがめ

「一体何がどうなっておる!!」

 

 

 

白玄が家に入ると、彼はルドルフを見て驚いていた。どうやら彼女の事も知っているらしい。

 

 

 

とがめ

「シンボリルドルフ!?」

 

 

マリア

「知ってるの!」

 

 

とがめ

「ウマ娘の中で最強と名高い成績を残しているウマ娘だ。」

 

 

 

 

競馬見た事ないからわからないけどかなり強いサーヴァントだったらしい!!

 

 

 

 

セイラ

「そんなに凄いのか?」

 

 

とがめ

「セイラ達の世界で言うなら、『神崎美月』のような存在だ。」

 

 

セイラ

「美月さんの様な人。じゃあ彼女はレースのトップって事?」

 

 

とがめ

「七冠の戦績を残している。そのトップ戦績を残しているのは彼女だけだ。それが皇帝シンボリルドルフだ。」

 

 

ルドルフ

「お褒めに頂き感謝するよ。」

 

 

 

 

皆んなが合流して来た時に、私は目を覚ました。その時には、皆んな私の事を心配して駆けつけて来たのか全員揃ってて、初対面のルドルフもそこにいた。

 

 

 

 

ルドルフ

「起きたかレベッカ。心神喪失と言ったところかな。」

 

 

レベッカ

「シズさん・・・・私の所為でシズさんが!!」

 

 

ルドルフ

「落ち着くんだレベッカ。何があったかゆっくり話してくれ。」

 

 

 

彼女の声を聞いていると、自然と心が落ち着く。何だろう。すごく温かい。彼女の温もりで落ち着いた私は、伏見温泉で何かあったのかを話そうとしたその時だった。

 

 

 

紅莉栖

[レベッカ!応答しなさい!レベッカ!!]

 

 

 

クリスティーナさんの声が聞こえたから、アースから通信が入ったのを確認した。けどなんだかここにいる皆んな以上に慌しい雰囲気だった。

 

 

 

紅莉栖

[レベッカ!貴女いつの間にもう一騎のセイバーと契約したの!?]

 

 

レベッカ

「契約?どう言う事?マリア姐さん以外のセイバーと契約した覚えないけど?」

 

 

紅莉栖

[じゃあ目の前にいるサーヴァントは誰なの!?ルーラーのゆめですら、貴女と彼女のパスが繋がっているの確認しているのよ!?]

 

 

ゆめ

[彼女の真名はシンボリルドルフ。間違い無くレベッカさんが契約しているサーヴァントです!!]

 

 

剣城

[本当に知らないの?]

 

 

 

 

は!?いやいや!彼女とは会ったばかりだし・・・・そう言えば私まだ名前教えて無いのに何で知っているの!?

 

 

 

レベッカ

「助けてくれてありがとう。でも何で私の名前を知っているの?貴女は何者なの。」

 

 

ルドルフ

「それより先に、皆に報告する事があるのでは無いか。私の話はそれからでも出来る。」

 

 

 

 

そうだった。伏見温泉であった事、志々雄真実が現れた事を伝えないと!!私は伏見温泉で志々雄真実と交戦した事、その戦いでシズさんが脱落した事も全て話した。

 

 

 

ゼフォン

「そんな・・・・。」

 

 

マリア

「シズが宝具使っても瞬殺されたって!?」

 

 

豊久

「こりゃ・・・・とんでもんバケモンか志々雄真実。」

 

 

とがめ

「しかもシズは人間では無く魔人だ。それが瞬殺か。思った以上の強敵だ。」

 

 

紅莉栖

[エキストラクラスのサーヴァントにしても反則でしょ!?スキルも使わず元のステータスで瞬殺するサーヴァントがいる!?]

 

 

とがめ

「無理も無い。実を言うと、志々雄真実もレジェンドサーヴァントだからな。」

 

 

 

 

はあ!?志々雄真実がレジェンドサーヴァント!?

 

 

 

とがめ

「奴が出演している作品『るろうに剣心』には多くの強敵達が登場するが、志々雄真実はその中でも一番狂気に満ちていて、当時の読者や視聴者に強烈な印象を与えた。レジェンドサーヴァントとして召喚されてもおかしくない。」

 

 

マリア

「そんな大事な事なんで早く言わないのよ!!」

 

 

とがめ

「言ったところで対処できるのか。私は、志々雄真実は危険だと話した時に忠告もした筈だぞ。それにシズを秒殺してる時点で対処も何も無い。ルドルフの様に足が速いサーヴァントで離脱するしか無いのだからな。お主がいてくれて助かったわ。」

 

 

ルドルフ

「いや。それは優れた先見之明と知恵才覚を持つ()()である貴方の人選対応です。だから私は直ぐに動く事が出来た。」

 

 

 

 

いや、誰が所長だって!?

 

 

 

 

とがめ

「ごめーん()()ちゃん!私所長の役職に就いたことなんて一度も就いた事無いんだけど!」

 

 

ルドルフ

「ッ!?失礼だが・・・・私は()()では無く()()()()()()()()何だが?」

 

 

とがめ

「惚けても無駄だぞトレセン学園生徒会長!!お主の幼名が『ルナ』だったのを知らぬとでも思ったか!!」

 

 

ルドルフ

「くっ!!流石はしょ・・・・白玄だ!!やはり過去でも私の事は知られていたか!!」

 

 

 

 

いやそんな茶番劇いらないから!!てかこの人さっきから訳わかんないよー!!

 

 

 

 

とがめ

「さて、気になるワードもお主から吐き出せた訳だし、そろそろ教えてもらおうか。シンボリルドルフ。」

 

 

ルドルフ

「わかりました。できる範囲で話しましょう。」

 

 

 

 

彼女から語り出したその実態は、信じられないものだった。

 

 

 

 

ルドルフ

「私はサーヴァント。セイバー。シンボリルドルフ。赤の陣営所属のレベッカ・スカーレット・ティファニーと契約しているサーヴァントだ。」

 

 

レベッカ

「うん。契約した覚え無いけど?」

 

 

ルドルフ

「無理も無い。君が私と契約するのはまだ先の話だからね。」

 

 

 

ん?ど言う事!?

 

 

 

 

ルドルフ

「私が京都に来た目的は、この時代に出現している時間差遡行群から歴史を守る事と、レベッカ・スカーレット・ティファニーを守るためだ。つまり未来のアースからやって来たサーヴァントと言ったら良いだろうか。」

 

 

 

 

はへ!?未来のアース!?時間差遡行群を!?でも何で!?だって時間差遡行群はこっちの時代の魔獣でしょ!?

 

 

 

 

紅莉栖

[つまり貴女は未来からタイムスリップして来たって事!?それをアースが!?]

 

 

ルドルフ

「その通りだ。牧瀬紅莉栖が開発した次元転送装置をアースに召喚された人理の英霊『レオナルド・ダヴィンチ』が改良してタイムマシンにしたらしい。それでこの時代にレイシフトすることが出来た。」

 

 

紅莉栖

[どんな理由にせよそんなの向こうの私が許す訳ないでしょ!!]

 

 

剣城

[クリスティーナさん?]

 

 

紅莉栖

[そんな事をしたら世界線にどんな影響があるかわからないのよ!!]

 

 

ルドルフ

「ですがアースもレベッカ達マスターも、それを承知で今回の任務を実行したのです。今世界線に影響を与えようとしようとする時間差遡行群と、それを裏で操る組織の存在が動き出している事も。私はそれを阻止する為にここへ来ました。」

 

 

 

 

何か未来でとんでも無いことになってるけど。

 

 

 

 

とがめ

「なるほどな。お主が未来から来たのであれば詳しく話せぬ事情はわかったよ。」

 

 

ルドルフ

「こちらの現状を理解していただき感謝する。」

 

 

とがめ

「だが納得できん。お主のやっている事は本来なら『刀剣男士』の仕事のはず。非戦闘員である『ウマ娘』がどうやって戦う。」

 

 

 

そう言われてなのか彼女は考え込んでしまった。何で?ただ答えれば良いだけなのに?

 

 

 

ルドルフ

「うん。これは話しても大丈夫だろう。」

 

 

 

大丈夫?何が?

 

 

 

 

ルドルフ

「今の貴方にとっては信じられない話だが、サーヴァントの中には稀に前世の記憶を受け継いだまま召喚されるケースがあるのだ。この世界のこの時代からね。貴方も何人か見知った顔を見て来ているはずだ。」

 

 

とがめ

「四聖獣の守護柱達と、手嶋純一郎か。そしてお主もそうだと言うのか。この世界のこの時代に生まれた人間として生活していたと。」

 

 

ルドルフ

「ああ。前世であるこの世界での私は日系人でな。アメリカに住んでいた。この時代なら、今頃夫と結婚している頃だろうな。」

 

 

 

 

今さらっと自慢話になってた様な!?てか現在進行形で結婚してるの!?

 

 

 

 

ルドルフ

「それと当時の私はある流派の家系でね、それなりに剣には自信がある。」

 

 

レベッカ

「そう言えばあの時、雷の呼吸とか大空の呼吸とか言ってたような。」

 

 

煉獄

「ッ!?」

 

 

 

 

突然、兄貴がそのワードを聞いて反応した。何か思い当たる事でもあるのかな?

 

 

 

 

煉獄

「なるほどな。彼女の話はどうやら嘘偽りが無いと受けた。」

 

 

とがめ

「何故そう確信できる。」

 

 

煉獄

「青龍殿から聞いたのだが、俺達の使う呼吸の流派は、此方の世界と基本は同じだが異なるところがあるが、こちらの方が技が極められていた。全集中の呼吸と同時に「覇気(はき)』と呼ばれる気を身体から刀身にまで流し、身体能力を更に飛躍的に高めると言っていた。覇気には『動の気』と『静の気』の2種類があり、此方の世界では動の気の派生系の一つ『死ぬ気の炎』と呼ばれる気を流しながら全集中の呼吸を使いその剣技を振うそうだ。ここまで聞いて何か分かる事は無いか。白玄殿。」

 

 

とがめ

「『ONE PIECE(ワンピース)』『史上最強の弟子ケンイチ』『家庭教師(かてきょー)ヒットマンREBORN(リボーン)』にその様な用語が使われていた。リボーンの設定にワンピースとケンイチが追加された様な内容だ。それを使って『鬼滅の刃』の呼吸が強化された様にも見える。」

 

 

 

 

すまん!訳がわからないよ!!

 

 

 

 

煉獄

「更に『大空の呼吸』にも俺達の世界と同じ『日の呼吸』の派生系となる呼吸が存在する。因みに青龍殿は『水の呼吸』に『雨の炎』を流し込んで使う『雨の呼吸』を使う。」

 

 

とがめ

「雨の呼吸なら大方どんな技か見えてくる。『時雨蒼燕流(しぐれそうえんりゅう)』の類似技だろうな。」

 

 

 

 

なるほどな。ん?確かルドルフは大空の呼吸が使えるよね?派生系の原点になった技って事はかなり強いって事!?

 

 

 

 

煉獄

「して、君の流派は。」

 

 

ルドルフ

「雷の呼吸の壱ノ型から漆ノ型と大空の呼吸の終ノ型まで習得している。」

 

 

煉獄

「二つも呼吸を習得しているのか!?」

 

 

とがめ

「それだけではあるまい?『大空の呼吸』は大空の炎を流して使える呼吸。すなわち日の呼吸であるヒノカミ神楽の型も取得しておるな。」

 

 

ルドルフ

「流石だ。だが最後の型だけは習得出来なかったがな。」

 

 

とがめ

「拾参ノ型か?あれは、円舞から炎舞までの型を繋げて行えば良い。」

 

 

ルドルフ

「なるほど。では機会があれば試してみるとしよう。」

 

 

 

 

まあルドルフはわかった。けど本来素行群の討伐はその刀剣男士って言うサーヴァントだよね?何でウマ娘であるルドルフが選ばれたのか聞いてみよう!!

 

 

 

 

ルドルフ

「確かに遡行群は本来私の役目では無い。だが私が来た理由は、私の大空の呼吸にある終ノ型と玖ノ型が志々雄真実に対抗できる唯一の技と未来の貴方から聞かされた。」

 

 

とがめ

「その技とは・・・。」

 

 

ルドルフ

「大空の呼吸玖ノ型『九頭龍閃』と終ノ型『天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)』だ。」

 

 

 

白玄はやはりと言うくらい驚いていた。まさか志士雄に対抗出来る技なの!?

 

 

 

 

とがめ

「やはり『飛天御剣流』か。」

 

 

レベッカ

「飛天御剣流?」

 

 

とがめ

「人を殺さずに敵を倒す活次拳の流派だ。九頭龍閃と天翔龍閃はその奥義とも言える。そして唯一、志々雄真実に対抗出来る奥義とも言える。」

 

 

 

なるほど!!つまりルドルフがいれば志々雄真実を倒せるって事だ!!何か光が見えて来たよ!!

 

 

 

 

とがめ

「だがその奥義の使い手である『緋村剣心(ひむらけんしん)』ですら倒せなかった相手だ。結局奴は火傷の後遺症で燃え尽きただけだったからな。」

 

 

 

 

え!?

 

 

 

 

ルドルフ

「どちらにしても、私は君達の任務に関与する事は難しいだろう。何故かはわかるな。」

 

 

レベッカ

「未来が変わるから?」

 

 

ルドルフ

「そうだ。だから私は最低限のサポートしか役に立てない。非常時ですまないが、理解して欲しい。」

 

 

とがめ

「重々理解した。タイムパラドックスはお主の存在すら消されかねぬ。」

 

 

 

志々雄真実。その存在は歩く人殺しだ。彼に出会った瞬間、私は何も出来ずにシズさんを失った。もしルドルフが来てくれなかったらと思うとゾッとした。私って本当に・・・・。

 

 

 

レベッカ

「無力だ。」

 

 

 

そんな悔しさを噛み締め、新たに登場したシンボリルドルフを仲間にして、今日はお開きにした。だがこの事件をきっかけに私達は守護柱と対立す事になってしまった。

 

 

 

 

不死川

「胸糞悪い。」

 

 

 

私達が立ち去った後の話か、都の守護柱やお役人達も伏見温泉に集まって来ていた。青龍が遺体や現場の状況など確認してくれたけど、かなり険しい表情をしていた。

 

 

 

 

今泉

「紛れもなく無差別だな。」

 

 

「レベッカちゃんが言っていた志々雄真実の仕業かしら?」

 

 

鏡夜

「そう断定するのは早すぎるが。」

 

 

 

もう少し捜査してから決めるべきと、話し合っていた三人だったが、白虎は思わぬ事を決めつけていた。

 

 

 

不死川

「おいおい何寝ぼけてんだ。断定も何も、こんな酷い事出来るのはあの鬼畜米兵共だけだろ!!」

 

 

 

白虎は私達がやったと思っているみたいだった。

 

 

 

 

鏡夜

「それを決めつけるのは早すぎるぞ!!証拠を揃えてからでも遅くは無い!!」

 

 

不死川

「通行人の証言によれば伏見温泉をかなりの速さで出て行った西洋人を目撃している連中がわんさかいた。それだけで奴等を一網打尽に出来る。」

 

 

鏡夜

「待て白虎!勝手な事は許さん!」

 

 

不死川

「お前等がそうやって甘い顔してるからこんな事になったんだろうが!!鬼畜米兵は完膚なきまでに駆逐する!!お前等の甘ちゃんに付き合うのもこれまでだ!!」

 

 

「待ちなさい!!白虎!!」

 

 

 

 

白虎は話も聞かずその場を立ち去った。私達を問答無用で探す気らしい。

 

 

 

 

鏡夜

「まずい事になった。」

 

 

今泉

「幸い、不死川には居場所は伝えていない。がそれも時間の問題だ。」

 

 

鏡夜

「不死川がレベッカを見つけ出す前に。」

 

 

「こっちが下手人を捕らえる。とは言え手掛かりが無いから不利には変わりないけど。」

 

 

今泉

「それでも手当たり次第探さなければならない。でなければ、レベッカは無実の罪で処されるぞ。」

 

 

 

 

状況は最悪な物になっていた。そうとは知らずに私達は夕暮れの時間帯を暗く過ごしていた。シズさんの脱落と志々雄真実の圧倒的な実力の前に打ちひしがれながら、ただ落ち込む事しか出来なかった。って、そんな私が一番凹んでいたけどね。心ここに在らずと言うか、無気力と言うか、ショックで立ち直れなかった。ルドルフはこんな私に声を掛けるべきか迷った挙句、兄貴に相談しに外に出ていた。

 

 

 

 

ルドルフ

「杏寿郎さん。少しよろしいでしょうか。」

 

 

煉獄

「構わない。と言いたいところだが、君に礼を言わなければならない。」

 

 

 

 

お礼?なんの?

 

 

 

 

煉獄

「レベッカの窮地を救ってくれて感謝する。」

 

 

ルドルフ

「私は自分の役目を全うしたまでです。それに間一髪でした。」

 

 

煉獄

「それでも助かった。ありがとう!!」

 

 

 

 

そう言えば殺されそうになった所を助けてくれたっけ。落ち着いたら私もお礼言わなきゃ。

 

 

 

 

煉獄

「それで話とは何だ。」

 

 

ルドルフ

「レベッカの件です。何と声をかけたらいいか暗雲低迷(あんうんていめい)しています。彼女の力になると意気昂然(いきこうぜん)となった矢先に為体です。」

 

 

煉獄

「なら君から見た今のレベッカはどんな感じだ。」

 

 

ルドルフ

「私の知っているレベッカとは違う印象を受けました。彼女はもっと心が強い子ですから。」

 

 

煉獄

「なら君がこの時代のレベッカに深く干渉しない事だ。君の知っている彼女はこの京都で成長し、未来で生まれたのだと思う。今はレベッカを見守りつつ、守ってやればいい。」

 

 

ルドルフ

「なるほど。それも、私の役目と言う事か。」

 

 

煉獄

「その通りだ。無理に彼女を励ます必要はない。それは、マリア達の役目だ。」

 

 

ルドルフ

「それなら私は自らの役目に専念出来る。やはり貴方に相談して正解でした。」

 

 

煉獄

「何!隊員の相談役も柱の務めだ!遠慮なく言ってくれ!!」

 

 

 

兄貴はやはり頼りになる。未来から来たルドルフにの悩み事にも瞬時に解決とは恐れ入りました。ん?でも等の本人は悩みなんてあるのかな。

 

 

 

 

煉獄

「俺からも一つ聞いていいか。」

 

 

 

おや?どうやら兄貴にも悩み事があったそうです。

 

 

 

煉獄

「未来のレベッカの下に『竈門炭治郎(かまどたんじろう)』と言う鬼殺隊の少年はいるか。」

 

 

ルドルフ

「います。私も彼と共に戦いましたが、誠実で正義感の強い少年です。今は彼を中心に『緑谷出久(みどりやいずく)』『虎杖悠仁(いたどりゆうじ)』そして私の後輩である『トウカイテイオー』とチームを組んでレベッカの力になっています。」

 

 

煉獄

「そうか。彼女の未来は明るいものになっているのだな。だからこそ、今のレベッカにとって鬼殺隊で契約するサーヴァントは、俺より先に竈門少年の方だ。彼はレベッカとって大きな力になる。」

 

 

ルドルフ

「私もそう思います。私より炭治郎の方が頼りになる。そう思います。」

 

 

 

 

私が兄貴とルドルフと契約するのはまだ先の話。魔術師である私がこんな凄い英霊達と共に戦うのは力不足だ。志々雄真実の言う通り、あの時の私はシズさんの失った悲しみで泣き叫ぶ事しか出来なかった弱い人間だ。ルドルフが来ていなかったら間違いなく死んでいた。そう打ちのめされる出来事だった。けど追い討ちをかける様に事件は起きるのであった。

 

 

 

 

 

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