守護柱の戦いが終わった頃、女性サーヴァントだけ朱雀の屋敷に私の様子を見に来ていた。朱雀の屋敷は男子禁制なので男どもは玄武の屋敷で気絶した憂太を見に行っていた。
マリア
「それでレベッカの様子は。」
エルザ
「治療は終わったわ。でも全治六ヶ月だそうよ。」
ルドルフ
「そんなに重症だったのか!?」
全身骨折ですからね。私の治療中にいつの間にか、姐さん達もエルちゃん達に合流していた。
巫女A
「皆様、お待たせしました。レベッカ様の下に案内します。」
使いの人が来て、皆んなを私がいる部屋に案内した。でも部屋の前に来て扉を開けると、そこには朱雀と思わぬ人物がいた。
しのぶ
「皆さん、お疲れ様でした。」
マリア
「白玄!?どうしてここに!?」
しのぶ
「レベッカさんの様子を見に来ました。今は意識を取り戻しましたが、顎を骨折していてまともに話せる状態ではありません。ですが少しの会話でしたら問題ないでしょう。」
男子禁制のはずの屋敷に白玄が女性に化けて入って来ていたからだ。私の状態を聞いて近くに座り始めた。
マリア
「ごめんなさいレベッカ。私達が付いていながら貴女を守れなかった。」
ルドルフ
「いや。謝らなきゃいけないのは私の方だ。偉そうに言って君を守ると言ってこの為体だ。本当にすまない。」
レベッカ
「イ゛イ゛ヨ。ギニジナイデ。」
申し訳ないのは私の方だ。二人が謝る必要はない。私が弱いから、油断していたからこんな事になったんだ。謝るのは私の方だよ。
レベッカ
「ゴメンネ゛。ヨワ゛グデ。」
しのぶ
「あらあら、伊之助くんみたいな事を言って、しょうがない子ですね。心の傷は無理でも、体の傷だけは治しておきましょう。」
すると白玄は私の周りに結界のようなものを展開させた。
しのぶ
「双天帰盾。私は拒絶する。」
そしたらほんの数秒で結界が解けた。
しのぶ
「もう包帯を取ってもいいですよ。」
灯
「ちょっと待って!彼女まだ包帯を取れる状態じゃないのよ!!」
しのぶ
「心配ありません。もう治りましたから。」
灯
「はぁ!?」
とりあえず私は顔の包帯だけを取った。腕も動かせるし足も動く。体の痛みもないし、本当に治ったんだな。凄いな白玄は。
しのぶ
「レベッカさん。あーんして下さい。」
レベッカ
「あーん。」
しのぶ
「次にあいうえおと言ってみてください。」
レベッカ
「あいうえお。」
しのぶ
「もう大丈夫そうですね。」
それから私は顔を下げたまま誰とも顔を合わせられなかった。申し訳なさがいっぱい出ていた。
マリア
「レベッカ、大丈夫?」
レベッカ
「ごめん。今皆んなと話す事が出来ない。」
沈黙の中、ただ重たい空気だけが流れていた。
しのぶ、キリエ
(き・・・・・気まずい!!)
灯
「そっ・・・そうだレベッカちゃん!お風呂入らない!?この屋敷露天風呂だから体も心も清めてスッキリしましょう!!」
朱雀さんに言われて、私は黙って使いの人の案内で部屋を出た。それからの事だった。
セイラ
「レベッカどうしたんだろう。」
ゼフォン
「こうなってしまった事に責任を感じてるのでしょうか。」
キリエ
「気にする必要ないのに。悪いのは白虎だし、レベッカを置いて離れた私達も悪いし。」
そんな事を感じていたのか、白玄がこんな事を話してくれた。
しのぶ
「今は弱い自分と対話しているのでしょう。そんな彼女に私達が出来ることも、声を掛けることもありません。もししてあげられるとしたら、元気になった彼女を笑顔で迎え入れましょう。」
そんな事を言っていたそうだ。
マリア
「わかったわ。今はレベッカが戻ってくる事を信じて待ちましょう。」
セイラ
「そうだな!」
マリア
「それとルドルフ!」
ルドルフ
「なんだ?」
マリア
「あんた自分だけレベッカを守ろうとしてるけど、同じ赤の陣営の仲間なんだから私達にも頼りなさい。こっちに来る時、未来の私にも同じような事を言われなかった。」
ルドルフ
「確かにそうだったな。これからは、そうさせてもらう。」
姐さんもそんな事を話していた。そして朱雀さんも。
灯
「この度は、このような事態になる事を分かっていながら、レベッカちゃんを守る事が出来なかった私達守護柱の責任もあります。今回の白虎の卑劣な振る舞いと、それをわかっていながら阻止できなかった私達の無能も含めてここにお詫びします。大変申し訳ありませんでした。」
しのぶ
「こちらこそ、京での勝手な行いをした私達にも非はあります。ですがあなた方はレベッカちゃんを守ろうとしてくれた。それだけでもこちらは喜ばしい限りです。そのご厚意に感謝の意を表します。ありがとうございました。」
私が去った後、そんな事があったようだ。
そんな私は屋敷の露天風呂でお湯に浸かりながら星空を眺めていた。急にいろんな事がありすぎて頭が追いついていないけど、少なくともあの時の私は無力で何も出来なかった。ただ大怪我して温泉に浸かってるだけの無能な魔術師だ。
そんな風に考えてた時だった。
とがめ
「隣りいいか。」
白玄も入りに来て、私の隣に座った。
とがめ
「んーいい湯だ!朱雀殿の言う通り、これはなかなか気持ちいいな!」
レベッカ
「私、ダメダメだね。」
とがめ
「何故そう思うのだ。」
レベッカ
「あれだけ忠告されてたのに、結局は捕まって大怪我して皆んなに迷惑掛けて最低だ。私、マスターとしても魔術師としても失格だよ。」
なんで白玄にこんな話をしたのかはわからないけど、いろんな気持ちが溢れ出そうで泣き出しそうで、感情が爆発しそうな感じがした。
とがめ
「"どれだけ打ちひしがれようと、どれだけ打ちのめされようと"、"立って歩け、前へ進め。お主には立派な足が付いてるではないか"。"逃げれば一つ、進めば二つ手に入るのだから"。だから今は"泣いたっていいんだ。乗り越えろ"。レベッカ。」
レベッカ
「白玄・・・・。」
私は白玄の胸を借りて溢れ出しそうな感情をいっぱいに出しまくって泣き続けた。気が済むまで。
マリア
「あら?白玄は?」
ひびき
「お風呂に行ったよ。私達にはああ行ったけど、やっぱり白玄も心配だったんじゃないかな。」
マリア
「なんだ白玄が一番心配してたんじゃない。」
セイラ
「まあ白玄なら、レベッカを慰めてくれるだろうし、一件落着だな。」
ゼフォン
「本気でそう思ってます?」
マリア
「どうしたの三人とも顔色悪いわよ?」
エルザ
「貴女達は・・・・・。
マリア
「何よ?白玄がどうしたの?」
ルドルフ
「彼、性別"男"だぞ。」
マリア、セイラ、ひびき
「・・・・・・。あっ。」
長い事お風呂で泣いていた私は、ようやく落ち着きを取り戻した。それと同時に、ある決意を固めた。
レベッカ
「お願い白玄!私もっと強くなりたい!だから教えて!アニメーションの事も!魔術の事も全て!!」
とがめ
「いいのか?私の修行は厳しいぞ。」
レベッカ
「構わない!強くなって皆んなと一緒に戦いたい!!」
とがめ
「それがお主の願いか。なればそれに応えぬわけにはいかないな。」
強くなるんだ。姐さんやアニキ達と一緒に戦える魔術師になる為に!!
・・・・・・ん?
そんな私にある一つの疑問が浮かんだ。いろいろあって落ち着いたらとんでもない事態に気づいた。
レベッカ
「ねえ。白玄ってさ。今とがめって女性に化けてるんだよね?」
とがめ
「そうだが。」
レベッカ
「本当の性別は男なんだよね?」
とがめ
「そうだな。」
レベッカ
「じゃあ聞いていい?」
とがめ
「なんだ。」
レベッカ
「なんで平然と至極当たり前に女性の私と一緒に女湯に入っているの。」
とがめ
「お主のような勘のいいガキは嫌いだよ。」
確信犯だったァァァァァァ!!
とがめ
「お主もアホよの。そのまま黙っていたら何もせずにいたものを。」
レベッカ
「あの白玄さん!?手つきがいやらしいんだけど!?」
とがめ
「それにしてもお主オッパイ大きいのう。さては着痩せするタイプだったか。」
ヤバイヤバイ!!白玄に侵される!!
とがめ
「さあ!大人しく私のダッ○ワイフになるがいい!!」
いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!誰か助けてェェェ!!
マリア、ルドルフ
「やめんかァァァァァァ!!」
とがめ
「ブフェ!?」
浴室の扉をぶち破り、そのまま白玄に飛び蹴りをかましたマリア姐さんとルドルフが来てくれた!!
マリア
「レベッカ無事!?」
レベッカ
「姐さん!!ルドルフ!!」
ルドルフ
「一触即発。間一髪だったようだな。」
とがめ
「ちぃ!もう気付かれたか!!」
そんで顔面に飛び蹴りがヒットした白玄が起き上がってきた。なんてタフな奴だ!!
マリア
「レベッカを傷物にした罪は重いわよ白玄。」
ルドルフ
「さて覚悟は出来ているか。」
オールマイト
「ストップ!ストップ!ルドルフ君!今私を消したら未来に悪影響が出るんじゃないかい!?」
ルドルフ
「一向に構わん。今はレベッカが最優先だ。」
オールマイト
「hey!girl's!私のいい分を受け流す事水の如し!」
すると後からひびき達も来てくれた。
ひびき
「レベッカ無事か!!」
セイラ
「てか何しようとしていた!!」
エルザ
「何をしようと貴方のお仕置き変わらないけどね。ゲス野郎。」
ゼフォン
「死ぬ前に何か言う事はありますか。」
オールマイト
「トップヒーローは学生時から逸話を残している。彼等の多くが話をこう結ぶ!!"考えるより先に体が動いていた。"と。」
レベッカ、マリア、セイラ、エルザ、ひびき、キリエ、ゼフォン、ルドルフ
「は?」
オールマイト
「Puls ultraってやつさ!漢は理性より性欲が先に動いちまうんだよ!!だから皆んな揃っているから一緒に風呂に入って裸の付き合いをして落ち着こうじゃないか!!」
マリア、セイラ、エルザ、ひびき、ゼフォン、ルドルフ
「誰が入るかこの外道がァァァァァァ!!」
キリエ
「半殺しだボケェェェェェェェェェ!!」
そんで皆んな一斉に白玄に飛び掛かって集団リンチが始まった。
ホント、白玄といい皆んなといい・・・・ありがとう。何かウジウジしてるのがバカらしくなってきたよ。だから私も前に進むよ!!
レベッカ
「皆んな聞いて!私弱いから皆んなの足引っ張るかもしれないけど、強くなるから!だからこれからも力を貸して!!」
そんな私の思いに皆んなは。
マリア
「当たり前じゃないの!」
セイラ
「もちろんだ!」
エルザ
「結構なことね。」
ひびき
「エクセレント!」
ゼフォン
「最初からそのつもりです。」
そう応えてくれた。
ルドルフ
(そうかレベッカ。これが君のオリジンなんだな。この京都から始まって私の知るレベッカがいる。ならば私はこの時間を守らねばならないな。)
キリエ
「あー、それはいいんだけどちょっといい?」
レベッカ
「どうかした?」
キリエ
「あいつどこに消えた?」
マリア
「って!?いつのまに逃げた!?」
その白玄は、お風呂場を出て浴室の方で着替えていた。
とがめ
「レベッカが足止めしている今のうちに。」
灯
「あら白玄さん。もうお上がり。」
すると朱雀さんが浴室に入ってきた。何しに?
とがめ
「朱雀殿の方こそ如何なされた?」
灯
「私、貴方に聞きたいことがあって来たの。」
とがめ
「な・・・・何ようでしょ。」
朱雀さんから不穏な空気が流れていたが何となくわかった。
灯
「貴方・・・・男なんですってね。」
おそらくセイラ達から聞いたのだろう。朱雀の屋敷は男子禁制だから朱雀さんが怒るのも無理も無い。
灯
「何神聖な屋敷に男が紛れ込んどんのじゃァァァァァァ!!」
白玄は朱雀さんに蹴り飛ばされお風呂場にリリース。
とがめ
「いたた。まさか朱雀殿の耳にまで入っていようとは。」
マリア
「私達から逃げようなんていい度胸してるじゃない。」
そして姐さん達にみつかり第二ラウンドが始まった。
その後は白玄をボロボロにして玄武の屋敷まで連れて行き、怒鳴り込んで庭で七花、宇髄、乙骨もまとめて一緒に正座させられていた。
谷垣
「俺はただ、レベッカと一緒に風呂に入ってただけだ。それの何がいけない。」
乙骨
「それ自体がいけないのでは?」
ルドルフ
「何故こうなるとわかって止めなかった!」
乙骨
「コンビニ行く感覚で「ちょっとレベッカ治しに行ってくる。」とか言っていたのであえて止めませんでした。」
ルドルフ
「私達が殺す気で止めに入る事態になってたのにか?」
乙骨
「すいません。僕等も止めるべきでした。」
ルドルフの圧力に負けて土下座する乙骨の姿があった。てかアンタらそんな軽いノリで白玄送り出したんか!!
宇髄
「何でレベッカと普通に風呂入って派手な馬鹿騒ぎになるんだよ。」
煉獄
「それは普通ではない!男女が一緒に風呂などお前とその妻だけだぞ!?」
妻ってこいつ結婚してたの!?
宇髄
「いいや、冨岡も誘って一緒に風呂入った事あるぞ?」
煉獄
「冨岡も!?」
宇髄
「お前が死んだ後、鬼舞辻無惨との決戦で勝利した祝いに温泉に誘ったんだ。なのに冨岡の奴、そっぽ向いて入ってたんだよ。何でだ?」
マリア
「そいつは気を遣ってたの!!そんでコイツはお構い無しにレベッカに襲い掛かろうとしてたの!!」
宇髄
「はぁ!?お前それはないだろ!!」
谷垣
「何を言ってるんだ。目の前に綺麗な女の裸体があるんだぞ。そんなものを見せられて勃起しない方がおかしいだろ!!」
宇髄
「悪るいお前等、俺が間違っていた。」
マリア
「わかってくれればいいわ。」
谷垣
「それに、宇髄の嫁さん達と一緒に入っていたら、俺はお前を押し通してでもやるつもりだ!!」
宇髄
「悪いお前等、俺がド派手に間違っていた。こいつ今から叩き潰す。」
奥さんの事となると真面になるんかい!!
はぁ・・・・まあいいや。それから朝が明けて、私達は天皇御所に足を運んだ。そこには私達を含め、産屋敷天皇と側近の高倉さん、守護柱が控えていた。
耀輝
「さて、本題に入る前に私からいくつか尋ねたいことがある。先ずはレベッカだが、重症と聞いていたが元気そうで何よりだ。」
レベッカ
「もう治りました。」
って言ったはいいものの、流石に一晩で治るのおかしくないって驚くとこだけど?
耀輝
「では次に白虎。あまり元気がない様だね。大丈夫かい。」
不死川
「問題ありません。お気になさらず。」
耀輝
「そうか。では次に青龍。白虎より酷く落ち込んでいるが大丈夫かい。」
今泉
「問題ありません・・・・・お気になさらず。」
不死川
「どこがだ。明らかに沈んでるじゃねえか。」
私が寝てる間にルドルフと姐さん達二人に何したの!?
耀輝
「次に玄武。そこの少年が酷く君に怯えているが、一体何をしたのかな。」
鏡夜
「あまりに優秀な術師でしたので、少し呪術を教えていました。」
耀輝
「教育は結構だが、度が過ぎればそれはただの暴力でしかない。次からは控えめにしなさい。」
鏡夜
「はっ!肝に銘じておきます。」
だからポンコツの奴玄武を見てから天元の後ろに隠れてるんだ。
宇髄
「おい!さっきから鬱陶しいぞ!いつまで隠れてやがる!」
乙骨
「むむむむむむむむむむむむ無理です宇髄さん!ボボボボボボボボボボボボ僕!ここここここここの人!にににににににに苦手です!」
宇髄
「小動物並みに派手に震えてるじゃねえか!!おいアンタ!家の乙骨に何しやがったんだ!!」
鏡夜
「彼があまりにも優秀だったから、調子に乗って領域展開を使ってしまってね。それですっかり怯えてしまっている。」
宇髄
「白玄から聞いた話じゃ派手に黒焦げまで逝きそうだったじゃねえか!!」
鏡夜
「反省しているよ。天皇様にも釘を刺された。だから乙骨憂太。呪術の事で聞きたい事があったらいつでも私のところに来なさい。歓迎するよ。」
乙骨
「かかかかかかかか考えておきます!!」
宇髄
「お前もいい加減立ち直れよ!!鬱陶しくてしょうがねえ!!」
慣れるまで時間かかりそうだな。
耀輝
「次に朱雀だが、さっきから白髪の
灯
「天皇様騙されてはいけません。コイツは
耀輝
「そう言えば白玄は姿形を変える妖のような男と聞いていたが、今は女性に化けてるのか。」
灯
「この男を斬首する許可を下さい。」
耀輝
「落ち着きなさい。白虎みたいな事を言ってはいけないよ。」
昨晩の件ですね。
耀輝
「それで、その白玄は家の高倉を見て驚いているが。」
ん?本当だ!?目ん玉飛び出しながら見てる!!
とがめ
(話に出てきた高倉ってゴールデンカムイの月島だったんかい!!天皇にも驚いたがこっちの方が衝撃だわ!!)
まさか高倉さんも見知った顔なのかな?てか高倉さんこんだけ見られても動じて無い所がすごい。
山田フミエ
「何見てんだいアンタ。アタシに惚れたのかい。」
高倉
「いいえ。」
山田フミエ
「アタシと寝たらエコ贔屓するとでも思ったのかい!」
高倉
「いいえ。」
山田フミエ
「アタシに枕は効かないよ!」
高倉
「はい。」
白玄のちょっかい全部受け流したスゴっ!?
高倉
「陛下。そろそろ本題へ。」
耀輝
「そうだね。先ずは、昨晩の無礼とレベッカを連行した事、それから守護柱達も無理を聞いて動いてくれた事、本当にすまなかった。」
天皇は皆んなに謝罪するように深々と頭を下げた。それだけでも大問題である。
不死川
「天皇様!!頭をお上げください!!謝罪と土下座などもってのほかです!!」
今泉
「御身自ら下々に頭を下げるなど前代未聞です!!頭を上げて下さい!!」
さっきまで落ち込んでいた青龍と白虎ですらこの有様である。
耀輝
「私は天皇である以前にお前達と同じ人間だ。感謝と謝罪の心は持っている。人としての道徳心を持たぬ者は人ではなくただの鬼。そのような者に天皇など務まらない。常に民の声に耳を傾け手助けをする。それが、人を導く者の使命だよ。よく覚えておきなさい。」
なんだろ。すごく深い。ちゃんとしてるな〜。
耀輝
「君達の話は聞いている。京に現れた鬼から人々を守ってくれた事感謝している。」
伊之助
「その鬼連れて来たの馬鹿娘とアホ柱とポンコツだけどな。」
ゴツンッ!!
ルドルフ、宇髄
「お前は黙ってろ。」
乙骨
「すいません。白玄捨てて来ます。」
そんで白玄は外に放り出して話を進めた。
耀輝
「お詫びとお礼と言ってはなんだが、一ヶ月後に行われる『
レベッカ
「シュウタイサイ?」
高倉
「毎年、紅葉の時期に行われる都の行事です。土地神への感謝の意を込めた舞を披露したり、死者の魂を天へ送り届ける為のお経を唱えたり、土地に流れた悪しき龍脈を祓うための瓦割りや、厄祓いの為の流鏑馬も執り行われます。」
ルドルフ
(流鏑馬!!)
おっと、なんか流鏑馬って聞いてウマ娘のルドルフが反応するかと思ったけど・・・・予想以上だったァァァ!!冷静な姿勢だけど耳と尻尾を思いっきり振り回してる!!てか犬か!!尻尾が隣にいる姐さんに当たってる!!
マリア
「ちょっとルドルフ。さっきから尻尾がムチのように当たってるんだけど。」
ルドルフ
「おっとすまなかった!」
マリア
「貴女流鏑馬って聞いて興奮してるでしょ?」
ルドルフ
「こんな公共の場でそんなはしたない事が出来るか!」
マリア
「耳と尻尾が犬みたいな行動してよく誤魔化せると思ったわね!!言っとくけど流鏑馬って馬に乗って矢を的に撃つのが一般的なの!!ウマ娘は自分で撃つかもしれないけどそれ出来ないから諦めなさい!!」
ルドルフ
「はい・・・・。」
いや本当にする気だったのか?
今泉
「まあどちらにしてもお前にやらせるつもりはない。」
ルドルフ
「なんだと。」
今泉
「秋大祭で行われる流鏑馬は、他の地方で行われている流鏑馬と違ってやり方が違う。だがそこは問題じゃない。立場上青龍の役職に就いている者、つまりこの俺しか出来ないと言っている。」
ルドルフ
「つまり私では事足りぬと?」
今泉
「当たり前だ。どんだけ図々しいんだ。あと睨みつけてくるな。」
それでもルドルフは睨みつけた。だから私が寝てる間に二人に何があったの!?
ルドルフ
(山道はよくこんな男と一緒にいられたな。)
今泉
(山道の奴、よくこんな面倒な奥さんと結婚出来たものだ。)
見つめ合うならまだしも睨み合ってるけどマジで何があった?
耀輝
「どうかなレベッカ。」
レベッカ
「ではお言葉に甘えて。」
耀輝
「それとこんな事を君達に頼むのは申し訳ないが、秋大祭の一ヶ月の間この都を守ってほしい。」
レベッカ
「わかりました。お引き受けします。」
耀輝
「ありがとう。感謝する。」
これでひと段落して話は終わった。いろいろあったけど、天皇とは何とか縁を結ぶ事が出来たかな。これはこれで結果オーライだ。
レベッカ
「さてと。どっかの誰かさん達が追い出したから、今頃白玄拗ねてるよ。」
ルドルフ
「余計な問題を起こされるよりかはマシだ。」
どんだけ信用ないんだよ。まあ自業自得だけど。
そうして障子を開けた時、ルドルフの言う事は本当だった。
エドワード
「おいガキ共。覚悟は出来てるんだろうなぁ!!」
何だこの巨人のオッサンはぁ!?
エルザ
「あそこにいるの竜二達!?」
豊久
「なしておチビ共がここにおる?」
こっちが聞きたいわ!!何で竜二達が白玄に怒られてるの!?
エドワード
「お前等手出すんじゃねえぞ!!」
宇髄
「止めるわぁ!!ガキ相手に何やってんだぁ!!」
本当だよ!!竜二達今にも泣きそうなんだけど!?
竜二
「ごめんなさい白玄さん!!」
鏡歌
「もう危ない事はしません!!」
雀
「お願いだから怒らないでー!!」
虎次郎
「いいこにするからー!!」
もう皆んな泣き喚いていた。その時だった。
輝之
「待ってくれ!!」
輝之君が急いでやってきて、竜二達を庇う様に入って来た。
輝之
「悪いのは私なんだ!!私が皆んなを巻き込んだのだ!!責めるなら私を責めてくれ!!」
体を震わせて怯えてるのがわかる。でも輝之君は自分が悪いと訴えて皆んなを庇ってる。必死に謝ってる皆んなに対してこのクズ野郎はとんでもないセリフを吐き捨てた。
エドワード
「何勘違いしてやがる。お前等が謝る義理も道理もねえんだよ!!」
「鬼か悪魔か!!」と誰もが思ったその時だった。
エドワード
「謝んなきゃならねえのは俺達の方だ。」
その大きな腕で子供達を、優しく抱きしめた。
エドワード
「悪かったな。馬鹿な大人共のくだらねえケンカに巻き込んじまって。お前等は最初からなにも悪いことはしてねえ。だからもう謝るな。そんで馬鹿な大人共を許してやってくれ。」
そう言うと子供達は皆んな泣き出した。そい言えば私達、子供達をほったらかしてた所もあったっけ。後で謝らないとな。
こうして一夜にかけて守護柱との戦いは、停戦協定と言う形で和解した。惨めな思いもしたけど、そこから新たな決意も固まった形で解散した。けど白玄とルドルフは、御所に残る事になった。何でも大事な話があるらしい。何だろ?
不死川
「おいおい、そんなハッタリ誰が信じるってんだ小娘!」
ルドルフ
「まあ無理もないでしょう。」
不死川
「当たり前だ!!鬼畜米に加担した日本人の話など信じられるかぁ!!」
ホークス
「あの白虎さん。ルドルフだってこうなる事になるなんて思ってもみなかったんですよ?元々和平条約の為に送り込まれた開拓団だったのに、日本が真珠湾攻撃を始めたせいですぐ決裂しちゃったんだから。彼女からしたらいい迷惑ですよ。」
灯
「やたら詳しいのね?」
ホークス
「彼女に聞きましたから。」
不死川
「てか何で関係ないお前等まで入ってくるんだ!朱雀!玄武!」
鏡夜
「中々興味深い話だからね。聞いておいても損はないだろう。」
ホークス
「別に構いませんが、信じがたい話になるかもしれませんよ?」
何故か関係ない朱雀さんと玄武さんまで入ってくる事になり、そんな一行が向かった先は、手嶋さんの屋敷だった。密会するならここがいいと判断したからだ。
灯
「手嶋さんこんにちは!」
鏡夜
「本日は密会の席を提供していただき感謝します。」
手嶋
「よくぞおいでになった。掛けてくれ。」
その縁側に、青龍と手嶋さんともう一人がたいの大きい男の人も座っていた。玄武さんと朱雀さんはその男の隣に座り、白虎は青龍の隣に座った。
不死川
「よお。」
今泉
「どうだった。」
不死川
「信じがたい話ばかりだった。」
ルドルフと白玄はたったままで皆んなの方を向いていた。
ルドルフ
「ではお話ししましょう。私が戦時中で戦っていた当時のアメリカ軍の状況を。」
ルドルフは今泉に話した内容と新たに付け加えて語り始めた。彼女の話では、アメリカ軍は空襲と核爆弾投下はしていないと言っていた。その理由は民間人を巻き込んでしまう危険性があったからだ。
ところがある日突然、日本がアメリカの航空機から空襲を受けたと言う報告が入った。内容を聞く限り、基地施設では無く、日本全土の民間施設の密集地帯を中心に空爆があったらしい。それを聞いたアメリカ軍司令部は混乱していた。そんな非人道的な攻撃を指示した覚えはないとのこと。更には広島と長崎に原子力爆弾が投下されたとも聞いた。
アメリカ軍はなす術が無いまま、結果訳のわからないまま日本に勝ってしまったと言うおかしな事になったのだ。
ルドルフ
「これが私が見てきた大戦中のアメリカの様子でした。」
鏡夜
「不死川の言う通り信じがたい話だ。この受け入れがたい事実をどう納得しろと。彼が怒り立つのも納得がいく。」
不死川
「確かにふざけた話だが有り得ねえ話じゃねえ。」
今泉
「どう言う事だ。」
不死川
「日本もアメリカと同じ現象が起きていたって事だ。」
ルドルフ
「なに!?」
不死川
「ことの発端は真珠湾攻撃だったが、海軍は真珠湾を攻撃する予定はなかった。だが知らぬ間に実行されていた。」
ルドルフ
「それに激怒したアメリカ政府は日本が統治していた各列島諸島占拠。滞在していた日本開拓団の人達を人質した。」
不死川
「確かアメリカ共が開拓団を解放する代わりに、各諸島の明け渡しを要求してきたな。」
ルドルフ
「そして日本はその要求を一度は受け入れた。だが決行当日に保護していた日本開拓団もろともアメリカ兵を空襲で虐殺したと聞いているが。」
不死川
「俺達陸軍はその開拓団救出部隊を編成して各島々を周り一般人を回収する任務に就いた。俺はその部隊の隊長として指揮を取っていた。」
ルドルフ
「は?」
不死川
「おかしな話だろ。最初から不意打ち狙いなら救出部隊はいらねえんだよ。だから腹が立った俺達を含め陸軍司令長官と一緒にふざけた大本営に殴り込みに行ったんだよ。」
今泉
「いや話し合いだろ。先ずは。」
不死川
「だが蓋を開けてみれば不意打ちによる空襲は指示してないとハッキリ言いやがった。」
ルドルフ
「よく貴方が納得しましたね?」
不死川
「俺達が来る前に政府のお偉いさん方が来て説教してたからな。大本営の連中も必死に説明していた。流石におかしいと感じて、その場にいた連中で事実確認をして解散した。」
ルドルフ
「そんな事になっていたとは。」
不死川
「救出部隊は再び無事な開拓団の回収に回った。その後だ。本土に空爆と原爆があったのは。そんで日本は敗北して終戦。表向きは、アメリカが日本を植民地化しようとしたところを、鬼舞辻大統領が説得して止めてくれたことになっているが、実際は双方訳のわからん指揮系統で動いていた為、これ以上戦闘行為は危険と判断し、日米和平条約を結ぶ事になった。」
灯
「何でそんなに詳しいのよ?」
鏡夜
「政府の機密情報まで知ってるとは。」
不死川
「あの会談の時鬼舞辻大統領の護衛役に務めていたからな。俺あの人に気に入られていたし、軍が解体された後も、天皇の守護柱の役職をくれたのも大統領だったからな。」
正直、私話が追いついて来れないんだけど?ようはお互いしたくもないのに一部の人達で勝手にやってたって事だよね?それが世界規模だと益々わけわからない。
ホークス
「ここまでの話でわかる事はありますか。角松さん。」
さっきから黙っていた男性がようやく腰を上げて話し出した。
角松
「少なくともその戦争が何者かの手によって仕組まれているのは間違いないだろう。そしてその者達の目的は、アメリカを利用して日本を壊滅させる狙いがあった事だ。」
ルドルフ
「一体なぜ。」
角松
「わからないが、奴等のした事は絶対に許されない事だ。然るべき場所で罪を償って貰う。」
それが白玄の答えであった。
角松
(それにこの事件の背景にはあの二人の面影がはっきり写っている。だがどうも妙だ。こんな大胆で強引な手段を取るとは奴らしくない。上層部か大統領と交渉をするはず。その当てが外れたと言う事は、下から掌握したと言うことか。特に上層部に不満を抱く、目立たない部隊を洗脳してか。)
私がその話を知る事になるのはまだ先の話。今は彼等中でしまっておく事にした。
角松
「強硬手段に出るしかなかったのか。草加、そして海江田。」
今の私がこの事件に関与するのは、あまりに壁が大きかった。だから白玄もルドルフも黙ってたんだと思う。
手嶋
「まあ、あれこれ考えても仕方ねえし、今は重大な真実が聞けただけでもよしとしよう。」
今泉
「だそうだ不死川。これでお前の標的が変わったと見て間違いないか。」
不死川
「ああ。首謀者を見つけ出して八つ裂きにしてくれる。」
手嶋
「さて!じゃあ本題に入りますか!!」
鏡夜、灯
「え?」
ルドルフ、不死川
「は?」
あれ?さっき話してたのは?
ホークス
「あのー、さっきのが本題じゃなくて?」
手嶋
「それもあるが、こっからは重大な話だ。俺達新撰組にとっても、彼女にとってもな。」
ルドルフか?でも二人に何の接点が?彼女英霊だよ?あっ・・・・白玄帰ろうとしてる。
角松
「ホークス。悪いが後を頼んでいいか。」
ホークス
「角松さん。絶対この後面倒臭い事になるのわかってて帰るつもりでしょ!」
角松
「生憎、その手の話は苦手でな。それに、あまり帰りが遅いと子供達がまた心配する。」
ホークス
「わかりました。こっちは引き受けます。」
そう言って白玄は帰って、もう一人の白玄はその場に残ったらしい。
手嶋
「シンボリルドルフ。いやこっちの世界じゃ幸平蒼華か。今泉から話は聞いた。硫黄島で新撰組の二人に会ったそうだな。」
ルドルフ
「はい。お会いしました。」
手嶋
「鳴子を斬ったのはお前か。」
ルドルフ
「斬りました。斬らざるおえませんでした。でなければ私が死んでいた。彼はそれ程までに強かった。」
手嶋
「最後に一つ。小野田とはどう言う関係だ。」
ルドルフ
「知れた事を。どこにでもいるアツアツでラブラブな夫婦だがそれがどうした!」
手嶋
「そう・・・・か。」
灯
(よくもまあ恥ずかしいセリフを自慢げに吐けるもんだわ。)
鏡夜
(手嶋さん沈んでないか?)
不死川
(あいつ結婚してやがったのか。)
今泉
(聞きたくなかった。)
これは私もびっくりした。まさかこっちの世界でルドルフは結婚していたのです。しかもお相手は青龍と手嶋さんの知り合いだった。
手嶋
「なあ今泉。俺はこの事実をどう受け止めたらいい。」
今泉
「それ・・・・俺が聞きたいです。」
不死川
「いや普通喜ぶだろ?身内が生きてて結婚までしてんだぞ?」
手嶋さんまで酷く落ち込んだらしい。
ルドルフ
「何だ二人共その反応は?まるで私と山道が似合わないと言いたいのか?」
手嶋
「そうじゃねえ。そうじゃねえよ。そうじゃねえさ・・・・。」
灯
「顔笑ってないし、「そうじゃない。」しか言ってないですよ?」
メッチャ動揺してるじゃん!!
手嶋
(幸平蒼華と手合わせしてどうだったんだ。)
今泉
(全力で斬りかかりましたが、奴は隙を見せるどころか俺の剣を弾き返してきました。しかも余裕、本気出しても勝てるかどうかわかりません。なんせあの鳴子が負けるくらいですから。)
手嶋
(大空の呼吸の使い手だからな。だとしたら小野田もギリギリ勝ったと言ったところだろう。)
今泉
(どうしましょう手嶋さん。新撰組時代、酒の席で盛り上がった「小野田結婚できない。」談義が耳に入ったら間違いなく殺されますよ。)
手嶋
(そこまでだ今泉。幸いこの事を知っているのは俺とお前だけ。このまま黙っとけ。)
なんかルドルフに聞かれたくない話なのか二人共頭下げて落ち込んでいる風に見せかけてナイショの話をしていた。
ルドルフ
「ああ。言い忘れていた。私は別の世界で"ウマ娘"と言う人種に転生してな、人間だった頃より耳が良く聞こえるようになった。」
今泉、手嶋
「は?」
ルドルフ
「その
手嶋
「どんだけ都合のいい耳してんだお前は!!」
まさか二人で起爆スイッチを押すとは思わなかった。
ルドルフ
「安心しろ。一撃だけ斬れれば私は問題ない。生き残れるかは君達の生命力次第だが。」
今泉
「殺す気満々じゃねえか!!」
話がバカらしくなってきたのか朱雀さん達守護柱達も帰ろうとしていた。
今泉
「おい待て!何帰ろうとしてるんだ!」
灯
「いや私達いても邪魔かなと思って?」
鏡夜
「何やら新撰組時代の同僚の奥さんと話があるようだし、昔を思い出しながら語るといい。」
今泉
「いや、まともに会話できる状態じゃないんだが!」
不死川
「テメーで汚したケツだ。それくらいテメーで拭け。」
三人共青龍を見捨てて行ってしまった。
ルドルフ
「さて聞かせてもらおうか。酒の席で家の旦那にどれだけの罵声を浴びせたか。」
とりあえずルドルフの旦那さんをバカにしないようにした。てか知らないし!!
今泉
「鳴子の奴「小野田君なら結婚はできひんわな!!」とか言ってませんでしたっけ?」
手嶋
(こいつ!もう死んでる奴の事を言いやがった!?)
ルドルフ
「私は彼を斬った事に後悔していた。山道と一緒にいた頃もずっとそればかりが気になっていた。だがさっきの話を聞いて斬って良かったと安心したよ。」
今泉、手嶋
(鬼かお前は!!)
ルドルフ
「それで他には?」
手嶋
「金城さんは「まあ気にするな。」だったし、巻島さんは「お前等言い過ぎっしょ!」とかしか言ってなかったもんな。」
今泉
「一番酷かったのはやっぱり鏑木でしたかね?「小野田さんは天涯孤独で独身の方がかっこいいっす!!」とか言ってましたし。」
手嶋
「段竹は止めに入ってたけどな。田所さんは「まあ気にするな小野田!結婚できなくても剣さえあれば生きられる!!」って励ましてたし。」
今泉
「杉元は女性の扱いには慣れてたから、小野田に助言していたな。」
手嶋
「古賀は度が過ぎる程の真面目だったからな。特に何も言わなかった。他の連中も大した事言ってなかったし・・・・まあ!そこまで大げさな話じゃなかったってことだ!!」
今泉
「そうですね!一番酷かったの鳴子と鏑木だけでしたし、問題ないかと・・・・。」
ルドルフ
「君達からは何と言ったか聞いていないが?まさか自分達は語らずそのまま終わりにする気ではないな。」
だんだんルドルフが面倒臭い人になってきたな。
今泉
「手嶋さん。小野田に独身について講義してませんでしたっけ?「無理に結婚する必要はない。」とか「独り身の方が自由気ままだぞ。」とか。」
手嶋
「俺そんな事言ったか?酒飲み過ぎて覚えてないな〜?てか!そう言う今泉こそ、小野田は結婚できないとか断言してただろ!!」
今泉
「してませんよ!!」
手嶋
「嘘つけ!!鳴子と一緒になって掛けてたじゃねえか!!」
今泉
「やめて下さい!!真実知った時鳴子と掛けしたのを思い出して負けたとわかった瞬間結構凹んだんですから!!」
あのーお二人さん!!それ以上言うとルドルフブチギレ!!
ルドルフ
「つまり二人共彼が結婚出来ないと言ってるんだな。士道不覚悟で叩斬っていいか?」
ルドルフが刀振り上げてるのを見て速攻土下座した。
今泉
「すまなかった幸平蒼華!!俺達が小野田にいろいろ悪いこと言った!!だがあれから新撰組はハメを外し過ぎたとわかって全員禁酒にした!!」
手嶋
「小野田は剣の実力は本物だった!!お前がそこまで言うならそれは理解できる!!あいつの全てを否定しているわけじゃないんだ!!剣ではあいつは日本最強とも言っていい!!それは近くにいた俺達もよく知っている!!だから誤解しないでくれ!!」
とうとう土下座までしちゃったけどでも認めてたのは事実だった。
ルドルフ
「顔を上げてくれ。私も大人気なかった。それに私は、彼の人柄に惹かれただけだ。監視役として山道の側にいてずっと恨まれてるのでは無いかと思っていた。それを彼に打ち明けた時にこう答えてくれた。「ありがとう。鳴子君を新撰組として斬ってくれて。」とそう答えてくれました。」
手嶋
「小野田が。」
ルドルフ
「それと鳴子章司ですが、あの硫黄島で彼と立ち会った時、最後に私にこう言いました。「新撰組特攻隊長鳴子章司!!嵐のような剣捌き!受けてみいや!!」と。最後まで彼は新撰組として戦っていました。」
手嶋
「そうか。鳴子もか。」
二人は立ち上がった。ようやく立ち直ったと言うべきか。手嶋さんは袖から一通の封筒を渡した。それは、青龍に渡した小野田って人の遺言書だった。
手嶋
「小野田の遺言書だ。見てみるといい。」
ルドルフは手紙の内容を見てなんか納得した感じだった。
ルドルフ
「やはりそうか。」
今泉
「ならお前も死に際に妙な夢を。」
ルドルフ
「死の直前に来世の夢を見た。それが今あるべき私の姿だ。」
今泉
「そうか。」
手嶋
「俺達が歪み合う理由もなくなったわけだ。幸平蒼華、新撰組を代表して俺から言わせてほしい。鳴子を新撰組として斬ってくれたこと、小野田の側にいてくれたこと、本当に感謝する。」
ルドルフ
「私の方こそ、ありがとうございました。これからも共に歩みましょう。」
双方の長い戦いはこうして幕を閉じた。正直驚いたけど、こうして仲直りできて本当に良かった。
そんな平安京との蟠りは完全に終えたと言っていい。そして私は次回から、白玄に命を狙われる修行へと入っていくのだった。