Fate/Animation   作:Mr.tosi

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第五話『最終決戦エベレスト』

カムイの正体が七騎の大罪であるグラトニーライダーと知った俺達は彼女の仮住まいで話し合いをした。カムイをこの後、どうするか決めるからだ。結果、カムイと友好する派と敵対する派の二つに分かれた。友好派は俺とゆめ、ピュアパレットにセルベリア、リリィだ。そして残った敵対派に殤さんと杉元さん、そして白玄さんが着いていた。二人は、カムイが聖杯戦争の主犯でもあるからやっぱり許せない所があるのはわかっていたからだ。

 

 

 

 

杉元

「やっぱりこうなっちまうよな。」

 

 

「まあ仕方ないっちゃ仕方ないがリリィは何でそっちなんだ?お前さんだって、その嬢ちゃんに利用されて戦わされてたってのに、お人好しにも程があるんじゃないのか。」

 

 

リリィ

「だからと言って命まで奪う必要はありません!以前、マスターとゆめさんは無傷で七騎の大罪の一人を倒したと言っていました。それにアーチャーに聖杯を奪われた時点で彼女はもう自由です。」

 

 

 

 

そんな感じで言い合いが続いていた。だがそんな俺達を嘲笑うかのように、東の遠くの丘から俺達のいるこの家をターニャがライフルで狙っていた。

 

 

 

 

ターニャ

「キャスターめ、セイバーとバーサーカーで内輪揉めとは、呑気にも程がある。「どうぞ殺して下さい。」と言っているようなものだ。」

 

 

 

 

ターニャは魔力を限界にまで溜めて発射態勢に入っていた。だが俺達はそれに気付かず口論を続けていた。

 

 

 

 

ターニャ

「では諸君!さようなら。」

 

 

 

 

魔法陣を張ったライフルから弾丸が飛び出して命中し、俺達がいた家は跡形も無く吹っ飛んでいった。

 

 

 

 

ターニャ

「実に!実にいい!後はあの少年の遺体を見つけ出して終わりだ。」

 

 

 

 

そう言ってターニャは吹き飛ばした家に向かって瓦礫を漁り始めた。どうやら俺の体を探しているようだが、何が目的なんだ。

 

 

 

 

ターニャ

「おかしい。遺体が見当たら無い?バラバラになっていたとしても肉片の一部でも見つかってもいいはず。それすら無いとはどう言う事だ。」

 

 

 

 

だが彼女が気を取られていた時だった。一発の銃声が響き渡り、ターニャが顔を上げた瞬間、弾丸が彼女の顔をスレスレで横切って行った。

 

 

 

 

ターニャ

「誰だ!!」

 

 

 

 

さらにターニャが振り向いた瞬間だった。

 

 

 

 

拙劍無式(せっけんむしき)!!」

 

 

 

 

殤さんの声と共に床下から爆発したかのように破片が飛び散り、それに紛れて木刀が突き出て彼女を捉えた。

 

 

 

 

鬼神辟易(きしんへきえき)!!」

 

 

 

 

だが彼女はライフルで殤さんの突きを飛ばされながらも防いで態勢を整えた。

 

 

 

 

「たくっ!佐一の奴、本当に外してんじゃねえよ!」

 

 

ターニャ

「まさか民家の床下に潜んでいたとはな!」

 

 

「残念だが床下じゃ無え。ただの地下通路だ。」

 

 

 

 

ターニャが狙撃する数時間前、俺達は地下通路に避難していた。でもこの地下通路、元々あったものでも無ければ、カムイが作った物でも無い。作ったのはこの人だった。

 

 

 

 

カムイ

「私に内緒でこんなの作ったの!!」

 

 

白玄

「いや〜世の中何があるか分からないからね。何かの役に立つんじゃ無いかと思って念の為に作っといて良かったよ。」

 

 

 

 

それにしては都合良すぎの様な気もするような。ターニャの魔力を感知して、俺達に声を掛けたと思ったら、忍術で俺達の影武者まで用意して、地下に逃してくれるんだもん。明らかにターニャが来る事読んでたよね?

 

 

 

 

ゆめ

「マスター。カムイちゃんの事なんだけど。」

 

 

剣城

「わかってる。」

 

 

 

 

そしてカムイの件だが、既に俺達の中で決着が着いていた。

 

 

 

 

剣城

「カムイ。アーチャーを倒すまでは協力してもらうけど、その後で君には死んでもらう。それでいいね。」

 

 

カムイ

「うん。ありがとう。」

 

 

 

 

カムイには死んでもらう事にした。何故そんな残酷な結末に至ったのか。それはカムイ達アイヌの文化と七騎の大罪の契約が深く関わっていたからだ。

 

 

 

 

あいね

「ねえ・・・・他に方法ないの。」

 

 

みお

「これじゃあカムイちゃんが可哀想過ぎる。」

 

 

杉元

「誰だってこんな結末望んじゃいねえよ。でもカムイ達を『悪の神(ウェンカムイ)』にさせないよう、彼女の命をここで断つしかない。」

 

 

ポチ

「気を使わせてすまない。我等は一度人を殺め、ウェンカムイになり掛けた時に、暴食の大罪として七騎の大罪と言う役目を負う代わりにウェンカムイの呪縛を断ち切ってくれた。だがこのまま放置すれば七騎の大罪の資格を失い、我等は再びウェンカムイとなるであろう。我等を真っ当な神として逝かせてほしい。」

 

 

 

 

聖杯の所有権を奪われ、契約者無しのカムイは非常に危険な状態だった。七騎の大罪の契約下に置かれているカムイは、聖杯の役目を終えたら本来あるべき場所に戻らなければならないのだが、ターニャに聖杯を奪われた事によりその所有権を失い、彼女はその場所にすら帰れない状況である。このまま彼女を放置すれば『悪の神(ウェンカムイ)』と言う邪神になるからだ。彼女を救うにはサーヴァントの心臓となる霊核(れいかく)を破壊するしかないのだ。

 

 

 

 

白玄

「話は終わったかな。」

 

 

剣城

「はい。」

 

 

白玄

「ではこれより作戦を説明する。」

 

 

 

 

白玄さんの作戦はこうだ。俺達がいた民家の離れた場所の別の民家に杉元さんが待ち構える。ちょうどその家はターニャが狙撃してくる真正面に位置する。ターニャは高火力の狙撃を行う筈だから民家を吹き飛ばすつもりだろう。その後、彼女は遺体を確認するため瓦礫を漁りに来るはず。そこを杉元さんが狙撃する事になっているが、それが作戦開始の合図だ。そこから地下通路の入り口を使って殤さんが奇襲を仕掛ける。そして今、その作戦の第一段階が開始されている所だった。

 

 

 

 

ターニャ

「たった二騎で何が出来ようか。他にもいるのだろ!隠れて無いで出てきたらどうだ!!」

 

 

セルベリア

「ではそうさせてもらう!!」

 

 

 

茂みからセルベリアの声と共に蒼い炎の閃光が放たれた。瞬時に気付いたターニャは空に逃げて回避した。

 

 

 

 

ターニャ

「ただのサーヴァントでは無いと思っていたがこれはもう化け物だな。幸いなのは奴等に飛行スキルを持つ者がいないと言う事くらいか。」

 

 

???

「はあぁぁぁ!!」

 

 

ターニャ

「グハァッ!?」

 

 

 

 

彼女の背後から誰かが不意打ちでライフルの様な物で殴り付け、ターニャはそのままさっきいた場所に落ち、地面に叩きつけられた。

 

 

 

 

ターニャ

「バカな・・・・一体何処から!?」

 

 

 

ターニャを叩き落としたのは犬の耳と尻尾が生えていて、両足に空を飛ぶ為の機械を装着した女性だった。その足の先端にはプロペラらしき物も回っていて、今はターニャの所にゆっくり降りてきて浮遊している状態だった。

 

 

 

 

ターニャ

「何者だ!!」

 

 

バルクホルン

「私は、カールスラント空軍第52戦闘航空団第2飛行隊並びに第501統合戦闘航空団『ストライクウィッチーズ』所属『ゲルトルート・バルクホルン』大尉である。帝国軍第二○三魔道大隊大隊長『ターニャ・フォン・デグレチャフ』少佐殿とお見受けする。」

 

 

ターニャ

「カールスラントと言う国は聞いた事がないが、貴様が別世界の英霊までは理解した。だが私の真名だけで無く所属まで知っているとはどう言う事だ。」

 

 

バルクホルン

「それだけ貴女の噂は私の世界にまで響き渡っていると言う事ですよ。『ライン戦線』であれだけの功績を挙げれば、前線の作戦には引っ張り凧でしょ。安全地帯の後方支援より、危険地帯の前線の方が貴女にはお似合いだ。」

 

 

ターニャ

「そこまでの個人情報を公開した覚えは無いが貴公は人を怒らせるのが得意なようだ。」

 

 

バルクホルン

「お褒めに預かり光栄です。では本題に移らせて貰いましょう。ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐殿。貴女は聖杯戦争に基づく工程で軍規違反を犯した。これにより聖杯戦争は貴女への討伐戦へと移行となる。既に貴女以外の全クラスのサーヴァントは同盟を組んだ。大人しく投降して貰いましょう。」

 

 

ターニャ

「なに?」

 

 

 

 

茂みからセルベリアとピュアパレットとゆめ。民家の影から杉元さん。ターニャの正面には殤さん。そして空と背後には、ゲルトルート・バルクホルン。これが白玄さんの作戦だった。

 

 

 

 

白玄

「はい!殤さんが出て来た所で茂みからセルベリアとゆめちゃん、あいねちゃん、みおちゃんの『アイドル楽隊サンメガミ』が出て来て!」

 

 

みお

「知ってたんですね。サンメガミ。」

 

 

白玄

「更に民家から先制攻撃を外した杉元くんも出て来て!」

 

 

杉元

「何で外す前提なの!?」

 

 

白玄

「リリィちゃんとカムイちゃんには、剣城くんの護衛に着いて、彼女の背後には僕が行く。これで『デグレチャフ包囲網』の完成だ。」

 

 

 

 

これが白玄さんの作戦だった。ターニャを完全に包囲して降伏して貰い、聖杯を渡すよう交渉に申し出る事だ。だが一つ問題がある。

 

 

 

 

セルベリア

「奴は飛行スキルを持っている。空に逃げられては意味が無いが。」

 

 

白玄

「それも対策済みさ。」

 

 

 

そう言うと白玄さんは忍者の様なポーズを取り始めた。

 

 

 

 

白玄

「変化!」

 

 

 

 

白玄さんの体が一気に煙で覆われ、晴れた頃には別の人間になっていた。しかも女性の姿でだ。

 

 

 

 

 

バルクホルン

「私は第501統合戦闘航空団『ストライクウィッチーズ』所属ゲルトルート・バルクホルン大尉である。この姿の時はバルクホルンと呼んでくれ。」

 

 

 

 

だがその女性、上は軍服を着ているが何故か下は下着姿が見えた様な気がした。

 

 

 

 

ゆめ、あいね、みお

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

だがゆめ達の叫び声と共に目の前が突然真っ暗になって確認する事が出来なかった。

 

 

 

 

バルクホルン

「ん?何だどうしたんだ?」

 

 

セルベリア

「どうしたんだじゃない!!何だその格好は!!」

 

 

バルクホルン

「私の格好に何か問題でもあるのか?」

 

 

あいね

「問題大有りです!!」

 

 

みお

「何でそんなに平然としてるんですか!!下履いて下さい!!」

 

 

バルクホルン

「何を言う?下ならちゃんと履いているだろ?」

 

 

セルベリア

「下着姿で履いている内に入るか!!ズボンを履けと言っている!!」

 

 

バルクホルン

「言っておくがこれがズボン何だが?」

 

 

 

 

そうかズボンがなら仕方ないか。いやいや!!そんな下着見たいなズボンがあってたまるか!!

 

 

 

 

セルベリア

「下着をズボンと言い張るバカはお前くらいだ!!」

 

 

バルクホルン

「何!?それは偏見では無いのか!!」

 

 

ゆめ

「いいから何か履いて下さい!!」

 

 

 

 

でもズボン何だよね!?なら見ても問題無いんじゃ!!

 

 

 

 

ゆめ

「マスター?」

 

 

剣城

「いや何でもない!!」

 

 

杉元

「ねえ?何で目隠ししてるの?何かあった?」

 

 

リリィ

「何もありません!!そのまま大人しくしていて下さい!!」

 

 

「おい嬢ちゃん達、あんまり強く抑え込まないでくれるか?目ん玉潰れそう何だが?」

 

 

あいね

「ごめんなさい!でももう少し我慢してて!!」

 

 

 

 

何か殤さんも杉元さんも目隠しされてるみたいだな。でも早く着替えてくれないかな。そう思っていたら目の前の視界が晴れた。目を向けるとバルクホルンがズボンを履いていた。

 

 

 

 

バルクホルン

「やれやれ、面倒な事を。」

 

 

 

 

いや、その面倒事引き起こしてたのは貴方では?

 

 

 

 

バルクホルン

「まあいい。さっきの続きだが、デグレチャフ少佐を我々で包囲する。その目的は彼女に降伏して貰う事だ。」

 

 

杉元

「そのまま嬲り殺しにするんじゃ無いのか?」

 

 

バルクホルン

「彼女が聖杯を持っている限り迂闊に攻撃は出来ない。ならば最低限の戦闘は避けるべきだ。」

 

 

「まさか聖杯を受け渡すよう交渉する気か?そう簡単にあの小娘が受け入れるとは思えないが。」

 

 

バルクホルン

「仕方あるまい。出来る限り彼女の不利な状況を作るしか策が無い。その為にもブレス大佐にはお願いしたい事がある。わかってはいるが貴方の宝具を発動して欲しい。」

 

 

 

 

セルベリアの宝具を?何でまた?

 

 

 

 

セルベリア

「無論、もはや手加減はしない。」

 

 

剣城

「セルベリアの宝具って?」

 

 

バルクホルン

「何だ?自分の部下の能力すら把握してないのか?指揮官がそんなんでは戦場で生き残る事など出来ないぞ。」

 

 

剣城

「すみません。それでセルベリアの宝具って?」

 

 

バルクホルン

「彼女は戦闘民族ヴァルキュリア人だ。本来の武器は、ヴァルキュリアが持つ力とその力を増大させる槍と盾だ。一度その蒼き炎を放てば、戦車中隊を壊滅させる事もできる。」

 

 

 

 

そんな凄い宝具だったんだ。彼女達を召喚して直ぐにエベレストに来たからステータスを把握する暇が無かったけど、それが仇になっていた。我ながら今後悔している。

 

 

 

 

バルクホルン

「では各自所定の位置に着いて待機。現時刻をもって作戦開始とする。」

 

 

 

 

因みに白玄さんが作った地下通路には出入り口が複数存在し、色んな場所に出られる。それを巧みに利用して、ターニャを包囲する事が出来たのだ。

 

 

 

 

剣城

「凄い。本当に包囲出来た。」

 

 

 

 

そして皆んなと別れた後、俺とリリィ、カムイにポチは林の影から皆んなの戦いを見ていた。

 

 

 

 

リリィ

「彼女をこうも簡単に包囲してしまうとは、これでは降伏せざるを得ません。」

 

 

ロマニ

[とは言え油断しない方がいい。まだ彼女は負けを認めてはいないはずだ。]

 

 

 

 

そう。まだ戦いは終わっていない。その予測は当たっていた。

 

 

 

 

ターニャ

「この私に降伏しろと?ただ囲って脅しただけで包囲網とは言わぬぞ!!」

 

 

 

 

するとターニャは手に何かを持って地面に投げ飛ばした。その瞬間、眩い光が放たれた。

 

 

 

 

バルクホルン

「しまっ!!」

 

 

あいね

「眩しい!!」

 

 

「目眩しか!!」

 

 

杉元

「クソッ!前が見えねえ!!」

 

 

 

皆んな目をつぶってしまい、その隙にターニャに上空に逃げられた。だが彼女はその場で止まり辺りを見渡して何か探しているようだった。そしてターニャは俺達のいる方を見て不気味な笑みを浮かべた。それを見た俺は危機感を感じた。

 

 

 

 

剣城

「リリィ!!宝具『Dreaming bird』を発動!!」

 

 

リリィ

「はい!」

 

 

 

 

とっさにリリィの宝具『Dreaming bird』を発動させた。それはターニャも宝具を発動してくると見たからだ。

 

 

 

 

ターニャ

「主よ。愚かな罪人に裁きの鉄槌を。」

 

 

 

 

ターニャが魔法陣を展開した瞬間、放たれた弾丸が一気に弾け飛び俺達のいる茂みを吹き飛ばした。しばらく煙が舞っていたが段々晴れてくると巨大な鳥籠のような物が俺達を守るようにして覆っていた。リリィの宝具『Dreaming bird』が発動したからだ。だけどその鳥籠もボロボロでそのまま一気に崩れていった。リリィ自身も息を切らして魔力を消耗し切っていた。それを見ていたターニャが嘲笑うかの様に俺達の目の前に降りて来た。

 

 

 

 

ターニャ

「やはり貴様かキャスター。そんな所で潜んで見物とは舐めたマネをしてくれる。」

 

 

リリィ

「貴女の好きにはさせません!アーチャー!ターニャ・フォン・デグレチャフ!!」

 

 

ターニャ

「やはり私の真名を知っていたか。まあいい。用があるのは貴様では無くそこの少年だからな。」

 

 

 

 

俺?なんでまた?

 

 

 

 

ターニャ

「君は我々と違ってサーヴァントでは無いのは既にわかっている。それに僅かながらそこのキャスターを含め格サーヴァントに魔力供給がされているのを感知している。」

 

 

剣城

「何が言いたい。」

 

 

ターニャ

「この私と手を組まないか。聖杯を手にした暁には望む謝礼はいくらでもしよう。」

 

 

 

 

正直言って俺はターニャの提案に乗るつもりは無かった。彼女の態度もそうだけど、リリィ達を裏切る事なんて出来なかったからだ。だから俺はターニャを挑発する様に断った。

 

 

 

 

剣城

「お前が聖杯に願う望みは、君を貶めた神様を殺す事だろ。でもそれって自業自得じゃないか。自分が楽をする為に誰かを貶めて傷つけて来た結果だろ。そんな奴と協力なんて出来ない。」

 

 

ターニャ

「!?」

 

 

剣城

「お前みたいな奴に俺達は負けない!ここで終わらせてやる!!ターニャ・フォン・デグレチャフ!!」

 

 

 

 

だがこの言動が誤りだった。彼女の体が怒りで震え始め、歯を食い縛って物凄い目付きで俺を睨んだ。

 

 

 

 

ターニャ

「そうか・・・・そう言う事か。さっきから変だと思ったが、その事を知っているのは貴様と私だけだからな。」

 

 

剣城

「何を言っている。」

 

 

ターニャ

「ようやく会えたな・・・・存在X!!」

 

 

 

 

どうやら彼女は俺を存在Xと勘違いしてしまった様だ。白玄さんに忠告されていたにも関わらず、違った形で誤解されてしまった。

 

 

 

 

ターニャ

「死ねぇぇぇ!!」

 

 

 

 

激怒したターニャが持っていた銃で俺に向けて撃ってきた。とっさに目をつぶった俺は、半ば諦めかけていた。

 

 

 

 

剣城

「あれ?」

 

 

 

銃声は聞こえたのに当たった感じや身体の何処にも痛みを感じなかった。外したのか?

 

 

 

 

リリィ

「カムイさん!!」

 

 

 

 

リリィの叫び声で目を開けると、俺の目の前にカムイが立っていた。

 

 

 

剣城

「カムイ!!」

 

 

 

この時俺は一瞬で理解した。俺を庇って撃たれたのだと。俺は後ろから倒れていくカムイを抱き抱えた。

 

 

 

 

ターニャ

「終わるのは貴様だ!!存在X!!」

 

 

「そうはさせません。」

 

 

 

 

その時、仮面を着け、動きやすい和風の衣装を着たアサシンらしき人物が俺達の前に現れた。

 

 

 

 

秘術(ひじゅつ)魔鏡(まきょう)氷晶(ひょうしょう)!!」

 

 

 

 

その人は氷の結界でターニャを覆い尽くして閉じ込めてしまった。

 

 

 

 

カカシ

「ふー、間一髪。」

 

 

 

 

今度はもう一人、マスクをした男の人が現れた。片目を額当てで隠して、片手には『イチャイチャパラダイス』と言う題名で書かれた大昔の書物を持っていた。まさかとは思うけど白玄さん?

 

 

 

 

剣城

「白玄さん?」

 

 

カカシ

「驚いた。よく気が付いたね。」

 

 

剣城

「まあ・・・・そんな怪しい姿だったら誰だって気付きます。」

 

 

カカシ

「君、場合によっては傷付くよ。」

 

 

剣城

「そんな事はどうでもいいです!!貴方の力でカムイを治してください!!」

 

 

 

 

だけど白玄さんは、カムイを助けようとしなかった。何で・・・・どうして!!

 

 

 

カカシ

「残念だけど、もう手遅れだよ。」

 

 

剣城

「そんな事ありません!!俺を治した時みたいに出来るはずです!!貴方の力なら!!」

 

 

カカシ

「俺は医者でも無ければ神様でもない。ただの物知りお兄さんなだけだ。だからわかる、彼女はもうここまでだ。」

 

 

剣城

「そんな・・・・。」

 

 

カムイ

「もういいよ。グランドマスター。」

 

 

 

 

カムイが声を震わせながら俺に向かって呼びかけた。見ると彼女は光となって消えかかっていた。それを見て俺は涙が溢れ出てきた。

 

 

 

 

カムイ

「これで良かったんだよ。グランドマスター達に嫌々殺されるよりかは、最後は命と引き換えに役に立って死んでいった方が悔いが無く逝けるから。」

 

 

剣城

「でも早すぎるよ。」

 

 

カムイ

「大丈夫だよ、また会えるから。だから早く残りの仲間を集めて。そしたら今度は皆んなで会いに行くから。約束だよ。」

 

 

 

 

正直納得出来なかったし、約束もしたく無かった。

 

 

 

 

剣城

「わかった・・・・必ず他の七騎の大罪達を集める。約束だ。」

 

 

カムイ

「ありがとう。バイバイ!」

 

 

 

そう言って彼女は消えて逝った。

 

 

 

ポチ

「必ず勝って生き残れ、グランドマスター。」

 

 

 

 

宝具であるポチも後からそう言って消えて逝った。

 

 

 

 

ゆめ

「マスター!!」

 

 

 

ゆめ達が来た頃には、カムイはもう光となって消えた後だった。

 

 

 

あいね

「カムイちゃんは?」

 

 

 

真っ先にカムイがいない事に気付いたあいねが聞いてきたが、俺達は悲しみにくれて黙ったままだった。

 

 

 

 

カカシ

「もう逝ってしまったよ。剣城君達にお別れを言ってね。」

 

 

あいね

「そんな。」

 

 

みお

「カムイちゃん。」

 

 

 

 

けど、悲しみに暮れてる時間は無かった。

 

 

 

 

「カカシさん!そう長くは持ちません!!撤退するなら今です!!」

 

 

カカシ

「と言う訳だ。全員地下通路に退却するぞ。」

 

 

杉元

「けどアーチャーを閉じ込めてるならチャンスじゃ無いのか?」

 

 

「それがそうもいかないんです。彼女を解放すれば剣城君が真っ先に狙われます。」

 

 

杉元

「ちょっと待て?どう言う事?」

 

 

 

後から来た皆んなは、最初は状況がわかってなかったけど、直ぐに話が見えてきたようだ。

 

 

 

 

「まさかとは思うが、自分の正体明かしたな。」

 

 

杉元

「嘘でしょ!?」

 

 

ゆめ

「どうして!?」

 

 

カカシ

「こりゃ、後で事情を聞くしかないね。今は撤退だ。」

 

 

 

 

俺は黙ったまま白玄さん達の後に付いて行き撤退した。地下通路を辿り出た先は、カムイが住んでいたのとは別の民家だった。白玄さんはターニャが地下通路に侵入して追って来られないよう妙な術を使って破壊した。

 

 

 

 

カカシ

「さて聞かせて貰おうじゃない。一体何があったの。」

 

 

 

 

俺は皆んなにさっきの出来事を全て話した。中には頭を抱えて呆れていた人もいた。

 

 

 

 

「そんな安い挑発に乗っちまうとはな。」

 

 

カカシ

「相手のプロフィールを暴露するとはね。彼女しか知らない情報を目の前で言われればそりゃ不審がるし確信も付くよ。こりゃ予想外だった。」

 

 

剣城

「すいません。折角の忠告を無視して。」

 

 

カカシ

「いや。俺の注意が足りなかったのもある。やってしまった事は仕方ない。今はこの危機的状況をどうするか考えよう。」

 

 

剣城

「でも・・・・俺の所為でカムイは。」

 

 

カカシ

「多分、カムイ自身は君達に殺されるよりかは命を掛けて護りたかったんじゃないかな。それが彼女の願いだったのかもよ。」

 

 

 

 

そうかもしれない。でも・・・・俺の中では後悔と在圧感が残っていた。ならやるしかない。ターニャが俺を標的にしてるなら倒せる絶好のチャンスだ。だがその時だった。

 

 

 

 

セルベリア

「マスター。お願いがあります。」

 

 

 

 

セルベリアが俺にお願い事を聞いてきたのだ。

 

 

 

 

セルベリア

「ターニャ・フォン・デグレチャフの強さは私達の予想を遥かに上回っています。勝てる相手ではありません。そこで私の宝具の使用許可を下さい。」

 

 

剣城

「白玄さんが言っていた『ヴァルキュリア』の力?」

 

 

セルベリア

「はい。私の中にあるヴァルキュリアの力を全解放させ、ターニャ・フォン・デグレチャフを跡形も無く消滅させます。」

 

 

 

 

ヴァルキュリアの力の話が本当ならもうこれしか手が無い。ならセルベリアに賭けるしか無いか。

 

 

 

 

剣城

「わかった。ならお願い。」

 

 

カカシ

「いやいや許しちゃダメでしょ。彼女自爆する気だよ?」

 

 

 

 

え・・・・自爆!?どう言う事!?

 

 

 

 

カカシ

「ヴァルキュリア人は自身の力を限界以上にリミッターを外すと大爆発を起こす事がある。その威力は町を一つ吹き飛ばす程だ。そして彼女は昔自分の世界でそれを実行した。馬鹿な主人の為にね。」

 

 

セルベリア

「貴様ぁぁぁ!!」

 

 

 

 

急にセルベリアが激怒して俺達は驚いた。白玄さんに自分の大切な人を侮辱されたのか、こんな彼女を見るのは初めてだった。

 

 

 

 

セルベリア

「訂正しろ!!マクシミリアン様はそのような方では無い!!」

 

 

カカシ

「断る!こっちはあの年に『ポンコツルルーシュ』みたいな奴を二人も観る羽目になったんだ。まあもう一人は本当にポンコツだったけど、マクシミリアンはとんでもないクズ野郎だったよ。ああ言う馬鹿はルルーシュだけで充分だ。」

 

 

セルベリア

「貴様に何がわかる!!マクシミリアン様の何がわかる!!私を地獄の様な施設から解放し、帝国の為に日夜戦い続けていたあの方の何がわかる!!」

 

 

カカシ

「わかるよ。真実は出世の為に君も含めて何もかも利用して、挙げ句の果てにガリア攻略が長引いた所為で焦り出して最終手段に捨て駒戦法を使って完全敗北した結果、破滅した愚かな指揮官だったよ。」

 

 

セルベリア

「負けた?マクシミリアン様が・・・・ガリアに・・・・。」

 

 

 

 

それを聞いたのか、セルベリアは崩れ落ちる様に座ってしまい今でも泣きそうな顔をしていた。

 

 

 

 

ゆめ

「セルベリアさんの過去にそんな事があったんですね。」

 

 

カカシ

「あれ?君は俺の話を信じるの?」

 

 

ゆめ

「白玄さんが嘘をついているとも思えないし、セルベリアさんのこの状態を見ると本当にあった事なんだなって事はわかりました。」

 

 

カカシ

「そう。ありがとう。」

 

 

 

 

だがしばらくして、セルベリアは顔を上げて白玄さんを睨み付けた。

 

 

 

 

セルベリア

「嘘だ・・・・マクシミリアン様が・・・・帝国が・・・・負けるはずなどない!!デタラメを言うな!!」

 

 

カカシ

「そんな事言われてもね。事実だし、嘘言っても仕方ないでしょ。」

 

 

セルベリア

「黙れ!!貴様のようなペテン師の言葉など信じるか!!」

 

 

カカシ

「ッ!?」

 

 

「ヅラじゃない(かつら)だぁぁぁぁ!!」

 

 

ゆめ、あいね、みお、リリィ、杉元

「えぇぇぇぇぇぇ!?」

 

 

 

 

えぇぇぇぇぇぇ!!誰この人!?いきなり出て来てセルベリアにアッパーかましたんだけど!?しかもそんな事一言も言ってないし!!

 

 

 

 

セルベリア

「なんだ?一体?」

 

 

「良いか!真のリーダーとはメンバーがドラマやバラエティで活躍している中、一人DA○H島で農作業や土木作業員を率先して行い、グループの看板番組を守る者の事だ。どこぞのテレビ局に媚び売っている(あ○し)やS○APとは訳が違う!!」

 

 

 

 

セルベリアも急な展開に混乱してるし、なんかよくわからないけど、色々ディスってるよね!?

 

 

 

 

「要はマクシミリアンはアイドルグループ一つ纏められない無能なリーダーだったと言う事だ!!」

 

 

カカシ

「リーダーの素質も無ければ威厳も人望も無いお前に言われたくないね。」

 

 

 

 

白玄さんはこの人を知っている?まさか・・・・。

 

 

 

 

「出来ればツッコミたくなかったが、お前もう一人の白玄なんだろ?何らかの術で分身体を作って他所様に化けてんだろ?それに何の意味がある?」

 

 

「白玄じゃない!桂だ!貴様の言う通り、俺はこのマスク忍者『はたけカカシ』に化けた白玄の分身体に『桂小太郎』と言う男に化けただけだ!!特に意味は無い!!」

 

 

カカシ

「意味無いなら帰ってくれ。つる太郎。」

 

 

「つる太郎じゃない!!桂だ!!」

 

 

カカシ

「てかお前何しに出て来たの?話ややこしくなるから帰ってくれない?」

 

 

「ふざけるな!!幾多の作品の中でようやく俺参上したと言うのに帰れだと!?俺の出番これだけと言うのはおかしな話だぞ!!俺の旅はこれからだ!!」

 

 

カカシ

「いや終わっていいよ。もう充分だから。てか帰れ。後二度と出てくるな。」

 

 

 

何がしたいんだろ白玄さん。でもお陰でセルベリアを思い止ませる事も出来た。それに俺自身覚悟も出来た。ならやる事はわかっている。

 

 

 

 

剣城

「セルベリア!令呪を持って命ずる!ヴァルキュリアの力で自爆する事をここに禁ずる!」

 

 

 

俺は令呪をセルベリアに向けた。彼女が自爆しないよう、令呪でそれを抑えようとした。どんな結果になったとしても自爆だけは絶対にさせない。

 

 

 

 

セルベリア

「何故ですかマスター!!」

 

 

カカシ

「セルベリア。」

 

 

 

 

俺に問い掛けたセルベリアに白玄さんが何か教えを与えようとしていた。それは白玄の経験では無く、彼が変化している『はたけカカシ』と言う人の物語だった。

 

 

 

 

カカシ

「俺もガキの頃は君と同じ考え方をしていた。里を守る為に命を投げ出しても与えられた任務を優先にする。そう言う考え方しか出来なかった。そんなある日、仲間の一人が敵に捕まってしまってね、俺はそいつを見捨て任務を優先しようとしていたら同じチームだった仲間にこんな事を言われた。「忍びの世界で、ルールや掟を破る奴はクズ呼ばわりされる。だが仲間を大切にしない奴はそれ以上のクズだ。」そう言ってそいつは仲間を助けに行ったよ。気付いた時には俺一人になっていた。君は剣城君をそんなクズにしてしまっていいのかい?使い魔とはいえ仲間を平気で切り捨てるようなクズにしてしまっていいのか。」

 

 

セルベリア

「私は・・・・。」

 

 

カカシ

「剣城君が令呪を使ったのは、君に思い止まって欲しかったからだよ。」

 

 

 

 

そうだ。俺はセルベリアにそんな事して欲しくないから令呪を使ったんだ。こんな所でお別れなんて絶対にさせない。

 

 

 

 

剣城

「貴女の過去に何があったか知らないけど、少なくとも俺は貴女に死んで欲しくない!」

 

 

セルベリア

「マスター。」

 

 

剣城

「それに、ピュアパレットをどうするか決めないまま、故郷の世界に帰るつもりですか。」

 

 

 

 

そんな話をしたからか、あいねとみおもセルベリアを説得し始めた。

 

 

 

 

あいね

「そうだよ!!私達まだセルベリアさんのオーディションの結果まだ聞いてない!!」

 

 

みお

「審査員がオーディション中にいなくなるなんてそんなの絶対ダメです!!」

 

 

 

 

セルベリアが溜息をついてどうするか考える様な顔をしていた。まるで付き纏う二人を振り払う口実を考えていた。するとあいねこんな事を言いだした。

 

 

 

 

あいね

「それに私、セルベリアさんとちゃんと友達になりたい!!」

 

 

セルベリア

「お前・・・・。」

 

 

 

セルベリアはあいね達に押されて説得されてしまったのか、彼女は大人しくなってしまった。

 

 

 

セルベリア

「わかった!自爆しない!マスターの令呪で禁じられてるからしない!だからそんな顔をするな!」

 

 

 

 

セルベリアが懲りたようだ。やっぱり俺よりあいねとみおの方が効果的面だったようだ。

 

 

 

 

セルベリア

「だがターニャ・フォン・デグレチャフはどうする。奴の尋常ならぬ戦闘狂をどうやって止めるのだ?」

 

 

剣城

「それなら俺に考えがある。ただ少し無茶するけど。」

 

 

 

 

俺は皆んなに自分の作戦を提案を話した。作戦は至って簡単だ。ターニャが俺の注意を向いている今、俺自身がお取りになって彼女を引き寄せ、そこをセルベリアの宝具で一気に仕留める事だった。

 

 

 

リリィ

「そんな危険な事させられません!!」

 

 

みお

「そうよ!彼女はマスターを狙ってるのにそれをわざわざ差し出しに行くようなものよ!!」

 

 

 

 

その内容にみおやリリィは反対していた。

 

 

 

 

ロマニ

[そうだ危険すぎる!!]

 

 

紅莉栖

[いくらなんでも無茶過ぎるわ。やめておきなさい。]

 

 

 

 

もちろん聞いていたドクター達も猛反対だった。やっぱり無茶だったかな。でも俺も自分の信念を曲げなかった。

 

 

 

 

剣城

「今がチャンスだと思うんだ。ターニャが俺に殺意を向けてる今、彼女は持ち前の冷静さを失っている筈だ。俺が現れた瞬間に一直線で向かって来る。そこを叩く!」

 

 

カカシ

「なるほど。確かに彼女は異世界人を存在Xと勘違いして激昂した場面は何度かあったから、それを利用すれば倒せるかもしれない。けど危険な作戦だ。博打みたいなものだよ。」

 

 

「いや!良いではないか!なら彼を柱に括り付けて狙いやすくし、さらに餌でも吊るして置くか?リカちゃん人形とか?」

 

 

セルベリア

「今この場で死にたいのか!」

 

 

「正直俺も乗り気はしないな。確かに確実に仕留められるが、一歩間違えればお前も無事じゃ済まされねえぞ。それでもやるって言うのか。」

 

 

剣城

「やります。決着をつけるなら、今しか無い!」

 

 

「そうかい・・・・なら覚悟決めろよ。」

 

 

剣城

「はい!」

 

 

 

 

殤さんは納得してくれたが、セルベリアは気乗りしなかったようだ。リリィとみおも承諾はしてくれたが、内心やはりやめて欲しそうに見えていた。ドクターとクリスティーナさんもそう言う顔をしていた。ゆめと杉元さんは黙ったままだったのが気になったけど、賛成してくれた。全員が納得しそうになったその時だった。

 

 

 

 

あいね

「そんなのダメに決まってるでしょ!!」

 

 

 

 

唯一あいねだけが猛反対していた。

 

 

 

 

剣城

「あいね・・・・。」

 

 

あいね

「皆んながOKしても絶対にそんな危ない事させないから!!」

 

 

 

 

あいねはもう完全に怒っていた。話を聞いてもらえるか・・・・いやここに来てから彼女が素直に言う事聞いてくれた試しがない。令呪を持ち出して脅なきゃいけないくらいの問題児だ。最悪、令呪を使って言う事聞かせよう。

 

 

 

あいね

「令呪を使って私達に無理矢理言うこと聞かせてもいいけど、したらもうマスターの言う事も聞かないし口も聞かないからね!!」

 

 

 

 

何言い出すのこの子は!?サーヴァントってこんな反抗的なの!?

 

 

 

 

剣城

「あいねいい加減にしろ!!今そんなわがままを聞いてやれる時間はないんだ!!」

 

 

あいね

「やだよ!!そんな危ない事絶対させないから!!」

 

 

剣城

「ここに来てから反抗的だぞ!!君は俺のサーヴァントで使い魔だ!!そこの立場はわかってるのか!!」

 

 

あいね

「わかってる!!でもそれ以上に、私は()()()の友達だもん!!」

 

 

 

 

友達。あいねにとって魔術師の立場など関係ない。ただ一人の友達としてしか彼女は思っていなかったからだ。そんなあいねを見ると涙目になっているのが直ぐにわかった。そこまで俺の事を心配してくれるのかってくらい今にも泣き出しそうだった。すると殤さんからこんな話を聞かされた。

 

 

 

「やっぱりか。嬢ちゃんな、リリィと坊主がケンカしたあたりからずっと心配しながらお前さんを見てたんだよ。」

 

 

剣城

「あいねが?」

 

 

「坊主が酷い扱いを受けてるのに平気な面してるから、嬢ちゃんそんなお前さんを見てずっと辛かったようだ。友達(だち)の助けになれなかったのが悔しかったみたいだな。」

 

 

 

 

なんだかあいねに悪い事をしたようだ。自分だけで解決できそうな問題だったから、頼らなかったけど、それがあいねに余計な心配をかけていたようだ。

 

 

 

 

剣城

「ごめん、そこまで思い詰めてたなんて。」

 

 

あいね

「私・・・剣城君の力になりたかった。役に立ちたかった。でもリリィちゃんの勘違いで剣城君が嫌われ者になっても誰にも相談しないし!」

 

 

剣城

「それは、リリィ本人が一番苦しそうだったから。だからそんな彼女と本気で向かい合いたかった。俺にしか出来ない事だと思ってたから。」

 

 

あいね

「じゃあ大怪我してたのに無理して動こうとしたのは?」

 

 

剣城

「俺自身が一番キツかったから早く安静に休める場所を見つけたかったからかな。でもカムイのお陰で助かったけどね。」

 

 

あいね

「バカだよ・・・本当にバカだよ剣城君!」

 

 

 

剣城

「あいね。」

 

 

 

 

俺はそっとあいねを慰めるように彼女の頭を撫でた。

 

 

 

 

剣城

「俺は君達のマスターだ。君達を守る責任がある。その妨げになる事態なら俺はいくらでも我慢するよ。」

 

 

あいね

「でもそれじゃあマスターが!」

 

 

剣城

「そう!俺は凄く困っている!だからあいね!今こそ力を貸してくれ!ターニャ・フォン・デグレチャフを倒すには、あいねの力が必要だ!」

 

 

あいね

「マスター・・・わかった!ドーンとこいだよ!」

 

 

 

 

あいねにようやく理解してもらえた。と言いたいところだが、今回は俺が少し無茶してたところもから、あいねには余計な心配を掛けてしまった。申し訳ない事をしたな。

 

 

 

 

みお

「そう言えばゆめちゃんはどうしてマスターを止めなかったの?」

 

 

ゆめ

「この前の戦いで、私はマスターを信じる事が出来た。だから今回も変わらない。私はマスターを信じるよ!」

 

 

 

 

ありがとう、ゆめ。最後まで信じてくれて。

 

 

 

セルベリア

「で、ルーラーはともかくバーサーカーの貴様は何故止めなかったんだ?」

 

 

杉元

「え?いや止める必要無かったから?」

 

 

セルベリア

「何だと?」

 

 

杉元

「こいつは死ぬつもりは無いってわかってたからな。だから心配いらなねえよ!」

 

 

「まあ『不死身』の異名を持つお前が言うんだ。心配は無いな。」

 

 

 

杉元さん、俺の事を信じてくれたんだ。ありがとう。

 

 

 

 

カカシ

「腹は決まったかい。」

 

 

 

 

白玄さんを待たせてしまったけど、今の皆んなならきっと勝てるはずだ。

 

 

 

 

カカシ

「なら俺も少し本気を出すかな。向こうが外道で来るなら、こっちは邪道と行きますか。」

 

 

 

 

すると白玄さんはまた別の人物に変身した。だが今度のはかなり性格がイカれていた。

 

 

 

クレマンティーヌ

「安心して、あのおチビちゃんの断末魔を聴きながらたっぷり痛ぶってあげる。でも楽しすぎて殺しちゃったらごめんなさいね!!」

 

 

杉元

「大丈夫かこいつで!?」

 

 

 

髪が短い金髪の女性はゲラゲラ笑っていた。さっきまでの優しい表情が狂気に満ちた暗殺者に見えていた。さらにこの後、この空気をぶち壊す話をして来た。

 

 

 

 

クレマンティーヌ

「てかクソガキ。遅すぎなんだよ。いつまで待たせんだ殺すぞ。」

 

 

剣城

「すみません!皆んなを説得するのに時間がかかりました!!」

 

 

クレマンティーヌ

「あっそう。なら最悪なニュースと絶体絶命なニュースどっち聞きたい?」

 

 

杉元

「何だその二択!?もしかして俺達結構ピンチなの!?」

 

 

クレマンティーヌ

「笑えるくらいピンチじゃないの〜?」

 

 

剣城

「じゃあ最悪のニュースから。」

 

 

 

 

思い切って最悪のニュースを選択したけど、これ以上悪い状況になってるの。

 

 

 

 

クレマンティーヌ

「アンタを助けた仮面の男がいたでしょ。」

 

 

剣城

「はい。今ターニャを氷で閉じ込めている人ですよね。それが何か?」

 

 

クレマンティーヌ

「そいつがチビに殺られた。」

 

 

杉元

「何でそんな事がわかるんだ?」

 

 

クレマンティーヌ

「影分身ってのは消えた後、分身体が得た情報がそのまま本体にも共有出来るの。だからアイツが見た光景は、私のところにも映るわけ。」

 

 

ゆめ

「じゃあ今は私達を探し周ってるって事?」

 

 

クレマンティーヌ

「普通ならそう考えるけど、こっからが絶体絶命のニュース。もう既に居場所がバレて向こうは宝具で建物ごと吹き飛ばす気か発射態勢に入っているわ。ねえ笑える話でしょ!!」

 

 

 

 

えっ!?

 

 

 

 

杉元

「笑えねえし!!つーかどうするんだ!!」

 

 

「もう詰みじゃねえか。」

 

 

セルベリア

「何故もっと早く言わなかった!!」

 

 

クレマンティーヌ

「作戦立てる余裕はあったけどね?」

 

 

 

 

そんな時間あるならもっと早くやってるはずだけど!?

 

 

 

 

クレマンティーヌ

「そこのセルベリア(デカ乳)あいね(ガキんちょ)が駄々捏ねなきゃこんな事にはならなかったわよ。」

 

 

あいね

「どうしよう!!私達の所為で大変な事になっちゃったぁ!!」

 

 

セルベリア

「貴様最初からわかっていながら何故何も言わなかった!!」

 

 

クレマンティーヌ

「は?何言ってんのオバさん。アンタ等の都合で巻き込まれたのこっちなんだけど?まああのチビのヘナチョコビームじゃ私は死なないけど、アンタ等は丸こげになって死ぬような面白い芸当しか出来ないもんね!!私には関係の無い話だからどうでもいいけど!」

 

 

 

 

言われてみれば白玄さんってただ俺達の戦いに巻き込まれただけなんだよな。本人からしたらとんだとばっちりだ。

てかもう時間ないじゃん!!こっちも早く動くか!!

 

 

 

 

剣城

「もう時間がない。リリィ、もう一度Dreaming birdを発動。その後は俺の護衛に着いてくれ。」

 

 

リリィ

「わかりました。」

 

 

剣城

「皆んなは手筈通りに動いてくれ!作戦開始!」

 

 

 

 

俺達が動き出す頃に、ターニャも俺達を仕留めようと撃とうとしていた。

 

 

 

 

ターニャ

「この私に忌まわしい貴様の力を与えたのが誤算だったようだ。自身の力によって滅びるがいいぃぃぃ!!」

 

 

 

 

そう言って彼女が引き金を引いた瞬間、巨大な爆発と共に建物が吹き飛ばされた。それと同時に爆煙が立ち込め、視界は悪くなった。今がチャンスだ!!

 

 

 

 

杉元

「うおぉぉぉ!!」

 

 

ターニャ

「バーサーカー!?」

 

 

 

杉元さんがターニャに強襲を仕掛けた。だがターニャの方が一枚上手だったようだ。彼女は杉元さんの胸元に手榴弾を仕掛けたのだ。

 

 

 

杉元

「手榴弾!?」

 

 

ターニャ

「私からのささやかなプレゼントだ。いい加減散って逝け。」

 

 

 

その瞬間、杉元さんの胸元から激しく爆散し、そのまま倒れてしまった。

 

 

 

 

剣城

「杉元さん!!」

 

 

「構うな!坊主!!」

 

 

 

すかさず殤さんの剣撃がターニャに襲い掛かるが、彼女は最も簡単に受け切り回避した。

 

 

 

クレマンティーヌ

「いただき♡」

 

 

ターニャ

「舐めるな!!」

 

 

 

 

背後に白玄さんが回ったが、直ぐに振り払われてしまう。どうやら感づかれていたようだ。

 

 

 

ターニャ

「殺気がだだ漏れだぞ。バカが。」

 

 

クレマンティーヌ

「チッ!面倒臭いチビ。」

 

 

 

 

するとターニャは上空へ飛びライフルを向けたが、何も無いところだった。何をするつもりだ?

 

 

 

 

ターニャ

「まとめて消えてくれる!!」

 

 

 

 

ライフルから放たれた弾丸が弾け飛んで雨のように降り注いだ。

 

 

 

 

「しまった!!」

 

 

クレマンティーヌ

「拡散弾!?」

 

 

 

 

無数の雨のように降り注いだ火の玉を避けられず二人とも浴びてしまった。

 

 

 

 

剣城

「殤さん!!白玄さん!!」

 

 

 

辺りに煙が立ち込めてしまい、二人は返事が無いしターニャも見当たらない。視界の悪いこの状況で必死に周りを見渡して探していた時に、悪魔は俺の背後に囁いた。

 

 

 

 

ターニャ

「捕まえた。」

 

 

 

ターニャは俺の背後に回り込んで足を使って俺の胴体をがっしり掴んで、両腕で俺の首を絞めた。

 

 

 

 

リリィ

「マスター!!」

 

 

ターニャ

「やめておけキャスター。貴様の足では間に合わん。こいつが死ぬのを黙って見てるがいい。」

 

 

 

 

リリィは悔しながら、ただ俺の方を黙って見ていた。俺を助けるのを諦めていた。流石アイドルだ。ドラマで役者を()()()()()だけの事はある。

 

 

 

 

ターニャ

「何がおかしい。」

 

 

剣城

「君じゃ俺は殺せないよ。」

 

 

ターニャ

「なんだと?」

 

 

剣城

「何故なら俺は・・・・()()()()()()だから。」

 

 

ターニャ

「何を言い出すかと思えばバーサーカーの猿真似か?気でも狂ったか潔いのかわからぬが、まあ答えは貴様の首をへし折ってみればわかる事だがな!!」

 

 

 

ターニャが腕に力を入れようとした瞬間だった。

 

 

 

 

杉元

「うおぉぉぉ!!俺は不死身だぁぁぁぁ!!」

 

 

ターニャ

「バーサーカー!?」

 

 

 

 

俺達の背後、雪の中から杉元さんが現れて、ターニャの首を思いっきり絞めた。あの後、ターニャに手榴弾でやられたフリをして、雪の中に潜って俺の背後近くで待機してもらっていたのだ。

ターニャは自分を守る事に必死なのか俺の体から離れて必死に抵抗していた。俺はその場で膝をついたが、リリィが側に来て俺の体を支えてくれた。

 

 

 

 

ターニャ

「バカな!?あの至近距離で手榴弾を真面に受けてまだ立っていられるのか!?」

 

 

杉元

「あれぐらいじゃ死なねえよ!!俺は不死身だからな!!」

 

 

ターニャ

「なら徹底的に殺す!!跡形も無くな!!」

 

 

杉元

「殺ってみろ!!俺は不死身の杉元だぁぁぁぁ!!」

 

 

ターニャ

「ホザけぇぇぇぇ!!」

 

 

 

ターニャは奇声を上げて杉元さんを足で腹蹴りして、腕が緩んでしまったのか、彼女は見事に脱出し、空に飛んだ。だがこれが彼女の最後だった。

 

 

 

 

杉元

「セルベリアぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

杉元さんの叫び声でターニャ辺りを見渡し、セルベリアを見つけると、そこには既に宝具を放とうとしていたセルベリアと、彼女の宝具をスキルと宝具で強化していたゆめとピュアパレットの姿があった。

 

 

 

 

みお

「セルベリアさん!どうですか!!」

 

 

あいね

「私達の歌は!!」

 

 

セルベリア

「見事・・・・合格だ!!」

 

 

 

ターニャは回避行動を取ろうとしたがもう遅かった。

 

 

 

ターニャ

「しまった!!」

 

 

セルベリア

「受けるがいいターニャ・フォン・デグレチャフ!!これが!アイドルの輝きとヴァルキュリアの力だ!!消し飛べぇぇぇぇ!!」

 

 

 

セルベリアの槍から蒼い炎の閃光が放たれ、そのままターニャを飲み込んだ。

 

 

 

ターニャ

「クソッたれがぁぁぁぁ!!」

 

 

 

蒼い炎の中で彼女は光となって消えていった。そして炎の閃光が消えていったと同時に、空から金の何かが降ってきた。よく見ると、ターニャが持っていた聖杯が落ちて来たのだ。俺はそれを受け取った。これで全て終わったんだ。

 

 

 

 

剣城

「やったんだな。俺達。」

 

 

リリィ

「はい。そして勝ちましたよ。私達の勝利です!!」

 

 

 

 

正直実感なかったのか、今までの出来事が長く感じた。長い時間戦っていたような気がした。

 

 

 

 

「ふー、一次はどうなるかと思ったぜ。」

 

 

白玄

「間一髪だったね。」

 

 

 

 

 

拡散弾を受けた筈の殤さんと白玄さんが無事に戻って来た。

 

 

 

 

ゆめ

「マスター!」

 

 

 

ゆめにあいね、みお、そしてセルベリアも合流して来た。

 

 

 

 

杉元

「たくターニャの奴思いっきり足蹴りかましやがって。」

 

 

 

 

お腹を抱えて杉元さんも合流して来た。皆んな無事だったようだ。

 

 

 

 

あいね

「杉元さん酷い怪我!!」

 

 

みお

「早く手当てしないと!!」

 

 

 

 

でもなかったようだ。杉元さんはさっきの手榴弾の爆発で胸辺りが血塗れになっていたのだ。でもその必要も無いようだ。

 

 

 

 

杉元

「気持ちだけ受け取っとくよ。もう帰らなきゃいけないみたいだ。」

 

 

 

 

杉元さんと殤さんの体が突然光出した。聖杯が機能しなくなった事で聖杯戦争は終幕し、二人共は元の世界へ帰ろうとしていた。

 

 

 

 

「名残惜しいがここでお別れだ。これからも頑張れよ坊主。」

 

 

剣城

「ありがとう。殤さん。」

 

 

杉元

「じゃあな剣城!それに皆んな!縁が合ったらまた会おうぜ!」

 

 

剣城

「こっちこそありがとう!杉元さん!!」

 

 

 

そう言って二人は消えていった。殤さんと杉元さんには助けられてばかりだった。特に杉元さんの不死身は俺に勇気を貰った。「生きろ!」と言われたような気がした。多分気のせいだと思うけど。

 

 

 

 

ロマニ

[剣城君。レイシフトの準備が完了した。全員その場で待機してくれ。]

 

 

 

 

ドクターから転送の連絡が入った。このエベレスト共お別れだ。それと白玄さん共だ。

 

 

 

 

白玄

「行くんだね。」

 

 

剣城

「はい。いろいろありがとうございました。」

 

 

白玄

「礼を言わなければならないのはこちらの方だ。虹野ゆめ、白銀リリィ、ピュアパレット、セルベリア・ブレス。もう二度とお目にかかれなかった人物達にこんな形で出会う事が出来た。君には感謝している。」

 

 

剣城

「じゃあ白玄さんにとっては夢が叶ったって事?」

 

 

白玄

「いいや、あいねちゃん風に言うなら「アニメーションのサーヴァント達と友達100万人!!」かな。彼等と絆を結ぶ事が、僕の夢だからね。」

 

 

あいね

「じゃあ私達もう友達だね!」

 

 

白玄

「そうだね!」

 

 

 

 

白玄さんの夢、無謀に見えるけど凄い事かもしれない。俺とは大違いだ。

 

 

剣城

「叶うといいですね!白玄さんの夢!」

 

 

白玄

「ありがとう。そしてお別れのようだ。」

 

 

 

 

俺達の周りに光が差し込んだ。アースに帰還するためのレイシフトが始まったからだ。

 

 

 

 

剣城

「本当にありがとうございました。これからどうするんですか。」

 

 

白玄

「しばらくはここに残るよ。少し調べたい事もあるし。」

 

 

剣城

「また会えますか。」

 

 

白玄

「君がアニメを好きでいてくれれば、僕等は何度でも出会う事が出来る。そう!アニメが好きな人間に悪い奴はいない!その心を忘れないで欲しい。」

 

 

剣城

「はい!さようなら!また会うその時を!!」

 

 

 

 

俺達はレイシフトでアースに帰還した。

 

 

 

 

ゆめ

「白玄さんにまた会えるといいね!」

 

 

剣城

「うん。いつかきっと会えるような気がする。」

 

 

セルベリア

「私はもう勘弁です。」

 

 

あいね

「え?セルベリアさん白玄さんの事嫌いなの?」

 

 

セルベリア

「と言うより苦手だな。彼といるとどうも調子が狂う。」

 

 

 

 

確かに、セルべリアの性格からしたら疲れるだろうね。

 

 

リリィ

「それにしても白玄さんが変化していたあの髪の長い人は気の毒でしたね。」

 

 

剣城

「リリィのDreaming birdの中に入れずにそのまま消し飛んだけど、白玄さんは大丈夫だって言ってたし問題ないと思うよ。」

 

 

セルベリア

「まあ、奴の分身体なら問題もありません。」

 

 

剣城

「そんな人だけど、俺はまた白玄さんに会いたい。あの人の持つアニメの事をもっと教えてもらいたいんだ。」

 

 

ゆめ

「でも私達の事を知っているならアルタイルさんも同じの筈じゃ?」

 

 

剣城

「アルタイルは知識はあるけど実際にサーヴァント達と会うのは初めてな筈だ。けど白玄さんは皆んなの事を細かく知っていた。ううん。皆んなの物語を観ていたんだと思う。」

 

 

みお

「どう言う事?」

 

 

剣城

「白玄さんはゆめやリリィ、ピュアパレットのライブを観たと言っていたけど、さらにそれ以上の情報まで知っていた。旅人である彼がそこまで皆んなの細かい情報まで知っているのはおかしいと思う。」

 

 

セルベリア

「言われてみれば確かに。なら彼は何者なのでしょう?」

 

 

剣城

「わからない。だからこそ、白玄さんと会わなくちゃいけないと思うんだ。」

 

 

 

 

ただの物知りお兄さんにしては、白玄さんはゆめ達の事を知り尽くしすぎている。ゆめ達やセルベリアの世界を行き来してたにしては、いささか疑問に思う話だ。だから彼とは今後とも会わなきゃいけない気がする。そう思ったからだ。

そして今も、俺達の知らない所で白玄さんは動いていた。

 

 

 

 

白玄

「黒河剣城君か。中々面白い少年だった。僕が仕掛けた罠に食い付いて来たのだとしたら、彼を巻き込んでしまったようだ。」

 

 

 

 

俺達がエベレストを去った後、別の空間から何者かが何かに乗って現れたのだ。その乗り物は白玄さんの方に向かって行き、彼の前で着地した。するとそこから元気な女の子が白玄さんに駆け寄って行った。

 

 

 

 

らき

「白玄さーん!!」

 

 

 

 

白玄さんが話していた、ゆめ達アイドルの記憶を蘇らせた『姫石らき』だった。白玄さんは抱きついて来たらきを受け止めて再会を喜び合っていた。

 

 

 

 

白玄

「らきじゃないか!!久しぶりだね、元気にしてたかい。」

 

 

らき

「はい!白玄さんとこんな所で会うなんてラッキー!!」

 

 

 

 

何と白玄さんはらきと既に知り合っていた。しかも俺達にはその事を内緒にしてだ。

 

 

 

 

白玄

「僕も凄くラッキーだよ!!今日の素敵な出来事は君が近くにいたからか!」

 

 

アンジュ

「やめときなさいらき。その変態に近づくとどこ触ってくるかわからないわよ。」

 

 

 

 

今度は女性が降りて来た。この人も、らきと知り合いみたいだけど何者なんだ。

 

 

 

 

白玄

「アンジュも久しぶりだね。なんだい?まだ胸を鷲掴みにされたのを根に持ってるのかい。もう十年前の話だよ。」

 

 

アンジュ

「あの後数千回も私の胸を揉んだでしょ!!いい加減にしないと本当に殺すわよ!!」

 

 

杉元

「俺は不死身だぁぁぁ!!」

 

 

アンジュ

「うるさいッ!!」

 

 

 

何か杉元さんに変身してるし、何をしてるんだ白玄さん。

 

 

 

アンジュ

「まあちょうど良かった。貴方に伝えたい事があるの。」

 

 

剣城

「こちらもちょうど良かった。君達に報告したい事がある。」

 

 

 

 

白玄さんはこのエベレストで起きた事、そして俺達の事を語り出した。何が目的かわからなかったけど、ただ事では無いように感じた。

 

 

 

らき

「あいねちゃん達に会ったんですか!?」

 

 

白玄

「うん。でもさっき帰っちゃったんだ。すれ違いだったね。」

 

 

らき

「そんな〜。アンラッキ〜。」

 

 

アンジュ

「それにしても、そのアースって連中を放っといて大丈夫なの?貴方が仕掛けた聖杯を回収されたら『災害の魔獣(ディザスタービースト)』を誘き出す事だって難しくなるのよ?」

 

 

白玄

「それだが、少しおかしな事が起きている。ついさっきまで災害の魔獣(ディザスタービースト)の痕跡があったが、いつの間にかこの世界を離れたようだ。まるで何かに怯えるように逃げていった。」

 

 

アンジュ

「何かって何に?」

 

 

白玄

「わからない。僕の知らない間に奴等の中で恐怖する存在を感じた筈だ。」

 

 

アンジュ

災害の魔獣(ディザスタービースト)が怯える何か。何にしても厄介な事になったわね。」

 

 

 

 

白玄さん達は災害の魔獣(ディザスタービースト)と呼ばれる存在を追っていたようだ。俺達がそれを知るのは、まだ先の話だけど、奴等が怯える存在は、そのさらに先の話で、俺は彼を知らずに友達になっていたとは誰も思っていなかっただろう。

 

 

 

 

白玄

「さて、君達の報告も聞かせて貰うよ。」

 

 

アンジュ

「『ソルベット王国』で行われていた聖杯戦争が終戦したわ。勝者は地の利があった『アリシア・シャーロット』よ。」

 

 

白玄

「ほう?彼女か。確かに有利ではあるがまさか勝者になるとはね。」

 

 

アンジュ

「問題はここから。彼女聖杯を使って七騎の大罪『憤怒の狂戦士(ラースバーサーカー)』を自分の城に封印してしまったの。」

 

 

白玄

「何故そんな事に?」

 

 

アンジュ

「さあ?更には新たに七騎の英霊を呼び出して、そいつらに城を守らせてるわ。」

 

 

らき

「それからアリシアさんは城に引きこもってしまいました。」

 

 

白玄

「そうか。なら君達二人にはソルベットの監視を任せるよ。」

 

 

アンジュ

「監視って、アリシアはどうするの?」

 

 

白玄

「彼女はしばらく籠城する構えだろう。それにこの件に関しては、僕ではなくアースがやるだろうしね。彼等に委ねるしかない。」

 

 

アンジュ

「本当に信じて良いの?今さっき知り合った見ず知らずの組織の人間に任せたら、ロクな事にならないわよ。」

 

 

白玄

「心配無いさ。彼は僕と同じマスターで、僕と同じアニメ好きだからね。信用してもいいよ。」

 

 

アンジュ

「まあ、信用しなくも利用は出来るからまだいいけど、こっちが凍死しない程度にお願いね。」

 

 

白玄

「なるべく早い段階で彼等を誘導するよ。だから頼んだよ。ライダー『アンジュリーゼ』、キャスター『姫石らき』。僕の頼れるサーヴァント達よ。」

 

 

アンジュ

「了解。」

 

 

らき

「姫石らき!行ってきまーす!!」

 

 

 

 

後にアースはこのソルベット王国の事件をこう名付けた。『凍結城塞ソルベット』。この次元世界が俺達の最後の旅となった。

 

 

 

 

 




英霊紹介





真名:『姫石(きせき)らき』


クラス:『魔術師(キャスター)


宝具:???


作品名:『アイカツオンパレード!』




プロフィール
スターハーモニー学園の中学2年生の新人デザイナー兼、アイドルである。前向きで努力家の彼女は幸運値が非常に高く、そのクラスはA++に達する。彼女の姉『姫石(きせき)さあや』の実験に巻き込まれ、本来交わる筈のないアイカツ!、アイカツスターズ!、アイカツフレンズ!の三つの世界のアイドル達と夢の共演を果たす事になる。だがそれも長く続かず、世界は再び分断され、互いの記憶から忘れ去られてしまった。だが彼女は最後の最後に、その世界で作ったプレミアムレアドレスを見て思い出したと言う。










真名:『アンジュリーゼ・斑鳩(いかるが)・ミスルギ』


クラス:『騎兵(ライダー)


第一宝具:『ヴィルキス』


第二宝具:『超重力砲(ちょうじゅうりょくほう)


作品名:『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞(ロンド)



プロフィール
ミスルギ皇国の第一皇女だったが、兄ジュリオに『ノーマ』の烙印を押され、彼女達が住む『アルゼナル』に追放される。そこでの苦しい生活を強いられたが、ある失態を犯した事で心を入れ替え、仲間と共に歩み始める。だが次第に自分の世界に不信感を抱き、この偽りの世界を作ったエンブリヲを打倒する。その後は本来の世界で国を作り、王となった。





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