指揮官の訓練は更に過酷を極めており徐々に疲弊が見て取れるようになってきた
「流石に疲れるな…付き合ってくれてありがとうな、404のみんな」
今日は全員が非番だった為404小隊が全員で指揮官の訓練を見守ってくれていた。
「少し休みましょう指揮官、十分に強くなれていますよ」
優しい言葉を投げ掛けてくれたのは416だった、他の面々もうんうん頷いている。G11は相変わらず机で寝ているようだが
「そうだね…少し休ませてもらおうかな」
「確かに、そこら辺の鉄血相手なら指揮官は多分余裕で太刀打ち出切るかも?」
珍しく9がそう言ってくれる、会話こそするがこうして面と向かって話すことはあまりない
「ホントか?12はまだまだーって言ってた」
「独り占めしたいからよ、私達が主観で見ても指揮官は特殊隊員よりも優れた兵士になってるはず」
「独り占めかぁ…こんな男のどこが良いんだろうな?」
その言葉を聞いて416や45はさそがし不満だったらしく
「私達が好きなのは貴方なんだから自信持ってよね」
「そうですよ指揮官、12なんかに抜け駆けはさせませんから」
「あら?HK45をオススメしたくてパーツ選んでたら抜け駆けされてたのは誰だったかしらね?」
「…殺すわよアンタ、終わった話は良いでしょ」
「はいはい…指揮官、そこのガンケース見える?」
45が指差した先の机には無造作に大きなガンケースが置かれていた
「これも12のチョイスか?」
12のチョイスなら嬉しいが彼女がわざわざ長物を用意はしないだろう、となると416か45たろうか?
「それは私のチョイスです指揮官、ささやかな贈り物です」
「なるほどね…開けていいのか?」
しかし鍵が掛かっているらしく、なんとも416らしい配慮だ
「もちろんです、鍵はここに……あれ?無い」
「そんなはずは…指揮官の前でこんな事するなんて有り得ない…私は完璧なのよ?」
「探してるのってこれでしょ?廊下に落ちてたから拾っといたよ!」
9がそう言って416に鍵を渡す、しかし廊下に落ちてたというのは嘘らしい。45がいかにも吹き出しそうな顔で笑いを堪えているが416にそんな顔は見えていなかった
「あー…ありがとう9」
「いえいえ、私達家族だもんね!」
屈託の無い笑顔を見せる9だったが、大方45が鍵をくすねでもしたんだろう。9も合わせてニヤニヤしていた
「気を取り直して…今度こそ鍵を受け取ってください指揮官」
「ありがとう、中身はなにかな…?」
鍵を使ってガンケースを開くとそこには小柄な指揮官でも扱いやすいようにカスタムされたHK416が収納されていた。
「これはまた…汎用性の高いプレゼントだな416」
指揮官のその言葉でなんとなくバカにされているのを察して不機嫌だった顔の416の表情がすぐさま明るくなった、本当に犬のようで可愛らしい。
「その416は私がカスタムしました、アクセサリーは私と同タイプの物を使用しています」
「ストックは指揮官の体格に合わせて調整しやすい416Cタイプの物を導入して取り回しを向上させました」
自慢気にカスタムの解説をしていく、皆が皆俺に合わせたカスタムをしてくれているのでとてもありがたい、これでカタログと睨めっこする頻度も減ることだろう。
「極めつけはなんと言ってもこれです、見てください指揮官」
416が手渡したマガジンには300BLK.と綺麗な文字でマガジン側面部に白く書かれていた。
ブラックアウト弾…?高かっただろう」
「良いんですよ指揮官、私と同じものを使ってほしいんです。値段なんてどうでもいい」
「なるほど…今週の給料は弾んでおくからそれで美味しいものを食べてね」
給料に反応したのか美味しいご飯に反応したのか、はたまた指揮官と二人きりで食事をするのを想像したのか。それは神のみぞ知ること
「ありがとうございます、それで指揮官は5.56プラットフォームを使用した経験はありますか?」
「どこまでベッタリする気?さすがに12にバレちゃうかもよ?アンタの香水分かりやすいから」
45からの茶々が入るも今の416を止められる人形はこの場にはいない。何故なら416は完全に自分の世界に入っていて、彼女の目には指揮官しかもう見えていないからだ。
「使ったことか…無いんだよな、それと404には休暇が出てるから休んでいいぞ」
「え、ホント?休暇なんて貰っていいの?」
いの一番に反応したのは今まで寝ていたであろうG11だった、いい聴覚センサーを使っているんだろう。
「もちろん、危険な任務だったしな。先に部屋に戻っておいてくれてもいいよ」
「それと45は後で俺の部屋に来てくれるかな、予備パーツと新しい服が届いてる」
「了解、それじゃあ416の面倒見てやってね?また後で」
416を残して三人は部屋を出ていく、それすら気付いていないらしい
「だったら私が教えますよ、7.62なんかより使いやすいことを証明してみせますから」
「お手柔らかに頼むよ」
こんな少女たちを戦場に立たせて自分一人が指揮車で椅子に座ってふんぞり返ってなどいられない。自分の戦う理由が確固たる物になっていくのを実感した指揮官だった。