そしてダイヤ誕イェイ~
2作目です。遅筆&遅筆なので月1くらいを目途にどっちかは更新したい(震え声)
オラ、国木田花丸です!この春から高校1年生なんだ♪
小さい頃から隅っこで遊ぶ目立たない子で、運動も苦手だったし、学芸会では木の役で。だから段々、一人で遊ぶようになっていった
入学当初は、大好きな本を読んで、おいしいものをいっぱい食べて……そんな日々が続くと思っていたけれど、まさかこんなことになるなんて夢にも思わなかったな
これは、そんなマルとAqoursと、2つ上の先輩とのお話
よろしくずら♪
━━━━
~新年度~
新たな生活の始まりである。特に1年生にとっては、新しい校舎、新しい制服、新しい級友……
もちろん以前からの級友や、数年ぶりに旧友と再会することもあるだろう
そして新年度は色々と所属などを決める時期でもあり、委員会もその一つ。読書が好きな花丸は図書委員を希望。特に競合することなく決定した
……
~最初の委員会~
花丸(ちょっと緊張するなぁ……)
見知らぬ先輩たちと顔を合わせるのはなかなかに緊張するものがあるだろう
しばらくして、委員長が挨拶を始めた。かなり体格が良く、読書よりパワー系のスポーツが似合いそうだ
委員長「全員そろったかな。じゃあこれから図書委員会を始めます。委員長の八神隼人です、よろしく」
「「よろしくお願いします」」
隼人「とりあえず全員順番に自己紹介しましょうかね。じゃあ隣の1年生からでよろしく」
花丸「はっ、はい!く、国木田花丸です。よろしくお願いします!」
「「よろしくお願いします」」
その後全員の自己紹介や、委員の仕事の説明等があった
隼人「改めてみんなよろしく。最後、受付担当の組み合わせ。例年通り、しばらくは3年生と1年生、及び2年生同士の2人1組で。委員にも学校にも慣れない1年生を、3年生が指導する方向で」
「「はい」」
隼人「うん。そしたらじゃあ国木田さん、俺と組もうか。大丈夫かな?」
花丸「はい、大丈夫です!」
隼人「早速明日の昼休みから始めるね。よろしく!」
花丸「よろしくお願いします!」
……
~翌日の昼休み~
図書室にて
花丸「こんにちは」
隼人「おう、いらっしゃい!ってのも変か。まぁ入ってご飯食べよう」
其処は図書委員用のスペース。図書室受付の奥にあり、其処で委員が待機したり委員会が行われる。通常、図書室は飲食禁止だがこのスペースでは許されており、昼休み対応組はここで昼食を取りながら待機する。昼休み入ってすぐは生徒の大半が昼食を取っているため図書室は閑散としている
花丸「失礼します」
隼人「ところでその荷物は?」
花丸「お弁当です♪」
隼人「Oh。そりゃあ、なかなかの量だね……!まぁ、食べて動いて寝る。健康の基本だな!」
……
昼食。ゆっくりはできないが、無言で食べるのも何なので隼人は話題を振ってみた
隼人「国木田さんはどんな本が好きなの?」
花丸「本なら基本的に全部好きですけど……特に明治から昭和にかけての文豪の小説が好きです♪今は太宰治の『お伽草紙』を読んでます」
隼人「童話が元になってるんだったっけ?」
花丸「そうですよ♪ 八神先輩は本はよく読まれるんですか?」
隼人「う~ん、ぶっちゃけそこまで読む方じゃないな。図書委員長なのにね」ハハッ
花丸「そうなんですね」
おどけて笑う隼人に対し、あまり驚いていない花丸
隼人「あ、見た目通りとか思ってる?」
花丸「そ、そんなことないずら!いえ、ないです……」
隼人「ハハッ、冗談だよ。どう見ても俺は体育会系だし、それに理系だしな。でも授業で習う小説は結構好きだよ」
花丸「例えばどれが好きですか!?」
隼人「一番インパクトがあったのは夏目漱石の『こころ』だね。読んだことはある?」
花丸「もちろんずら♪『こころ』も名言が多くて良いですよね!例えば……」
隼人「ふんふむ……」
花丸「あっ!すみません、つい……」
本の話になり、少し熱が入ってしまった花丸だが隼人は全く気にしていない。むしろ嬉しそうだ
隼人「いやいや、話を振ったのは俺の方だし、幸いお客さんも来なかったしね。それより、少し緊張がほぐれたかな?」
花丸「!そうかも知れないです」
隼人「うん、ならOK。じゃあ残りはパパっと食っちゃうか」
花丸「はい!」
……
そして受付の仕事へ
隼人「じゃあ説明するんだけどその前に、中学校でも図書委員だったりはした?」
花丸「はい。中学でもやってたので大体わかると思います」
隼人「なら話が早い。ここに貸出日と返却期限を記入して……」
花丸「はい……」
見かけに寄らず(?)優しく丁寧な説明で、花丸は安心して聞いていた
隼人「……って感じだけど、大丈夫かな?」
花丸「大丈夫です!」
隼人「OK!」
……
隼人「ふぅ~お疲れさん~」
花丸「お疲れ様でした」
無事に今回の受付は終了。読書週間やテスト前ではないため来客は少ない
暇とは言わないが、どうしても待ち時間ができてしまう
隼人「今度からは本を読みながら待機とかでも良いかもな~」
花丸「良いんですか?」
隼人「業務に支障がなければ良いと思うよ。流石にケータイをいじったりは良くないだろうけど」
花丸「読みたい本がいっぱいあるから嬉しいずら~♪」
隼人「フフッ……。あぁあと授業で分からない処があれば気軽に聞いてね。歴史以外は大丈夫なハズだ」
花丸「じゃあその時はよろしくお願いします。歴史は苦手なんですか?」
隼人「そうなんだよなぁ。大河ドラマや歴史小説は好きなんだけど、授業で聞く歴史はサッパリでね……ってもう教室戻るか。じゃあね!」
花丸「はい!失礼します」
……
隼人「かわいらしい良い子だったな~」
花丸「優しい先輩で良かったずら♪」
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~翌月~
このペアでの受付を何度かこなしている内に大分打ち解けてきた2人である。今日もまったり図書委員の仕事だ
隼人「花丸ちゃんは部活とか決めた?」
花丸「う~ん、まだ全然ですけど、マルは本が読めれば充分です♪ 隼人さんは何部なんですか?」
隼人「俺はアメフト部だよ。合唱祭の時は合唱部の助っ人もやってたけど」
花丸「あめ、ふと……?」
隼人「アメリカンフットボール、日本語で鎧球……って知らないか」
花丸「マル、お寺育ちで、横文字のことはよくわかんないんです……」
隼人「そういう俺も入部するまでアメフトとラグビーの違いがわからんかったけどな」ハハッ
花丸「未来ずら~……」
するとそこへ、花丸への来客だ
ルビィ「花丸ちゃん!スクールアイドル部できたみたいだよ!」
花丸「良かったね、ルビィちゃん♪」
ルビィ「ってピギィ!!」
隼人「Oh」
嬉しそうに声を弾ませていたが、時間差で隼人に気付き飛び上がる程驚くルビィ
花丸「ルビィちゃん、優しい先輩だから大丈夫ずら♪」
ルビィ「うゆ……。ごめんなさいぃ」
隼人「うむ。まぁもうちょっと音量は控えめで、な」
更にそこへAqoursの3人がやってきた
「「「こんにちは~!」」」
曜「隼人先輩ヨーソロー!」
隼人「ヨーソロー。千歌ちゃんはちょっと久々だな。んでそちらが、転入生の子かな?」
梨子「初めまして。2年生の桜内梨子です。よろしくお願いします」
隼人「3年の八神隼人だ、こちらこそよろしく。なんかいっぱい本があるみたいだけど」
梨子「部室を片付けてたら見付けたので持ってきました」
隼人「おぉありがとう。じゃあお預かりしよう」
そう言って奥に入り、先代から受け継いだ不明図書リストをチェックした後、本を片付けに行く委員長
千歌「それでね、2人にはやっぱりスクールアイドルに……!」
花丸・ルビィ「!!」
隼人(……)
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「お姉ちゃん、昔はスクールアイドル好きだったんだけど……一緒にμ'sの真似して、歌ったりしてた。でも……」
「それに……花丸ちゃんは興味ないの?スクールアイドル」
「マル!?ないない!オラとか言っちゃうときあるし……」
「じゃあ、ルビィも平気」
「……」
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~翌日~
隼人「昨日の会話ちょっと聞いちゃったんだけど、スクールアイドル……やるの?」
花丸「! マルは……」
隼人「うん」
花丸「ただの"体験入部"の付き添いで行ってきます。ルビィちゃんがスクールアイドルをやれるように……」
それは"本心"だろうか
隼人「ふむ。花丸ちゃんはやりたくないの?」
花丸「マルは、そういうの苦手なので……」
隼人「……そっか。まぁ詳しいことはわかんないけど、無理はしないように、な」
花丸「? はい」
……
隼人(友達想いなんだな)フフッ
隼人(しかしルビィちゃんってのはダイヤさんの妹か。諸事情ありそうだが……)
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「もっと自分の気持ち大切にしなきゃ。自分に嘘ついて、無理に人に合わせてもツライだけだよ」
「あの、ルビィちゃんの話を……ルビィちゃんの気持ちを、聞いてあげて下さい」
これで、マルの話はおしまい……
「ルビィ、スクールアイドルがやりたい!花丸ちゃんと!」
「一番大切なのは出来るかどうかじゃない。やりたいかどうかだよ」
……
(図書室ではお静かに……ってのは野暮だな)フフッ
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隼人「なんか最近疲れ気味?」
花丸「はい……。マル、あれからスクールアイドル始めたんです……」
隼人「ふふっそれは良かった……って、俺は何もしてないけどね。"Aqours"だっけ」
花丸「いえ、ありがとうございます。Aqoursですよ♪」
隼人「うむ。Aqoursねぇ……」
花丸「?」
その名前に聞き覚えがあった隼人。筋トレ仲間から話は少し聞いているようだ。因みに先日のライブは、部活や受験勉強のため見には行っていない
隼人(曜ちゃんから聞いた時はホントビックリしたわ。偶然とは思えんが、誰かが教えたとは考えにくいし……)
花丸「どうされました?」
隼人「あぁいや……俺の勘違いであるな」
花丸「?」
思わず、口調が神の後方にいそうな聖人のようになってしまっている
隼人「でも歌って踊るのって大変じゃない?運動は得意なの?」
花丸「オラ、運動は全然ダメで……」
隼人「Oh。それでお疲れな訳だね」
隼人(まぁ、読書が好きでこの体格にこのおもちは重た、い……っておい!?)
花丸の胸元が目に入り、自分の思考に違和感を持った
隼人(俺は何故気付かなかった!?この破壊力に!!……そうか!あれだけ食べて太らないのは栄養が全て其処に……?)
彼の脳内が騒がしいことになってしまった
花丸「あっ!」
隼人「!?」
花丸「また"オラ"って言っちゃったずら……」
今までの会話の中でも既に"オラ"も"ずら"も何度も言ってしまっている。隼人は特に気にしていなかったようだが
隼人「でもそれは仕方ないんじゃ?」
花丸「スクールアイドルは訛ってない方が良いと思うんです……」
隼人「……別にかわいいんじゃけぇ、せやないと思うんじゃがのう」
花丸「ずら!?」
隼人「山口県の方言さ。かわいいから問題ないってこと。さ、受付行こうか。また今度、スクールアイドルの話聞かせてな」
花丸「えっ、隼人さんちょっと待ってください~!」
花丸(男の人にかわいいって言われたの初めてで、ちょっとドキッとしちゃたずら……)
隼人(なんか、かわいい妹って感じがしてほっとけないんだよな~)
無事に親友とスクールアイドルを始めた花丸と、ひっそり見守っていた隼人であった
そして図書室での何気ないやりとり。それはいつしか、2人にとって大切な時間になっていく
つづく
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