丸恋日和   作:Shige_puni

2 / 10
皆様ラブライブフェス!お疲れ様でした!
2日目LV参加でしたが、最高&最高でした……
μ'sic forever!!


さて、気を取り直して2話目です
文章は相変わらずなので雰囲気だけ伝われば良いなと……
それではどうぞ!


2話 兄と妹

 ~翌月~

 

 堕天使ヨハネこと善子が入部し、6人になったAqours

 日々練習を重ね、東京でのスクールアイドルイベントに参加したのだが……

 

花丸「ゼロ、だったんです……」

 

隼人「Oh……」

 

 出場したスクールアイドルのうち、どのグループが一番良かったと思うか来場者が投票した結果、Aqoursの得票が 0 であった

 頑張って練習し、本番では良いパフォーマンスができた。司会のお姉さんにも悪くなかったと言ってもらえたが、0 だ

 

 隼人が何と声をかけようか考えていると

 

花丸「でも、千歌ちゃんや梨子ちゃんで"0を1にしよう!"って言って、それでまたみんなで頑張ろう!ってことになりました」

 

隼人「!」

 

花丸「だから、心配御無用!です♪」

 

隼人「わかった!それなら俺は、応援するだけだな!」

 

ポン

 

花丸「!?」

 

隼人「しかしみんなメンタル強いな~。俺なんて試合で完封負けしたらしばらくメゲてたからな~」ハハッ

 

 と言って自嘲気味に笑いながら、花丸の頭をポンポンと撫でる

 

花丸「ず、ずらぁ……」

 

隼人「あっごめん!嫌だったよね」

 

花丸「いえっ、そのちょっと恥ずかしかっただけで……嫌ではないというか、むしろまたやって欲しいな、なんて……」

 

隼人「ッ!? お、おう」

 

 照れながら消え入りそうな声で話す花丸に、少しドキッとしてしまう

 

花丸「あっ!す、すみません、変なこと言って……」

 

隼人「あ~いや、こちらこそ……」

 

隼人(なんだろうこの空気……)

 

 本来女性の髪は軽々しく触れてはいけない、ということに時間差で気付いたのだが、予想外の反応で逆に困っている委員長であった

 

 

 

━━━━

 

 

 

 しばらく経ったある日。Aqoursの6人が隼人の元を訪ねてきた

 

「「こんにちは~」」

 

隼人「お~う。どうした大勢で?」

 

梨子「すみません突然。ちょっと伺いたいことがあって……」

 

千歌「2年前の果南ちゃんたちスクールアイドルについて、何か知りませんか?」

 

隼人「!」

 

曜「ダイヤさんから、果南ちゃんと鞠莉さんとスクールアイドルやってて、東京で歌えなかったって話は聞いたんですけど」

 

花丸「隼人さんなら何かご存知かなって……」

 

隼人「ふんふむ……。というか、当時のことならルビィちゃんの方が詳しいんじゃね?」

 

ルビィ「ピギィ!」

 

 ビックリして花丸の後ろに隠れてしまったルビィ。まだ隼人に慣れていないようだ

 

隼人「Oh……」

 

ルビィ「うゆ……」

 

隼人「ビックリさせてゴメンな。んでまぁ正直に言って、みんなが知ってる以上のことはわからないと思うぞ。聞いても教えてはくれなかったし」

 

 それを聞いて、皆やや落胆した表情をする

 

隼人「すまんな。ただ……」

 

「「?」」

 

隼人「あの頃の3人はホントに楽しそうで輝いてた。俺はあの3人を見てスクールアイドルに興味を持ったくらいだし」

 

花丸「そうなんですね……」

 

隼人「あぁ。だからこそ、何か深い事情があるのは間違いないと思うんだ」

 

曜「先輩にも話せないほどに、ですか」

 

善子「どういうこと?」

 

曜「あっその、果南ちゃんと隼人先輩って結構仲が良いから……」

 

花丸「……」

 

隼人「そうかな?まぁ男子の中ではよく話す方だろうけど……っと話が逸れたな。でもまぁやっぱり、あんなに仲間思いの果南がこうなってるのは正直ビックリだ」

 

善子「あんまり想像できないわね……」

 

隼人「そう言うな。まぁ、今の果南しか知らないんじゃ仕方ねぇか。……さて、俺が話せるのはこれくらいだ。期待に沿えなくてすまない」

 

千歌「いえ、話してくれてありがとうございます」

 

千歌(……)

 

 

 

 

━━━━

 

 

 

 

 そして、事態が動き出す

 

 

「いい加減に、しろぉぉーーーー!!」

 

「「!?!?」」

 

 

 

……

 

 

 

「歌えなかったんじゃない、歌わなかったんですの」

 

「あのまま進めていたら……」

 

 

 

……

 

 

 

「私が果南を想う気持ちを甘く見ないで!!」

 

 

 

「ハグ……しよ?」

 

 

 

 

 

 - 未熟DREAMER -

 

 

 

 

 

━━━━

 

 

 

 

 

 ~朝・3年生教室にて~

 

 いつものように朝の筋トレを終え、自席で腕のストレッチをしている隼人

 その後ろから、先日までは考えられないハーモニーが彼を呼んだ

 

果南「おはよう!」

ダイヤ「おはようございます」

鞠莉「Good morning!」

 

隼人「おぉう、おはよう」

 

 2年前、3人がスクールアイドルをやっていた頃は毎朝のように聞いていたハーモニーだ

 ということは……?

 

果南「あの、隼人君……」

 

隼人「うん」

 

果南「Aqours、またやるんだ……!」

 

隼人「おお!それは良かった!」

 

ダイヤ「その節は大変お騒がせいたしました」

 

隼人「いやいや。てか俺何も出来なかったし……」

 

鞠莉「そんなことないわ。私たちのこと、何かと気にかけてくれたでしょう?」

 

果南「だから、隼人君にはちゃんと言おうって思ったんだ」

 

隼人「……そんな義理堅いことされるようなことしてねぇって」

 

鞠莉「ハヤトったら照れちゃって~。かわいいわね♪」

 

ダイヤ「もう、鞠莉さん?」

 

鞠莉「Oh~Sorry~♪」

 

隼人「まぁ何だ、Aqours復活おめでとう!……で良いのかな?ファンとしては嬉しいわ」

 

果南「ありがとう!面と向かってファンって言われると恥ずかしいけど、やっぱり嬉しいね♪」

 

鞠莉「Yes♪」

 

ダイヤ「えぇ、ありがとうございます♪」

 

隼人「ハハッ。それに……」

 

「「?」」

 

隼人「その、仲良しの3人がまた見られたのが……一番嬉しいわ」

 

「「!!」」

 

隼人「あ、何か変なこと言ったかな?」

 

果南「ううん、そうじゃなくて……」

 

鞠莉「嬉しいことを言ってくれるじゃない♪」

 

ダイヤ「本当に、そうですわね……クラスの皆さんにも、きちんとご報告した方が良いでしょうね」

 

隼人「おう。そうしたってくれ」

 

 

 

━━━━

 

 

 

 ~その日の図書委員~

 

隼人「グーテンターク」

 

花丸「こんにちは~。ドイツ語ですか?」

 

隼人「ハハッ、よくわかったな!」

 

花丸「なんか今日はご機嫌ですね♪」

 

隼人「そうなんだよ。Aqours、果南たちから聞いたよ!」

 

花丸「えっ!?」

 

隼人「無事……かはわかんないけど、あの3人も加入したんだろ?ホント良かった~」

 

花丸「はい、おかげさまで。ありがとうございます!」

 

隼人「いやいやこっちこそありがとうだよ~!教室も平和になったしな~なんて」HAHAHA!

 

花丸(なんかマルから伝えたかったな……。ってどうしてだろう?)

 

 もちろん3年生の加入とそれを隼人が喜んでいるのも嬉しいし、3人が仲直りしたことも嬉しい

 だが、何故かすっきりしない。そんな自分の感情に困惑する

 

花丸「……」

 

隼人「どした?」

 

花丸「あ、いえ、大丈夫です……」

 

隼人「……?」

 

 何を思ったか、隼人がこんな提案をした

 

隼人「う~ん、そしたらさ、今度月曜で空いてる日あるかな?」

 

花丸「ずら!?」

 

隼人「あぁいや、駅前の喫茶店に新作スイーツが出たんだけど男1人じゃ行き辛くてね~。良ければ一緒にどう?」

 

花丸「えっ、良いんですか!?」

 

 曇っていた表情が、食欲のために晴れる

 因みに月曜なのはアメフト部の練習が休みだからだ

 

隼人「おおよ!」

 

隼人(ふふっ。元気出て良かったぜ。ってあれ?これってデートか!?)

 

 この男、色々と鋭いのか鈍いのか……

 ただ単にかわいい後輩()を元気づけようとしただけで下心はないのだが、これは広い意味でデートと言えなくもない。そのことに気付き内心少し慌ててしまう

 

花丸「練習の予定が決まったらすぐに伝えますね!」

 

隼人「おおう、よろしく」

 

花丸「わかりました! えへへ、楽しみずら~♪」

 

隼人(まぁ……嬉しそうだから良いか。深く考えずに楽しもう)

 

 

 

━━━━

 

 

 

 ~翌日~

 

 1年生教室・朝

 

花丸(新作スイーツ~♪新作スイーツ~♪)

 

ルビィ「おはよう、花丸ちゃん♪」

善子「おはよう、ずら丸」

 

花丸「ルビィちゃん善子ちゃんおはよう♪」

 

善子「ヨ・ハ・ネ!」

 

ルビィ「なんだか嬉しそうだけど、何かあったの?」

 

花丸「えへへ~。今度、喫茶店の新作スイーツ食べに行くんだ♪」

 

ルビィ「良いなぁ!ルビィも行きたい!」

 

花丸「隼人さんも一緒だけど大丈夫かな?」

 

ルビィ「ピギッ!うぅ、どうしようかな……」

 

 怖い人ではないのは分かっているが、極度の人見知り故仕方ない

 

花丸「じゃあ今回はマルが偵察ってことで、今度一緒に行こうね♪」

 

ルビィ「うん!」

 

善子「フフッ、堕天使への供物(お土産)を、忘れずに用意しておくのよ……!ってそれ……」

 

「「?」」

 

善子「リア充的イベントじゃないかしら……?」

 

 堕天使が図書委員長と同様の反応を示す

 

ルビィ「そ、それって、デデデデートってこと!?」

 

花丸「ずらぁ!?」

 

善子「ちょっと何よ!?こっちがビックリするじゃない!」

 

ルビィ「でも、でもっ!!」

 

花丸「おおお落ち着くずら!!」

 

善子「あ~その……動揺させて悪かったわよ……。普通に楽しんでくれば良いわ!!」

 

ルビィ「そっ、そうだよね!頑張って、花丸ちゃん!」

 

花丸「……!ありがとうずら♪」

 

 そんなに気負うこともないのだろうが、どうなることやら

 

 

 

━━━━

 

 

 

 ~数日後~

 

隼人「予定はどうかな?」

 

花丸「次の月曜日なら大丈夫です!」

 

隼人「OK!よろしく!」

 

花丸「よろしくお願いします♪」

 

隼人「おう!ところで、Aqoursの練習はどう?さらにキツくなったんじゃない?」

 

花丸「あぁ、確かにそうですね……」

 

隼人「ハハッ、まぁそうだろうな~。特に果南の体力はinfinityだし」

 

花丸「はい。ホントに凄いずら……。でも」

 

隼人「うん」

 

花丸「やっぱり元々スクールアイドルだったっていうのもあるし、頼れるお姉さんって感じです♪」

 

隼人「ふふ。それは良かったよ」

 

花丸「う~ん、そうすると……」

 

隼人「?」

 

 

花丸「隼人さんはマルのお兄ちゃんずら♪」

 

 

隼人「!?」

 

隼人(なんだこのインパクトは……!)

 

 隼人も花丸のことは妹のように思っていたし、彼女が自分を兄のように思ってくれているのは嬉しい

 しかしこの呼ばれ方のインパクトは想像を超えていた。元々煩悩の多い男だが、これは新たな趣味に目覚めそうである

 

隼人「もっ、もう一回言ってくれんか!?」

 

花丸「あっ、はい。お兄ちゃん?」

 

隼人「Oh~、ハラショー……!!」ジーン

 

花丸「は、隼人さん……?」

 

隼人「すまんすまん。ありがとうな♪ 俺もかわいい妹ができて嬉しいわ」

 

ポンポン

 

花丸「……ずら♪」

 

 妹の頭を撫でる兄。嬉しそうに撫でられる妹。些か奇妙なやりとりだが、楽しそうだから良しとしよう

 

 しばらくして図書室であることを思い出し、お互い我に返る。幸い、誰にも見られていないようだ

 

隼人「今度の月曜、楽しみにしてるな!」

 

花丸「はい!マルもです♪」

 

 

 

つづく

━━━━

 

 

隼人「花丸ちゃんかわいすぎだろ……」

 

花丸「お兄ちゃんの手、おっきかったな~♪」

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。