丸恋日和   作:Shige_puni

5 / 10
花丸ちゃん誕生日おめでとう!!
久々の更新になりました……
前作同様、オープンキャンパスのお話です。だいぶさっくりですが……

どうぞ!


5話 オープンキャンパス

~夏休み~

 

 オープンキャンパス当日・グラウンド

 

 浦の星のアメフト部と、相手校の選手が横に並び、グラウンドを挟んで向かい合う

 主将・副主将と主審がグラウンド中央でコイントス

 そして……

 

「行くぞお前らあぁぁぁぁ!!!!」

 

「「「ファイ、オー、ファイ、オー、ファイ、オーーーーッ!、トゥーーッッ!!」」」

 

 

    試 合 開 始(k i c k  o f f) !!

 

 

 

 浦の星のキックから始まる。実質後攻だ

 キッカーを中心にして幅広く横並びになる。対して相手は、前衛・後衛が分かれて並ぶ

 キッカーが両端の選手に合図を出し、隼人の掛け声で全員が走り出す

 

隼人「ハードタックル、レディーッゴー!!」

 

 勢いよくボールが蹴り出され、浦の星グラウンド上を舞い上がる

 

 

 

━━━━

 

 

 

ダイヤ「始まりましたわね!」

 

曜「う~ん、相変わらず良い声だよね~」

 

花丸「果南ちゃん、隼人さんはどの人?」

 

善子「我が魔眼を以ってしても、あの鎧の奥は見えないわね……」

 

果南「アハハ、赤いユニフォームで69番の人が隼人君だよ」

 

花丸「わかった!けど、見えづらいずら……」

 

果南「今度出番の時に、前衛の真ん中にいるハズだよ」

 

花丸「そうか!センターて言ってたずら!」

 

果南「……うん♪」

 

 

……

 

 

 その後、順調に試合が進んでいく

 

 隼人が務めるオフェンスラインは、後衛が走る道をこじ開けたり、パスを投げるための壁になったりするポジションだ。因みに江井が務めるディフェンスラインはその逆で、走路を潰し、壁を壊すのが主な役割だ

 彼が"まずはボールの位置を追ってみて。無理ならその場の雰囲気を味わって欲しい"と言っていたのを思い出す

 

花丸「凄い迫力ずら……!」

 

 初めて見たフットボーラーとしての隼人。普段優しい隼人(お兄ちゃん)が、味方の盾や壁になるために自分より大きい相手に向かっていく

 アメフトの試合は想像より遥かに激しく、最初は圧倒され少し動揺してしまったが、目が慣れてくると彼の姿はとても勇ましい

 

花丸(お兄ちゃん……!)

 

果南(隼人君……)

 

曜(……)

 

 

 

 

━━━━

 

 

 

 

 一進一退の攻防を繰り返し、第1クォーター中盤。浦の星はゴール前残り5ヤードまで来ていた

 

QB「両タイトからDiveフェイクパス。コール1、レディ」

 

「「GO!」」

 

 攻撃の司令塔であるQB《クォーターバック》から作戦が伝えられ、選手たちが各々の位置に着いて構える

 

QB「行きますDown。Set、Hut!」

 

 Diveは中央のランプレー。QBからRB《ランニングバック》へハンドオフ……フェイクしてQBがWRへパス!

 そして……

 

ピピーッ!!

 

 審判が笛を吹き両手を上げる。タッチダウン!

 

「ナイスキャッチ!」

「ナイスパス!」

 

 

 

 

━━━━

 

 

 

 

果南「やったよ!タッチダウンだ!」

 

花丸「これでやっと点が入ったの?大変な競技ずらね……これで何点入るの?」

 

果南「今のタッチダウンで6点。この後にボーナスポイントのチャンスがあるハズだよ」

 

 果南の言う通り、タッチダウンの後にはトライフォーポイントというプレーがある。ゴール前3ヤード地点から、1点狙いのキック、または2点狙いのタッチダウンから選択する。通常、より確実なキックが選ばれることが多い。そのため、便宜上TDは実質7点で考慮されることもある

 浦の星も難なくキックを決め、現在 7-0

 

 そして浦の星のキックオフで試合再開

 

 

 

 

━━━━

 

 

 

 

 やがて前半が終了し、28-7で浦の星がリードしている。とは言えタッチダウン2本差なので決して気は抜けない。ハーフタイム中の選手たちは真剣な表情で試合を振り返って情報をまとめている

 

QB「隼人、相手DLはどうだ?」

 

隼人「そうだな。DTは重いけど遅いから大丈夫。ただLBのブリッツが……」

 

 

……

 

 

果南「花丸ちゃん、真剣な顔の隼人君もカッコ良いよね♪」

 

花丸「ちょ、ちょっと果南ちゃん!///」

 

果南「アハハ!ゴメンゴメン」

 

鞠莉「ふふっ♪ もっと見ていたいけど、そろそろライブの準備をしましょうか」

 

ダイヤ「アメフトのみなさんに負けないように頑張りましょう」

 

「「おー!」」

 

 

 

━━━━

 

 

 

 

 試合終了

 

主審「浦の星35対F高10で試合終了です。ナイスゲーム!」

 

「「ありがとうございましたッ!」」

 

「遠い処ありがとうな」

 

「今度は関東大会で会いましょう!」

 

 爽やかに挨拶を交わした後、応援席へ向かう

 

「気を付け、礼!」

 

「「ありがとうございました!」」

 

 

 

……

 

 

 

 無事に浦の星が勝利。シャワーや着替えをしてから、試合後のミーティング。普段ならそれが終われば帰って寝る!のだが今日は大事な用事がある。急いで支度をしたが、既にライブ開始時刻は過ぎている。試合後にダッシュはキツいが、一刻も早く会場に向かわねばならない

 

江井「ライブ、行くか!」

 

隼人「おう!」

 

 

 

 

 

━━━━

 

 

 

 

 

 ~体育館~

 

 間もなくライブが開始となる。舞台裏で気合いを入れるAqoursメンバー

 

ルビィ「花丸ちゃん、緊張してない?」

 

花丸「もう大丈夫ずら! 初めてのセンター、気合い入れて行くずら!」

 

果南「お、頼もしいねぇ! まぁ私も、アメフト部の試合を見てテンション上がってるけどね♪」

 

曜「隼人先輩たちに負けないようなライブにしようね!」

 

千歌「うん! Aqours!」

 

 

「「「サ~ンシャイ~ン!」」」

 

 

 

 

……

 

 

 

 幕が開ける。オープンキャンパスであるため、学校内外から大勢の観客が詰め寄っている。千歌のクラスメイトが宣伝してくれたおかげだろう。その中に隼人の姿を探そうとするが、その時間はない

 

千歌「初めまして!私たち、浦の星学院高校スクールアイドル」

 

「「「Aqoursです!」」」

 

千歌「早速、最初の曲を聞いてください!」

 

 

花丸(まずは集中ずら……!)

 

 

……

 

 

 1曲目が終わり、拍手と歓声が湧きおこる。観客の反応からするとなかなかの滑り出しだ、と感じていると体育館の入り口が控えめに開いた。男子2人組が駆け込んで来たようだ。かなり急いで来たのだろう、肩で呼吸をしているが、ステージを見るなり大きく手を振ってくる

 

花丸(……!!)

 

果南(隼人君、来てくれたね♪)

 

花丸(お兄ちゃん、マルの歌とダンス、見ててね!)

 

 次は花丸がセンターの曲だ。俄然気合いが入る!

 

 

 

……

 

 

 

「新しくなれ~、動き出した未来~♪」

 

 

 

「こ~れから、もっともっと、夢の形変~わるんだ♪」

 

 

 

隼人「……!」

 

 

 

 

「元気な」

 

「元気な~」

 

「声で」

 

「「呼んでみよう!!」」

 

「きっと大きな、夢に会えるはずさ~!」

 

 

 普段は大人しい印象の彼女だが、ステージ上では堂々とパフォーマンスしている。小柄な身体をいっぱいに動かし、笑顔で歌い踊る

 初めて見たAqoursとしての花丸は、いつものかわいい雰囲気がありながらも別人のようでもある。隼人がすっかり目を奪われてしまったのは言うまでもない

 

 

隼人(花丸ちゃん……)

 

花丸(~♪)

 

 

 

 

━━━━

 

 

 

 

 

 ~帰り道~

 

隼人「いや~お疲れさん!」

 

江井「おうよ!試合にライブに、充実しまくった日だったな!」

 

隼人「全くだぜ!」

 

江井「……花丸ちゃん、頑張ってたな」

 

隼人「あぁ……」

 

江井「……ますます好きになった?」

 

隼人「ちょっ!?……まぁ、否定はしねぇ」

 

江井「ハハッ、青春だな!」

 

隼人「うるせぇ!」ハハッ

 

江井「あ~でも、一年の時に、何か言ってなかったっけ?」

 

隼人「あぁ。ハーフタイムショーな」

 

江井「そうそれ!なんか今日のライブ見たら何つーか……憧れるな」

 

隼人「だろ?」

 

江井「おう。ん?でも良く考えたらさ、ハーフタイム中じゃあんま見られなくね?」

 

隼人「それなんだよなぁ~。でもまぁやっぱ……ロマンだろ」

 

江井「ロマンだな」

 

隼人「おうよ!」

 

江井「うっし、じゃあまた明後日の練習でな!」

 

隼人「おう!」

 

 

 

 

━━━━

 

 

 

 

 ~一方その頃のAqours~

 

 とある喫茶店で打ち上げ中

 

「「「かんぱ~い!!」」」

 

千歌「いや~やっぱりライブ後のみかんジュースは格別だね~♪」

 

曜「千歌ちゃんといえばみかんだもんね!梨子ちゃんは何飲んでるの?」

 

梨子「私はアイスコーヒー。果南ちゃんに勧められてからハマっちゃった♪」

 

果南「それは良かった♪」

 

ルビィ「花丸ちゃん、センターカッコ良かったよ!」

 

花丸「ありがとずら~♪」

 

ダイヤ「ふふっ、頑張って練習した甲斐がありましたわね♪」

 

 各々ライブを振り返ったり、次のライブに向けてのアイデアを出し合ったりしている

 そうしているうちに、話題は変わっていった

 

鞠莉「私は久しぶりにフットボールの試合が見られて楽しかったわ。ね?果南♪」

 

果南「うん!みんなはどうだった?」

 

善子「鎧を纏った戦士たちが駆け巡る戦場。堕天使が舞い降りるに相応しいわ……」

 

花丸「最初は迫力に圧倒されそうだったけど、楽しかったずら。ね?ルビィちゃん♪」

 

ルビィ「皆さんカッコ良かったね!でも、痛くないのかな……?」

 

曜「試合や練習中はアドレナリンが出てるから、多少のことは痛くないって先輩言ってたよ」

 

梨子「あれで痛くないの!? なんか、人体って不思議ね……」

 

ダイヤ「えぇ……。ですが、やはり日頃から余程鍛えていらっしゃるのだと思いますわ」

 

果南「そうだね♪ あ!今度一緒にトレーニングするのはどうかな?」

 

「「「えっ……」」」

 

果南「きっと強靭な肉体を手に入れられると思うんだ♪」

 

「「「あわわわ……!」」」

 

ダイヤ「良い案かも知れませんが、皆さんのご迷惑になるのでは?」

 

梨子「それに、アイドルとアメフトじゃ鍛える方向性が違うんじゃないかな?」

 

千歌「そうだよそうだよ!今回はやめとこう果南ちゃん!!」

 

果南「う~ん、そっかぁ。名案だと思ったんだけどなぁ」

 

「「「ほっ……」」」

 

花丸(でも、お兄ちゃんに練習を見てもらうのは、悪くないかも……)

 

曜(アメフト流の筋トレも見てみたいなぁ)

 

 

 

 

━━━━

 

 

 

 

 ~花丸自室~

 

 打ち上げが終わって帰宅した花丸。さっきまでの賑やかさが嘘のような静けさだ

 

「ふぅ~。今日は、とても充実した一日だったずら♪」

 

 初めてアメフトなるものを見物し、初めてセンターで歌い、それを隼人が見てくれた。まだその興奮が胸の中で燻ぶっている

 隼人にカッコ良かったと伝えたい。ライブの感想を聞いてみたい。そんな気持ちになる

 

「電話してみようかな?でも……うぅ……。ずらっ!?」

 

 急に携帯電話が震え出し、飛び上がる程驚いてしまった。なんと隼人からの着信だ。一旦呼吸を整えてから通話を始める

 

「はい、花丸です!」

 

『花丸ちゃんこんばんは~!今大丈夫かな?』

 

「はい! 実は、今マルも電話しようと思ってた処なんです♪」

 

『Oh!それは良いタイミングだったな。ライブお疲れ様!出遅れてすまんな』

 

「いえいえ! お兄ちゃんが来て、手を振ってくれたのが見えて……嬉しかったです♡」

 

『それは良かった。しかしまぁ、花丸ちゃんホントかわいくてカッコ良くて……もう立派なスクールアイドルだな!』

 

「いえ!マルなんてまだまだです」

 

『いやいや。少なくとも、俺は感動したぜ! それに、練習頑張ってたって果南たちが言ってたよ』

 

「!! ちょっと照れるけど……嬉しいです……♪」

 

『うむ! あ~っと、俺らの試合はどうだったかな?』

 

「ルールとかはあんまり分からなかったんですけど、お兄ちゃんが熱くてカッコ良いのは分かりました♪」

 

『Oh!それは嬉しいやら恥ずかしいやら……///』

 

「えへへ~♪」

 

『まぁなんだ、楽しんでもらえたなら何よりだ!』

 

「はい♪」

 

『ふふっ。さて、お互い疲れてるだろうしこれくらいにしとこうか』

 

「はい。お疲れ様ずら♪」

 

『あぁ、ありがとう。声が聞けて良かった。じゃあ、おやすみ』

 

「ッ!/// お、おやすみなさん!」

 

 通話が終わり、再び静寂が訪れる

 会話の内容は大したことないかも知れない。しかし、センターでのライブ(練習の成果)を褒められ、自分は隼人がカッコ良かったと伝えられた。その上、同時に電話をかけようとしていたことが、お互いの気持ちが通じ合っていたように感じられた。嬉しさで胸が温かい。更に最後、"声が聞けて良かった"と言われてドキッとしてしまった

 

 

 

「ふふっ♪ もう、ドキドキして眠れないずら……///」

 

 

 

 そっと瞳を閉じ、独りつぶやいた

 

 

つづく

━━━━

 

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