前作を読み返しながら書いたのですが、めっちゃ書き直したい……(笑)
無論今もこんななので未熟ですが
今回もまったりどうぞ!
~夏休み・その2~
部活の練習がないある日、隼人は図書室に来ていた。夏休みも受付の当番はあるが、一学期が終わると3年生は免除される。そんな彼が何故ここにいるかというと、受験勉強のためだ。当然勉強は自宅でもできるのだが、ゲームなどの煩悩があるのでより集中できる環境に来たという訳だ。適当な席に座り、早速問題集を開く
隼人(耐熱性DNAポリメラーゼ。リーディング鎖、ラギング鎖……)
分子生物学の基本問題を解いていると、控えめな声で話しかけられた
花丸「隼人さん、こんにちは!」
隼人「おぉ花丸ちゃん!」
彼女も当番ではないのだが、本が好きな花丸が図書室に来るのは特に不思議ではない
花丸「隣、良いですか?」
隼人「もちろん!」
棚から取ってきたであろう本を机に置き、彼の隣に腰掛けた
花丸「お勉強ですか?」
隼人「うん。これでも受験生だからな」
花丸「大変ですね……」
隼人「ん~まぁ教科によるけど、なんだかんだ楽しんでるよ」
花丸「そうなんですか?」
隼人「おう。新しい知識を得る喜び、みたいな?」
花丸「そう言われると、わかる気がします♪」
隼人「うむ! ところで花丸ちゃんは何の本を?」
花丸「これです!」
隼人「"鼠小僧"に"雲霧仁左衛門"か。なかなか渋いチョイスだな」
花丸「えへへ~♪ お兄ちゃんは時代小説は読みますか?」
隼人「ん~まぁちょいちょいかな。この前読んだ"お市の方"の本は面白かったよ」
花丸「じゃあマルも今度読んでみます!……あっ!ごめんなさいお勉強中に……」
隼人「いやいや、これくらい大丈夫」
とは言え、場所が場所でもあるのでいつまでも話している訳にはいかない。隼人は勉強を再開し、花丸は読書を始めた
花丸「……」ペラッ
隼人「……」カリカリ
花丸「……」チラッ
隼人「……」ウーム
しばらく読み進め、小説の場面が切り替わる。小休止しようとして、無意識に隼人の方を見た。勉強に集中する彼の真剣な横顔に、少しドキッとしてしまう
その上、先日のオープンキャンパスで「真剣な顔の隼人君もカッコ良いよね♪」と果南に言われたのを思い出し、少しばかり心臓の鼓動が早くなる
花丸(……///)
隼人「ふぅ~……。ん、どした?」
花丸「ち、近いずら!///」
隼人「あぁすまん///」
花丸「あっいえ、大丈夫です……///」
実際はそんなに近くもなかったが、急に目が合ってしまったためビックリしてしまった
……
勉強がひと段落した頃、今度は彼が花丸をチラッと見たのだが……
隼人(あらら)
花丸「すぅ……すぅ……」
隼人(ふふっ、かわいい寝顔だな……♪)
普段から日中は練習に励み、夜は読書をしているのだろう。少し疲れが溜まっているのか、すやすやと穏やかな寝息を立てて無防備な姿をさらしている
隼人(それだけ安心してくれてるってことでもある……かな?)
しかし、そこそこ冷房が効いているので風邪を引いてしまうかも知れない。念のため自分用に持ってきた薄手の上着をそっと掛ける
ほっぺたを優しくつんつんしたのは内緒だ
隼人(さて、勉強の続きといきますかね!)
……
その後は勉強が捗り、予定していた分は終了した
隼人(ふぅ~。お疲れさん、ってね)
花丸「うぅん……」
隼人「あ、おはよう」
花丸「ん……?せっかくお兄ちゃんと一緒だったのに寝ちゃってたずら……?」
隼人(かわいい)
花丸にとっては、隣に座っているだけでも特別な時間なのかもしれない
花丸「あれ?この上着、お兄ちゃんの……?」
隼人「うむ。念のためな」
花丸「えへへ♪ ありがとうございます……♡」
隼人「おう……!」
隼人(かわいい///)
……
帰り道
花丸「今度、海の家イベントをAqoursがお手伝いするんですけど、良かったらどうですか?」
隼人「マジか!部活終わったら行くわ!」
花丸「はい、是非!ライブもあるので楽しみにしててください♪」
隼人「おぉ!それは楽しみ!」
花丸「えへへ。頑張ります♪」
花丸(練習、頑張るずら!)
━━━━
~後日~
今日は海の家イベントが開催され、Aqoursがメインで参加する
千歌「準備万端!お客さん、いっぱい来てくれるかなぁ?」
梨子「ふふっ、頑張ろうね、千歌ちゃん♪」
そこへ男子2人組がやってきた
「「いらっしゃいませ~!」」
隼人「おっ、ここで間違いないな」
江井「お邪魔しま~す」
花丸(あっ♪)
花丸「来てくれたんですね。いらっしゃいませ♪」
隼人「おう、もちろん!今日は午前中筋トレで、あとは自主練にしてきた」
江井「職権をフル活用だな」
隼人「それよりも……」
江井「うむ……」
水着である
水着である!
いずれ劣らぬ美少女が9人、水着である。もはや絶景という他ない。年頃の男子には刺激が強すぎる
隼人・江井((すばら……!!))
千歌「まぁまぁ、立ち話も何ですしこちらにどうぞ!」
隼人・江井「おっ、おう!」
脳が煩悩に支配される前の絶妙なタイミングで案内され、正直助かったと思う男子2人であった
……
江井「まぁ気を取り直して、メニューあるかな?」
曜「こちらであります!」
江井「ありがとう。どれどれ……」
・スペシャルヨキソバ
・堕天使カレー
・黒ごま団子
・焼きトウモロコシ
・冷やしおでん
・ゴージャス焼き
・シャイ煮
・かき氷(ふわふわいちご・抹茶あずきミルク・みかん)
隼人「これってみんなが考えたメニューなんだよね?」
ダイヤ「ええ、そうですわ」
鞠莉「どれもおススメよ♪」
隼人「ふむ。とりあえず一通り頼むか」
江井「そうだな。腹減ったし」
梨子「そ、そんなに食べるんですか?」
隼人「男子高校生の胃袋はinfinityだからな!」
量もそうだが一部怪しいメニューがある。突っ込むどころか躊躇いもなく注文した、infinity胃袋の持ち主
江井「流石にデザート系は1つを2人で分けたいんだけど良いかな?」
千歌「大丈夫です!」
……
「「ごちそうさまでした!」」
花丸「お粗末様でした。どうでした?」
隼人「いや~どれも美味かった~!お世辞じゃなくマジで」
江井「ホント、みんな良い嫁さんになるぜ!」
千歌「嫁さんは照れるけど、喜んでもらえて良かったです!」
梨子「ありがとうございます♪」
果南「それは良かった♪ でも隼人君、江井君」
隼人・江井「?」
果南「視線には気付いてるからね」
隼人・江井「ごめんなさい」
椅子に座っている男子2人の目線の高さは、立っているAqoursの胸元辺りになる。目の前に
隼人(しかし花丸ちゃんが1年生にしてあの破壊力……恐ろしいぜ……!)
などと考えていると
「「はぁ……」」
隼人「!」
花丸「なんか邪なものを感じたずら……」
ダイヤ「全く、殿方というのは……」
果南「まぁ見るなとは言わないけど、もうちょっと気を付けて欲しいな」
隼人「重ねてごめんなさい」
━━━━
隼人「みんなこの後はライブだよね。何か手伝うことある?」
ダイヤ「いえ、もう大丈夫ですわ。昨日アメフト部の皆さんに手伝って頂きましたから」
鞠莉「まさかあんなに来てくれるなんてね。まさに百人力デース!」
ダイヤ「しかしご迷惑ではなかったのですか?アメフトの練習もあったでしょうに」
隼人「とんでもない!むしろみんな喜んでたし」
曜「そうなんですか?」
隼人「あぁ。先日のオープンキャンパス以降、ウチの部のAqours熱が凄くてな」
江井「Aqoursの手伝いって、むしろ士気を上げるにも丁度良かったんだよね」アハハ
暑い中、練習もマンネリ化しがちなこの時期、どうしても心身が疲れ気味になる。そこに憧れのAqoursと一緒にイベント準備となれば当然テンションは上がる
純粋にAqoursの力になりたい者、少しでもお近づきになりたい者。理由は様々だろうが、アメフト部有志が集まった。ついでに筋トレにもなり、Aqoursとしては強力な助っ人が来た。win-winの関係である
因みに彩色や風船などは、所謂神モブのみんながやってくれた
ルビィ「ルビィ、重たい物を運ぼうとしてて困ってたら、クラスの男の子が助けてくれたんだ!」
ダイヤ「ふふっ、良かったですわね、ルビィ」
ルビィ「うん!話したことなくて、最初はちょっとビックリしちゃったんだけど、優しい子だったから安心したんだ」
隼人「そいつぁ、良かった」フフッ
梨子「私たちだけじゃ運べないものもありましたし、ホントに助かりました!」
善子「まぁ、このヨハネの魔力を以てすれば造作もないのだけれど」クックック
花丸「善子ちゃんもいっぱい手伝ってもらってたずらね♪」
善子「うっさい!あれはリトルデーモン達に指令を出してたの!」
千歌「各地で大活躍だったみたいだね。こんな身近に私たちのファンがいて、イベントを手伝ってくれるのってホント嬉しいね!」
隼人「まぁなんだ、この筋肉が役に立てたなら何よりだ」
江井「だな」
照れ隠しだろうか、上腕筋を見せつけるようなポーズを取る
曜「おぉ~!流石先輩たち!」
果南「アハハ、相変わらずの良い腕だね!」
隼人「おうよ!フロントダブルバイセップス!!ってな」ハハッ
ダイヤ「全くもう……」フフッ
鞠莉「あらあら♪」
花丸(マル、あの腕に……///)
ルビィ「花丸ちゃん、どうしたの?」
花丸「えっ? な、何でもないずら!///」
本屋の帰りに抱き止められたことを思い出し、頬が熱くなる
江井「んじゃまぁライブまでちょいと泳ぐか」
隼人「そうすっか。じゃあみんなまた後で!頑張ってな!」
花丸「あっはい!また後で!」
千歌「よ~し、じゃあみんな頑張って行こ~!」
「「お~!!」」
━━━━
<終わらない夏への扉を
<Ah 情熱で灼かれたい
<地元愛!地元愛!
<こんなに楽しい夏が、ずっと続いてくって信じてたよ
それぞれ2人または3人に分かれ、夏をイメージした4曲が披露された。早めに席を確保して最前列でライブを見た隼人たち。アメフト部の他のメンバーもちらほら見えた。皆、彼女らのパフォーマンスのトリコとなったことだろう
特に隼人は、夏を満喫するような曲を披露する想い人の眩しい笑顔に釘付けだった。しかし、夏の哀愁漂う曲をパフォーマンスした元想い人の表情もまた、脳裏に焼き付いた
ピュアな少年の心中は複雑である
隼人(花丸ちゃん、果南……)
江井「どうした隼人?。ライブの片付け、手伝おうぜ」
隼人「おう。行くか」
江井(……わかりやすいな、我が相棒は)フフッ
隼人(とりあえず今は……あまり考え過ぎないようにしよう、うん。くれぐれも、粗相のないようにってね)
……
一方、こちらの2人は
花丸(えへへ、お兄ちゃんが凄く楽しそうにしてたのが見えたずら♪)
果南(目が合った時の、隼人君の表情……)
悩める夏の高校生たちであった
つづく
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