このSSもいよいよ終盤です。長かった……
どうぞ!
秋が深まり紅葉が美しくなってきた頃、隼人は花丸宅に呼ばれていた。因みにアメフトの方は関東大会で早々に敗れてしまったため、その試合を以って部活は引退した。幸か不幸か、その分勉強に充てられる時間が増えたこともあり、一日くらい家デートをする程度はさほど問題ない
「こんにちは~」
「あ、いらっしゃい♪」
「お邪魔します~!」
「どうぞ♪」
手洗い・うがいをしてから縁側に腰掛ける。少々寒いが、手土産のこれがあれば問題ない
「よっしゃ、これ食べよう!」
「それは……!」
「おう!紅天使の焼き芋だ!」
「うわぁ、美味しそうずら……♪」
紅天使。さつまいもの品種"紅はるか"を熟成させてからじっくりと焼いたブランド焼き芋だ。しっとりとした舌触り、羊羹のような濃厚な甘味、皮から溢れる蜜は黒糖を思わせる。さらに、冷やしても美味しいというすごい焼き芋なのである
「ふわぁ!美味しくて、しあわせ……♡」
「う~ん、すばら……!」
2人して紅天使に射ち堕とされた
(しかしやっぱり、花丸ちゃんはかわいいなぁ……///)
幸せそうに焼き芋を頬張る花丸。そのかわいさたるや、天使と言って差し支えあるまい
「「ごちそうさまでした!」」
「美味しかったずら~。ありがとうございます♪」
「いえいえ。俺も食べたかったし、かわいい花丸ちゃんが見られたし……///」
「えっ?///」
「あっ!?口に出てた!?」
「恥ずかしいずら……///」
「でもやっぱり、その……幸せそうに食べる花丸ちゃんを見てると、こっちも幸せになるんだよな……なんて///」
「うぅ……///」
(もう、ドキドキが止まらないよ……///)
照れ隠しに立ち上がって背伸びをする隼人。彼の頬は、ほのかに赤くなっている気がする。そんな彼を見て、彼女は微笑む
あぁ、やっぱり私は、隼人さんが好き……うん。今なら言える
花丸も立ち上がり、隼人を見上げる。そして、すぅっと息を吸い込み……
「あの……大事な話があるんですけど、聞いて、くれますか?」
「ん? おう」
しかし気持ちを固めたつもりでも、いざ言うとなると躊躇ってしまう
改めて深呼吸し……
「花丸ちゃん?」
「その、マルは……隼人さんが好き、です……♡」
「!!」
「カッコ良くて優しくて……そんな隼人さんのことが、好きです!」
ついに言ってしまった。燃えるように顔が熱い。心臓の鼓動が激しく、彼に聞こえるのではないかと思うほどだ。胸の前で手を組み、恥ずかしさで顔を俯かせながらも、上目遣いで懸命に想いを伝えた
「花丸ちゃん……」
「うぅ……その……」
「ありがとう」
「!!」
真っすぐに自分の想いを伝えてくれた花丸。その気持ちに、隼人も答えなければならない
「俺も、花丸ちゃんが好きだ!」
「ずらっ!?」
「かわいくて頑張り屋な、花丸ちゃんのことが好きだ!!」
「えっ?あの、その……」
「ハハッ。まぁなんだ、お互いビックリしたな」
「はい! でも、嬉しいです……♡」
「うむ!……なぁ、ハグ……しよう!」
「……はい!」
吸い寄せられるようにギュッと抱き合う。体格差があるので、花丸が隼人の腕の中にピッタリと収まっている
「隼人さんの腕の中、あったかいずら……♡」
「うん……♪」
お互いの鼓動が感じられるようだ。愛おしさが込み上げ、半ば無意識に彼女の頭を撫でる
「えへへ♪ お兄ちゃんに撫でられるの、好き……♡」
「俺も、撫でるの好きだよ……♪」
「……♪」
「……♡」
……
どれくらいそうしていただろうか。どちらからともなく抱擁を解く。目と目が合い、照れくさそうに微笑む
「ふふっ///」
「ハハッ///」
……
それから2人は花丸の部屋に移動した。当初は一緒にまったり読書でもするつもりだったのだが、内容がまるで頭に入らない。でも、寄り添って座っているだけで幸せだ
花丸が繋いでいる手をギュッと握ると、彼の大きな手が優しく握り返してくれる
「「///」」
嬉しさのあまり顔がほころぶ。それと同時に、腕に抱き着いてみる
「えい☆」
「Oh!///」
「ねぇお兄ちゃん、ひとつお願い良い?」
「おう、どうした?」
「頭、撫でて欲しいずら……///」
「お安い御用だ!」
「えへへ……♡」
「じゃあ今度はさ、座ったまま後ろからハグしたいんだけど良い?」
「うん……♪」
隼人が花丸後ろに回り、優しく抱きしめて頬を寄せる
「あっ……///」
対して花丸は、照れながらも両手を隼人の手に重ねる
「えへへ♪」
「ふふっ……♪ 花丸ちゃんって、ハグするとちょうど収まって何と言うか……すげぇかわいい///」
「お兄ちゃんの腕の中、力強いのに優しくて暖かいから、好き……♡」
「……♪」
「……♡」
そっと、ぎゅっと、寄り添っていた2人の間に、優しい時間がゆっくりと流れていた……
……
「その、今日は来てくれてありがとうございます♪」
「あ、あぁこちらこそありがとう」
「……」
「……」
「ハハッ、なんか……言葉が出ねぇな」
「はい、そうですね……///」
「でもまぁなんだ……改めて、これからもよろしくな!」
「はいっ!」
つづく
━━━━
「果南ちゃん、その……」
「上手く……いったの?」
「うん……」
「ふふっ、おめでとう!」
「あ、ありがとう……!」
ギュッ
「あ……」
「私の分まで、幸せになってね……!」
「うん……うん……!!」