丸恋日和   作:Shige_puni

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千歌誕イェイ~
このSSもいよいよ終盤です。長かった……

どうぞ!


8話 繋がる想い

 秋が深まり紅葉が美しくなってきた頃、隼人は花丸宅に呼ばれていた。因みにアメフトの方は関東大会で早々に敗れてしまったため、その試合を以って部活は引退した。幸か不幸か、その分勉強に充てられる時間が増えたこともあり、一日くらい家デートをする程度はさほど問題ない

 

「こんにちは~」

 

「あ、いらっしゃい♪」

 

「お邪魔します~!」

 

「どうぞ♪」

 

 手洗い・うがいをしてから縁側に腰掛ける。少々寒いが、手土産のこれがあれば問題ない

 

「よっしゃ、これ食べよう!」

 

「それは……!」

 

「おう!紅天使の焼き芋だ!」

 

「うわぁ、美味しそうずら……♪」

 

 紅天使。さつまいもの品種"紅はるか"を熟成させてからじっくりと焼いたブランド焼き芋だ。しっとりとした舌触り、羊羹のような濃厚な甘味、皮から溢れる蜜は黒糖を思わせる。さらに、冷やしても美味しいというすごい焼き芋なのである

 

「ふわぁ!美味しくて、しあわせ……♡」

 

「う~ん、すばら……!」

 

 2人して紅天使に射ち堕とされた

 

(しかしやっぱり、花丸ちゃんはかわいいなぁ……///)

 

 幸せそうに焼き芋を頬張る花丸。そのかわいさたるや、天使と言って差し支えあるまい

 

「「ごちそうさまでした!」」

 

「美味しかったずら~。ありがとうございます♪」

 

「いえいえ。俺も食べたかったし、かわいい花丸ちゃんが見られたし……///」

 

「えっ?///」

 

「あっ!?口に出てた!?」

 

「恥ずかしいずら……///」

 

「でもやっぱり、その……幸せそうに食べる花丸ちゃんを見てると、こっちも幸せになるんだよな……なんて///」

 

「うぅ……///」

 

(もう、ドキドキが止まらないよ……///)

 

 照れ隠しに立ち上がって背伸びをする隼人。彼の頬は、ほのかに赤くなっている気がする。そんな彼を見て、彼女は微笑む

 

 

 あぁ、やっぱり私は、隼人さんが好き……うん。今なら言える

 

 

 花丸も立ち上がり、隼人を見上げる。そして、すぅっと息を吸い込み……

 

「あの……大事な話があるんですけど、聞いて、くれますか?」

 

「ん? おう」

 

 しかし気持ちを固めたつもりでも、いざ言うとなると躊躇ってしまう

 改めて深呼吸し……

 

「花丸ちゃん?」

 

 

「その、マルは……隼人さんが好き、です……♡」

 

 

「!!」

 

 

「カッコ良くて優しくて……そんな隼人さんのことが、好きです!」

 

 

 ついに言ってしまった。燃えるように顔が熱い。心臓の鼓動が激しく、彼に聞こえるのではないかと思うほどだ。胸の前で手を組み、恥ずかしさで顔を俯かせながらも、上目遣いで懸命に想いを伝えた

 

「花丸ちゃん……」

 

「うぅ……その……」

 

「ありがとう」

 

「!!」

 

 真っすぐに自分の想いを伝えてくれた花丸。その気持ちに、隼人も答えなければならない

 

 

「俺も、花丸ちゃんが好きだ!」

 

 

「ずらっ!?」

 

 

「かわいくて頑張り屋な、花丸ちゃんのことが好きだ!!」

 

 

「えっ?あの、その……」

 

「ハハッ。まぁなんだ、お互いビックリしたな」

 

「はい! でも、嬉しいです……♡」

 

「うむ!……なぁ、ハグ……しよう!」

 

「……はい!」

 

 吸い寄せられるようにギュッと抱き合う。体格差があるので、花丸が隼人の腕の中にピッタリと収まっている

 

「隼人さんの腕の中、あったかいずら……♡」

 

「うん……♪」

 

 お互いの鼓動が感じられるようだ。愛おしさが込み上げ、半ば無意識に彼女の頭を撫でる

 

「えへへ♪ お兄ちゃんに撫でられるの、好き……♡」

 

「俺も、撫でるの好きだよ……♪」

 

 

「……♪」

「……♡」

 

 

 

……

 

 

 

 どれくらいそうしていただろうか。どちらからともなく抱擁を解く。目と目が合い、照れくさそうに微笑む

 

「ふふっ///」

「ハハッ///」

 

 

 

……

 

 

 

 それから2人は花丸の部屋に移動した。当初は一緒にまったり読書でもするつもりだったのだが、内容がまるで頭に入らない。でも、寄り添って座っているだけで幸せだ

 

 花丸が繋いでいる手をギュッと握ると、彼の大きな手が優しく握り返してくれる

 

「「///」」

 

 嬉しさのあまり顔がほころぶ。それと同時に、腕に抱き着いてみる

 

「えい☆」

 

「Oh!///」

 

「ねぇお兄ちゃん、ひとつお願い良い?」

 

「おう、どうした?」

 

「頭、撫でて欲しいずら……///」

 

「お安い御用だ!」

 

「えへへ……♡」

 

「じゃあ今度はさ、座ったまま後ろからハグしたいんだけど良い?」

 

「うん……♪」

 

 隼人が花丸後ろに回り、優しく抱きしめて頬を寄せる

 

「あっ……///」

 

 対して花丸は、照れながらも両手を隼人の手に重ねる

 

「えへへ♪」

 

「ふふっ……♪ 花丸ちゃんって、ハグするとちょうど収まって何と言うか……すげぇかわいい///」

 

「お兄ちゃんの腕の中、力強いのに優しくて暖かいから、好き……♡」

 

「……♪」

「……♡」

 

 そっと、ぎゅっと、寄り添っていた2人の間に、優しい時間がゆっくりと流れていた……

 

 

 

……

 

 

 

 

「その、今日は来てくれてありがとうございます♪」

 

「あ、あぁこちらこそありがとう」

 

「……」

「……」

 

「ハハッ、なんか……言葉が出ねぇな」

 

「はい、そうですね……///」

 

「でもまぁなんだ……改めて、これからもよろしくな!」

 

「はいっ!」

 

 

 

 

つづく

━━━━

 

 

 

「果南ちゃん、その……」

 

「上手く……いったの?」

 

「うん……」

 

「ふふっ、おめでとう!」

 

「あ、ありがとう……!」

 

ギュッ

 

「あ……」

 

「私の分まで、幸せになってね……!」

 

「うん……うん……!!」

 

 

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