幻想の退魔録〜幻想郷の世界へと誘われて 外伝〜   作: 白黒魂粉

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久しぶりの投稿。

暫くはこっちあげるかも


6話

………ここは…?

 

辺りを見渡す。そこは何もない空白の【白の】空間。

 

しかし、その空白はだんだんと薄れていき、自身がどこにいるかが分かってきた。

 

「ここは……。」

 

そこは幻想郷では存在しない、外から、流れてきたものが行き着く場所……そこにあるのは……

 

「封印札……か。」

 

そして、その近くに……

 

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そこで目がさめた。

 

俺は…確か……湖で倒れていたはずなんだが……

 

「私が運んだの。湖の近くで倒れているあなたをね。」

 

近くから八雲紫の声がした。おそらく彼女の隙間で自宅まで飛ばされていたらしい。

 

「なるほどな、それは助かった。あそこには悪戯好きな妖精が多くいる。」

 

……しかし、どうして八雲紫は俺がやられていたのをこれほど早くに察知したのか…

 

そう考え、1つの結論に至った。

 

「おまえ……俺のことを監視していたな?」

 

「あら?どうして?」

 

「理由として的確なのは……さっき俺と対峙した妖怪のことを探っていた…位のことだろどうせ。」

 

すると八雲は少し笑って、

 

「まぁ、当たりと言えば当たり。彼の目的地と正体は既に分かっているけど……何より彼の居場所が掴めない。」

 

「なるほど……それで?やつの目的ってなんなんだよ。」

 

「それはーーー」

 

そこまで言って、八雲は自身の隙間に入り込んだ。

 

「あ!……おい…」

 

すると、家の扉が開いた。

 

「久國…?帰ってきてたのか?」

 

どうやら蘭が起きてきたらしく、少し寝ぼけながら、俺の名前を呼んだ。

 

「あぁ、ただいま。帰ってきたよ。」

 

さぁ、中に入ろう。とだけ彼女に伝え、俺たちは家の中に戻る。

 

その時、俺の中でひとつの決心がついた。

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その夜、月が真上に上った頃……俺は蘭と山道を下り、人里の方へと向かっていた。

 

「久國?一体どこへ行くんだ?」

 

「今から……訪ねたい所があってな。」

 

「そうなのか……どこなのか教えてくれてもいいじゃないか。」

 

「サプライズ……ってやつさ。」

 

そうして俺たちは寺子屋の前で止まった。

 

「ここは……寺子屋じゃないか。どうしてここに?」

 

「なに、簡単な話さ…おーい、慧音!」

 

扉を開ける。どうやら鍵は開いていたらしい。

 

そうして中に入り、俺は慧音の所へと向かった。

 

「慧音。邪魔するぜ。」

 

「あぁ、遂に……ということだな。」

 

慧音の部屋に入ると彼女は準備が出来ていたのか、その場に立っていた。

 

「久國、蘭のことは私に任せろ。だが、お前はなんとしても生きて帰るんだ……分かっているな?」

 

「あぁ……とにかく、蘭のことは任せたぞ。」

 

「ま、まってくれよ…私にも分かるように説明してくれよ。」

 

すると蘭がこの状況の説明を求めてきた。

 

そういえば蘭に何も伝えていなかったな…と考えて俺は蘭の方に向き直り、蘭に説明する。

 

「数年前の夜だ。俺が初めて退魔師になった時、ある妖怪と対峙したんだ…そしてその時、そいつはこんなことを言っていた。『おまえの幸福は必ず報復として壊される。』とな。だからその夜のうちに俺は慧音にとあるお願いごとをしたんだ。俺の守りたい人が危険な目に晒されようとする前にその人を保護して欲しいとな。」

 

そして……と一拍開けて、俺は更にこう続ける。

 

「丁度今日、その危ないやつと出会ってしまってな、俺はそいつに斬られた。そしてやつは必ず俺の前に現れる。

だからその時、蘭が近くにいたら、絶対に巻き添えをくらう…だからその前に慧音の所で保護してもらおうってことだ。」

 

そこまで言って、俺は蘭の方を見る。

彼女は驚いたような顔でこちらを凝視していた。

 

「久國が……退魔師…?うそ……だろ?」

 

「事実だ。俺は今までに何人もの妖怪たちをこの手にかけてきた。」

 

蘭は慧音の方へと目線をやる。信じたくないのだろう。しかし、慧音も彼女の目を見ることはせずに俯いた。

 

「そ……そんな…何故…?何故何も言ってくれなかったんだ?……私は……その程度だったということなのか……?」

 

「違う。」

 

泣きながらそう言う彼女の言葉に被せてそう言う。

違うのだ。

そんな理由で彼女を遠ざけたかったのではないんだ。

 

「何がちがうんだ?!現に今!お前は私をお前から遠ざけようとしてるじゃないか!」

 

「当たり前だ。俺とこれ以上一緒にいたら、それこそ何が起こるか分かったものじゃない……。だからこそ今はここにいて欲しいんだ!……おれが…全てを終わらせるその時まで……」

 

「そんな……もし、それでお前が死んだらどうするんだ!久國だって人間なんだ!その退魔師という名前に縛られて、自身の命を投げ売ってまで戦う必要はないんだ!!」

 

「それは違う。」

 

俺は彼女を諭すように言葉を繋ぐ。

 

「俺は……退魔師は…その身朽ちるその時まで人として、妖怪と戦うことが何よりの生きがいなんだ。

だからこそ、俺は…俺を倒したあの妖怪をこの手で倒さなければならない。…蘭、これは俺のわがままだ。

必ずまたお前の前に戻ってくる。だから今は……おれのこの身勝手を許してくれ。」

 

「そんなこと…!…ウッ…」

 

俺は手刀で彼女を気絶させた。

 

「これでいいのか?久國。」

 

慧音がそう尋ねてくる。

 

俺はそれに苦笑しながら

 

「最悪……だが、及第点でもある。……あとは任せたぜ…先生」

 

そして俺は寺子屋を飛び出した。

 

そして懐から隙間の紙を取り出してそれを使用する。

 

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「あら、もう帰ってきたの?」

 

家に着けば、そこには八雲紫が居た。

 

「あぁ、別れは済ませた。あとは……」

 

「あいつを倒すだけ……とでも言いたいのでしょうけど、それは違いますわよ?」

 

「……?どういうことだ」

 

「あの妖怪が立ち去った後、あの湖の底に封印されていた結界が破られたの。」

 

「それはまたどういうことだ?」

 

俺がやられた時に封印も一緒に破られた?

そんな芸当が出来るわけがない…だいたいあんな深い湖、潜るなんてことは不可能だ。

 

「まぁ、さっきあなたに伝え損ねたこととして、あの妖怪の目的について……なのですけど……彼の目的はこの幻想郷の崩壊。」

 

なんだこいつ…と思いながら返事を返す

 

「自分が死んでもいいってのか?あいつも妖怪なら、外の世界では絶対に生きてはいけないだろう。」

 

「そう。でも彼はそんなことも超越させれる能力を持っているの。」

 

「どんな……?」

 

「それは【自身を空白にする程度の能力】。つまるところ彼はここが消えても影響をうけない。」

 

「なっ……」

思わず声が漏れた。八雲紫の能力と瓜二つだ。そんなやつが幻想郷の崩壊を目論む必要がどこに…………

 

「……あっ…」

 

そうか、やつは……元は人間だった……つまり……

 

「何か分かりましたの?」

 

八雲紫が尋ねてきたが、俺はそれに答えることはせず、そのまま武器を取り出す。

 

「俺は行くぞ。八雲紫。決着を付けてくる。」

 

「わかりましたわ……なら…これを付けて行きなさい。」

 

そう言って、俺の右腕に独特な形のした装備が取り付けられた。

 

「これは?」

 

「それは輝石紅魂(レッドソウル)……あなたが本当に力を欲した時、それはあなたの望むものを授けるでしょう。使い方は……全て

あなたの記憶の中に既に存在しているわ……。」

 

「なるほど……わからんが……まぁその時になればわかるだろ!有難く受け取っておく…!」

 

そして俺は家を後にした。行くべき場所は既に決まっていた。

そうして俺は夜の森をただひたすらに駆け抜けるのだった……。

 




読んでいただきありがとうございました!


今はだいたい中盤ら辺のとこです。

次の更新はかなり早くなると思います。

それでは次回も楽しみに


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