もしも、ケモナ―マスクがelonaの世界に転送されたら【完結】   作:沙希斗

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魔石攻略の最後の場所は「古城」になりました。


覇者の魔石×古城

 

 

 

「古城の宝物庫には、数々の財宝とともに《覇者の魔石》が眠っていると伝えられています。ヴェルニースを南に下った閑静な森の中に佇むこの城は、古の王族により建てられました」

 

 ヴェルニースという言葉を聞いて、源蔵はまた故郷を想うかのような感情になった。

 

「しかし王都がパルミアに移り、廃墟となった城は、長らくならず者の拠点として使われるように……」

 

 ならず者なら人間相手になるなぁと、肩を落とす。そんな彼を無視して、エリステアは話を続けた。

 

「一世紀前に《古城の主ワイナン》が占拠してからは、ダルフィの悪漢でさえ近づかない恐ろしい場所として知られるようになりました。危険度はレシマスの17階相当です」

 

 【ダルフィ】というのはまさにならず者しかいないぐらいの、というかならず者のために開かれたと言える程の危険な香りがする街らしい。

 街道から大きく離れた山の中にあり、今まで道から離れた場所にはあまり行かなかった源蔵は行った事が無かった。

 というよりは、「ダルフィ」と言われて地図で確認して初めてこの辺りにあるんだなと知ったぐらいである。

 

「噂では、《ワイナン》がまだ生きて王座に君臨しているとか……。彼は生粋の戦士で、その手に持つ槍斧《ランキス》は相対するものの生命を吸い取ると怖れられています。地獄への耐性か、間合いをとる手段なくして彼と対するのは賢明とはいえませんね」

 

 生命を吸い取るような武器を持っててよく本人が死なないもんだなと突っ込みそうになったが、まぁ耐性でも付いてるんだろと深く考えない事にした。

 

 

 

 【パルミア】から西へ延びる街道を行き、そこから道なりに南へ折れる。

 途中で道から外れて森の中をひたすら南へ南へと下って行く。

 途中で牢獄の建物に行き当たったが、ここかなと入ろうとしたら「犯罪者以外は立ち入り禁止だ」とガードに追い返された。

 ならもっと南なんだろうなと森の中の道無き道を更に南へ下っていると、廃墟のような城が見えて来た。

 

 入ると部屋が一つしかない。

 他は通路が塞がっている。

 ここもそんな感じかと壁を掘っては通路を見付け、進んで行く。

 ようやく階段を見付けて降りてもまた塞がっていて、ここは隠し通路や部屋ばかりで造られているんだなと思った。

それがアジトにするのに都合が良いのか、やはりエリステアが言っていた通りならず者達が大勢たむろしている。

 たまに因縁を付けて来る輩もいたが、無視するかしつこければプロレス技で追い払った。

 

 出て来るモンスターは「轟音ハウンド」や「地獄ハウンド」などのハウンド上位種、様々なモンスターを召喚する「神仰者」と呼ばれている者、「スティールゴーレム」や「ケルベロス」などの腕力が強かったり火炎ブレスがやっかいだったりするような種類。

 取り分け神仰者が召喚して来るモンスターに火属性のものが多く、恐らく「炎の神仰者」なのではないかと思われた。

 彼に召喚されたモンスターのブレスや「赤の洗礼者」などの炎攻撃で周りに落ちているアイテムや武具などを燃やされる。

 火耐性が無いと当然ながら源蔵自身も焼け死ぬような状況だったが、彼はもっと召喚してくれと思っていた。

 何故なら【灼熱の塔】と同じくケモノが増えるからである。

塔と違うのは「アイスドレイク」などの逆の属性を持つものもいたりしたため、他の属性のものも含めて色んなケモノがいるなぁ♪ と幸せな気分になっていた。

 宝物を目当てにしてか、それともそういう輩を取り締まるのが目的なのか傭兵が多く入っており、一部屋を丸々占領している、という事もあった。

 

 

 六層へ降りると、そこは戦士の控室のようになっていた。

 鎧が数体飾ってあり、装飾のある燭台などがあった。

 次の部屋への扉を開けるとまたもや大広間があった。

 何の変哲も無い石の床や炎吹き出す赤い床だった今までの場所と違い、ここは床が黒白タイルの貼られた綺麗な市松模様になっている。

 彼はチェスの盤に似てるなと思った。

 

 そしてそれを再現するかのように、白大理石で出来た巨大な駒を思わせるようなものが出て来た。

 次々に出て来ると思ったら、どうやらキングの駒が召喚しているらしい。

 それぞれの駒に役割があるようだったが、面倒臭いので手近にいた細めのポーンを抱えてぶん回し、手当たり次第に撃破して行った。

 

 全て破壊して床一面にそれらの破片がばら撒かれた状態になった頃、「彼」は出て来た。

 

「よく1人であれだけの駒の数を撃破出来たものよな。褒めてつかわす」

 

 「彼」は嬉し気にそう言うと、こう続けた。

 

「だがいかな勇者でもこの《覇者の魔石》は渡す訳にはいかぬ。我が魔槍ランキスの錆となれぇ! ハイヤー!!」

 

 跨っていた馬の腹を蹴り、槍斧を構えて真っ直ぐに突っ込んで来る。

 彼の馬には六本の脚があり、普通の馬より断然速い。

 

 だが魔槍が源蔵を貫く刹那、彼は紙一重で躱しつつ馬にしがみ付いた。

 

「こ、こら、何をしている!? 放さんか!」

「お馬ちゃん♪ もふもふ♪♪」

 

 その言葉にワイナンは呆気に取られた。

 構わずに刺し殺そうとしたら愛馬が大人しくなり、なんと彼に擦り寄り始めたのを見て開いた口が塞がらなくなった。

 

「あんたの馬は素晴らしい馬だな!」

 

 そう言って目を輝かせている相手を見て、「おぉそうか! お主も我が愛馬オーディンの良さが分かるか」と機嫌を良くしたワイナン。

 だが「このまま連れて帰っても良いか?」と聞かれて「それは困る!」と答える。

 

「こ奴は我が足と同じ。オーディンを無くすという事は我が下半身が無くなるのと同じ事。従ってお主に譲る訳にはいかん」

「そうか……」

 

 心底残念そうに呟いた源蔵は、「なら時々会いに来ても良い?」と聞いた。

 

「それならば大歓迎だ。余はチェスが大好きでな、その相手を長年探しておった。家族を亡くした後は魔力で生きた駒を作って寂しさを紛らせていたのだが、それを少しでも解消出来るならば喜んで迎えようぞ」

「分かった。チェスなんかやった事ねぇから教えてくれよな」

「良かろう。では友情の証としてこれを受け取るがよい」

 

 「彼」はそう言って、今度はにこやかに《賢者の魔石》を渡してくれた。

 

 

 

 

 




「灼熱の塔」と同じく「古城」でもケモノが多かったため、源蔵さんには天国だったようです。

「ワイナンの愛馬が脚六本」というのは「彼」を倒した時にドロップする、「ワイナンのカード」をデッキに入れて見た時に初めて分かります。
実際は五本に見えますが、恐らく隠れている脚が一本あるものと思われます。そうじゃないとバランスが悪いので。
その名前が「オーディン」というのは、情報サイトに載っていたのを見付けました。

ちなみにワイナンの武器★ランキスは貫通力がとても優れ、地獄の効果を追加するだけでなく時を止める効果があります。
この「時止め」というのが結構便利で、効果が発動している数秒間は自分だけが自由に動けるので、その間は無防備な相手を攻撃し放題になります。
速度の優れたペットに持たせると何度も時止めを発生させるため、その分「ずっと俺のターン」が長くなります。
(ただしその間はプレイヤーは動けないので攻撃出来ませんが)
この武器特有のものではないので「時止め」効果の武器を見付けたら使ってみる事をおすすめします。
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