もしも、ケモナ―マスクがelonaの世界に転送されたら【完結】   作:沙希斗

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一度犯罪者扱いをされると、どの街(ダルフィ以外)に行ってもガードに追われ続けます。
ガードは強い上にもし殺せたとしても生き返る度に強くなるため、「犯罪者プレイ」と称して犯罪者のまま冒険を続けている者以外は非常に厄介な存在です。
一応彼らの目をごまかす魔法などはありますが時間制限付きですし、それ以外でも不便な事があるので私はなるべくカルマが下がらないようにしております。


金策×興行(1)

 

 

 

 他の街に行っても犯罪者となれば指名手配がされるのか、ガードに見付かれば追われる。

 目を盗んで買い物をしようとしたが「犯罪者に売る物は無いね!」と即追い返されて必要物資すら買えなかった。

 ポーションや巻物などは最悪無くてもなんとかなるのだが、食料が買えないのはとても困る。

 源蔵は専ら腐らないパンを中心に食生活を送っており、料理するにしても小麦粉が無いと話にならない。

 困り果てて野外に生えている「アピの実」や「薬草」などを料理してみるものの、あまり腹持ちが良いとは言えなかった。

 

 それに税金を払うための金策が出来ない。

 一応ガードの目を掻い潜ってどうにか「掲示板」に辿り着けば依頼を受けられなくも無かったのだが、配達以来を受けるにしても討伐依頼を受けるにしても達成時に依頼主もしくは配達先の相手の元へ行かなくてはならなかったため、ガードの目を盗むみながら行うのはかなり難しかった。

 護衛依頼なら希望の街まで護衛し、相手がその街に着いた時点で依頼達成として報酬を貰えたため、この依頼がある時はなるべくこれを受ける事にした。

 

 

 そんな中で護衛して知り合いになった者から、こんな事を言われた。

 

「あんた、もしかしてヴェルニースで活躍してた魔物ごろ――」

「おい! その続き言ってみろ、どうなるか分かってんだろうな?」

 

 途端に凄まれた相手は「ひぃっ! 言いません言いませんっ」と平伏しつつ、それでも続けた。

 

「確かポート・カプールのペットアリーナに特別出演してなかったか?」

「よく知ってんな」

「いやだって珍しかったし。それに結構盛り上がってたじゃん? ああいうの、もうやんないの?」

「ここんとこずっとパルミアで依頼こなしてたからな~。てか、やるにしても今ガードに追われる身なんだわ」

「犯罪者か。あんたも苦労してんのなぁ」

「いやカルマが下がるような事をした覚えはねぇんだがな、税金が溜まってたんだと」

「それ冒険者あるあるじゃん! 【わが家】に帰って無かったんだろ」

「うんまぁ、そんなとこだな」

 

 税金の存在を知らなかったから滞納したとは言えなかった源蔵である。

 

「じゃあさ、変装してまたアリーナに戻るってのはどうだ?」

「それでファイトマネーが取り上げられたりしねぇのか?」

「なら俺が交渉してやるよ。俺そういう事得意だし。俺あんたの活躍見るの好きだったんだよねぇ」

「ありがたい! ならマネージャーをお願いしても良いかな?」

「良いねそれ。その話乗った!」

 

 そういう訳で二人でポート・カプールに繰り出した。

 

 

 

 彼が〈インコグニート〉の魔法を使ってくれたおかげでガードを気にせずにアリーナマスターの元へ行く事が出来る。

 

「おぉゲンゾウ、久し――!?」

「もふもふぅ、会いたかったよおぉ!」

「いやだから私はもふもふではやめろそこは、あ、ああぁ……」

「………………。ニノさん?」

 

 最初に出て来たのがペットアリーナのマスターだったのが、彼の運の尽きだった。

 

「ごほん、……で、何の用かな?」

 

 恥をかかされて熟したトマトのようになりながら、ニノは言った。

 そこで普通のアリーナマスターにも話を通して相談、交渉する。

 どっちみちこの世界の住人は犯罪者だろうが何だろうが利害が一致したり目的が同じならば気にしないらしく、ガードにさえ見付からなければ何をしても良いと考えるようだ。

 なので話し合いの結果、再び「ケモナ―マスク」としてアリーナに出ても良いという事となった。

 

「でも俺だけ人間ってのもなぁ。闘う相手はモンスターだから、ケモノが多ければ俺は満足なんだが……」

「人間対モンスターとの戦闘がこのアリーナの見世物だから、それは仕方ないよ」

「そうだタッグマッチにしねぇか?」

「それはどういう事かね?」

「二対二で交代制で闘うんだよ。ただし闘う時は基本一対一になるけどな。で、任意で交代して同じ相手と闘っても良い決まりになってる」

「なんか面白そう」

「だが、あんたと組めるような強い冒険者なんているのかね?」

「俺はヒトと組む気なんかねぇよ」

「まさか、モンスターと!?」

「それはペットと組むという事かね?」

「いんや、ペットは闘わせない」

「ペットにしていないモンスターと組むのは無理だと思うぞ?」

「それが無理じゃねぇんだなぁ」

 

 不敵に笑った彼を見て、皆は(彼に攻撃されるので)口には出さなかったが「流石は魔物殺しだ」と思った。 

 

 

 

 

 




もう少し続けようかとも思ったんですが、なんかキリの良い終わり方をしたと思ったので、今回はここまで。

実際(私がプレイするゲーム内)はペットに頼りまくりなんですが、源蔵さんはペットを闘わせるなんてとんでもない! という人なので(話の中では)ずっとソロプレイ縛りです。
しかも魔法が使えない(覚える気が無い)ので「インコグニート」が使えません。
一応魔法以外にも巻物があるのでそれを読めば良い話なんですが、彼は単純な文字しか読めないと思うので巻物系もほぼ使わないと思われます。
(帰還と脱出はたまたま読めたので使っているという設定にしております)
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