もしも、ケモナ―マスクがelonaの世界に転送されたら【完結】 作:沙希斗
しかもプレイヤーが全て成し遂げた事になってます。
ですがこの話では「常闇の眼をエリステアに預けた」事になっておりますので、こういう形になりました。
こんな風にケモナ―マスクとして【ポート・カプール】で活躍したり、そこで人気が出たレスラーを連れてたまに各地を巡業したり、身元がバレてガードに追い掛けられたりしながら金策に走り回っている内に、いつの間にか三年の月日が流れていた。
イルヴァの大地に残された傷は深く、その悲しみは決して癒えないように思われたが、時が経つにつれ街は賑わいを取り戻し、人々は悪夢を忘れてしまったのか、あるいは忘れたかのように振舞っていた。
人々は世界が滅びていくという事実を誤魔化すためか、娯楽を求めた。
なのでケモナ―マスクが巡業に来ると、アリーナに収容しきれない程の人が集まった。
その間、エリステアが「理想郷だ」と言っていた【ロスリア】は腐敗した。
救いを手にし、多くの人と富を招いたロスリアは、イェルスを初めとする国々の利権に翻弄されるようになった。
死に行く世界の中でさえイルヴァはロスリアの理想の下に結束する事はなく、各国の思惑と陰謀と、新たなる紛争の気配に揺らめく暗雲が大地を覆った。
そんな中、源蔵はエリステアから呼び出された。
なんでも「常闇の眼、というよりはその中に書かれていたイルヴァの歴史について気になる事が分かった」との事。
「聞いて下さいゲンゾー!」
【パルミア】に着いて城の図書室に赴いた途端、彼女は挨拶もそこそこにこう言った。
もう待ち侘びて、話したくて仕方がないといった様子であった。
「レシマスの真実の書、つまり《常闇の眼》の解読に多くの時を費やし、こんなに年月がかかってしまいましたが、過去に誰にも知られていない空白の時代《ナーク・ドマーラ》が存在したことを発見したんですっ!」
彼女は興奮して目を輝かせ、椅子から立ち上がってテーブル越しに前のめりになっている。
だが源蔵は何がそんなに興奮する程嬉しいのかと、若干引いていた。
「それは世界に混沌と魔法の力がもたらされ、ネフィアに隠された謎の鍵を握る時代だったんですっ!」
「……。それと、俺に何の関係があるんだ?」
「気にならないんですか!? 《ネフィアの永遠の盟約》と呼ばれているものがどういうものかが分かるかもしれないんですよ!?」
「つまり、俺にその謎を究明しろと?」
「流石ゲンゾー! そういう事ですっ!」
「お前、友達いないだろ」
げんなりした彼が溜息を付きながら言ったその言葉に、彼女は「い、いますよっ!」とムキになった。
「女中のあの子とか、王妃様とか、秘書の子とか……」
「それ仕事柄の関係じゃねぇか。てか、女ばっかかよ」
「ひ、ひろゆきとか。男の子でしょっ!」
「人間ですらねぇじゃんそれ」
「と、とにかくっ、私はその謎を知りたいんですっ!」
むくれた彼女だが、ふとその顔を曇らせた。
「私は……。私達は、サイモアの陰謀を止めることに失敗したのだと思います。そう考えるとあなたが《常闇の眼》を入手するために冒した危険も、カラムの命も、今となっては何の意味があったのでしょう」
溜息を付き、暗い顔で続ける。
「ゆっくりと死に行く世界の中で、私達は無力感と罪を抱えて生きています。森を忌み嫌い、あるいは迫害を見ぬふりをしてきた私達が、サイモアだけを責めることなどできません。いっそのこと、あの時森とともに……」
それから「ごめんなさい、つまらないことを聞かせてしまって」と寂しそうに笑った。
「あなたは……あなたの目には……まだ希望の光が宿っている。ゲンゾー、あなたはその運命の先に何を見ているの?」
泣きそうな顔でそんな事を言われ、彼はただ戸惑った。
こんなに思い詰めていたのかと可哀想に思ったが、掛ける言葉が見付からなかった。
城に入ったのを機に王妃を見舞ったが、彼女にも沈んだ顔でこう言われた。
「王の死に続き、世界の崩壊の始まり……。パルミアは……シエラ・テールは困難な時代にいます。このまま、イルヴァは最後を迎えてしまうのでしょうか」
人々がこの辛さを忘れるために、娯楽を求める気持ちが分かった気がした。
通称「三年ジャンプ」と呼ばれているメインクエストクリア後の世界。
これを利用すると「牧場」で繁殖しにくいモンスターを大幅に増やす事が出来ます。
牧場では重い肉や卵が取れるモンスター程高く売れるのですが、その分非常に繁殖しにくいため、(一度だけにはなるのですが)これを利用して大繁殖させてぼろ儲け出来ます。
信仰心が高くなると授けられる「神の下僕」は通常一体なんですが、これを利用して数体従える事も可能です。
ただし増えてもせいぜい一体か二体程度ですが。