もしも、ケモナ―マスクがelonaの世界に転送されたら【完結】   作:沙希斗

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Elonaでは、こういう事さえ日常的な出来事なんだそうです。


井戸水×寄生生物

 

 

 

 その日は「彼」にとっての厄日だった。

 いつものように喉が渇いたので喉を潤わそうと井戸の前で主人に催促し、汲んでもらった桶に頭を突っ込んで一心に中の水を飲んだ。

 それは日常的な事だったため、「彼」も主人も特に気にも留めずにいた。

 

 が、その日常がこの日一変した。

 

 何か異物を飲んだかな? とはじめ「彼」は思った。

 その時はそれだけで済んだが、しばらくして異常に腹が痛くなった。

 あまりに苦しくてその場に倒れ、もがいている内に、なんと自分の腹を食い破って出て来たものがいた。

 

 

「お、おいひろゆき! どうしたぁ!?」

 

 井戸水を飲んで少し経った頃、なんとなく様子がおかしいなと思っていたひろゆきが急に倒れ、もがき始めたのを見て源蔵は焦った。

 まさかあの井戸に毒が仕込まれてあったか!? などと思っている内に、なんとその腹を食い破って出て来た生き物を見て、更に腰を抜かしそうになった。

 

 それは、口が裂けたウナギのような姿をしていた。

 血みどろでうねうねと蠢いていたそいつは見る見るうちに大きくなり、やがて近くにいた住民に圧し掛かった。

 そして怯える彼女の口をこじ開けるようにして、管のようなものを挿し込んだ。

 源蔵が助ける間も無くそれは引き抜かれ、その隙に彼女は逃げて行った。

 が、その先で彼女はひろゆきと同じようにもがき苦しみ始め、同じようにウナギのようなものを腹から飛び出させた。

 

 そうして、その状態が他の人にも次々に起こるようになった。

 

 ひろゆきもそうだったのだが腹を食い破られる時はかなり苦しむものの、後はすぐに立ち直る。

 なので本人はそれ程心配無さそうなのだが、近くにいた人も生物も区別なく、腹から口裂けウナギを飛び出させるようになってしまった。

 

「どど、どうなってんだこりゃあ……」

 

 周囲はあっという間に口裂けウナギとそれが成長して巨大になったものが溢れ返るようになってしまった。

 もはや街がそいつらに占領されたと言って良い。

 訳も分からずただ困惑していると、住民の一人がこう言った。

 

「エイリアン・パニックだ……!」

 

 聞くとこれは「エイリアン」と呼ばれている寄生生物で、時折こうして誰かが寄生され、町中が占領されたようになってしまう事があるのだとか。

 「彼ら」は水場に卵を産むので、井戸水やら噴水場やらの水を飲むと、こうして寄生される事があるとの事。

 

「どうすりゃ良いんだこりゃ?」

「一匹ずつやっつけても寄生されてどんどん増えるだけだからねぇ。寄生防止の武具を着けるか、毒を飲んで寄生してるものを排除するしかないんだよねぇ……」

 

 始め絶望したかのような様子だった彼は、もう慣れてると言わんばかりに対処法を教えてくれた。

 何故なら寄生防止の武具を身に着けない限り、何度でも寄生されてその度に毒を飲まないといけなくなるかららしい。

 体内に卵がある限り幼生は生まれ続けるという事だったため、心配だったがひろゆきに毒を飲ませる。

 途端にげぇげぇ吐き始め、極小の幼生と卵と見られる白く丸い物を吐き出した。

 

 それらはすぐに溶けてしまった。

 やはりある程度体内で成長しないと生きられないようだ。

 

 対処が分かっている住民達もすぐに毒や染料などを飲み、出ているものは主にガードがやっつけた。

 それでも寄生はされるのだが、そうやって対処していく内に徐々にエイリアンの数が少なくなって行き、やがてパニックが治まった。

 ケモノ好きの源蔵にとっては見ようによっては可愛く見えなくもなく、ペットの一つにしようかとも考えたのだが、こんなに増えられたら流石に困ると思った。

 

 

 

 

 




実はこの出来事、「冒険者あるある」だったりします。
何故なら自分が飲んで寄生されるかペットが勝手に飲んで寄生されるかがしょっちゅう起こるからです。
なので「今更かよ!」と突っ込む人もいるかもしれません。

自分は寄生防止の武具を身に着ければ事足りますが、ペットまで用意出来なかった場合は「寄生されたな」と思い次第毒か染料、もしくは酸を渡して飲まさなければなりません。
寄生された住民にも渡していかねばならないので、一度でも寄生されたらかなりやっかいになります。
しかも駆け出しの時に知らずに飲んでは寄生され、訳も分からずその街が占領されるなんてざらです。
レベルが上がったり強いペットがいたりした場合なら逆にレベル上げに持って来いだったりまったく脅威にならなかったりするんですが、「エイリアン」のレベルは初期で19と高く、しかも酸格闘という特殊な技能を持っているため速さも相まって駆け出しにはとても手が出せません。
なので「ゲームを始めてすぐに占領され、その街に入れなくなった」というのも「あるある」だったりします。

私も知らない頃は「なんか異物を飲んだぞ」と思っている内に何か出て来て、「なんじゃこりゃ!?」とか思っている間に殺されたり周りが寄生されていってどんどん増えたりしてパニックになりました。
自分かペットが寄生するとどこに行っても定期的に出て来るので、行く先々で寄生パニックが起こって大惨事になります。
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