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情報を開示します――――――――
補遺: 創出されたSCP-10106-JP-C個体の継続観察を行う中で、対象のSCP-10106-JP-C個体とそれを創出させるに至ったであろうパーソナリティに強く連想させる異常特性を有する他の関連オブジェクトとの相互干渉性が指摘される例が認められ、後に実験によってそれが証明される事となりました。
SCP-10106-JP-Cと利用者の特性上、他オブジェクトの異常特性を想起させるSCP-10106-JP-C個体を創出させるのは利用者のパーソナリティを通した間接的な物のみと考えられてきましたが、意思疎通が可能なSCP-10106-JP-C個体及び利用者ではない想起される他の関連オブジェクトとの間に記憶、あるいは言動、能力の不可思議な連続性が確認され、該当するSCP-10106-JP-Cの調査を行った所6%のSCP-10106-JP-C個体が関連オブジェクトとの直接的な関係が発覚しました。
しかし、前述の通りSCP-10106-JP-A世界内のSCP-10106-JP-Cは他オブジェクトとの直接的な関係がある物であっても利用者の制御下であり、また発揮できる能力も関連がない他のSCP-10106-JP-C個体との差は存在しない事が確認されています。
これによって新たに収容違反が発生する確率は極めて低いと考えられ、該当する利用者のSCP-10106-JPの利用の制限は必要ないと結論付けられました。
また、O5評議会による協議の結果、利用者が律する事が出来、被害も格段に抑えられるSCP-10106-JP-A世界で該当する関連オブジェクト並びにSCP-10106-JP-C個体を調査、干渉する事でオブジェクト自身の解明、収容に対して有効的に使用する事が可能であるという見解が示されました。
直接的に関連するオブジェクトに対するこれらの使用に関してはSCP-10106-JP並びに関連オブジェクトの改定された特別収容プロトコルを参照してください。
収容実験記録抜粋
名称:収容実験記録10106C-106
対象:D-100106
結果:創出されたSCP-10106-JP-Cは【夢忘空獣 アナンタシェーシャ】
D-100106は実験10106E-106の際にFクラス記憶処理を施されており、その影響からSCP-3000と直接的に関連していると考えられている。
その特性は対象の記憶消去と消去した記憶の呼出。ただし、利用者に対しては完全には作用しない。
SCP-10106-JP-C個体自身が高い知性を有し、SCP-3000との関連に自覚的である個体。
D-100106を通しSCP-3000の収容の補助の依頼を指示。
結果としてSCP-10106-JP-C個体からは現状維持についての承認を得た。
名称:収容実験記録10106C-358
対象:SCP-181
結果:創出されたSCP-10106-JP-Cは【宿命昇降 ウェルダンディ】
その特性は極軽度の飛行能力と確率操作。
特筆事項として、SCP-10106-JP-A内部でもSCP-181は現実世界と同様に“幸運”な出来事に遭遇する比率が非常に高い事が報告されています。
SCP-181の異常特性は霊的存在になり、違う
その事実はSCP-10106-JPとそれを利用して収容している他のオブジェクトの収容違反の懸念にも繋がる物ではないでしょうか?
メモ:確認しましたが、【ウェルダンディ】はその特性による効果は高くなく、他の類似特性を含むSCP-10106-JP-C個体と比較しても著しく保有リソースが低い物でした。
“幸運”な出来事、という風に書かれている事柄は確かに不可思議な事柄の様に思う事でしょう。
SCP-10106-JP-A世界では
しかし、財団職員並びに有志の検証の結果、LUCのステータスがマイナス域まで行く事で不自然に“不幸”な出来事が頻発する事象は確認されています。
即ち、このSCP-10106-JP-A世界では意図的な“不幸”を起こす法則が存在し、それは逆説的に意図的な“幸運”を起こす事が可能である事が示唆されています。
リソースの不足から察するに此れは【ウェルダンディ】が記載外にリソースを用いて“幸運”な出来事を招いているだけであると思われます。 -███研究主任
名称:収容実験記録10106C-488
対象:SCP-999-JP
結果:O5-██により実験は却下された。
名称:収容実験記録10106C-524
対象:SCP-231-7
結果:創出されたSCP-10106-JP-Cは【火産大神 ヒノカグツチ】
魔物型のSCP-10106-JP-Cであり、嬰児のサイズや形状を持った火炎の姿をしている。
その特性は自身より発せられる超高火力による自動防御・攻撃。利用者であるSCP-231-7自身もその影響を受ける。
SCP-231-7は収容の補助及び処置110-モントークの一環としてSCP-10106-JPとの接続を開始した。
SCP-10106-JP-C個体及び利用者であるSCP-231-7に対して危害を加えようとする者が居た場合無差別に攻撃を加える。その際余波でSCP-231-7も攻撃の影響を受ける事となる。
SCP-10106-JP-C個体の知性は低いが、SCP-10106-JPにSCP-231-7が接続時は胎内のSCP-231が著しく不活性化する事が確認されている。
名称:収容実験記録10106C-601
対象:新木上席研究員
結果:創出されたSCP-10106-JPは【夢想刻印 ヘルメス・トリスメギストス】
その特性はジョブスキルの強化。自身がメインジョブに指定しているジョブのジョブスキルを強化する。
新木上席研究員はドリーマー・プロトコルの実施されており、その能力に著しい向上が確認されています。
SCP-10106-JPに接続しても向上した能力は無力化されずに継続しており、且つ接続中は精神評価も安定していた為SCP-10106-JPの担当研究員の一人に割り当てられました。
追記:SCP-10106-JPの進化により特性に変化が生じました。
メインジョブの永続的な固定化という制約によって、メインジョブの
現在、新木上席研究員は【教授】の上位である超級職の【
これは一般の利用者であるMr.フランクリン氏が所持する超級職と同一の物である事が確認されています。
特性の変質、また現状で観測されている仕様外の結果である事から継続して経過観察の必要があると考えられます。
名称:収容実験記録10106C-1145
対象:SCP-055
結果:O5-█により実験は却下された。
メモ:そもそもSCP-10106-JP-Dをどの様に加工すれば適切に使用できるのかも不明です。 -O5-█
名称:収容実験記録10106C-2265
対象:タローラン研究員
結果:創出されたSCP-10106-JPは【幻創現遭 ハーメルン】
[データ削除]
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□■夢
夢。
それは己の内部の精神世界。
【強制睡眠】や【気絶】で送られる空間や、実際に夢の様な空間を創造する能力もこの<Infinite Dendrogram>には存在する。
その為、混同する者も多いがそれらとは全く関係なく、この<Infinite Dendrogram>の世界で実際に睡眠を取れば現実世界と同様のプロセスでこの世界に来訪した<マスター>達は“夢”を見る事がある。
ファンタジーの様で妙に現実的なかの世界とは全く別の“夢”。
管理AIによる精神保護で守られている<マスター>達からすれば、不可侵地帯である夢。
記憶の整理とも、秘めたる願望の顕現とも言われるそれを――今、<Infinite Dendrogram>内で睡眠を取っているマスターも見ていた。
実験の一環で殆どログアウトする事がないマスターであるが、夢を見る事はそう多い訳ではなかった。
それは、整理するべき記憶も願望もないからなのか、或いは――――
「――まぁ、君の場合はむしろ真逆なのだろうね」
「……
「……あぁ。はじめまして――とは言っても、
「――…………」
そこはマスターの夢の中。
……であるにも関わらず、マスターが知らない――知らない筈の人物が現れていた。
見渡す限りの生命の居ない大海原の夢の中、波に揺蕩うマスターだけでなく……波の上に立つ、スーツを着た場違いな壮年。
――かの財団でSCP-990、ドリームマンと呼ばれる夢の中に現れて予言を齎す超越者が、マスターの夢の中に現れてきていたのだ。
「残念ながら、
「なるほど、確かにそれはそうだね。誰も彼もが君達の様な無限に近しい記憶のリソースを有している訳ではないからね。特にこんな夢の中でなら尚更ね」
「……貴方は嫌味を言いに来たんですか? ならば、即刻出て行って貰いたいのですが」
朗らかに語るSCP-990――だが、マスターは憮然とした表情で冷たくあしらう。
保護者の二人やクランメンバーには決して見せないその表情で――
「勿論違うとも。私は君が、君達が知っている通り――
「あの世界で暮らしている私に言ってもあまり意味はないと思いますけども。――――まさか」
「――そういう事さ。今から私が言うのは、
――SCP-990の予言、予知。
広範な物を含め、現れた夢の主に関係したものへの脅威を予言する彼は――かの世界、<Infinite Dendrogram>の危機を予言しに来たらしい――――!
……尤も、マスターが知っている限りでも【モビーディック・ツイン】や【グローリア】を始めとした〈SUBM〉や【アビスシェルダー】等の超強力な〈UBM〉は機運が悪ければ世界を滅ぼせる可能性すら秘めている様に思ったし、【邪神】や【覇王】……先期文明や先々期文明の遺産を考えれば他にも世界に危機を齎す存在なんて無数に居ると思っているのだが。
「――それは<イレギュラー>。それも、君も知る【アビスシェルダー】と同じ様に被害者を喰らって己を強化する
「……なるほど。得心が行きました」
それはSCP-990の言の納得――ではなく。
己の内……いや、ある意味では己の本体とでも言うべき存在からの“警鐘”がそれなのだと理解したからだ。
そう、マスターは“それ”について知っていた。……数多の
それは穴開きの記憶。精神を心を記憶を全てを啄み己を膨大化させる一匹の“鳥”に関する記憶。
ある財団の被害者が少しでもその力に対抗せんとする為に浴びる様に
マスターが記憶として知っている、他のオブジェクトと比べても非常に強力で、凶悪なその存在。
……だから、マスターは警告されていたのだ。己の<エンブリオ>、【アナンタシェーシャ】から。
あれが、この世界に来訪しようとしていると――!
「……つまり、かの
「残念だが、それだけでは50点だ。あれもあれで……他の肉体に寄生して存在する者。故に特異な条件を満たせない者では討伐できない問題もあるが――問題は、
「…………もう一つの問題、とは?」
若干不機嫌になりながらも、素直に聞く。
確かに、あのオブジェクトは非常に厄介なのだから……<イレギュラー>として在ると言うのなら
「言葉通り、もう一つさ。――いや、
「…………へあっ!?!?」
その言葉の意味を図りかねて。……そして、一瞬の後にその意味を理解して。
マスターは今までの表情に似合わぬ素っ頓狂な声を上げざるを得なかった。
◆◇
◇◆
◆◆
そして、予言の成就は――成る。
予言を齎されたマスターと、【アナンタシェーシャ】と
そして、26年の雌伏の時を越えてかの地へ蘇った――
2体の
※当然ながらこの世界は2019年12月31日の例の決戦は財団含む連合が勝利した世界線です。
ステータスが更新されました――――
名称:【夢忘空獣 アナンタシェーシャ】
<マスター>:マスター
TYPE:ガーディアン
能力特性:記憶の暴食
到達形態:Ⅶ
スキル:《夢忘の吐息》《夢忘の一滴》《蟒蛇の腸》《
モチーフ:インド神話に登場する
紋章:無地のハートマークに一滴
備考:水中以外では戦闘力が半減レベルではない系の水棲ウツボな<超級>ガーディアン。
実は数十メテルクラスのウツボにまで巨大化する固有スキルも習得しているがマスターがその所属をドライフに変えてから一切使われる事がなくなっとか。
【アナンタシェーシャ】の初期スキルにして代名詞とも言える《夢忘の吐息》は相手の記憶を溶かし咀嚼する為の消化液としての効果を体液に付与するスキル。
……なのだが、その性能は第一形態時点から殆ど強化されておらず、実はMP特化ビルドの魔法職等であれば精神系状態異常耐性アクセを連装すれば非超級職でも抵抗できるし、魔法系超級職なら1つでもまともな耐性アクセがあれば十分抵抗できる程度の出力しか有していない。
では何が進化によって強化されたのかと言えば消化液で溶かした
その“胃袋”には今まで喰らった獲物が
当然ながら到達形態毎に保持限界及び模倣限界は存在していたし、模倣の完成度も第六形態時点では上級職のスキルですら7割、超級職のスキルは2割以下という有り様だったが……<超級>になった事でこれが大いに改善される事になったのだ!
なお、所有する特典武具【囚獄胎海 デイヴァーボース】はこの【アナンタシェーシャ】の胃袋にアジャストされており、死者の記憶にのみ限定した保持及び模倣の追加スロットの様な物になっているとか。
実は記憶のスキルの模倣行使には固有スキルを使って数も完成度も制限が掛かっているが、ただ記憶を引き出すだけなら全く制限はない。
なので、実質的にセンススキルに依らないティアン特有のリアルスキルの行使はほぼ無制限に行えていた。
なお【アナンタシェーシャ】が喰らった記憶を保持模倣行使すると言う機能であるが、
実は必殺スキルを習得した時点でアナンタシェーシャ本体からの褒美で全ての記憶が戻ってるし、何なら今まで記憶処理されてきた全ての記憶が閲覧可能になっている。勿論財団神拳もこれで精度が増している。
【クリアー・メモリー】:
<叡智の三角>が<エンブリオ>も使って総力で作り上げたオーダーメイド機体。
特殊装備品枠を使う【マーシャルⅡ】ではなく全身装備枠を使う【マーシャル】。白兵戦しにくい機体はちょっと……
【マーシャル】としてはやや大型で不格好なのはその分の装甲が増しているのと【アナンタシェーシャ】を格納するスペース(疑似水槽)のせいだぞ!
【アナンタシェーシャ】の力で必要な心を抽出し【心神】の力で制御された精神エネルギーを動力として動くハイテク(?)機体。
実際、純竜級の外付けステータスに加えて燃費的にも【アナンタシェーシャ】のスキルラーニングはMPSP的なコストが若干ながらあった事と十全にラーニングしたスキルを利用した戦闘が可能になっている事から機体の開発目標としては百点満点で成功していたと言える。
まぁ、相手が悪かったせいで現在中破して泣きながらフランクリンに修理用の素材を強請っているんですけどね。
SCP_foundationはクリエイティブ・コモンズ表示-継承3.0ライセンス作品です(CC-BY-SA3.0)
http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja
SCP-3000「アナンタシェーシャ」
http://ja.scp-wiki.net/scp-3000
SCP-181「"ラッキー"」
http://scp-jp.wikidot.com/scp-181
SCP-999-JP「I am No.9」
http://scp-jp.wikidot.com/scp-999-jp
SCP-231「特別職員要件」
http://scp-jp.wikidot.com/scp-231
SCP-894-JP「それはきっと終わらぬ悪夢」
http://scp-jp.wikidot.com/scp-894-jp
SCP-055「[UNKNOWN]」
http://scp-jp.wikidot.com/scp-055
SCP-3999「私は私に起きることすべての中心にいる」
http://scp-jp.wikidot.com/scp-3999
SCP-990「ドリームマン」
http://scp-jp.wikidot.com/scp-990