無限の世界と交錯する世界   作:黒矢

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久しぶりの投稿です。
もう忘れられていると思うのでとりあえず重要な説明だけをば。

SCP-10106-JP=<Infinite Dendrogram>全体を指す総称。
SCP-10106-JP-A=<Infinite Dendrogram>を構成する仮想世界(異世界)
SCP-10106-JP-B=<Infinite Dendrogram>を運営する管理AI達
SCP-10106-JP-C=<エンブリオ>
利用者=<マスター>

これだけ抑えてくれていればOKです(多分
それでは本編をどうぞ!



鍵のかかった箱テスト。

<Infinite Dendrogram>は…………?


セキュリティクリアランスを提示してください

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 閲覧にはレベル4以上のセキュリティクリアランスが必要です。

 セキュリティクリアランスを提示してください。

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 アクセス承認。

 セキュリティクリアランスの認証が完了しました。

 情報を開示します――――――――

 

 

 

 

 

 

 

アイテム番号: SCP-10106-JP

オブジェクトクラス: ‎Thaumiel

 

特別収容プロトコル: 全世界に広範に周知されてしまっている為、SCP-10106-JPは完全に収容できない状態にあります。

 現在SCP-10106-JP-B群との交渉の結果、財団との関係は友好的及び協力的ですが、一般利用者及び要注意団体からの正常なアクセスを防ぐ事が不可能な状態にあり、またSCP-10106-JPの異常性による特異性の発露を防ぐ事が出来ていない事は財団の理念としても非常に危険性が高い事を留意し、収容の“協力”を継続してください。

 

 SCP-10106-JPは現在確認されている要注意団体(財団含む)の力の及ばない状態のままでいます。

 確認されている財団以外の要注意団体が非正規にSCP-10106-JPとの接触が行えない様に監視及び妨害活動を継続して行ってください。

 

 SCP-10106-JPの円滑な研究を実施する為にSCP-10106-JPに関する限定的な情報をレベル3以下のセキュリティクリアランスを保有している職員に対して流布し、SCP-10106-JP-A及びSCP-10106-JP-Cの調査を実施しなければなりません。

 同様に、レベル4以上のセキュリティクリアランスを保有するSCP-10106-JP担当職員もSCP-10106-JP-Aに対する制限のない接続が許可されています。

 SCP-10106-JP-Aに接続しSCP-10106-JP-Cを創出させた全ての担当職員はSCP-10106-JPの研究の為、自身の創出させたSCP-10106-JP-Cの情報の提出が求められます。

 

 SCP-10106-JPを他の生物型オブジェクトの収容に使用する際はレベル4以上のセキュリティクリアランスを保有する職員3名以上の承認を得た上でSCP-10106-JP-Dを該当オブジェクトの形状に合わせた改造を行った上でSCP-10106-JP-Aと接続し収容を行ってください。

 SCP-10106-JPを他の生物型オブジェクトの収容に使用する際は担当主任を含むレベル4以上をのセキュリティクリアランスを保有する職員5名以上の承認を得た上で三度に渡る心理テストを実施してください。

 倫理観、人類に対する敵愾心、財団に対する心象を心理テストに対する結果として把握した上で再度当該の職員によって協議し、使用する様に義務付けてください。

 その際、SCP-10106-JP-Dを該当オブジェクトの形状に合わせた改造を行った上でSCP-10106-JP-Aと接続し、収容を行ってください。

 

 その他の収容プロトコルは前述に開示されている限定情報を元に実施されます。

 

 

 

説明: SCP-10106-JPは一般に███████・███████として知られているダイブ型オンラインロールプレイングゲームとそれを取り巻く事象群です。

 その概略は前述に開示されている限定情報を参照してください。

 

 新たにSCP-10106-JP-Aへと接続できる仮想世界没入デバイスをSCP-10106-JP-Dと定義します。

 材質、内部構造的には他のダイブ型ゲームに使用する仮想世界没入デバイスとの違いはありません。

 このSCP-10106-JP-Dは当初は異常性を有していないと思われていた物の、研究を続けていく中その異常特性が発見され、新たにSCP-10106-JP-Dへと分類される事となりました。

 SCP-10106-JP-DはSCP-10106-JP-Aへと接続する際にのみ限定して他のダイブ型ゲームと接続する際とは違う挙動を見せ、解析不能な特異な電波を放出し、利用者をSCP-10106-JP-Aへと接続している事が示唆されていました。

 しかし、それはSCP-10106-JP-A及びSCP-10106-JP全体での異常性と見られていた為、SCP-10106-JP-Dによる特異性とは判断されていませんでした。

 しかし、後述するSCP-10106-JP-Aの新たな特異性の判明と研究の成果によりSCP-10106-JP用に開発されたSCP-10106-JP-DはSCP-10106-JP-Aと現実世界を行き来する為の媒介としての特異な媒介としての役割を示している事が明らかになりました。

 SCP-10106-JP-Dは他のダイブ型ゲーム用の仮想世界没入デバイスとの互換性を有し、また分解も既定の手順で行う事ができ復元する事も可能ですが、同様の素材、製法で作られた仮想世界没入デバイスではSCP-10106-JP-Aへと接続する事は出来ず、また後述する異常特性も発揮されません。

 SCP-10106-JP-Dの製造を代行している製造会社も判明していますが、製造会社への取材では有意な回答を得られず、以後の取材はO5-█の指令によって中止される事となりました。

 

 SCP-10106-JP-DはSCP-10106-JP-Aとの接続を行う際にその装着者の霊的実体を円滑にSCP-10106-JP-Aへと瞬時に転送する能力を示します。

 霊的実体が転送された装着者は一時的に虚脱状態となり、SCP-10106-JPの利用を停止するまで如何なる刺激にも反応を示さず、その状態を維持し続けます。

 しかし、装着者への現実世界による刺激はSCP-10106-JPを使用中の利用者に通知され、必要な際には即座に利用を停止する事も可能となっている様ですが、どの様に霊的実体や装着者に対する刺激をSCP-10106-JP-A内部の利用者に転送、通知しているかは不明です。

 また、更にSCP-10106-JP-Aへと接続した直後に装着者及びSCP-10106-JP-Dと装着者への接触者に対して現実性強度(ヒューム値)を10.00Hmに固定し、対象の現実の改変や歪曲に対して非常に高い耐性を与えている事が判明しました。

 これを利用した緊急時の現実改変対策装備として配備する事が検討されています。詳細は文書10106-JP-D-Ωを参照してください。

 

 

 SCP-10106-JP-Aへと接続した多次元宇宙任務に従事していたエージェントによる報告、及び複数の追試によりSCP-10106-JP-Aが仮想現実ではなく、我々の住む宇宙とは別の物理法則の働く異世界である事が判明しました。

 異なる物理法則についての多くは開示されている限定情報の通りですが、更にSCP-10106-JP-A内部で作成されたカント計数機により、内部ではウィンドゥ上の“ステータス”の多寡や内包リソースの量によってヒューム値が増減されている事が判明しました。

 しかし、これはSCP-10106-JP-A内部での正常な物理法則として機能しており、規定外の現実改変能力が発揮される事はあり得ないと結論付けられました。

 

 また、SCP-10106-JPを使用する利用者に対する新たな異常性として、霊的実体をSCP-10106-JP-A(異世界)へと転送し、その世界で作成された身体に霊的実体を挿入し活動している事が確認されています。

 SCP-10106-JP-Aにおける利用者の身体はSCP-10106-JP-B-02が作成した物であり、その身体に利用者の霊的実体が挿入されている間は如何なる規定外の異常特性が発揮できなくなるという事がSCP-10106-JP-B群とのインタビューで判明しています。

 

 協議の結果、この利用者の異常特性の無効化と言う性質はSCP-10106-JP-A内部での他生物型オブジェクトの収容に際して非常に効果的であるとの見解が示されました。

 O5評議会によりこの提案は承認され、以後他生物型オブジェクトの収容に使用されます。

 また、新たに発見済みの異世界を同様の特殊収容サイトとして使用する為、SCP-10106-JP-B群に基幹技術の提供を求めると共にSCP-10106-JPに対する研究を継続してください。

 

 2045/03/01時点において、他生物型オブジェクト████点の有効な収容が継続されており、またSCP-10106-JPが遊戯型娯楽としての側面も持っている事から当該オブジェクトの心理状態も非常に安定した状態が続いています。

 

 

 

 以下は当該オブジェクトに関する記録の抜粋となります。

 

 実験記録抜粋

 

 名称:実験記録10106D-024

 概要:利用中のSCP-10106-JP-Dの分解

 目的:SCP-10106-JP-Dのどの部位が異常特性と関連しているかの推定。

 対象:D-100512

 結果:SCP-10106-JP-Dの外装を外した時点でSCP-10106-JP-Aより強制的に離脱、退去させられ現実世界に霊的実体が戻ってくる。

 対象者へのインタビューにより、実験時間から逆算して使用中のSCP-10106-JP-Dに担当職員が接触した時点でSCP-10106-JP-A内部の対象者に対し通知が行われていた模様。

 メモ:少なくとも外装部分や接触部にはそれを感知するセンサーの類は確認されていません。

 SCP-10106-JP-Dには利用者だけでなく自身に対する刺激も同様に何らかの手段により感知、通知する能力を有している可能性が浮上しました。

 

 

 名称:実験記録10106D-032

 概要:nPDN装置によるSCP-10106-JP-Dの霊的実体の転送の阻止。

 目的:SCP-10106-JP-Dの異常特性の発露の防御に関する実験を行う。

 対象:D-100512

 結果:SCP-10106-JP-Dを起動しSCP-10106-JP-Aへと接続する前からnPDN装置を起動し、周囲空間に存在する霊的実体の固定化を実施したが、転送の阻止は失敗。

 対象は通常通りSCP-10106-JP-Aへと接続され、現実世界の身体も虚脱状態となった。

 その後5度の追試により、nPDN装置によるSCP-10106-JP-Dの霊的実体の転送の阻止は不可能と結論付けられた。

 

 

 名称:実験記録10106D-040

 概要:複数のSCP-10106-JP-Dを同時に同一人物に使用する。

 目的:推奨用途基準から離れた対象に対するSCP-10106-JP-Dの使用に関する評価。

 対象:D-5182。D-5182は結合双生児である。

 結果:問題なくSCP-10106-JP-Aに接続された。

 D-5182は内部では各々の意思を持ち行動する事が出来、対応したSCP-10106-JP-B-15によって別々の利用者として活動する事も結合双生児として活動する事も可能だと示唆された。

 担当研究員の指示により、D-5182は結合双生児として利用開始した。

 追記:D-5182が創出したSCP-10106-JP-Cは【双頭魔犬 オルトロス】。

 特異な身体的特徴は創出されるSCP-10106-JP-Cに影響を与えると言う例の一つ。

 メモ:興味深い結果。二人(一人?)のSCP-10106-JP-Dの使用のタイミングは完全に同一という訳ではなく、数秒単位のズレがあったと言うのに同じ様に転送されている。

 霊的実体に関する研究を進める一助にもなる研究データであると考えられる。

 

 

 名称:実験記録10106D-043

 概要:複数のSCP-10106-JP-Dを同時に同一人物に使用する。

 目的:推奨用途基準から離れた対象に対するSCP-10106-JP-Dの使用に関する評価。

 対象:ジャック・ブライト博士

 結果:脳機能が完全にブライト博士の物となったブライト博士を複数用意し、同時にSCP-10106-JP-Dを使用してみた。

 しかし、実験記録10106D-040の時とは違い、SCP-10106-JP-Aに転送されたのはその中で一番早くSCP-10106-JP-Dを使用したと思われる一個体だけであった。

 追記:後にSCP-10106-JP-B群にインタビューを実施。SCP-10106-JP-B-02より回答を得る。

 D-5182の時は別々の“魂”でありながら一つの身体を共有しているが為の処置であり、ブライト博士の場合は全くの別物である為、最も早く使用した個体が使用する事となった模様。

 

 

 名称:実験記録10106D-049

 概要:SCP-10106-JP-D使用中の対象の終了処置

 目的:SCP-10106-JP-Aに接続している対象の現実の肉体が死亡した場合の実験

 対象:D-100824

 結果:[削除済み]

 

 

 

 

 収容実験記録抜粋

 

 名称:収容実験記録10106C-105

 概要:適切に収容されている事の確認、及び創出されるSCP-10106-JP-C個体の調査。

 目的:収容状況の評価並びにSCP-10106-JPの研究の為のデータ追加

 対象:SCP-105

 結果:創出されたSCP-10106-JP-Cは【映視械鳥 グライアイ】

 魔物(ガードナー)型にして空間(テリトリー)型のSCP-10106-JP-Cであり、機械で作られた小鳥の様な姿をしている。

 その特性は一定範囲内の対象の視界を一方的に共有する事。

 SCP-10106-JP-Cの進化に従い視界強奪の能力も会得した模様。

 SCP-10106-JP-A内部での生活は概ね順調であるが、その言動には望郷の念が強く見られる。

 財団及び人類に対する反抗的な兆候は見られない物の担当職員により毎週の心理検査が提案される。

 メモ:以後SCP-10106-JPによる他生物型オブジェクトの収容実験記録10106Cの記録報告は省略された物とする。

 

 名称:収容実験記録10106C-239

 対象:SCP-239

 結果:創出されたSCP-10106-JP-Cは【魔障魔杖 バーバ・ヤガー】

 器物(アームズ)型のSCP-10106-JP-Cであり、形状は青白色の光沢を持つ宝玉が使用されたSCP-239の身の丈程もある長杖。

 その特性はSCP-10106-JP-A内部での魔力(MP)リソースを使用して自身の望んだあらゆる事象を発生させる事が出来る能力を持つ。

 SCP-10106-JP-A内部を我々の住む現実世界だと言う偽の知識を与え担当職員と共に行動している。

 メモ:通常の素材で製造された筈のSCP-10106-JP-Dによって問題なくSCP-10106-JP-Aへと接続できた事は幸いでありながらも注意すべき懸案であると考えられます。

 現状は精神状況に問題は認められず、以後もSCP-239の心理的変容を鑑みてSCP-10106-JPによって安穏とした生活を遅らせる事を目的としたい。

 

 今は未だ彼女の“夢”が覚めない事を望むばかりである。

 

 名称:収容実験記録10106C-451

 対象:SCP-451

 結果:創出されたSCP-10106-JP-Cは【現消会帰 ブリックヴィンケル】

 空間(テリトリー)型のSCP-10106-JP-Cであり、その範囲は自身のみに作用する特質を持つ。

 その特性は自身の外界干渉能力の変容であり、任意で霊的実体に似た形態を取り物質的干渉を自他共に行えなくする能力を有している。

 SCP-10106-JPによってSCP-451の異常特性を一時的に無力化する事でSCP-451との正常なコミュニケーションが可能になった事は非常に喜ばしい進歩であると考えられています。

 SCP-451のインタビューの結果は“文書451-E”を参照してください。

 追記:SCP-10106-JP-Cの進化により自己変容(アナザールール)型となりました。

 外界干渉能力の変容が強化され、物質的干渉変容のみならぬ複数概念干渉変容能力を会得しています。

 メモ:SCP-451……いや、エージェント・M█████ J████のパーソナリティが本当にSCP-451を想起させる物であったのか、それとも長年SCP-451の効果を受け続けた結果パーソナリティが変容していたのか、あるいはまた別なのかはまだ判断できない。

 しかし、今は彼の心理的評価の為にも彼の望む通り彼にはSCP-10106-JP-A内部での生活を続けて貰うのが一番だろう。

 最早彼は孤独の業を背負う必要はなくなったのだ。旧友の復活を心より喜ぶべきであると考える。

 

 名称:収容実験記録10106C-527

 対象:SCP-527

 結果:創出されたSCP-10106-JP-Cは【魚鱗海象 ピスケス】

 器物型のSCP-10106-JP-Cであり、身体置換型として発現し、SCP-527の肌を鱗に、頭部を魚類の物に変更し、そして手足に鰭が生える姿となった。

 人型としての活動は全く制限なく可能であり、水中行動に対して圧倒的な適性を示している。

 メモ:本人は最初は面食らっていた物の、早期に自身のSCP-10106-JP-Cに適応した。

 海上国家である“グランバロア”を主に活動したいと話している。

 

 名称:収容実験記録10106C-650-JP

 対象:SCP-650-JP

 結果:創出されたSCP-10106-JP-Cは【不遍等式 イェソド】

 空間型のSCP-10106-JP-Cであり、その範囲は自身のみに作用する特質を持つ。

 その特性は自身の状態(ステータス)固定、そしてその若干の操作である。

 SCP-10106-JP-B-02によって他の人間と同じ身体(アバター)を与えられた事を非常に感謝している。

 現在は以前と変わらず財団に対して従順な態度を示しているが、SCP-10106-JP-B群に利用される可能性を鑑みてSCP-10106-JP-Aへの接続を制限するプロトコルを裁定する予定このプロトコルは破棄されました。

 

 名称:収容実験記録10106C-905

 対象:SCP-905

 結果:創出されたSCP-10106-JP-Cは【光神御殿 ベレヌス】

 建物(キャッスル)型のSCP-10106-JP-Cであり、その形状は光り輝く巨大な城です。

 その特性はSCP-10106-JP-Cに降りかかる全ての光エネルギーと熱エネルギーを吸収し蓄積する事です。

 SCP-905がSCP-10106-JP-C内部に滞在している間、蓄積された光熱のエネルギーを自由に使用する事ができ、またSCP-10106-JP-C自身もそれを使用する為の媒介として機能する様になります。

 メモ:人と同じ身体を持ったSCP-905の容姿についてはSCP-905の報告書に記載されています。SCP-905の報告書を参照してください。

 

 名称:収容実験記録10106C-917

 対象:SCP-917

 結果:創出されたSCP-10106-JP-Cは【月夜狂態 ルナティック】

 建物(キャッスル)型のSCP-10106-JP-Cであり、その形状は頂点に満月を模した飾り物が取り付けられた小さな工房です。

 その特性は夜間のみ発揮される内部での生産用スキルの成果物の性能の増減。

 月の周期に関連してその効果が増減され、最も効果が増幅される満月の時では[編集済み]。

 最も効果が減衰される新月の時ではあらゆる生産スキルが失敗します。

 なお、月の周期は現実世界ではなくSCP-10106-JP-A内部の世界の物を連動している。

 メモ:このSCP-10106-JP-Cの満月時の効果を使用したい人はSCP-10106-JP-A内部時間で十日以上前に本人に申し立てる事とする。

 これはあらゆる特例を認めない。

 

 名称:収容実験記録10106C-1152

 対象:SCP-1152

 結果:創出されたSCP-10106-JP-Cは【潔白症鳴 シロドツクリ】

 魔物型のSCP-10106-JP-Cであり、一般的なアライグマ種の姿に酷似した姿を持っています。

 その特性は指定した対象に対する六感に作用する幻覚です。

 SCP-10106-JPによってSCP-1152の異常特性が無力化され、SCP-1152の正しい異常特性が判明しました。

 詳細はSCP-1152の報告書を参照してください。

 SCP-10106-JP-Aに接続しその異常特性が無力化された直後は財団職員に対して面罵を行っていましたが、現在は安定してコミュニケーションを実施できています。

 SCP-10106-JP-Aとの接続を中断する事を拒否する傾向がある為、収容プロトコルは既に変更された事を伝えてください。

 メモ:エージェント████のMIA指定が解除されました。

 痛ましい事件であったと思います。今後も同様の事が無いように財団職員一同は一層オブジェクト研究に力を入れて貰いたい。

 SCP-1152の報告書に大幅な改定が行われた為、関連職員は再度SCP-1152の報告書を熟読する様に。

 

 名称:収容実験記録10106C-1370 事案記録10106ZC-08

 対象:SCP-1370

 結果:創出されたSCP-10106-JP-Cは【破滅神帝 ハルマゲドン】

 SCP-10106-JP-Cとしての詳細は不明です。系統は空間型と見られていました。

 創出され他職員のSCP-10106-JP-Cによって名前を確認した直後に周囲一帯に不可逆的で甚大な被害を齎しました。

 また、それにも関わらずSCP-1370はSCP-10106-JP-Aに接続したままであり、付近に対応できる職員も居なかった事もありO5評議会命令によりSCP-1370が無力化(Neutralized)される事態となりました。

 本件は事案(インシデント)記録10106ZCとして記録され、SCP-10106-JPの特別収容プロトコルが変更される事となりました。

 担当職員はそれを留意し、再度SCP-10106-JPの報告書を熟読してください。

 メモ:SCP-1370をSCP-10106-JPで収容するに際しての承認を与えた職員は降格処分される事となりました。

 現時点でSCP-10106-JPは替えの効かない有用な特殊収容施設として機能しています。

 妄りにこれを害する事はO5評議会命令によって禁じられています。今一度担当職員らはその意味を考えてください。

 

 名称:収容実験記録10106C-2599

 対象:SCP-2599

 結果:創出されたSCP-10106-JP-Cは【機知応能 アポローン】

 空間型のSCP-10106-JP-Cであり、その範囲は自身のみに作用する特質を持つ。

 その特性は自身が就いている職能の内、メインジョブとして指定しているジョブ以外の系統(・・・・・)のジョブの性能を大幅に強化すると言う物です。

 SCP-10106-JP-A内部では他のオブジェクト同様にSCP-2599の異常特性は無効化される為、担当職員はそれに留意してSCP-2599と接触してください。

 SCP-2599は命令に対する精神的な衝動が無いこの状態でも同行者に対して一般的な範疇で従順であり、SCP-10106-JP-A内部では通常の少女の様に振る舞っています。

 

 

 

 

 名称:事案記録10106ZC-57

 対象:SCP-3477

 結果:SCP-10106-JP-A内部で新たなSCP-3477個体が発見されました。

 SCP-3477-46に指定された個体はSCP-10106-JP-A内部では【生竜王 ドラグサヴァイブ】の名を持ち活動していました。

 しかし、SCP-10106-JP-A内部時間でSCP-10106-JP発見当時から758年前に黄河帝国の黄龍人外に自発的に収容されて以来、黄龍人外の作成した収容房内部で生存しており、その収容房も黄河帝国の皇族所有の物であった為発見が遅れました。

 現在は有志の担当職員の尽力により黄河帝国の皇族より奪取し、奪取した担当職員とは無関係の職員に移譲し隠し通し収容を続けています。

 黄龍人外の製造した収容房を介在していてもコミュニケーションは可能であった為、インタビューを実施した所、SCP-3477-46は公的に死亡したとされる事件で死亡し、その直後にSCP-10106-JP-Aの世界に記憶を保持した上でドラゴンとして生誕したと証言されています。

 その異常特性はドラゴンとしての非常に高い身体能力及びに破壊耐性。再生能力。

 そして非常に高い危険察知能力と状況適応進化能力です。

 メモ:SCP-3477-20の存在によって転生し得る可能性は存じていたがまさか異世界転生までしているとは思わなかった。

 他にも異世界に転移/転生しているSCP-3477個体が発見される可能性を考え、多次元宇宙任務に従事する職員らに詳細を通達する事とする。

 しかし、保有する異常特性がSCP-682の特性に非常に酷似しているのは見逃せない点だ。

 他のSCP-3477個体にはその様な兆候は見られていない為ある種の偶然である可能性は高いが、それにしても嫌な相手を思い出させる物だ。

 アレが不老にして不死としてのハイエンドの一つと言うのは少なからずともアレを知っている財団職員としては理解できなくはないが。

 

 

 

 

 補遺7:███研究員の報告

 SCP-10106-JP-Cの判断する“パーソナリティ”には本人に内在する要素だけでなく、他オブジェクトの異常特性による変容も大きな要素と成り得る事は今までの実験記録からも判明していました。

 しかしながら、実際にSCP-10106-JP-Cによって発揮される能力特性が現実世界で変容を与えているオブジェクトの物と比べて明らかに小規模な物が大多数であるのは、偏にその結果を発揮する為の“リソース”が足りていない事が原因であると推測されます。

 これは担当職員らのSCP-10106-JP-Cの進化によるリソースの増大、及びに被爆したオブジェクトの詳細によってはほぼ完全な影響の再現を可能としていた事からも読み取れます。

 で、あるならば個々のSCP-10106-JP-Cが更に進化しリソースを増大していく事でいずれ致命的な能力特性を持つオブジェクトを再現したSCP-10106-JP-Cが現れ、それがSCP-10106-JPによる異常特性の無力化を無効化した上で我々の住む世界に飛来する可能性があるのではないでしょうか。

 それは新たに危険なオブジェクトを我々の手で作成してしまう事と変わりなく、我々の持つ理念とは真っ向から反対している様に考えられます。

 SCP-10106-JPを特殊な収容サイトとして使用する試みは現状は良い結果を齎している事は事実ではありますが、それは新たな危険を作りだす事を許容する程の事ではないと考えられます。

 よって、当オブジェクトの収容サイトとしての使用の停止及びオブジェクトクラス分類の再検討、そして封じ込めの許可の検討を申請いたします。

 

 

 

 補遺8:O5-█からの通達

 申請は却下されます。

 SCP-10106-JP-Cが進化によるリソース増大を経てSCP-10106-JP-B-02及びSCP-10106-JP-B-03の管理を脱する事が出来る様になる可能性は極めて低いと結論付けられています。

 SCP-10106-JPを用いる事による他生物型オブジェクト群の収容プロトコルの簡略化により得ている恩恵を鑑みて貰いたい。

 勿論、SCP-10106-JPを発見する前と同じ状態に戻るだけであり、致命的な破綻が待っているという訳ではないと言うのはその通りだ。

 だが、その簡略化により節約された事で現時点で各種オブジェクトの研究や捜索に注ぎ込む事が出来るリソースが非常に多大な物になり、そして確かな成果を上げていると言うのもまた事実なのだ。

 我々は未だ全能の力も無限のリソースも保有していない人間であり、使えるリソースは限られているのだ。

 君は優秀な研究員だ。きっと理解してくれる事を願う。

 

 

 

 




追記:資料10106-JP-ε

 担当職員名:[編集済み]
 <マスター>名:666
 創出結果器物(アームズ)型のSCP-10106-JP-C、【夢幻変刃 ダ・ヴィンチ】
 特性:変化
 備考:保有リソースの範囲内で質量と形状、そして装飾や模様等を自由に瞬時に変化させる事のできる短剣です。
 ゲーム上の装備品としての性能は低く、それ以外に特殊能力を一切持ちません。
 第六形態時点で最大質量は30.5トン、最大全長は53.84キロメテルです。
 武器型器物系統のSCP-10106-JP-Cに多く見られる利用者装備時の軽量化や反動の軽減等は行われません。
 変形は瞬時に行われますが、運動エネルギーの保持は行われず、尚且つ身体から離した場合は即座に紋章の中に格納される為遠隔武装の類に変更させる意義は薄いと考えられる。
 どの様な形状にも変化させられると言うのはあらゆる局面で非常に有用であるのだが――――
 [削除済み]




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O5司令部書類
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SCP-963「不死の首飾り」
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SCP-105「“アイリス”」
http://scp-jp.wikidot.com/scp-105
SCP-239「ちいさな魔女」
http://scp-jp.wikidot.com/scp-239
SCP-451「ミスター・ロンリー」
http://scp-jp.wikidot.com/scp-451
SCP-527「ミスター・おさかな」
http://scp-jp.wikidot.com/scp-527
SCP-650-JP「人でなし、でく人形」
http://scp-jp.wikidot.com/scp-650-jp
SCP-905「ミスター・カメレオン」
http://scp-jp.wikidot.com/scp-905
SCP-917「ミスター・ムーン」
http://scp-jp.wikidot.com/scp-917
SCP-1152「アライグマ」
http://scp-jp.wikidot.com/scp-1152
SCP-1370「困らせルボット」
http://scp-jp.wikidot.com/scp-1370
SCP-2599「不十分」
http://scp-jp.wikidot.com/scp-2599
SCP-3477「本物のハロルド・ホルトさんはご起立願います。」
http://scp-jp.wikidot.com/scp-3477
SCP-2950「ただの椅子」
http://scp-jp.wikidot.com/scp-2950
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