試製・転生請負トラッカー日月抄~撥ね殺すのがお仕事DEATH~【一般版】   作:珍歩意地郎_四五四五

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第18話:(2)のあらすじ(小川未明風な逃亡)

 てつの扉をあけると、そこはたいへん大きな動物屋さんの(さま)となっておりました。

 ガラスの箱に、ワンちゃんやウサギさん。ネコさんなどを入れてならべておく、あのお店であります。

 

 ただ、ちがふのは、そのガラス箱は、お部屋のようにたいへん大きく、なかには人間の少女やお姉ぇさま、それに奥さまなどが入れられていたことでした。

 

 彼女たちみんな、はきびしく(しつけ)られ、ときにはムチ打たれてガラスの箱のなかでふるえているのです。

 

 ガラスは音をすべてさえぎってしまうらしく、なかの声はけっして聞こえません。

 ただ泣いたり、怖がったり、ほしがったりする、恥ずかしいすがたが、音のないままに見えたのであります。

 

 主人公たちは、両がわにそんな大きな箱がいくつもならぶとおりみちを、ゆっくりとあるいてゆきます。

 

 ひとつのガラスの箱のなかには、少年だか少女だか分からない者もおりました。

 

 ガラス箱の説明書きには、

 

      【手術により少年→少女に変身中】

 

 と書かれておりました。

 

 ガラス箱の中に入れられている、その美しいこどもは、通りすがりの主人公たちにほほ笑みをうかべると、親しみをこめて投げキッスをおくったのであります。

 

 やがて、一行のまえに、りっぱな服装をした小さな男があらわれました。

 

「こらっ、だれのゆるしをえてここに入った。そもそもお前はなにものだ」

 

 そこで主人公は、自分のたちばを男にかたりました。

 

「うん、それならくわしいはなしは、おれのじむしょで聞く」

 

 

 一行が男のあとについてゆくと、この人物はひとつの大きなガラス箱の前で立ちどまりました。

 そこには主人公がいぜん見たことのある、けいさつかんのお姉ぇさまが、ここで前に見た人間とおなじようにきびしく(しつけ)られてゐるのです。

 

 主人公のお友だちである美香子さんは、

 

(あぁ……あんなにきびしく躾けられて、うらやましいこと。どうしてあそこで責めを受けているのが私ぢゃないんだらう……)

 

 と、ご自分をこっそり慰めつつ、身もだえしながら、くやしがり、ざんねんがるのでありました。

 

 お姉ぇさまは、それからさんざん責められているやうでした。

 そして、なにかをめいれいされ、嫌がっているように見えましたが、やがて最後には、しかたなくうなづいてしまいました。

 

 すると、この小さな男の人は、

 

「わはは、やつた、やつた。これでばんじ、こちらにうまくゆくわい」

 

 そう言って、じゃうきげんになりました。

 

 そのあとも、いろいろなガラス箱の並びを主人公たちは歩いてゆきました。

 

 おそろしい箱。

      みだらな箱。

          かなしげな箱。

 

 それはじつにさまざまだったのであります。

 

 やがて店のおくまったところにあるじむしょにようやくたどりつくと、

 

 この小さな男は、中にいるこわそうな大男たちを背にして、

 

「さあ説明をはじめてくれ。わたしが、このみせの支配人だ」

 

 と大声で言われたのでありました。




※おわび

 申し訳ありません。
 今回の話は18禁の内容を15禁に逐一変換することが出来ませんでした。
 故に第18話の2回目は童話風なあらすじだけで勘弁ねがいます。
 (大勢に影響はありませんのでご安心を)

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