試製・転生請負トラッカー日月抄~撥ね殺すのがお仕事DEATH~【一般版】 作:珍歩意地郎_四五四五
・ひとつ。わたしたちは安全・確実にお客様を
・ひとつ。わたしたちは笑顔絶やさずお客様を撥ね殺します。
・ひとつ。わたしたちは誠意を以ってお客様を撥ね殺します。
・ひとつ。わたしたちは努力奮闘し、お客様を撥ね殺します。
・ひとつ。わたしたちは倫理に
「ハィ、ちゅうもォ~く!」
轢殺ドライバーたちが斉唱する、なんとなく気の抜けた『愛の五ヶ条』。
それが終わると補佐役である主任は、どこか武○鉄矢を思わせる口ぶりで、
「マイケルさん。第1項をもういちど――おひとりで」
了解しました、と手に持ったクリップ・ボードを小脇にしてオレは直立不動で、
「ひとつ!わたしたちは安全・確実にお客様を
「そぉ~う!そのとおーり。安全、確実です。イイですかぁ~?みなさん」
魚のハゼを想わすような下ぶくれした顔が轢殺屋たちをながめわたした。
「しかァ~し!先日このマイケルさんはぁ~?安全、確実の基本であることを
月曜の朝会は、思った通り。
オレは報告・連絡・相談。
俗に言う“ほう・れん・そう”が成ってないと、皆の前でつるし上げられる。
長ったらしい訓戒。恫喝まじりの教導・叱咤。怪しげな格言を交えた講話。
しかし幸いなことに、所長の“アシュラ”も“ネズミ面”の
“アシュラ”に叱責されればコタえるし、“ネズミ面”に面詰されればムカつく。
だが、この下ぶくれの薄ハゲに非難されても、オレは何も感じない。
――あ、なんかハゼが怒ってら。
……ぐらいにしか思わないところが有り難い。
ほかのドライバーたちも同じようで、朝会は所長の“アシュラ”が臨席している時とくらべ、
ネチネチとオレに対し、十数分ばかり説教じみたことをクドクドと繰り返したあと、
「これは、ひじょぉ~に由々しきことです。イイですかぁ~皆さん!?」
(……先生かなしいです)
朝会に集った轢殺ドライバの中から、ボソリと物まねのセリフが。
クッ……!
一団が笑いをこらえる気配。
ハゼのエラ呼吸が激しくなった。
ギリリ、と半眼が轢殺屋の群れを見回し、
「だれですかァ!?いまのはッ!!」
沈黙。
どこかでボソリ。
(……風が語りかけます……)
そうかとおもうと、その反対側から、
(……ながい……な が す ぎ る……)
ここに至って、ようやくこの“ネスミ面”の補佐役は、自分が軽んじられていることに気づいたようだった。
「答えなさい!」
ハゼはヒステリックにわめくが、逆に轢殺屋たちから一斉に、
(――あァん!?)
凄みの利いたガンをとばされ、このハゼはタジタジとなった。
まるで“ネズミ面”が指揮を執った、いつぞやの朝会の再現だ。
ハゼが“ネズミ面”の執務室にある自分の机に帰ってゆくのを全員が見送ってから誰かが、
「終わりだとよ……」
ここで全員に和やかな嗤いがいきわたる。
さっさと散会する一匹狼トラッカー。
「あ~あ、ちきしょう……」
「どう?飲み行く?」
「オレ寮帰って寝るわ」
巻き狩り隊や、ペアを組むトラッカーも三々五々、話しながら事務所前スペースから消えてゆく。
「よかったねぇマイケル。所長や『業務統括』がいなくて」
朱美が、すこしこだわった顔で近づいてきた。
「とくに『業務統括』が居た日にゃ、朝会が1時間ぐらいになってたろうね」
「あの“ネズミ面”の野郎、どうもオレを目のカタキにしているフシがあるからな」
「それはそうと――」
ふと、朱美は声色をかえて、
「きのうはアリガトね、マイケル」
「ん?――あぁ」
「竜太のヤツ、喜んでたわァ」
「あれから坊主、ダダこねなかったか」
「それがねぇ。パパといっしょに帰るんだって、言うこと聞かないの」
パリン!と言う神経に障る音が総務のエリアに響いた。
見れば、お局サマがカップを割ったらしい。
アタフタと本人がコワばった顔で破片をかたづけ、給湯室に向かうのが見えた。
「……けっきょく運動会は早退よ。帰りにファミレスいって、あの子のゴキゲンとって」
とんだ出費だわ、と彼女は嘆いて見せた。
「なんだ、ふところ寂しいのかよ」
「いつだって金欠サぁ。竜太のためにも、いっぱい稼いどかないとね」
オレは心ならずも“魔女フェラチオーンの館”なる店で彼女がスケスケのネグリジェを着て男にご奉仕するサマを想像し、思わずブルッと頭をふる。
「もうすぐボーナスだしな。ガンバらんと……そうだ、運動会の画像は、しばらく待ってくれ。コネクターの規格が特殊なんで、一般のPCじゃデータ移動できない。トラックが復活したらそっちに転送するから」
「わかった――期待してる♪」
給湯室から能面のような表情のお局サマが急ぎ足でもどってきた。
自分の席につくと、なにやらフォルダーを開いて見入る風。
「あのサ。お願いあんだけど……」
ふり向くと、朱美がツナギの作業服に包まれた身体をモジモジさせている。
「竜太が、サ……いちど“パパといっしょにレストラン行きたい”って」
「う~ん、坊主め。意外とダダっ子だな」
「ね……ダメかな」
携帯が鳴った。
ジャケットから引き出してみると、情報屋の青年からだった。
――おそい。あの引きこもり。時間はあるくせに、ナニやってんだか……。
画面に見いるフリをして考える。
かたわらでは朱美の哀願するような眼差し。
しかしこれ以上、坊主に期待をもたせるのも酷だ。
――でも……一回だけなら……?
どうせこの数日はヒマだろう。
下らない朝会もないし、出社も任意。
ドレッドたちを見つけても、轢殺手段がない。
「……いいよ?あとで都合のいい時間をすりあわせようか」
朱美の顔が、普段のクールな表情からは見なれない、おさえきれぬ喜びにほころぶ。
「やった!あの子喜ぶわァ!!あとでメールすンね!?」
そういうや、またもこちらの心変わりを心配するようにイソイソと、尻を振り立ててフロアを出て行く。
――ンなに喜ばれても、後ろめたいだけなんだけどなァ……。
若干の胸の痛みを覚えながらクリップ・ボードを手に、オレは総務のカウンターに近づく。
「災難だったね、マイケルさん」
通りかかった顔なじみのオヤジが湯飲みを手に声をひそめ、
「あの主任ドノも業務統括の
「へ。画策って?」
「ロコツにゴマすってるらしいよ?業務ドライバーのアラ探したり」
「うへぇ。でもハナからあのボラには期待してないけど」
「閻魔帳にも、いろいろ付けてるらしいよ?」
マ、きをつけてねと言うと、このオヤジは隣の課の窓ぎわにある自分の席に座り、ゆうゆうスポーツ新聞を広げる。
――“ネズミ”に「おべっか」を使う“ボラ”か……。
オレはクビを振りつつ、カウンター越しにお局サマを呼んだ。
めずらしく彼女はボンヤリとでもしていたのか、ハッと顔をあげてこちらを見る。
「……あぁ、マイケルさん。なにか」
「これこれ。この前もらった上申書のつづり」
手にしたクリップ・ボードをかかげてみせる。
「いちおう、上申書も記入してきたよ。この書き方で通るか、知らんけど」
「――ちょっと拝見」
メガネの奥の無表情な視線が、ザッと文面に眼をはしらせる。
その間、オレは総務の席をザッと見渡す。しかし、あのベリショの娘は、今日もいない。
長らくの欠席は、ドライバーのあいだでも、あの憎まれ口が聞けないのはサビシイと言い出すヤツが出るくらいだ。
「――あの娘なら、今日も所長と同伴で出張よ?」
またも、こちらの心を見透かしたように書類を見つつキロッ、とお局サマがメガネの縁から上目づかいに、
「あの子、業務ドライバーだけじゃなく得意先にもファンがいて、彼女連れていくと何かとベンリなんですって」
「へぇぇ。やるなぁ――営業畑の人間だったら、さぞかし優秀になったろうに」
「そう。何にせよ若い
まわりの人目も気にせず、古株の主任はツケツケと言いはなった。
「そうことを言ってるんじゃなくて……」
「あ、そういえばオメデトウございます」
「え、なんのこと?」
お局サマはいくぶん声をひそめ、こちらに身を乗り出した。
「朱美サンと――ご結婚なさるんでしょ?」
「はぁ?」
思わず間抜けな声が出た。
ちかくにいた法務や財務のスタッフたちが端末から顔をあげたほど。
「ナニ言ってるんだ?べつにオレは再婚なんてしやしないよ」
「え!だって……朱美さんが、あなたのことお子さんのパパだって」
「そんな。あれは単なる子どもの父親役さね」
「なに?それじゃ――」
不思議なことに、それまで真っ白な能面をおもわせたお局サマの顔が、パァァァ……っ、と色づき始める。
きゅうに表情が生き生きとしはじめ、視線と身体の動きが落ち着かなくなって。
「なんだ……なぁぁんだ!」
彼女は、まるでこちらを非難するような口ぶりで、
「そういうことでしたの!?」
「あたりまえダロ?いまのオレにゃ、そんな心の余裕なんてないのサ」
相手が生気をみせる反面、オレの心の中は
「知ってるだろうが。オレにはどうしても殺してやりたい
「怖いわね……あまり根つめないで?」
「根をつめなきゃ、
「どうでもイイけど。いまのあなたの顔、まともじゃなかったわよ」
上申書にOKをもらったオレは、妙に嬉しそうなお局サマに書類の提出をまかせると、ひとけのない自販機コーナーまで行き、コインを放り込んで缶コーヒーを取り出し口に落とした。そしてすぐ近くに置かれた白いテーブルに腰を落ち着ける。
――さぁて、情報屋のヤツめ。なにを調べてきたかな……?
携帯のメール画面をひらき、送られてきた文面をワクワク気味にたどる。
まず、連絡がおくれたことを詫び、つづいて要点として以下の内容が並んでいた。
・懸案の人物“結城”とは『
・もとは商社マンをつとめ、北部アフリカ・中近東のプラント関連事業を手がけていたこと。
・旧名は源鬼倫林。インターハイ出場経験あるも、何らかの事情で失格となっていること。
・身辺に関しては、特段のウワサは下記以外にないこと。
……などが挙げられていた。
そして下記?と文面の下を見れば、
注)懸案の人物は、外務省の政策決定に関する情報収集を内密に担当していたとのウワサ有り。
なァんだ、コレだけかとオレは拍子抜けする。
商社員が、国や軍の意向をうけて現地で情報収集活動を行うのは珍しくもない。
とくに戦前では、スパイもどきの工作活動もあったと聞く。
インターハイ出場も想定内だ。「失格」とあるが、おおかた減量にでも失敗したんだろう。
時間をやったワリには実入りがない。
収穫は、銀行の系列が分かったことぐらいか。
しかし、民間の商社員ふぜいが銀行の役員というのも不思議と言えば、不思議か。
まぁ、これも外務省とのパイプを考えれば、“天下り”の変則パターンとして無くはナイ話だが。だがそれには本人がよほど大物か、あるいは有力なコネがないと……ならその後ろ盾は?
添付されたフォトを眺める。
例によって机に座り、ペンをにぎってこちらを向いたおきまりのポーズだ。
しかし顔は微笑んでいるが、眼が笑っていない。全体的に硬質な雰囲気。
――いずれにせよ、なんかヤバそうな
オレは青年の口座へ多めに金を振り込み、後ろ盾に大物がいないか探れと指示する。
さて……なにが出てくるか……。
コーヒーを飲み終わると、地下駐車場へ足を伸ばした。
しかし、そこは相変わらずの修羅場状態で、整備員や作業員、技術員が入り乱れ、作業音が耳をつんざくばかり。
大電力を消費する転生装置。
いったいどんな仕組みなんだか。
そもそも開発したのは、どこの国だろう?
まさか日本じゃあるまい。この国にそんな度量はない。
となると……アメリカの軍産複合体か。ロシアの非公開研究施設か。
――なんだァ?……『死体置き場』?
壁に段ボールの切れはしで作られた大カンバンが貼られる場所を見れば、そこには折りたたみ式の狭い軍用ベッドがならび、あぶらまみれの作業員たちが力尽き、爆睡していた。
「ぎゃァァァッ!」
およそ人間の立てる声とは思えぬ凄惨な悲鳴。
スパークの青白い閃光とイヤな明滅。
肉の焦げる美味そうなにおい。
トラックのボディーに上半身を突っこんでいた整備員が、全身から湯気を立ち上らせつつ、黒いケムリを口から吹きながらユックリとのけ返り、後頭部からコンクリの床に着地する。
ゴトッ!
腹の底に響くような、胸の悪くなる音。
鳴らされる
がぜん緊張する気配。
あちこちからおこる怒号。
周辺は、いっそう騒然とする。
男たちの殺気が、最高潮に高まって。
――ダメだこれは……。
ロック技術顧問のところに顔を出して、いろいろ情報を仕入れようとおもったのだが、こんな状況ではどうもムリっぽい。
作業員以外立ち入り禁止と札の架かったポールの迷路をとおって、オレはトラック用のスロープをつかい、空模様があやしい外に出た。
歩いてバス停に着き、さて……と時計をみれば、まだ10時前。
帰って二度寝するか?と思っても、寮にもどれば遅番の終わった『美月』がオレのベッドを占拠して寝ているだろう。コッチはいいかげんソファーで寝るのも疲れてきたってのに。やはり鷺ノ内のオヤジに事情を話し、実家に引き取ってもらおうか……いや、だめだ。あちこちの整理がついてから実家や高校にもどさないと、とんでもない崩壊がおきそうな気がする。それこそ取り返しのつかない……。
なにか、とてつもない大崩壊の予感にブルっと身をふるわせ、雲荒れる空を仰ぎ見た。
――どこか……にしても。この天気じゃもうすぐ降ってきそうだなぁ。
こういうときに仕事人間は不便だ。
前の職場でも、轢殺屋になってからも、忙しくて趣味というものが持てなかった。
ポカンとヒマになったとき、やることがない。こういう人間はボケるのが
映画の上映スケジュールを見ても、展覧会の
――野郎ひとりで水族館ってのも、ゾッとしないハナシだ……。
竜太のヤツをつれて行ったら喜ぶだろうか。ふと考えてしまう。
いや、これ以上親しくして、相手に期待を持たせるのはダメだ……いやまて、約束した食事会の前に、水族館につれて行くってのは、アリだぞ?
とうとう雨が降り出した。
オレは轢殺ターゲット監視用として、この自粛期間中にも使用許可をもらったスカウタ……じゃない、コネクターをつけ、スイッチをONにする。
「ちえっ、こんな時に【SAI】がいればナァ……」
適当にアドバイスをしてくれるんだろうが――と考えて、イカんイカん。
あのクソ生意気な人工知能に助けを求めるなんて。いつのまにか依存している。
監視ポッドからの映像は、相変わらずだった。
CROSEの札がかかった『ジーミの店』と『BAR1918』。
――いや待て。
監視ポッドの映像を広角ぎみに。
1918の窓に、例の女がたたずんでいる。
赤いホルター・ネックのドレスが褐色ぎみの肌に
こうして見ていると、まるでファッション雑誌のモデルめいた印象。
無表情に外を覗っているが、その反面、視線と身体はソワソワとして人待ち風に。
――まさか……ドレッド?
おいおいカンベンしてくれよ?いま奴らに動かれたんでは、手も足も出ない。
まったく、トラックを取り上げられた轢殺ドライバーなんて、
そして……思った通り。
コネクターが、電子音の警報を発した。
あらかじめ
パーカーのフード姿。
見間違えようもないガタイ。
サングラスをかけた、削げたほお。
オレの全身の血が、カッとたぎり、逆流する。
気のせいか、サングラスごしの視線がこちらを見たような気すら。
おまけにブ厚なくちびるがニィッ、と嗤うように歪められ、まるで徴発するように。
「【SAI】!ヤツが――」
思わず叫びかけ、言葉を途中でグッとこらえた。
畜生。こんな時に。
バスがやってきた。
いま行っても、どうにもならないことは分かっている。
しかしオレの轢殺ターゲット。なにより詩愛の敵。
轢殺トラックで簡単に異世界送りとしたのでは気が済まない。
最低でも、先だっての轢殺目標のように“紅いウサギ”にジワジワといたぶってもらわなきゃ、もはや自分の中で溜飲がおさまらないまでになっている。
いや、むしろいっそのこと……。
――オレの手で、殺すか?
ヤツとオレとの一騎打ち。
ブラス・ナックルか、ナイフか。それとも
得物をつかっての血みどろな闘いになるだろう。
――上等だぜ。こっちも人生、はんぶん棄てにかかってンだ。
『乗らないんですか?』
いつのまにかバスが前に停まり、ドアを開けたままマイクで確認される。
「あ!スイマせん、乗ります乗ります!!」
慌ててステップを登り金を払うと、ガラガラの車内を歩いて一番後ろの座席にすわった。
『発射します。ご注意ください』
ブザーのあとバスは動きだし、見晴らしの良い車窓の列であたりの景色がゆれる。
そう、ヤツはオレの獲物だ。アホ【SAI】なんかに頼って、お手軽に異世界なんぞへブッ飛ばすよりも、オレの手でじっくりと殺してやったほうがどれだけ胸がすくことか。
よぅし、とオレが覚悟を決めたときだった。
――まて。それでは単なる殺人ではないか。
ふいにオレの中で別の声が主張する。
――業務で処分するのと私怨で抹殺するのでは、天と地の開きがあるぞ。
――しかし……そうは言っても、詩愛の敵だぜ?
――轢殺処分し、異世界に転生させ、より高位の裁定におまかせするのだ。
――でも……なぁ……?
――ケッ!なに言ってやがンだよ、フニャチン野郎が!
また別の声。
硝煙と、火炎放射器のガソリンと、そして腐肉と悲惨の気配が近づいてきた。
――殺られたら、殺り返す!これが戦場の掟よ!
――ここは非常時の戦場ではない、法治国家だ!
――法治も無法もあるかィ!報復は、完遂する!
背中の辺りで二つの考えがしばらく拮抗する。
――それに、だ!
とうとう騎士団長のイメージがある片方が、業を煮やしたように、
――
――あ。
言われてみれば、確かに。
考えてみれば、チョッとアツくなりすぎていたようだ。
先日の詩愛のなみだが、オレに見境をなくさせたらしい。
――えぇ?武器を持たずに、戦うのかねキミ?
――ウッ……そりゃぁ、途中で得物を買うサ、なぁ?
なぁ?と言われ(うむむ……)と考え込んでしまう。
しかし、この前みたいに相手が拳銃を持ち出してきたら……どうする?
どうせフィリピンか北朝鮮製の安いコピー銃だろうが、それでも狙って撃てば十分殺傷能力のある代物なのだ。
コネクター画像の中。
例のブラインド窓で、女とドレッドが抱き合うのが見えた。
やがてそのブラインドのハネも角度を変えられ、中が見えなくなる……。