試製・転生請負トラッカー日月抄~撥ね殺すのがお仕事DEATH~【一般版】   作:珍歩意地郎_四五四五

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 将校クラブの扉を開けようとする。

 と、なにやら中が騒がしい。

 ソッ、と細目にあけてみた。

 すると――。

 

 

「ヘェ。じゃお前ェは、オヤジのあてつけで、こんなトコまで来たってワケか」

 

 黒タバコの臭いとバラックの中の喧騒。

 蓄音機のシャンソンにまぎれ、アフリカーンス(アフリカ語)なまりのフランス語が聞こえてきた。

 

「イイとこのおぼっチャンが、わざわざドロ水すすりに来なくてもナァ?」

「パパは“朝鮮のゴタゴタ(朝鮮戦争)”で儲けたんだろ?お家に居りゃイイのによォ?」

「黒ん坊どもをイタぶるのに飽きて、とうとうホンモノの殺しを味わいたくなったか?」

「そのワリにァ、パトロールにも出ねぇし……」

「国連軍のジジィどもを()()()()()()ってハナシじゃねぇか」

「いい医者しってるゼぇ?紹介してやるよ?」

 

 なんのことはない。

 あの司令部付きのヤン中尉が、将校クラブのホールで“戦場ギツネ”どもに囲まれ、イヂられ半分の質問攻めに()っているのだった。

 

 “将校クラブ”といっても、大したことはなかった。

 

 見通しの効く広めのバラック。

 そこに得体の知れないカーペットと、どこかの飲み屋から徴発してきたらしいソファーやスツール、小卓(テーブル)。これら素性の怪しげな家具がそこいらに並べられ、いずれも『ジタン』や『ゴロワーズ』といった黒タバコにいぶされて、毎夜ビールやウィスキー混じりに吐かれる怪気炎にさらされている。

 

 FAL自動小銃を交差させた上には、撃ち倒したらしいガゼルの首が腐りかけな剥製となって架けられ、周囲をアフリカ少数民族の民芸品や呪術道具が飾っている。

 いい加減に刈り取られ、観葉植物の代わりとされたバオバブの若木やサボテンは、将校たちのいたずらで枯れかかり、ミジメなすがたを晒していた。

 

 皆からの玩具(オモチャ)にされたヤンは、弱々しい愛想笑いをうかべ、その枯れかけた観葉植物の葉を力ない手つきでいじりつつ、

 

「い、いえ自分は。そういうワケには……」

 

 一人の少尉がヤンのアフリカーンス(アフリカ語)をまね、

 

「自分ハ……ソウイウワケニハぁ……かァ?」

 

 下級将校たちの下卑(げび)(わら)い。

 もうひとりがヤンの肩章をゆびで弾き、

 

「だいだいョ?ここはアンタみたいな大卒モンが来るとこじゃネェよ」

「腐乱死体みて引っくり返るようじゃ困るぜ?」

「墓穴掘りにしたって、ツカえなさそうだし」

 

 さんざん囃したてる男たちを制し、顔にシワを刻む、いかにも苦労人といった感じの古参な老大尉が、

 

「しかし、キミは何でこんな部隊に?」

「それは……」

「プレトリアあたりで、銀行員でもやってればよかったのに……」

 

 これには下級将校たちが口々に同意のうなり。

 

「アレか?故郷(くに)の彼女に、イイ恰好みせたかったのか?」

「ちょろっと在籍すりゃ、本物の軍よりワリのいい手当出るからなァ」

「むかしのお貴族サマが大学出たときにやる「卒業旅行」(グランド・ツアー)のつもりじゃねぇの?」

「ちっとはパトロールに出てみやがれっての!」

「第一中隊のアレクセイを見ろよ!あんなロシアのガキでも立派に“アカ”と戦ってるじゃねぇか」

「あいつは……親兄妹をコミュニストに殺されたからな……」

 

 荒くれた戦場ギツネたちの間が、すこしばかりシュンとなる。

 

 彼等は一瞬、それぞれ戦禍のあいだに失くした親類や友人のことを想ったのだ。

 あの世界大戦やインドシナでの戦い。カスバでのテロ……。

 

「それに引きかえ、お前ェはどうでェ?戦闘に出撃るならまだしも、司令部で事務屋たァよ?」

「おおかた、パパの農場で“黒んぼ”たちにムチぃ振るぅハクをつけるため、部隊に参加して実績ィ作ろうとしたンだろ?」

「ンだな。契約期間おわったら、アイロンの効いた制服着て写真館で1枚。それで一丁あがりってなワケだ」

 

 まわりの将校たちから、またもや異口同音に同意が出される。

 

「自分は、そんなんじゃありません!」

 

 ヤン中尉は苛立たしげに、半長靴で将校クラブの床を踏み鳴らした。

 

 予想外の剣幕に、一瞬将校クラブが静まる。

 そして、くちびるを引き締め、周りを見回す眼つきに険をこめ、

 

「なんなら自分だって、皆さんと同じに――」

 

 ――潮時だ……。

 

 ドカン!

 

 オレは将校クラブの扉を勢いよくケリ開けた。

 とたん、黒タバコの強烈な臭いが鼻をつく。

 なぜか脳裏に、トレンチコートとソフト帽姿のノッポな男が思い浮かんで。

 これは一体なんの連想だろう……。

 

「ヨォ、こりゃ皆さんおそろいで――ドウしたい?ヤン。無学な連中にデカルトでも講義してやってるのか」

 

 頬に火傷痕(ケロイド)のある坊主頭の中尉が怪訝そうな顔で、

 

「デカルトだぁ?……どこの武器だィ?」

 

 ふふん、とオレは苦笑し、

 

「フランス製の有能なコンパスさ。どこにいても自分の立ち位置を示してくれる。Je pense, donc je suis(我思う、ゆえに我あり)、だ」

 

 分かったような、分からないような顔をする下級将校たちをしりめに、

 

「こいよ、ヤン。飲めなくなったバーの続きだ」

「なんだ?()()()()。飲めなくなった、って」

 

 額にザックリとキズのある大尉が怪訝そうな声でオレを引き留めた。

 

「酒場で、なんかあったのか?」

「大尉どの。今晩は本職の佐官だらけだ。みんなして大戦の懐メロで盛り上がってる」

 

 尉官たちのブーイング。

 

「そういやミラーの査問会やってたナ」

「ヤツらがそのままの流れで来やがったか」

「ほかの基地のヤツらも居たから、こりゃ相当な人数だな」

「ケッ!国連の()()()()どもなんザ、見たくもネェや」

 

 ほかの尉官たちもヤンから興味が失せたように入り口のフロアから散ると、てんでにアチコチのソファーや椅子に向かってゆく。

 封の切っていないカードが何組か取りだされ、あるいは壁にならぶカギ付きの個人ロッカーから嗜好品が抜き出された。

 

 オレとヤン中尉は、クラブの片すみにある目立たない4人掛けテーブルに腰を落ち着ける。

 

「助かりましたよ、マイケル中尉(さん)

 

 辟易(へきえき)したかおで、相手は首を振りながら、

 

「よってたかってイヂられるんだから……なにしてたんです?」

「べつに。ちょっと現地の若者の青春を、な」

「なんです?オヤジくさい」

 

 ――う……っ!

 

 意外なほど、その言葉はオレの胸にコタえた。

 オヤジじゃない“後期青年”だ!……とイキまこうとしたが、なんか(ムナ)しいのでヤメておく。

 

「おおきなお世話だ――ホラ」

 

 オレはポケットから個人用ロッカーのキーをヤンに放った。

 

「なんか作ってこいよ」

 

 先にも記したとおり、ロッカーの中にコマンダーたちは、それぞれ個人用の酒や禁制品のブツを仕込んであった。

 オレの場合はジャックダニエルとジャン・フィユーが数本。そのほかに入れてあった。

 了解、と若いヤンは素直にロッカーに向かう。遠くで彼が呑みかけのジャン・フィユーを取りだすのが見え、ついでセルフ・サービスなバーに向かい、棚からグラスを物色している。

 

 ――フン……。

 

 オレだって“まだまだ”さと、そんなヤンの若いうしろ姿をながめながら安出来な木製の木製のイスに深くもたれた。

 

 老眼にもなってないし、ウイスキーならボトル1本は軽い。

 「浸透作戦」用の重装備をかついで楽々走るし、連チャンの徹夜で戦闘も可能だ。

 

 ――しかし……。

 

 このごろ、妙な幻視に苦しめられるようになった。

 

 いちばん多いのは――これは前世だろうか?――オレは大型のトラックにのって仕事をしてるんだ。しかも仕事の内容が、トラックを使った暗殺という荒唐無稽なイマージュ。

 

 つぎに多いのは、自分は中世ヨーロッパ(?)の特殊な騎士団の団長で、大柄な化け物どもを相手に大太刀まわりをするという……おそらくこれは、むかし読んだ「ヨハネ黙示録」の記憶が、戦闘の興奮と疲れでそのまま表層意識に出てきたモンにちがいない。

 

 しかし、光景と印象、感覚が――いかにも()()()だった。

 

 トラックの暗殺者は女房を寝取られた男で、ヤケを起こしたその挙句、一流カンパニーを(クビ)になったすえ、毎日のビールを楽しみに世を過ごしているという。最近は、みょうな美人姉妹が部屋に転がり込み、女はもうコリゴリという“オレ”をふりまわしてる。

 

 騎士団長のほうは、これも美人だが気の強い半獣人(?)の女房とカワイイ娘に恵ものの、内乱によって屋敷を全滅させられた哀れな男だ。これも夢というにはあまりに生々しく、手のひらに剣の切れ味すらつたえる時がある。汗にまみれてコット(軍用ベッド)からハネ起きても、しばらく血の臭いが感じられるほどに。

 

 ――まさか若年性のボケじゃないだろうな……。

 

 ボケる前にとっとと死にたい。

 ただ、敵に負けるのは、イヤだ。

 戦って――戦って――戦い抜いて。

 相手を鏖殺(みなごろし)にしてから、戦死したい。 

 

「どうしました?マイキー。またボケっとして」

 

 気が付けば、将校クラブのミニ・バーから作ってきたグラスを両手にしたヤンの若い顔がのぞきこんでいは。

 

「ん。いや――なんでもない……すまねぇな。コニャック・ソーダか」

「向こうのバーみたいにカクテルとはいきませんけどね。あ、ソレからこんなものがロッカーにありましたよ?」

 

 通信紙の裏紙に、

 

 【ウィスキーもらったぜ。借りは現場で返す――ラルゴ】

 

 ――あんのヤロ……!

 

 油断もスキもない。

 手先が器用なヤツだとは思っていたが、おんなの股を開けるだけじゃなく、鍵穴も開けるのが巧みと来やがる。まぁ、油断したこっちも悪いんだが。

 

「ちくしょう、カギをつけかえなきゃならねぇな……」

「なんですって?」

「なんでもねぇ」

 

 ヤンはオレの前にきめの細かい泡の立ち上る一杯を置くと、自分の方は立ったまま、ソーダ水をわずかに染めたようなグラスを口に含んだ。

 そして、オレの方を見おろしながら、

 

「こんどの作戦に、影響が出ますかね?」

「んぅ?」 

 

 今度の作戦。

 

 つまり、オレたちが“一時的に“方位をうしない”本隊からはぐれたあと、あのドレッド野郎と腰ぎんちゃくのサルを本拠地と思われる訓練キャンプに向かい殺しに行く隠密行動だ。

 さすがにこの兄ちゃんは、そこまで知らないだろう。

 知っていたら大問題だ。だとしたら、オレはこの作戦(オペ)を降りる。

 

「大丈夫じゃねぇかぁ?「第1」と「第2」は、ほぼ健在なんだし」

「じゃぁ、予定通り進行?」

「まぁ、な。今のところ変更の予定は聞いていない。それよりも聞いてねぇか……?」

「ナニをです?」

「捕虜が、何をしゃべったとか」

 

 ヤンは肩をすくめ、オレの向かいのイスを引いてすわると、苦々しげに唇をゆがめた。

 相手の眼に、嫌悪じみたものすら閃く。

 まったく、とヤンは唾棄せんばかりな勢いで、

 

「あの手のサディストどもには――ウンザリしますね!」

 

 この青年にしては、珍しく語気が荒かった。

 ふしぎなことだ。たかが尋問するぐらいで。

 

「どうした?やっぱり過激な現場はダメか?」

「あの“獣人”ども、拷問に電気をつかうんですよ!電極を男のアレと……排泄部に差し込んで、手回し発電機を回すんです……それもバカ笑いしながら!なんであんなことが出来るのか、自分には分かりません!」

 

 オレはコニャック・ソーダを含んだ。

 馴染みの味が口中に拡がり、スッとここちよくノドに流れてゆく。

 

「じゃ、そもそも何でオマエ、傭兵部隊(こんなところ)入隊(はい)ってきた」

「それは……」

「そりゃ他のヤツらが、オマエにちょっかいも出すワケだぜ。いいトコ出の坊ちゃんが(しかも大学出だぞ?)こんな薄汚れた世界に」

「マイキー、貴方だって大学出てるじゃないですか」

 

 ヤンはグラスのむこうからふくれっ面をみせた。

 ウッ、とオレはまた詰まる。

 

 ――コイツ……こんなとこまで。

 

「誰から聞いた?」

「風のウワサで、ちょっと」

「この地獄耳が。おまえの“風”ってのは、地球をまわるジェット気流のことだろ」

「否定はしませんよ?」

「コイツめ。コキやがるぜ」 

 

 やれやれ。どこから漏れたんだかと、オレもコニャック・ソーダをすすり、

 

「実際の話どうなんだよ?」

「なにがです」

「オマエなら、ほかに仕事なんぞ幾らでもあったろうに」

 

 ヤンの顔に一瞬のためらいが動いた。

 やや久しく、いかにも薄そうなコニャック・ソーダのグラスを眺める風。

 

 しばらくしていつもの顔にもどったところを見ると、どうやら言おうとしたことを自分の中に呑み込んだらしい。そして言葉つきも幾分トゲトゲしく、

 

「自分の家が、富農だってのは知っているでしょう?」

「あぁ。話には聞いてる、といってもほかの連中のウワサを聞いただけだが」

()()()()を山のように使ってプランテーション(大農場)を経営してました。オヤジのヤツは利に敏くて、機械的な新機軸を次々に導入しました。そして()()()()も……それこそ機械のように使い……」

 

 なぜか、ヤンはここで声を途切らせた。

 そしてやおら、テーブルの上にあったうすいコニャック・ソーダをグイグイ呑んでから、ダン!とグラスをテーブルに置き、

 

「昔のアメリカ黒人奴隷みたいな扱いですよ。言うことを聞かない者は、棒やムチで殴る。拍車つきの固いブーツで蹴る。真っ暗な牢に監禁して、一切を与えない。有色人種に対する扱いがヒドいんです!」

 

 ヤンが先ほどから黒人を“黒んぼう”と言わずに“有色人種”というのが気になった。

 南アフリカの特権階級に生まれた子弟にしてはめずらしい。

 

「で?それとオマエが部隊(ウチ)に入ったのは、どういう関係なんだ?」

「もう一杯……いいですかね?」

 

 めずらしく、空いた自分のグラスを掲げながらヤンがつぶやいた。

 

「もちろん。喜んで」

「ヘヘッ、日本の居酒屋みたいなコト言うんですね。さすがヒノモトのサムライだ」

 

 ヤンは空のグラスを手に立ち上がると、バーのほうへ歩いて行った。

 オレは半分ほどになったコニャック・ソーダをチビチビと含みつつ、今夜のあいつは、どこか変だなと心中、首を傾げる。

 

 そこへ、顔なじみのヨーク軍曹がやってきた。

 

 インドシナ戦争のジャングルでヴェトミンを本能のまま狩りまくり、いくつもの勲章を授与された野生のハンター。年齢を偽証して少年兵で参戦した大戦からこっち、戦争と言う戦争を渡り歩いてきた猛者と聞いている。下士官はこのクラブに入れない不文律があるが、さすがにこの男ともなると例外扱いされていた。

 

 クマのように体毛の濃い、南フランスの農夫じみたその中年男が、ウイスキー臭いヒゲ面顔をよせるや、こそっとオレに耳打ちして、

 

「奴には――気ィつけた方がいいですよ、中尉」

「ヤツ?だれだ」

「あの“ヤン”とかいう南ア産の()()()()です」

 

 この物静かな年長者にしては、珍しい物言いだった。

 ヨーク軍曹だけじゃない。

 先の私設将校クラブの入り口での出来事と言い、あの青年は“大学出”というだけで傭兵たちから妙に毛嫌いされている。

 

「不思議だな、オーバン(ヨークのファースト・ネーム)」

 

 オレは残ったコニャックを一気にあおった。

 

「なぜ……そこまでして、みんなヤツを嫌う?」

 

 ヒゲ面の口元がへの字にゆがみ、

 

「なんでですかねェ。たぶん、みんな本能に忠実だからじゃねぇですかい」

「本能?」

 

 戦場のハンターは腰に手を当て、周りのコマンダーたちを見回した。

 

 腰に拳銃やナイフを吊った、髪も肌の色もさまざまな戦闘服姿の男たちが、笑い、怒り、あるいは寡黙に。

 過去を重く背負った肩からは、見せかけの自信と、防衛のための尊大さと、そして幾分かの躊躇(ためらい)や時には怯懦(おびえ)が見え隠れして。

 一つのテーブルで哄笑がわきおこった。

 そしてその哄笑は、沸き上がったと同時に急に醒め、しぼんでしまう。

 ことばの切れ端から、彼らが何をネタにしているのかが分かった。

 

 “安全ピンのシムズ”の話だ。

 

 むかし――といっても1年ぐらいの話だが、よく酒場のネタにされていた伝説の新人隊員。

 いつぞやの戦闘のとき、そいつは手榴弾の安全ピンを抜いて、安全ピンの方を投げやがったのだ。

 しばらくは部隊を揺るがす大ネタ。

 だがそのシムズも。後の市街戦で、もういない。

 そして橋の下を水が流れるように、多くの戦友たちが姿を消していた。

 しぼんだ哄笑は、テーブルにつく皆が、そのことを想いだしたためだろう。 

 

 その様をヨークは乾いた眼でながめ、やや久しく沈黙していたが、

 

「そう――本能ですよ」

「たとえば?」

 

 フン、と鼻で嗤う気配がして、

 

「金……女……戦闘……酒……そして何より、死……」

 

 死?とオレはヨークのヒゲ面をいぶかしく見やる。

 

 しかし、そこには何も浮かんではおらず、戦塵の中に年月を(けみ)した古革のような顔つきの中に、深淵のような無表情があるばかりだった。

 

「ハナが効くんですな。長年、こんな世界に身を置いていると」

「つまり?」

「信用できるか、否かってヤツです」

「あの青二才をか?」

 

 への字にまげたくちびるが頷いた。

 

「ヤツは大学出だと言ってましたな?どこの大学です」

「それは――」

 

「やぁ軍曹」

 

 いつのまにかヤンが両手にゴブレットを両手にもって立っていた。

 そしてきわめて社交的な笑みをうかべ、

 

「自分の出身大学が――なにか?」

 

 ヨークの肩から一瞬、何かの雰囲気が煮え立った。

 しかし、それはすぐに消え去り、冷たい乾いた眼がこの青年を見据える。

 ヤンは、落ち着いた口ぶりの下に辛辣なものを含ませ、それでも表面は軽やかに、

 

「当方のウワサ話をされるのはご自由ですが、そこに勝手な推量を交えるのは、控えめに言って如何なものかと考えますがねぇ……」

 

 オレは驚いた。

 

 以前、英国のパブリック・スクール出で『サンドハースト』を卒業したローデシアSAS・C中隊の男と夜戦の“仕事”をしたことがあるが、その物言いがコイツとそっくりだった。

 

 ――まさか。

 

 ヤンはこっちが思っている以上に、高学歴の人間ではないのか。

 それに対し、南フランスの農夫じみたヨークは何も言わず、ゆっくりと体の向きをかえ、まるで昼寝から目覚めた後、畑の畝のようすでも診るような足取りで黙したまま、ゆったりと立ち去っていった。

 

「やれやれ。ホントに自分はキラわれてるんですねぇ」

 

 ヤンはオレの前にグラスの片方を置いた。

 そして自身も対面のイスに座ると、こんどは見るからに濃そうな自分用のコニャック・ソーダを一息に干した。

 

「おいおい大丈夫かよ」

「なに。どうせこの部隊には場違いな存在ですよ――どうなったってイイんだ!」

 

 声ひくく()ねたように毒づき、くちびるをへの字に。

 

「らしくないな、ヤン」

「フンだ」

 

 アルコールの作用が早くも効いてきたのか。

 ダン!とオールドファッション・グラスを置くと、多少底のすわった眼で、

 

「サムライ・マイケル、か。アンタもほかの傭兵どもと同じだってワケだ!」

 

 ――はぁ……。

 

 飲みなれない酒を呑んで虎になった相手ほどウザいものはない。

 それがヘンにカラんでくるとなればなおさらだ。

 

「たいがいにしとけよ、ヤン。無理に呑まなくたってイイんだぞ」

「チェッ!ブランデーの1ッ本や2本ぐらい、なんてコタないんですよぉ」

 

 ドッ!と向こうのテーブルでまた笑い声があがった。

 ひょうきん者のジョーンズが、また何か面白いことを言ったらしい

 顔をもどしたオレは、思わずギョッとする。

 この酔っ払いが、腰のホルスターからM36を抜き出し、怪しげな手つきでひねくっていたからだ。

 しかもその拳銃、どこで覚えたのか生半可な知識で引き金ガードの前半分とハンマーが切り飛ばされ、抜き撃ち専用に改造されていた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「――よせって」

 

 オレはヤンからスミス&ウェッソン製のリボルバーを取り上げようとする。

 相手はそうさせまいと抵抗した。

 イスに座ったまま、テーブル越しにもみ合ううちに、

 

 ダン!

 

 拳銃が暴発し、燃焼ガスの圧力がオレの首もとをかすめた。

 一瞬、将校クラブが静まりかえり全員の注目がこちらを向く。

 しかし、すぐに(なァんだ……)という雰囲気で元の騒ぎにもどってゆく。

 とうとうオレに拳銃を取り上げられたヤンは、酔いがまわった紅い顔で仏頂面をしていたが、ややあってイスに背をもたせると、 

 

「チェッ。まぁイイや……そうだ、どうして自分がこの部隊に入隊(はい)ったか、聞きたがってましたよね……」

 

 酔った勢いなのか、相手の口が妙に軽くなっていた。

 オレは、手の中にあるヤスリの跡もあたらしいリボルバーを見ながら、

 

「ふぅん?話してくれるのか」

 

 別にたいしたこっちゃないんです、とヤンはトロンとした目つきで、

 

「ウチの家が富農だって話はしましたっけ?……そうだ、したな……オヤジが辣腕の事業家だったことも……でも、その農場で叛乱がおきたことは、話してないでしょう?」

「……Aanhou(つづけろ)

 

 アフリカーンス(アフリカ語)でオレは先を促した。

 ま、先はだいたい見えていたが。

 そんなオレの顔つきを読んだのだろう。

 ヤンもひとつ頷くと、

 

「お察しの通り、叛乱は駐屯するベルギー人部隊のちからを借りて、手ひどく鎮圧されました。運が悪いことに、自分が管理を任されていた区画に叛乱の“根城”がありましてね――オヤジのヤツが怒ったの何の」

「だろうな」

「文字通り白髪が逆立っていましたよ。『オマエの管理が甘いから有色人種どもがツケあがるんだ』ってね」

 

 オレの脳裏には、ボーア戦争で辛酸をなめた父親を持つ、頑丈づくりな初老のオヤジがなんとなく浮かんだ。

 

「それで?」

「反乱軍の生き残りをあつめて、彼らの目前で、自分が首謀者を棍棒で殴り殺せっていうんですよ」

「オヤジさんが?」

「ほかにだれが居るんです――グレース・ケリーですか」

 

 ギャグまで冴えないこの青年に、オレは苦笑せざるをえない。

 相手から奪い取ったM36のレンコン型弾倉をスイング・アウトさせ、38口径の弾を抜き出すと、この物騒な“抜き撃ち用“拳銃を相手に向かってすべらせる。

 

「……とうぜん、自分は首謀者を殺せませんでした」

 

 ヤンはその拳銃を手に取ろうともせず、ますますボンヤリした目で、

 

「だから、オヤジは有色人種の2~3人も殺してこいと、コネを使って……自分を……このロクでもない部隊へ……」

 

 相手の頭がぶれ始めたかとおもうと、いきなりテーブルに突っ伏した。

 そして勝手なことに、すぐにいびきをかきはじる。

 

「クソしょうもない……」

 

 オレはため息をついてイスをひきずり席を立った。

 そして次第に混乱の態をなすクラブのなか、ヨークの姿を見つけ出そうとする。

 だが猫背ぎみな、南フランスの農夫じみた男を、紫煙とビールと哄笑の空気の中に見つけ出すことは出来なかった。

 

「だれを探してる――ラルゴか?」

 

 通りすがりの空挺章をつけた中尉が、ウィスキー・グラスを片手に話しかけてきた。

 

「……いや、ヨークのヤツだ」

「やっこさんなら、さっき出ていくところを見たぜ?」

「ちぇッ。聞きたいことがあったんだが……」

「そんなコトよりどうだい?これからあそこのテーブルで、ひと勝負」

 

 オレはタバコの煙にかすむ彼方に目を細めた。

 なるほど。ふたりの将校が一対一のサシ状態で、観客を背負いカードを広げている。

 

「勝っているのは誰だ?」

「パーカーのヤツさ――あいつにァ、変なツキがある」

「たしかに。こないだの待ち伏せにも、ヤツの部隊だけ、戦死者は無かったからなぁ」

 

 おれはテーブルで規則正しく寝息を立てているヤンを見おろした。

 

 ――クソが……。

 

 カード勝負も、今夜の気分転換には、ちょうどいいように思われた。

 

「ようし。パーカーと一勝負、カマしてやるか……」

「カマされないように気を付けな?このところのヤツの幸運は、異常だ」

「ふん、まぁ見てなって」

 

 バカ話や記憶に残る戦闘。名物傭兵などのウワサなどを肴にポーカーでテーブルを囲んだメンツは勝った負けたを繰り返し、1時間ほどで櫛の歯が抜けるようギャラリー側へとまわってゆく。

 

 残るはパーカーとオレとがサシの状態に。

 

 

「ずいぶんツイてるじゃねぇか。えぇ?パーキーさんよ」

「日頃のおこない、ってヤツですぜ中尉どの」

 

 頭がカッパのように薄くなった少尉は、カードを切るようオレを促しながら、

 

「神サマってヤツぁ、居るもんですね。ちゃんと善人をみているんだな」

 

 言うねぇ……とこちらも苦笑しつつ、

 

「だが幸運の前借りかもしれんぞ?次の戦闘で、S-マイン(対人・跳躍地雷)にドカン、だ」

「そうなったら、そうなったです」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 迷彩服を着たカッパはジタンの封を切るとくちびるにくわえた。

 机に黄燐マッチをこすりつけ、眼をほそめながらタバコに火をつける。

 そしてマッチのもえさしをバラックの床に投げすて、まるで意に介す風もなく、

 

「カネは墓場にゃ持っていけませんからな。酒と女にバラまきますよ」

「ようし、どちらが神に愛されているか、勝負だぜ」

 

 だが、そこからがイケなかった。

 

 こっちが2ペアを出せば、相手は3カード。

 こっちがダイヤのフラッシュをだせば、相手はスペードのフラッシュ。

 いつのまにかギャラリーが周りを取りかこみ、将校用バラックはアツい雰囲気に包まれている。

 

 そして最後――いざ一番の大勝負。

 

 一枚、一枚。

 札が配られる。

 そのたびに「レイズ」の繰り返し。

 フラン札は足りなくなり、急遽マッチ棒が代わりとなった。

 

 こちらはエースを交えたフルハウス。

 

 ――勝ったな……。 

 

 そう思った。

 しかし、相手が先にめくった最後の一枚。

 

 ダイヤのストレート・フラッシュ※

 ギャラリーの間から、声にならないどよめきが起こった。

 張り詰めていた緊張が、紫煙とともにゆるゆると解かれる気配。

  

 イヤな汗が、オレの頬を伝った。

 

 同時にカッと怒りがアタマを(はし)る。

 脈絡のない、ワケの分からないイメージが次から次へと。

 

 外資系のヤリチンに妻を寝取られ、娘と引き離された憤り。

 妻と娘をオークに惨殺され、旧友に刺されたやり場のない怒り。

 そして今、部隊の将校たちが注視する中、相手に見事にカモられた屈辱。

 

 オレは胸の隠しポケットから正真正銘の「ダブルーン金貨」を抜きだすと、タバコのコゲ跡や酒の染み込んだ傷だらけのテーブルにバチーン!叩きつけ、

 

「もうひと勝負だ!パーカー!……もう一勝負!」

 

 おぉぅ、とさらなるどよめき。

 カネに執着のある、スレっからしの傭兵ならこの高名な金貨を知らないはずがない。

 高名なエイハブ船長が、宿敵である白鯨の発見者へ報奨金として帆柱へ打ち付けた金貨でもある。

 

 パーカーの顔が相好を崩すのがみえたそのとき。

 

「もうやめときましょう……中尉」

 

 肩に手を置かれたオレが振りむくと、冷静に見おろしてくるヤンの視線にぶつかった。

 時間も経ったためか、すでに酔いの気配はなく、みょうに白けた顔で見おろしてくる。

 

「ヤン!手前ェ邪魔すンじゃねぇ」

「もやし野郎は引っ込んでろ!」

「男の勝負に口をだすな!」

 

 だが、こちらを見おろす彼の冷ややかな目つきに、煮えたぎっていたオレの胸は、どういうことかたちどころに醒めていった。

 

 こんなヤツに白眼視されるようじゃ、オレもおしまいだ。

 すくなくとも、まだそこまで堕ちるちゃいねぇ。

 

 ――ふん……。

 

 オレはダブルーン金貨を戦闘服の胸ポケットにしまいこんだ。

 

「なるほど、こんやはこの男に何かが取り憑ついてやがるぜ」

 

 まわりのギャラリーからブーイングの嵐。

 怖気づいたのかよゥ、サムライ!のヤジも混じって。

 

「なるほど神となら勝負もするサ」

 

 オレは余裕しゃくしゃく腰に手をあて、いつの間にかものすごい数になった迷彩服のギャラリーたちを眺めた。

 

「だが、禿げあがった悪魔と勝負するのは今夜、これまでにしておこう」

 

 なごやいた笑いと「な~んだ」という気配。

 戦闘服の男たちはふたたびそれぞれのテーブルに散ってゆく。

 パーカーは机の上のカネとマッチ棒を勘定しつつ、

 

「貸しは今週末までだぜ?例の大掛かりなパトロールがあるからな?」

「わかってるよパーキー。死ぬ前に借りは――キッチリかえす」

 

 いきなり緊張から解放されたオレは、おそろしいほどノドが渇いているのに気づいた。とにかくビールを大ジョッキでグイグイやらなきゃ、気が済まない。

 冷蔵庫のあるクラブの奥に行こうとしたところ、ヤンに止められた。

 

「さぁ、今夜はもうイイでしょう。もうココを出ましょう」

「ハァ?バカかお前。まだ2130時だぞ」

「飲みたきゃバーの方に行きましょう。もうエラそうな連中も居なくなりましたよ、たぶん」

「でもなぁ……」

「のみたければ、オゴりますって」

 

 この言葉にクラリときた。

 

 奢られて酒を呑むのはキライだが、このポーカーで痛めつけられ手持ちのカネが尽きている。

 借りたカネで飲む分には、オレのルールには反しない。

 

「ちぇっ。ンじゃ、バーに戻るか……」

 

 オレとヤン中尉は将校クラブを出た。

 

 喧騒から、いきなりアフリカの夜の静寂へ。

 いかにあそこの空気が悪かったか、ひんやりした夜の香気を呼吸しながら思い知る。

 目が慣れるにつれ月の明るさがあたりを昼のように照らし、文庫本すら読めそうないきおいだ。

 

 ヤンの背中を前に見ながら、オレたちは鉄条網ごしに歩いてゆく。

 と、彼方でひとの話し声がした。

 目を凝らしてみると、白いYシャツ姿の男と明るい色のドレスを着た女が何事か話している。さらによく見れば、男の方はバーテンダーのサムなのだった。

 

 (おぃ……)

 

 オレはヤンの肩に触れ、近くの物陰に身をひそめ、二人を見守った。

 

 相手の女は――これも酒場の女なのだろう。

 男好きのする体つき。

 それをピンク色のはでなドレスでピッチリと包んで。

 黒人ではない、ちょっとカフェオレめいた肌が、月の白さに映えた。

 おそらく北アフリカ系――あるいは南米系か。だいぶ白人めいた面差し。

 

 サムは、何かの封筒を女に手渡した。

 その見返りなのか、混血女はサムに何かをにぎらせる。

 

(サミィのやつも、スミにおけませんね)

 

 なぜか嬉しそうにヤンがささやく。

 

(あの朴訥(ぼくとつ)そうなやつも、やっぱり男ということですよ)

 

 はたしてそうだろうか。

 

 どうも見た感じ、オレには何かのヤバい取引のように思えて仕方がない。それが証拠に、ふたりは鉄条網ごしに手をつなぐことも、ましてやキスさえもせずに別れた。

 混血女はすぐに暗がりの方に身を消し、バーテンダーの方は辺りを確認すると、もらったものをズボンの尻ポケットにねじ込むと、そそくさその場から姿を消した……。

 

 ヤンは明るい声で、

 

「さて、これからバーに行って“色男”のツラでも拝むとしましょうか」

 

 将校用のバーは一段落がついた時間帯らしく、おちついた雰囲気となっていた。

 明日パトロールや浸透偵察にでるものは自分の簡易ベッドに行き、出撃予定の無い者や、ケガをした者、基地詰めのスタッフなどが、静かに飲んでいる。

 

 迷彩服のオレが入ってゆくと、スタッフたちの顔色が一瞬緊張する。

 しかし一緒に居るのがヤンと分かると、すぐに彼らは緊張をといた。

 

「なんだ、オドかすなよ、ヤン。傭兵が来たかと思ったぜ」

「マイケル中尉どのなら安心だ」

 

 まわりからのニヤニヤ笑い。

 こちらに向かって飲みかけのグラスを掲げてみせる者。

 軽くうなずく事務職員や、自分たちのテーブルにさそう女の子の一団すらいる。

 

 悪くない。

 

 オレが“血に飢えた凶暴な戦場オオカミ”とは一線を画する存在だと思われている証拠だ。

 

「こらこら、中尉どのはお疲れなんだ。さぁさぁカウンターへ」

 

 ヤンは妙に陽気な調子で高いイスによじのぼると、

 

 

「サム!サミィ!?ビールを大ジョッキでくれ!……おぃサミィのヤツはどこいった?」

「さっき、ちょっと用事があるとか言って出ていきましたよ」

 

 バーの古株のデイヴィスが白髪アタマをふりながら、

 

「5分で帰ってくるとか言ってやがったクセに30分たっても戻って来やしねぇ、とおもったら!サム、この野郎どこ行ってやがった!マイケル中尉どのがビールをご所望だ!さっさと来やがれ!」

 

 バーに戻ってきた若いバーテンダーは蝶ネクタイの具合を直して手を洗うと、とビール・サーバーから大ジョッキに泡立つ琥珀色の液体を注いだ。

 汗をうかべるジョッキの心地よい重み。

 先ほどまでの大負けも忘れ、オレはその一杯にノドをならす。

 

「ほら、代金だ」

 

 ヤンはビニール製の長財布から、1000ベルギー・フラン札を抜き出した。

 サムは渋面を浮かべる。

 

「もっと細かい紙幣をお持ちではないですか?モン・キャピテン(中尉どの)

「わるいなサミー。それしかないんだ」

 

 傾けたビールジョッキのふちから何気なく見ていると、若いバーテンダーは尻ポケットからゴムバンドで折りたたまれた紙幣の束を取りだした。そして慣れた手つきですばやく数え、ヤンにわたす。真新しい、コンゴ・フランでの釣銭だった。

 ヤンはオレのほうをチラッと観てから、

 

「どうした?エラく羽振りがイイじゃないか。貢いでくれるイイ女でも、見つけたか?」

「ソンナンジャ、ナイデス」

 

 慣れない英語でそう言ってから、若いバーテンダーはいつもの無表情にもどるとグラスを磨きはじめる。

 

 ビールの味は、しなくなっていた。

 1/3ほどになった大ジョッキをテーブルに置くと、オレはバーテンダーの横顔をジッと眺めた……。

 

     * * * 

 

 




……おまたせして大変申し訳ありません。

海外でのSV業務がいそがしく、更新がままならない状態です。
(土曜日も仕事というのは、ボディブローのように効いてきますね)
いま、年内に帰国できるか否かの瀬戸際状態となっており疲労困憊。
執筆に体力が回りません(何より中途半端なモノでお茶を濁したくない……)。
精鋭読者の皆様におかれましては、どうか今しばらくお待ちいただきますよう切にお願い申し上げます。
絶対にエタらせはしませんので、どうかご支援を願いたく。

珍歩のツイッターも、宜しければ併せてご覧ください。

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