もう少し早くなると思いましたが、ままならないものです
いつも通りに独自解釈、捏造が乱舞します
グランベル王国、ユングウィ城に侵攻してきたウェルダン軍はシアルフィ公子、シグルドを中心とした軍勢に敗れた
そのユングウィ城、城主の間にて皆を集めたシアルフィ公子シグルドは
「改めてお礼を言わせてほしい
レックス公子、アゼル公子、そしてキュアン。よく来てくれた」
と切り出した
「別に。あんたの為じゃないさ
アゼルの頼みだったからだ」
やや、ひねくれた言い方を返す青い髪の男、レックスはあくまでも自分の本意でないと告げる
が、レックスが口こそ悪いが好ましい人物なのは、この場にいる人間は朧気ながらも理解していた
「それでも、さ。感謝しているレックス公子」
「・・ふん」
シグルドの好意に素直になれないレックスだった
「私はユングウィが襲われていると聞き、居ても立ってもいられなかっただけです。寧ろ、お役に立てたのなら光栄です」
赤い髪をした幼さを残した少年、アゼルは返した
「いや、撤退するウェルダンの兵を倒してくれたお陰で、エバンスへの連絡は届かなかっただろう。充分過ぎるほどだ」
シグルドとオイフェはユングウィ制圧の後にウェルダン兵が城内にいないことを確認し、ユングウィの拘束されていた執事や侍女から話を聞いた
すると、彼らが言うにはウェルダンの兵は城主の間に死んでいた一人以外には、一人しかいなかったらしい
後の兵はエバンスに向かったらしい、と執事の男は答えた
それもレックス、アゼルの両公子が倒してくれたお陰でエバンスへは奇襲をかけることができる
「それなら良かった」
アゼル公子も安心したようだ
「別に私は構わない。それに私達は誓っただろう。それに従っただけだ」
レンスター王国王子、キュアンはシグルドにそう言った
「士官学校での誓いか。しかし、良く間にあったな」
キュアン、シグルドの言う『誓い』とは、グランベル士官学校の同期生であった、キュアン、シグルド、そしてアグストリアのノディオン候のエルトシャン
この三人、誰かが苦境にあるならば、他の二人が立場すら乗り越えて助け合う。その様なモノだ
その誓いによるものであったためにお礼等は必要ない。と、キュアンは思っている
間にあったとシグルドは言うが、何のことはない、ただタイミングが良かっただけの話である。
主力騎士団の出払ったシアルフィには、戦力といえるものがあまりなかった
正確には、あるにはあるが、シグルドの裁量では動かせないものばかりだった
その様な事情をキュアンは知らなかったが、シグルドの妹でキュアンの妻でもある、エスリンより教わった
キュアンは直ちに父のレンスター王に許しを貰い、従騎士のフィンとシアルフィに向かうつもりだった
が、妻のエスリンも同行したいと言ってきた
始めは拒否したキュアンに対してエスリンは、里帰りする妻に夫が従者を連れて同行した。とすれば、グランベルの諸公からの非難も出難い筈。と説得し、キュアンも此れを受け入れ、エスリンの同行を認めた
グランベルとレンスターは同盟を結んではいないが、友好国である
だからこそ、細やかな配慮が必要である
そして、シアルフィに向かう道中でウェルダンの侵攻を聞き、急ぎシアルフィに入った
が、シグルド達はユングウィに向かった後であった
勿論の事だが、部外者であるキュアンには、軍機であるこの件は伝えられなかった
しかしながらエスリンはシアルフィの公女であった上に兄のシグルドの事を心配して嫁ぎ先のレンスターから帰ってきたのも手伝い、シアルフィの騎士たちも話さざるをえなかった
シグルドがユングウィに向かった事を聞いたキュアンたちは直ちにユングウィへと進発した
そのあとユングウィを制圧したシグルド達と合流したのだ
「それよりもシグルド。これからどうする?」
キュアンは目の前の友人が拐われた友人を見殺しにするとは思ってもいない。だが、これは確認しなければならない
「情けないがウェルダンに攻め込む権限は私にない。だが、奪われたエバンスは取り返そうと思う」
エバンスはグランベルの領土であった。ならば、近隣のシアルフィ公子である自分が動いても問題にならないと判断した
一方、ウェルダンは他国である為に、喩え大義名分があろうとも、国王アズムールないしは、宰相レプトールの許可が必要である
「一応言っておきますが、うちの親父は当てにするだけ、無駄ですよ」
レックスは発言した
レックスの父、ドズル公爵ランゴバルドはフリージ公爵レプトールと共にシグルドの父、バイロンと対立しており、レックスの言う通りだと皆が思っていた
しかし、これは全くの誤解である
ランゴバルド、レプトール共にバイロンへの隔意はあっても現在の国王アズムールへの忠誠心はシグルドたち若い世代よりも遥かに高い
レックスやバイロンとの不仲だけでランゴバルドを判断してしまった、レックスとシグルドの痛恨のミスといえる
そもそもユグドラル大陸においては『公爵』は『国』あってのものである。同様に『騎士』は『主君』ありきのものだ
誰が好き好んで今の立場にある責任を放棄するのか
少なくとも、ランゴバルドとレプトールはそんな馬鹿な事をする気はないのだが
「兄さんは分かりません」
アゼルが申し訳なさそうに言った
ヴェルトマー公爵アルヴィス。国王アズムールの近衛を勤めており、グランベル内での影響力は宰相レプトールに並ぶ程に強い
だが、肉親のアゼルにすら本心を打ち明けることは無く、兄弟仲は好いとはいえない
元々、アルヴィスもシグルド達と同年代なのだ、が、先代ヴィクトルの謎の自殺により、幼少の頃に家督を継いでいる。アゼルはヴィクトルの自殺後に生まれており、異母兄弟であることも手伝ってか上手く兄弟が向き合えないのである
「失礼します
シグルド様。ヴェルトマー公爵アルヴィス卿が御出になっておられますが」
シグルドの従騎士であるオイフェが報告した
「アルヴィス卿が?
すぐいこう」
ユングウィの別室
「忙しいところにすまない
まずはユングウィの奪還を祝福させてもらおう」
アルヴィスは激務の為か、顔色が悪かった
シグルドはウェルダン侵攻や、イザーク遠征等で苦労していると思ってしまった
「私の力ではありません。部下や友人たちがいたからだと感じております
寧ろ、もっと早くに奪還出来ていれば、と力不足を恥じ入るばかりです」
シグルドの本心だった
ユングウィをもっと早くに救援出来ていたならば、ユングウィの従騎士たちを死なせずに済んだだろうし、エーディン公女も助ける事が出来たはずである
「いや、貴公は自らの領分の中で最高といえる結果を出したのだ。誇りに思うべきだ
実はアズムール陛下をいたく貴公の活躍を評価なさり、この度、貴公を『聖騎士』に任命することとなった」
シグルドは耳を疑った
『聖騎士』とは、グランベルを代表する騎士のことであり、国王一人に聖騎士一人が慣例となっている
目の前のアルヴィス卿や父バイロン以外にも優秀な騎士が多い中で、この様なことは異例とも言えた
それだけアズムールはシグルドを評価するだけでなく、信頼もしていることになる
「は、はい
非才の身ながら陛下の為に全力で尽くします」
「うむ。精進されよ
併せて貴公に銀の剣が贈られることとなった
受け取られよ」
アルヴィスは懐より、美しい鞘に入っている剣を差し出した
「ありがとうございます」
「シグルド公子。何か力添え出来ることはあるだろうか?」
アルヴィスは問い掛けた
「アルヴィス卿。一つだけお願いしたいことがございます
ウェルダン軍はユングウィのエーディン公女を拐って行きました
彼女を取り返す許可を頂きたく思います」
シグルドとしてもこれは賭けだ
いくら『聖騎士』とても余りにも難しいことである
自分の友人が拐われたから、他国との戦争を認めてくれ。など本来ならば論外である
しかし
「分かった。陛下にお願いしてみよう
悪いようにはならぬだろうから、心配めされるな
では、失礼しよう」
アルヴィスは退席する
「アゼル公子には。お会いにならないので?」
シグルドは気になった
「いや、アレとて私に会うと気まずいでしょうから、遠慮しよう」
アルヴィスはことわった
アルヴィスが出発した後、シグルド達はエバンス攻略に向けて準備を始めた
既にユングウィを奪還してから、一日以上経っている。当初の予定であった奇襲はほぼ不可能と判断し、剣を使うシグルド、アレク、ノイッシュ、アーダンを主攻としてキュアン、レックスが適時援護する
後方よりアゼルの魔法の射撃。負傷者はエスリンのライブにて対応することに決まった
懸念事項としては、ウェルダン軍のガンドルフ王子が手斧を使用していた。との報告がユングウィの人間よりもたらされており、敵の遠距離攻撃に対する備えが万全と言えないものだ
アゼルの魔法なら遠近どちらにも対応出来るが、魔道士故に物理的攻撃には脆い
とはいえどもアゼルのみでは、辛いし、余りにも負傷者が多ければエスリンだけで対応仕切れない可能性が高い
。シグルドが思案していると
「シグルド様。ユングウィの従騎士が面会を求めておりますが」
「従騎士?生き残りがいたのか?」
ユングウィの従騎士は全滅しているとシグルドは思っていた
いたのならば、シグルド達がユングウィに到着した時点に合流するはずである。
が、シグルドに否やはない
「よし、会おう」
しばらく後、ユングウィの救護室にシグルドの姿はあった
ベットに寝ている緑の髪の男が
「申し訳ありません。シグルド様。本来ならば私の方から向かうべきだったのですが」
シグルドに謝罪した
救護室にいる司祭は
「ミデェール殿は生死の境をさ迷ったばかりです。認める筈がありません
本来ならば、エーディン様の救出に志願するのすら、認める訳にもいかんのです。せめて今日一日は静養して貰いませんと」
と文句を言っている
「つまり、エバンス攻略に参加したいのか?」
シグルドとしては従騎士と言えども弓を扱える人間は是非とも欲しい
エーディンを助ける意思も間違いない様だから、無理がなければ。とは思う
「はい。私の力が及ばないばかりにエーディン様を危険な目にあわせたのです
お救いせねば、ならないと思います」
「分かった。ならば明日の早朝、出発するので準備はしておこう」
「申し訳ありません」
やることが増えた。が、少しずつ前に進んでいる。そんな気がシグルドにはしていた
「もし、シグルド様。御時間を少し頂けませんか?」
救護室にいた司祭だった
「ええ、構いません」
シグルドと司祭は小部屋に移動した
「あまり人目につくところで話をするべきでないと思いまして」
司祭は話し始めた
「私はこの城のものではありません。ユングウィ城の北の教会のものです」
「失礼ながらお伺いしますが、では何故此方に?」
「じつはガンドルフ王子の御依頼でして
何でも自分の倒した騎士の治療をしてほしい。と」
シグルドは困惑した
「何故でしょうか?
ガンドルフ王子は粗野で野蛮。その様な人物だと聞いておりますが。司祭様の話しでは全く印象が異なります」
「私に分かることは、あの騎士を死なせたくなかった。とガンドルフ王子が思っていた。それだけです
一応はお伝えすべきかと思いまして」
「ありがとうございます司祭様」
シグルドと司祭はその後直ぐに別れた
シグルドの中にあったガンドルフ王子の以前抱いていた人物像が靄のかかったようになった
同時刻
イード神殿にて執務をしていたクベリウスの元に来客があった
血生臭い惨劇が始まる
エバンス攻略までいってない
ごめんなさい。言い訳はしません
次回からタグが仕事をし始めます
スーファミが壊れて、アドバンスも先週壊れた。もうやだ
お読み頂きありがとうございます
子供世代のオリキャラは?
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