彼方の時へ   作:くらうす

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アグストリア編完結となります

今回も割と胸糞な展開となりますが、御承知の上で御一読ください


アグストリアの血戦

シャガール王、マディノにて挙兵

 

 

この報を受けたシグルドは直ちに迎撃しようとした

が、アグスティには城下に民や城内には非戦闘員も多数抱えており、迎撃するにせよ、籠城するにせよ彼等が足枷になると思われる

 

そこでシルベール城の様子を確認させた後にマディノ軍を撃退するべく野戦を挑む事になった

 

今回ばかりはシグルド公子が抱えるアグスティの全兵力を動員する他ない。

そこでアグスティへとシグルド達が居を移した後にシグルド軍に合流したレヴィンとその護衛のフュリー、そのフュリー率いる天馬騎士団にも協力を要請した

 

レヴィンは現在のアグストリア、そしてシャガール王に不満があるらしく、協力を直ぐに決めてくれた

が、護衛のフュリーは自身の所属はシレジアである事でシグルド達への協力には難色を示した

 

「あのな、フュリー。シャガール王は民を犠牲にする事を厭わない冷血漢

お前が言うこと理解は出来るがはどうかと思うが」

 

レヴィンとしてはアグストリアが戦火に包まれる様な状況にした事と民に犠牲を強いた事への不満がある

 

自身の後継者争いに辟易してシレジアから出奔した理由が民衆への犠牲や負担を嫌ったものであるから尚更であった

 

「しかし、レヴィン様。私が会ったシャガール王はその様なお方には見えませんでした

 

それにこれはあくまでもグランベルとアグストリアの話です。実質シグルド公子の身内でもあるレンスターのキュアン王子夫妻はかろうじて分かりますが、我がシレジアはそうではありません

レヴィン様や私の勝手な判断でシレジアとアグストリアやグランベルとの関係を拗らせるのは好ましくないと考えます」

 

フュリーはレヴィン捜索の為とはいえ、シレジア国外へ出る以上は他国との必要以上の接触を避けるべきだと考えていた

 

アグストリアのシャガール王に謁見したのは広大であり、アグストリアの諸侯を変に刺激するのは得策ではないと判断したためである

 

 

フュリーとてシレジアの誇る『四天馬騎士』に末席とはいえ名を連ねる者

普通の天馬騎士ならば気付けない事でも気にする必要があるのだ。それがたとえ政治的な判断であれど

 

少なくとも『四天馬騎士』の名は他国にもそれなりに有名なのだから

 

 

とはいえどレヴィンに幼少の頃より仕えている様なフュリーとしてはレヴィンの言い分も分からなくはない

 

レヴィンはあくまでも民を大切にしようとしているのはフュリーにも分かる

 

だから、初めはアグスティに入城したシグルド公子に文句を言いに来たのだから

 

 

「はぁ。レヴィン様はあくまでもシグルド殿に協力されると仰るのですね?」

 

「そうなるだろうな

フュリー、お前は気が進まない様だしシレジアへ戻ってもいいんだぞ?」

 

「私はラーナ様よりレヴィン様をシレジアに連れ戻すよう命を受けております

それにねえ様よりも頼まれていますので」

 

「うげっ、マーニャからもか」

 

「因みに私に頼む時にはそれなりに怒っていたので、帰国した際にはお覚悟をしておく事をおすすめします」

 

「ますます帰りたく無くなったんだが」

 

「知りません。自業自得という奴ですよ」

 

フュリーが話しているマーニャとは『四天馬騎士』の筆頭にして女王ラーナの近衛隊長をつとめる女性である

また、フュリーの姉であり、レヴィンの数少ない頭の上がらない人物でもあった

 

 

マーニャとしてはレヴィンを自分で連れ戻したくはあった

だが、近衛隊長として女王ラーナを支えるべきであるのだ。ただでさえ、王弟二人が不穏な動きをしている上にどちらにも『四天馬騎士』が一人はついているのだから

 

故にレヴィンとの関わりも深く、他国にも多少は名前が売れているフュリーに頼む事になった

 

「フュリー、あの馬、いえレヴィン王子を必ず連れ戻してきなさい」

 

フュリーにそう言っていたマーニャだが、その際青筋を立てていたことはレヴィンには伝えない事にしているフュリーだった

 

 

「はぁ、仕方ありません。私の率いる騎士団の皆には帰国させます

その上で私が一個人としてシグルド公子に力を貸すことにします

それなら、まだどうにかなるかも知れません」

 

フュリーはそう言うが、そのフュリー自身がその理屈は通らないだろう事は理解していた

 

元々、レヴィンはシレジアの後継者である事は恐らくグランベル、アグストリア双方が知っていると見て間違いないだろう

 

 

此処でシグルド公子に力を貸すと言うことはそのまま現在のアグストリアへの敵対行為となる

 

目の前のレヴィン王子にもそれは分かっている筈なのだが、それでも民を思う気持ちが上回るのだろう

 

(ごめんなさい。ラーナ様、ねえ様)

 

 

 

この後、フュリーは自身の率いる天馬騎士団にシレジアへの帰還を命じ、フュリー自身はレヴィンと共にシグルド軍に参加する事となる

 

 

 

 

 

シャガール王挙兵より少し前に遡る

 

 

「クロード殿、貴殿の懸念も理解できるが今のアグストリアの情勢は分かっているであろう?

それは『今』しなければならぬ事なのか?」

 

「はい。レプトール卿の言われる事は間違いないと思います

しかし、この一連の騒動の裏側には私達の知らない何かがある。そんな気がしてならないのです」

 

「・・・エッダ公爵であり、ブラギの神託を受ける貴殿の立場は分かるが

仕方あるまい、好きになさるとよい」

 

「はい。ありがとうございます」

 

 

フリージ城ではレプトールと金髪の青年、エッダ公爵クロードが話をしていた

 

というのも、グランベルでは無闇にアグストリア側を刺激しないようにアグストリア国内への立ち入りを禁じていた為である

が、ブラギの最高司祭であるクロードは何か思う事があるらしく、アグストリアの北方に位置するブラギの塔へ向かう事を求めた為にフリージへと足を運んだ

 

結果、レプトールは渋りはしたが、クロードの要請を受け入れる事になったが

 

 

 

「これでシアルフィのみならずエッダまでもか

全くままならんな」

 

クロードの去った後でレプトールが心底疲れた様に呟いたのは誰の耳にも届かなかった

 

 

それから暫くしてから息女のティルテュがクロード司祭に同行した事を聞いたレプトールは天を仰いだとされる

 

 

 

 

 

 

出撃前で慌ただしいアグスティにクロード司祭が訪問して、シグルド公子へと声をかけた後にクロード達はシルベールを経由してブラギの塔へと向かう事になった

 

 

 

 

 

一方で

 

「始まったか」

 

「そう急くな、マンフロイ

既に引き返せぬ所まで事態は動いた。今更シャガール王も退けまいよ」

 

「そうよな。失礼したクベリウス殿」

 

ロプト教団にて実質的な最高権力を持つマンフロイ、様々な所で暗躍するクベリウスはイードの神殿にて話をしている

 

「既にシギュンの娘の居所は割れておる上にまさかアグストリアとの全面戦争に妻を連れて行くとも思えまいて」

 

「うむ。些か焦っていたようですな」

 

「まぁ、気持ちは分からなくもないがな

にしても、良く踊るものよ。此方が思う以上に上手くいくものだ」

 

 

 

ウェルダンでは現在の国王ジャムカへの不満が亡きガンドルフの治めていたマーファを中心に高まっていた

 

しかも偶然にもマーファへと領民への説得に向かった国王近衛のガルノフがマーファにて死亡した

 

これによりウェルダン本国とマーファの間にあった溝は更に深くなりつつある

 

 

シレジアでは王弟マイオス、ダッカー両名は女王ラーナに対してレヴィン王子の廃嫡を求めている

 

曰く「如何なる理由があっても後継者としてシレジアを空ける事などあってはならない」とした上で廃嫡しないラーナへの反発を強めている

 

トーヴェ、ザクソンでは既に戦仕度をしている。との噂すら上がっている程である

 

 

グランベルでは今のところは極一部しか知らないが、クルト王子が亡くなり、ユングウィ公爵リングも戦死した。

これはドズル公爵ランゴバルドの手によるものであるが事実を知るものはその場に居たシアルフィ公爵バイロンのみ

 

そのバイロンも配下の騎士団を全て失い、手傷を負ったままに逃亡している

 

バイロンはクルト王子とリング公爵の殺害の罪で追われる身となり、釈明が出来る状況では無くなっている

 

 

「さて、マンフロイよ。そろそろ私の仕事も終いになるぞ?

後一つだけ為したならば予定通りに進める事だな」

 

「・・・・・・それだが、どうにかならんのか?

クベリウス殿の気持ちが分かるとは言わぬ

がどうしても、な」

 

愉しそうなクベリウスに対して憂鬱そうなマンフロイ

 

「何を今更。これがお主との契約であったろう?

今更違えるのは止めて欲しいが?

ま、よかろう。取り敢えずはシギュンの娘の処置が優先よ」

 

そう言い残すとクベリウスは何処かへと転移して行った

 

 

 

アグスティより出撃したシグルド軍はアグストリア軍と戦闘になっていた

 

シグルド軍はシグルド配下のアレク、アーダン。それにシアルフィの従騎士等が二十名程

ドズル公子のレックスとヴェルトマー公子のアゼル。傭兵扱いのアイラと同じく傭兵のホリン。レヴィンにフュリーと踊り子のシルヴィア

レンスターのキュアン王子と妻のエスリンに従騎士のフィン。レンスター本国からの増援二十名程

元アグストリアの近衛隊長ザインと同じく元近衛騎士が四名

後方にエーディン、ラケシスと他プリースト三名

 

 

これに対してアグストリア側はハイライン候ボルドーと息子エリオットにハイライン騎士団

マッキリー候クレメントと配下の魔道士達

ヴォルツ率いる傭兵騎士団と剣士ジャコバン率いる傭兵剣士達

これにシャガール王自ら率いる近衛騎士団が加わるのであるから、シグルド達の劣勢は明らかである

 

 

 

 

そんな前線が死線を繰り広げていた頃

 

 

「やっぱり私も行きます」

 

「だ、ダメだよ、ディアドラ!

一応、シグルド公子に言われてたでしょ?」

 

「大丈夫よ、シャナン。直ぐにシグルド様と合流出来るから」

 

「で、でも」

 

「貴方は優しいのね。グランベルは憎いでしょうに」

 

「そりゃ、憎いよ。でもディアドラやセリスには関係ないよ」

 

「ありがとう。大丈夫だから、少しの間セリスをお願いね」

 

「う、わ、わかったよ」

 

この問答の末にディアドラは戦地に赴く事になる

 

 

この判断をシャナンは死ぬまで悔いる事になるのだった

 

 

 

 

 

 

「・・・シギュンの娘だな?」

 

「っ!誰ですか?」

 

「此処でお前に名乗ろうが意味のない事よ

束の間の外の世界は楽しかったかな?」

 

「どういう事です?」

 

「真、良く動いてくれた

貴様の里の者達の努力をしかと無駄にしてくれた事に感謝しよう」

 

ディアドラの前に突如現れた男は心底愉しそうに嗤う

 

「努力?」

 

「知らずとも良い

貴様の自由な時間は終わりよ

また、籠の中に戻るが良い」

 

「っ!オーラ!」

 

ディアドラは目の前の男の発言に危険なモノを感じ、光の上級魔法を躊躇いなく放った

 

「ふふふ、どうした?その程度では私は壊れんぞ?」

 

「っ!?あ、貴方は」

 

「何もかも忘れよ。そして甘美にして残酷な夢を見るがよかろう

○○○○!」

 

「う、あ」

 

男の魔法を受けたディアドラは自身の思考が定まらない事に恐怖した

 

「ほう?抗うか。だが、得策では無いぞ」

 

「あ、あ、あ」

 

忘れてしまう。シグルド様と居た時の事を

 

「う、あ、あ、あ」

 

私はディアドラ。里の友達の名前は○○○○

 

「!嫌ぁっ!」

 

私の愛する人○グルド様

 

「ああああっ!」

 

私の愛する息子○○○

 

私の愛する人○○○○

 

「イヤァァァッ!」

 

 

 

 

 

「予定よりも手間がかかったか」

 

気絶したディアドラを見下ろしながらクベリウスは呟く

 

「ふん。愛の力とでもいうのか?バカバカしい」

 

ディアドラは記憶消去の邪法に最後まで抗った

故に自身の記憶が失われる様を自覚してしまった

 

そのショックでディアドラは意識を失ったのだ

 

「さて、ん?

これは要らぬな」

 

クベリウスはディアドラを抱き抱えて転移した

 

 

その場にシグルドからディアドラに贈られた指輪を遺して

 

 

 

 

 

 

 

 

ディアドラがクベリウスにより拐われた頃、シルベールよりエルトシャン率いる騎士団が出撃していた

 

最早こうなった以上はどうにもならない事を自覚しながらもエルトシャンはシャガール王とシグルドを止める積もりだった

 

だが

 

「其方はマディノ方面。何処へ行くのだ?ノディオンの小僧よ」

 

其処にはトラキア国王トラバント率いる竜騎士団の姿があった

 

「トラキア軍、だと?

どういうつもりだ?」

 

「貴様がこれ以上アグストリアに対して不利益をもたらすだけの存在ならば始末せよ。そう言われたのでな」

 

心底可笑しそうにトラバントは笑う

 

「シャガール陛下のご判断、か」

 

「そういう事よ

嫌われたものだな

どうでも良いが。さて、死ね!」

 

トラキア軍は『騎士殺し』ナイトキラーを装備していた

更に武名高いトラキア正規軍である

 

対してエルトシャン率いる騎士団は数々の戦いで疲弊しており、主力のクロスナイツは壊滅。現状は予備兵力で構成されていた

如何にエルトシャンが魔剣ミストルティンを有そうとトラバントも天槍グングニルを有する

 

「ラケシス、シグルド・・・すまん」

 

 

 

結果、シルベールの兵は全滅した

 

 

 

 

シルベールの兵が全滅した頃、シグルド軍とアグストリア軍の戦いは激化の一途を辿っていた

 

既にクレメント、ヴォルツ、ジャコバン、エリオットが戦死したのに対し、シグルド側もアレク、ザインが戦死

 

キュアンがゲイボルグで奮戦した事によりシグルドは何とかシャガール王に肉薄する事が叶った

 

 

「忌々しいグランベルの狗ども!

我らがアグストリアは貴様達の思い通りにはさせん!」

 

そこに全身血塗れになったボルドーが割り込む

 

「止めよ。ボルドー

シグルドとか言ったか。貴様が指揮官だな?

我が名はシャガール!一騎討ちを願う!」

 

「へ、陛下!」

 

「儂のつまらぬ遣り方で多大な血を流した

その責任は取ろう。皆剣を置け!

さぁ、バルドの末裔よ、返答は如何に!」

 

「皆!剣を下ろせ!

シャガール王、何故?」

 

「言う必要はなかろう?」

 

「お受けします」

 

 

 

 

立ち合いは一瞬だった

 

シグルドは最早歴戦の兵。シャガールに太刀打ち出来る筈もなかった

 

 

「・・・見事だな

だが、貴様はその手から、零れ落ちたものを後悔しよ、う

ボルドー、よ。アグス、トリ、アをたの、む」

 

名君だった父を愚直なまでに追い求めたアグストリアの王の最期であった

 

 

 

 

 

アグストリア側は元ハイライン候ボルドーの指示によりマディノへと撤退

 

シグルド達は混乱に乗じた北方のオーガヒルの海賊を討伐するべくマディノの北へと兵を向けた

 

 

 

 

 

シグルド軍とアグストリア軍が激突していた頃、アグストリアの北方オーガヒルでは悪名高いオーガヒルの海賊が動き出していた

 

「ピサール!どういうつもりだい?」

 

「ああ?アグストリアが混乱してるなら略奪し放題だろうが。動くのは当たり前だろ?」

 

「頭である私の指示を無視してまでか!」

 

金髪の美女が赤い髪の男に怒鳴り付けるが、男は意にも介さない

 

「頭だぁ?

けっ、先代の頭のお気に入りだからって図に乗んなよ、ブリギットよぉ?

てめぇの下らねぇ義賊気取りなんかまっぴらだ!

コイツらも俺に着いてくると決めたのさ」

 

「ピサール!」

 

「よくもまぁ、今まで顎で使ってくれたなぁ、死ねや!ブリギット!」

 

「ちっ!」

 

オーガヒルの女海賊ブリギットは今は亡き先代の頭により何処からか連れて来られ、その後海賊の中で頭角を現して来た

 

海賊の中では珍しくブリギットは弓の名手であった為に不満があったピサールも渋々従ってきた

 

だが、ブリギットが先代の後を継いでからは略奪等の禁止が言い渡された為にピサールは密かに不満を持っていたドバールと共にブリギットの追放を目論んでいた

 

今回のアグストリアの混乱に対しても動く気のないブリギットにいよいよ不満を高めた連中と共に反乱を起こす事にしたわけである

 

 

 

ブリギットがオーガヒルから西へと逃走していくのを見たピサールは

 

「おうおう、女海賊様も落ちたもんだ。態々逃げ道のない方へ逃げてくれるなんてよ

野郎共!逃がすんじゃねぇぞ!」

 

と勝ちを確信していた

 

 

 

その頃、オーガヒルから西にあるブラギの塔での神託を受けたクロードはティルテュと共にシグルド軍に合流するべくオーガヒル方面へと向かう

 

「ねぇ、クロード様?どうしたんですか?」

 

「すみませんティルテュ。急いで戻らねばなりません」

 

クロードは内心動揺していた

 

ブラギ神ですらも見通せない悪意がユグドラル大陸に満ち溢れていたからである

 

北はシレジアから南はウェルダンまで、である

並大抵の事ではなかった

 

 

更にクルト王子が亡くなっている可能性がブラギ神により示されたのであるからして、クロードの動揺は表に出さないだけでも立派といえる

 

 

「あれ?クロード様、女の人が此方に来ますよ?」

 

 

 

 

 

 

「どうなってやがる!何時まで女一人に時間をかけるつもりだ!」

 

「ピサールさん。それが雷の魔法が飛んでくるせいで被害が馬鹿になりませんで」

 

「雷の魔法だぁ?あの女に魔法は使えない筈だ!」

 

 

 

 

「はっ、凄いね嬢ちゃん!」

 

「一応はトードの末裔だからね、このくらいは出来るわよ『トローン』!」

 

 

 

 

雷の上級魔法『トロン』

 

 

絶大な威力を誇る魔道書である

反面制御が難しく、並みの技量では扱えないものである

 

当人は血筋のおかげと言うが、その裏には並大抵ではない鍛練があったのは容易に想像出来る

 

 

 

「ティルテュ!あまり無茶はしないように!」

 

「クロード様!それ無理。無理や無茶しないと死ぬことになるんだから!」

 

「さて、嬢ちゃんに負けない様に私も励むかね」

 

当初の劣勢は嘘の様にブリギットへと趨勢は傾き始めた

 

 

 

 

 

 

同時刻、アグストリアからオーガヒルへとシグルド軍が渡海。オーガヒルの砦に攻撃をかけはじめた

 

 

 

 

 

 

また、同時刻にアグスティへとフリージ公爵レプトールが配下のゲルプリッターを率いて到着。シグルドに与する者を捕縛し始めた

 

シグルド公子への罪状は『クルト王子殺害への関与、並びにアグストリアでの無許可の開戦』であった

 

当時城に居たシャナン王子はまだ赤子のセリスを連れてマディノへと向かった

 

 

 

マディノに着いたシャナン王子はアグストリアの臨時指揮官であるボルドーへと事情を泣きながら説明

 

ボルドーは元近衛をシャナンの護衛に着けてオーガヒル方面へとシャナンとセリスを逃がす事になる

 

 

「グランベルの宰相レプトールめ。全ては貴様の掌の上であったか」

 

ボルドーはシャナン王子を逃がした後に苦々しく呟く

 

結局のところ、シグルドは捨て駒だったのだと今に至り確信した

 

「シャガール陛下。申し訳ありません

どうやらアグストリアは陛下の代で終わるようです」

 

 

 

 

オーガヒルではクロード達とシグルド軍にシャナン王子が合流するも、マディノを武力制圧したレプトール率いる騎士団により包囲される

 

 

が、シレジアの女王ラーナの意を受けた近衛隊長マーニャ率いる天馬騎士団の介入により、シグルド達はシレジアへと避難する事になった

 

 

 

その時はじめてシグルドはディアドラが行方不明になった事、親友のエルトシャンがなくなった事を知る事になる

 

 

 

大陸を覆う戦雲はいよいよ大陸全土を飲み込み始める

 

 

 

後の学者が云うところの『暗黒時代』の幕が上がる

 

 

 




さて、原作における三章が終わりました

死者が多いですが、どうにかします(震え声)

問題としてアルヴィスの息子とティルテュの妹。どうしよう?

子供世代のオリキャラは?

  • あり
  • なし
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