ハーメルンの投稿に早く慣れたいのですが
イード神殿の中にいるアリウス改めクベリウスは思った
(どうしようか?)
まず、アイラ殿をアグストリアに送る。
マンフロイ暗躍中。これから派手な花火が上がる予定
多分、巻き込まれる。
次、ウェルダンに送る
ジュダ暗躍中。一発目が此処。最悪ガンドルフに見つかればアウト。グランベルに見つかってもアウト。
最後、トラキア
あんな天険の地に子供連れを送る?
商人として駄目
うむ、候補が全滅
勘弁してくれよ
「クベリウス様」
背後の闇の中から声がする
大方、ウェルダンのジュダの使いか
「何だ」
「ジュダ様より、ご報告にございます
グランベル遠征軍が出撃して一週間以内にガンドルフが攻めいる模様」
一週間、足らぬな。最悪分派して取って返す事も有り得ように。せめてイザークの主軍と戦端を開いてからでなければ
「所詮は盛りのついた獣か。が、待たせよ。せめて二週間、欲を言えばもう少し時を稼ぎたいが無理であろうな」
「おそらくは」
「ふん。まぁよかろう
で、いつまでかかるのだ?」
「シ、シギュンめの事にございましょうか?」
「それ以外に、何がある?
既にあれがウェルダンにいる事は掴んだ
さっさと終わらせたいが、マンフロイの手前、ジュダにも立場がある。そう思って自重しておるが、いつまでかかるのだ?」
「ほ、程無く見つかるかと」
使者の男は恐ろしくなった
目の前にいる男はつい、この間まで大司教をしていた人物と側近をはじめとする十数人を僅か一人で粛清したのだ。彼等は最高位の司教とその取り巻きであり、決して戦力的に他国の軍勢に劣る事は無い。にも関わらず、であった
しかも、生え抜きのダークマージでは無かった。が、僅か十年足らずでダークマージの上位たるダークビショップになり、敵対するものを文字通り殲滅してきた怪物である。聞くところによれば自身専用の闇魔道を有しているらしい。自分たちマージの天敵の聖騎士や天馬騎士すら始末しているとの事
自分たちの様なダークマージなぞ容易く殺せるのだ
「やむを得ぬ、か。ジュダに伝えておけ。遊びは程々にせよ、とな。子供狩りなぞ我等が神が降臨なさってからでも遅くは無い。先ずは役目を果たせ、ともな」
マンフロイの配下のウェルダン担当、ジュダはウェルダン王が余命幾ばくも無いからと、勝手に子供狩り等を始めた
クベリウスは初めて連絡を受けた際には思わず「下らぬ事を」と吐き捨てた
まだ、そう、まだ早いのだ。我等が表舞台に上がるのは。以前始末した奴等もそうだが、些か以上に統制が弛んでいるようだ
分からなくはない。百年の雌伏を考えれば
が、その結果我等が神の降臨が遅れるならば救いもある。万が一にも神の降臨が為らなかった場合、我々には滅びしかないのだ
それすら理解出来ないならば、消すか?
「か、畏まりました。必ずお伝えします」
使者は去った。その心に多大な恐怖を刻み込んで
クベリウスは考える。我等にとってのより良い未来を
此処はアリウスの別宅
アイラは困惑していた。そして自らに怒りすら覚えた
確かに疲れているのは自覚していた。が、かといってまさか丸1日寝ていた等とは。
疲れていた。確かにそうだろう
お腹も空いていた。丸三日水のみだったのだ、仕方ないだろう
汚れも気になっていた。当たり前だろう。剣士だからとて女を捨てた覚えは無い
だが、これはないだろう。アイラよ
態々苦労をかけるであろう人物に対価も払わず、衣、食、住。全て頼りきるのは。ましてや、何もせず一日寝て過ごす等と
アイラは穴があったら入りたくなった。
が、アイラは気付いていない。そんなことをすれば余計に手間をかけるだけ。だと言うことに
救いなのはシャナンがそこまで手がかからない良い子供なくらいか
しかも、アリウス殿は「今日は所用があるので、明日改めてお話ししましょう」と言って留守にしている
食事も全て準備して、だ
嘗て父や兄に剣技で負けた時に無力感を感じたが、それより遥かに酷い無力感を噛み締めている
(イザークにいた頃、せめて、そうせめて野営用の料理でも習っておくべきだった)
人は過去には無力であった
翌日、アリウスとアイラの姿は今後の事も含めて話を詰める為商家の奥の部屋にあった
「さて、体調は如何ですか、アイラ殿」
「一昨日は申し訳なかった。アリウス殿のご厚意に甘えてばかりで」
「それは仕方ない事でしょう。それより今後の事を考えねば
何分、あまり時は残っていない」
「というと」
「一応此処はグランベルの保護領。申し上げにくいが、此度の遠征軍に兵糧を用意せねばならなかった。当然グランベルはこのイードの街に立ち寄ろう。アイラ殿が見つかる可能性は微細でも存在するなら、何処かもう少し安全な場所に移られるべきだと思う」
「重ね重ねご配慮に感謝する
となればどちらが良いと思われますか?」
「私としては、候補は二つあります
まずはアグストリア。単純に住みやすくは有るでしょうし、賊が出てきても諸侯の兵で対応できましょう
しかし、賢王とされるイムカ殿はおそらく長くないでしょう。後継者のシャガール王子で纏めきれるか、不安が残りましょう
もう一つはウェルダン。暮らしは慣れるまで苦労するでしょうが、アイラ殿程の使い手ならば、問題ないと思われます
此方も現在の国王が病に伏しており、どうなるか分からないのが辛いですな
ただし、アグストリアよりグランベルとの同盟に積極的ではないので身元がバレても直ぐどうなる、とは思えませんな
私からだせるこの二つならば安全に行けるよう協力も出来ます」
「アリウス殿。まず、改めてお礼をさせていただく思う。本当にありがとう
私たちが此処に訪れて僅か三日。その三日でアリウス殿はここまでの準備をしていた。私はこの三日、何もしていない。私自身が私を許せそうにない」
「お気持ちが分かる。等と言うつもりはありません。私はここが家であり、帰る場所。アイラ殿は先ずはお連れ様を安全な所にお連れするが何よりも優先せねばならぬ事にございましょう
それでよいではありませぬか。
まぁ、御自身の体調管理に手を抜く事は誉められたものではないでしょうが
しかし、それとてお連れ様を大事に思うお気持ちの顕れかと。それは大事になさいませ」
「ご、ご主人!大変です」
慌てた様子で丁稚の少年が入って来た
クベリウスが見込んでいる丁稚のこの少年はかなりしっかりしている。態々客人がいる前に話を持ってくるとは余程の事か起きた。そうあたりをつけた
「何かありましたか?」
「グランベルの先発した部隊が既にメルゲンに入ったそうです」
メルゲンはダーナの南の都市でダーナまで騎馬なら一日も有れば着く距離。そのダーナからイードまでも強行すればやはり一日程度の距離
イードは丘の頂上付近にあり、視界が拓けているために遠目とはいえ、街に入るまでは街の外の人間が見えてしまう
実は黒髪と言うのは大陸全土を見ても珍しく、イザーク地方の人間の特徴とも言えた
最早、猶予は無かった
「アイラ殿。直ちに支度を。お連れの方も大至急
私も指示を出して来るので、失礼!」
「わ、分かった。直ぐ支度する」
敢えて商隊に混ぜて、国境付近で荷の中に潜む
荷は馬が運ぶため、見つかるおそれはほぼなくなる。アグストリア、ウェルダンどちらに行くにせよ、グランベル本土を縦断するより、比較的警備の薄いリューベックの方が勝算はある
イードより西に行き、リューベックよりザクソン経由でシレジアに入る。更に西のセイレーンより海路にてアグストリアへ入る。そのあと商隊は進路を南に変え、アグストリアを縦断。マディノ、アグストリア、マッキリー経由でノディオンまで南下。その後進路を東にとり、アグストリアとグランベル、ウェルダンの国境のエバンスへ。エバンスより南下しウェルダンの小さな村まで向かう予定である
この間にアイラ達は選択せねばならなかった。これからどうするのかを
出発前、アイラはアリウスと話をしようとしていた
「アリウス殿。本当に何とお礼をすればいいか」
「お気にされず。それより時間が惜しい。直ぐ出発させます。商隊の者達は私が信用している人間ですのでご安心を
では、お気をつけて」
「ああ。では、また会った時には必ずこの恩をお返しするとしよう」
「おじさん。ありがとう」
「・・ええ。では、私もすべき事があるので」
こうして、アイラ達はイードを離れた
しかし、彼女達は知らない。これから彼女達は運命という流れに翻弄される事を
そして、自分たちを世話した人物。アリウス
彼もまた運命に翻弄される事
グランベル遠征軍がイザークに着くとき、全てが終わり、全てが始まる
今回もご一読いただきありがとうございます
何れは時系列を纏めて用意します
地図は無理なので申し訳なく思います
以前、他のサイト様で別の二次創作をしていた時に比べるとクオリティーが目に見えて落ちているように思います
ですが完結はさせますので、よろしければお付きあい下さい
子供世代のオリキャラは?
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あり
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なし
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どちらでも