申し訳ないですが、分割投稿となります
一万文字越えたら流石に厳しいので
シグルド達は犠牲を払いながらもシレジア内乱を収めた
だが、シグルド達がザクソンにて後始末をしていた頃、グランベルとシレジアの国境のグランベル側のリューベックでは一人の壮年の騎士が窮地に立たされていた
「ぐっ!よもやアズムール陛下を支持する者にすらも容赦せぬとは!」
騎士の名はバイロン。元シアルフィ公爵であり、『聖騎士バルド』の直系にして『聖剣ティルフィング』を扱える当代きっての騎士だった
だが、彼はイザーク遠征中に友軍である筈のドズル公爵ランゴバルドによりクルト王子と僚友ユングウィ前公爵リングを失った
そして、反逆者の汚名とクルト王子、リング公爵殺害の罪を着せられていた
少し前まで彼はリューベック近郊にある、とある国王派の騎士に匿われていた
その騎士はバイロンの事を高く評価しており、バイロンの息子であるシグルドも評価していた
バイロンの人となりを知っていた彼はバイロンが嵌められたと確信していた為に彼を匿っていた。が、とある理由からバイロンを匿っていた事実が宰相レプトールの耳に入り、レプトールはリューベックに駐留しているランゴバルドへとバイロンと件の騎士の『始末』を要請した
ランゴバルドはこれを受け入れ、バイロン捜索の為に展開させていた配下のスレーターに斧騎士団『グラオリッター』を率いさせ匿っていた騎士もろともバイロンを処理しようと目論んだ
だか、ランゴバルドとスレーターの誤算はバイロンを匿っていた騎士が命を捨ててまでバイロンを助けようとしたことであった
彼の決死の抵抗により、バイロンは辛くも虎口を逃れたのだが、敵も名高きグラオリッターの指揮官にして、ランゴバルドの片腕と称賛されているスレーターであった
スレーターは騎士の狙いを察するなり、隊を二つに分けて速やかにバイロンを追跡していた
バイロンを匿った騎士は多勢に無勢であったが為にグラオリッターへと多少の被害を与えるも死亡した
だが、スレーターの思惑通りとはいかず、死亡者こそ出なかったものの多数の重軽傷者をだした別働隊は一時的にとはいえ、その機能を喪失する事になった
だからこそ、手負いのバイロンが何とかスレーター達から逃れられていた訳ではあったのだが
一方、ザクソンでは
「?単騎で」
「ああ、間違いないだろう
哨戒中の天馬騎士からの報告だとな」
王弟二人の死により、次期後継者として認知されたレヴィンはシグルドへと連絡を入れた
「妙だな、単騎でこのザクソンへと向かっているというのは」
「どうやら、追跡されている様だと聞いている
だが、現在のグランベルの情勢を見ると不自然ではあるだろうな」
「どうだかな。シレジアとグランベルの国境に位置するのは親父のリューベックだ
バイロン卿に心寄せている騎士の可能性もあるだろう
となれば、追跡されていると見るべきだ
何せリューベックに駐屯しているのは親父の片腕のスレーター。スレーターなら、万事手抜かりはないだろうしな」
シグルドとレヴィンの会話に割って入ったのはレックスだった
流石ドズル公子だけあってか、ドズル公爵家の内情には詳しい
「となると、反宰相派ということになるか」
「可能性としてなら高いだろう」
「救援に向かおう。現在のグランベル国内の情報も欲しいし、王都のアルヴィス殿からもレプトール達の専横を止めて欲しいとの書状もある」
こうしてシグルド達はグランベル国内へと実に三年ぶりに足を踏み入れる事になる
一方その頃レンスターではキュアン王子は自身の率いる槍騎士団『ランスリッター』と共にレンスターから出立しようとしていた
「キュアンよ、くれぐれも気を付けよ。今のグランベルは正しく伏魔殿
何を信じ、何を疑うか見誤るでないぞ」
「はっ、父上。心にしかと留め置きます
フィン、父上とレンスターを頼むぞ」
レンスター国王の忠告を受けたキュアンは自身の重用する騎士となったフィンに告げる
フィンはアグストリアでの激戦にて重傷を負ったが、エスリンの懸命な治療により命を繋ぐ事が出来た
ウェルダン、アグストリアを転戦したフィンはレンスターに帰還して暫く後に正式に騎士と認められ、現在ではキュアンの腹心となっていた
今回のシグルド救援に際しても本来ならば本人の希望通りに従軍を認めるべきであったが、隣国のトラキアの動きが不透明であった為に国元へ残す事にした
更に主力たるランスリッターも総動員とはいかず、やはりトラキア対策として定数の半分程度となっている
「はっ、キュアン様もお気をつけ下さい
エスリン様も見送りがすみ次第すぐにお戻り下さいますよう」
「ああ」
「分かっているわ、フィン
リーフをお願いね」
キュアンの妻であるエスリンもシグルド救援に同行を希望していたが、キュアンとフィン、更にレンスター国王にも反対された為に断念した
しかし、国境付近までは見送りたいというエスリンの希望までは却下出来なかった
エスリンにとっては夫の出陣であり、目的は実兄の救援である。かかる精神的負担は計り知れないとの判断であった
「では、父上」
「うむ」
「ランスリッター出るぞ!!」
こうしてキュアン達はレンスターを後にした
キュアン達がレンスターを出て少し後の事
「トラバント様。レンスターの小僧がランスリッターと共に出撃したとの報告がありました」
トラキアの竜騎士団長パピヨンが報告した
「ほう、今の情勢で出るということは」
「間違いなくシグルド公子への救援かと」
トラキア国王トラバントの発言にパピヨンも同意した
「ふっ、成る程な
親友で義兄にあたるシグルドの窮地を捨て置けぬか
甘いな」
「如何なさいますか?」
「態々巣穴から出て来たのだ。逃す理由はあるまい」
「既に兵は準備出来ておりまする」
トラバントはキュアンを嘲笑する
確かに妻との関係や私人としてならシグルドを助けるのも分からなくはない
が、一国の王子が大陸最大の国家から反逆者扱いされている者に支援するなど正気の沙汰ではない。
最悪の場合、レンスター王国そのものの存続すら危うくなる恐れがあるのだから
ましてやグランベルと関係改善を図ろうにも、その為の仲介役すら不在なのだ
トラキアは論外。グランベルは当事者。イザークはグランベルと少し前まで戦争をしていた。ウェルダン、アグストリアは事実上滅亡している。残るはシレジアだが、これもシグルド達を匿った以上望みは薄い
レンスター自体は明らかにシグルド側である以上、現在のレプトールを首班とするグランベルをどうにかせねば交渉の余地すらないとトラバントは見ている
「愚かな事だ
パピヨンよ、すぐに出るぞ。ハンニバル、貴様は留守を守れ」
「「はっ!」」
このすぐ後にトラキア王国の誇る竜騎士団はキュアン率いるランスリッターを追跡する事になった
この件はレンスター、トラキア両国の境目にあるマンスターの知るところとなるが、マンスター領主はこれを黙殺したとされている
レンスターとトラキアが動いている頃、ドズル公爵家に仕える騎士スレーターは配下のグラオリッターと共にバイロンを追跡していた
「スレーター殿、まもなくシレジアとの国境です」
「構わぬ、バイロン卿が逃げ込んだのは間違いない
ならば躊躇う必要はない」
部下の報告に内心舌打ちしたくなるのを堪えてスレーターは命ずる
此方の想定ではリューベック付近で始末出来ていた筈だったが、バイロンを匿った騎士の予想外の奮戦により予定が狂った
とはいえ、バイロンを逃がす訳にはいかないし、万が一にもシグルド公子達との合流を許す事も看過出来ない
バイロンはアレを持っているのだから
『聖剣ティルフィング』シアルフィの祖、聖騎士バルドが使っていたとされる剣である。ノディオンの『魔剣ミストルティン』と同じく魔力に耐性を付与する加護を持つ。更に剣である以上、斧を主体とするドズル公爵家とは相性が悪い
そして、シグルド公子も聖痕を持つと聞いている。つまりはティルフィングを使えるのだ
現状でのティルフィングは度重なる連続使用から破損しており、本来の力は出せないだろうが、修復されれば脅威となるだろう
故に何としてでも今のうちに討ち果たさなければならない。他ならぬ主君と公爵家の為に
ドノバンはザクソンでの傭兵活動が終わった後、ザクソン付近の村落でゆっくりしていたのだが
「ドノバンさん!大変だ
血塗れの騎士様が!」
「ああ?」
村のとあるあばら家の中に騎士は寝かされていた
傷だらけの鎧と明らかに深手と思える切り傷が全身の至るところにある白髪混じりの男性
「随分と高貴な身分みてぇだな」
明らかに高価な鎧とくたびれているが明らかに名剣を見てドノバンは鼻をならした
彼は蛮族と呼ばれているウェルダンの民である
元上司であるキンボイス王子やその兄のガンドルフ王子も最低限の軍装しか纏わない
金が無いのではなく、彼等はかける必要を認めていなかったからである
ガンドルフ王子の副官であったトラフも最初の方では威厳がどうとか小難しい事を言っていたが、最後には「仕方ないですね」と言って諦めていた
だからか、彼は見かけよりも中身を重視する様になっていた。反面、豪奢な軍装や装いなどには軽い嫌悪感を抱いていた
貧乏故の浅ましい嫉妬とも揶揄されそうであるが、それもそうだろうとドノバンは思っている
トラフは言っていた
「人とは自分が持っていないものに憧れ、手に入らない物を持つものに嫉妬する生き物である」と
そしてこうも言っていた
「だからこそ、人は向上心というものを持つのです。努力する事で今まで手に入らなかったものに近付こうとする。嫉妬は醜いでしょうが、その欲は人を動かす原動力ともなるのです」とも
それを鵜呑みにするつもりはないが、それでも少なからぬ理を感じたからこそ、ドノバンは嫉妬を認める。それ以外の醜い感情も
「ぐ、む」
ドノバンが思考に耽っていると目の前の男は目を覚ますようだった
元シアルフィ公爵バイロンはドズル公爵ランゴバルドの差し向けた追っ手を幾度も切り捨てながらザクソン方面、いやグランベルから離れようとしていた
だが半年にも渡る極度の緊張は既に老齢に差し掛かりつつあるバイロンの体力を徐々に奪っていた
確かに国王派の騎士に匿われていたが、かといって完全に気は許せなかったのも事実である故に
結果、常ならば遅れをとるはずのない一般兵からも手傷を受ける始末。更にティルフィングの消耗も無視できないレベルに達していた。ティルフィング以外には儀礼用の細身の剣しか帯同していないことと相手が防御に優れた斧騎士であることもまた、バイロンの不利に拍車をかける事となっていた
ティルフィングの様な特殊な武器は修理出来る職人は限られており、大体が神器を有する城下町に居住していた。例外的にリューベックにもその職人がいるのだが、リューベックはドズル領である以上、何処から情報が漏れるか分からない
それ故にバイロンはティルフィングの修理を行うことが出来なかったのだ
このバイロンの判断は正しかった。グランベル宰相レプトールはバイロンが逃亡したとの報を受けるなり、最優先で国境線の封鎖を実施させた。
ウェルダン、アグストリアとの国境はアンドレイ公爵のユングウィが。シレジア、イザークの国境はランゴバルド公爵のドズルが。レンスター、トラキアの国境はレプトール配下の兵がそれぞれ行うこととなった
更に各所領にいるティルフィングを修理出来る職人の周囲には各公爵家から監視の人間を出しており、バイロンが修理を依頼しに行った瞬間に対応できる手筈を整えていたのだから
この様な事情もあり、バイロンは国境のシレジアよりの村落の付近で意識を失い、保護されていたのだ
「ここは?」
バイロンは見知らぬ場所にいた為につい疑問を口にした
「ここは国境の近くの村だ」
「っ!!」
予期せぬ反応に思わず跳ね起きたバイロンだが
「はっ、やめとけよ
今のアンタじゃ俺にも勝てんだろうよ」
「・・・・・・貴殿はグランベルの者ではないのか?」
「グランベルだぁ?
こんな風体の人間がグランベルにいんのかよ?」
「む」
ドノバンの発言に改めてバイロンはドノバンを見る
グランベルでは見慣れない服装。いやむしろ
「・・・・貴殿はウェルダンの民か」
バイロンは言い難そうに問いかけた
当然である。事情はどうあれ、結果としてウェルダンはシグルドの行動の結果滅亡したといえるのだから
「だからどうした?」
ドノバンの声のトーンが下がった
「失礼した。私はバイロンと申すもの。助けて頂き感謝する
が、私は追われる身ゆえすぐに離れねばならぬ。お礼も出来ずに申し訳ないが」
「バイロンねぇ
勘違いしてるようだが、助けたのは村の人間だ
俺がグランベルの人間を助ける訳ねぇだろうが」
「う、む。重ねて失礼した」
「で、その傷で出ても死ぬだけじゃねぇのか?」
バイロンの傷は傷薬では到底完治出来ない程であり、高位のハイプリーストが治療してどうにかのレベルに達していた
しかし
「それでも往かねばならぬ故」
バイロンは立ち上がり、出ていこうとする
「どいつもこいつも馬鹿ばかり、か」
バイロンがあばら家を出る瞬間にドノバンは呟いた
バイロンは村の人間に感謝を伝えた後、シレジア領ザクソン城へと向かった
だが
「やはりザクソンに行くつもりの様ですな、バイロン卿」
村から少し離れたところでスレーターとグラオリッターが待ち伏せていた
「スレーター殿か
通してくれぬか」
ランゴバルドの片腕とまでいわれるスレーターとバイロンは面識があった。バイロンはスレーターの騎士としての忠義に敬服し、スレーターもバイロンの騎士としてのありように尊敬の念を抱いていた
だが
「残念ながら、私はドズル公爵家の騎士
主君が討てというならば、親友や尊敬する方とて討ち果たすのが我が責務」
「そうか。ならば押し通る!」
今まさに戦いの始まろうとする時
「おいおい、騎士ってのは一人をフクロにすんのか?
随分と俺達みたいな事をするんだな」
一人の男が割って入った
「何者だ、バイロン卿の手の者ではあるまい
もしや、シグルド公子の手の者か」
「ざけんな
シグルド公子に付くぐらいなら死んだ方がマシだ
だが、このおっさんを殺すってんなら話が変わるがな」
男、ドノバンは斧を構える
「貴殿は」
「とりあえずシグルド公子が来るまでは手伝ってやる
後は知らん」
「・・・・・・感謝する」
「よかろう。そこまで死にたいならば、バイロン卿と共に死ね。構わぬ、かかれっ!!」
シグルド達はザクソンからの出撃に少々時間を浪費したが、グランベルとの国境に差し掛かりつつあった
「シグルド公子、少し南で戦闘が行われています!」
上空から警戒していたフュリーの報告が響く
「戦闘?単騎で戦闘になっているのか?」
レヴィンは頭を捻る
「となると余程の技量を持つ騎士だろうな
あのスレーターとグラオリッター相手に戦えるのだから」
敵手であるスレーター達の力量をある程度把握しているレックスは呟く
「すぐに向かう!!」
シグルドは軍を南に向けた
「ぐっ!」
「ちっ、やりやがるな」
「貴殿はもう退かれよ!!態々死ぬこともあるまい!」
苦戦するバイロンとドノバン
むしろたった二人でグラオリッター相手に防戦出来ているだけでも称賛に値する。彼等とて伊達にドズル公爵家の主力ではないのだから
しかし
「がっ!!」
「もういい!貴殿の方がもたぬ!」
深手を負ったドノバンにバイロンは撤退をすすめる
「けっ、まだまだだ」
だが、ドノバンは戦いを止めない
「敵ながら見事。ウェルダンの者と見受けるが名を名乗られよ
貴公の様な戦士は敬意に値しよう」
スレーターは素直にドノバンを称賛した
ウェルダンは蛮族と呼ばれている。その理由の一つに兵の質の悪さがある
だが、目の前の戦士は間違いなくグランベルの平均的な騎士を凌駕している
まともな訓練ではなく、実戦の中で力を付けていくと聞くウェルダンで此処までの実力を有するまでの奮闘を考えたなら、スレーターのみならず敬意を持つだろう
「けっ!そりゃどうも
俺はドノバン。今は亡きウェルダン王国第二王子キンボイスが家来よ!覚えておけ!!」
「何っ!キンボイス王子の配下だと?」
ドノバンの名乗りにさしものスレーターも驚愕した
既に滅亡したとはいえ、ウェルダンの王族の側近の生き残りとなれば流石に見過ごす訳にもいかない。何故なら、その様に名前の知られている人物は反乱運動等において中核となり得る
「そうか。貴公が今は亡きキンボイス王子の配下となれば話は別。貴公の命も頂く他あるまい」
バイロンは勿論だが、ドノバンも生かしておくわけにはいかなくなった。後のグランベルの為にも
「はっ、そりゃどうも
が、余所見が過ぎたんじゃねぇのか?騎士サマよ」
「何?」
スレーターがドノバンの発言の真意を確かめようとした、その時
「父上っ!!」
シグルド達が戦場に到着した
「くっ、シグルド公子だと?」
スレーターは驚愕した。確かにシグルド達の介入も想定していたが、予想外のドノバンの衝撃すら収まらぬ内に交戦するのは全くの想定外である
混乱するスレーターに追い討ちをかける様に
「スレーター!」
「レックス様!」
まさか主君の息子であるレックスまでも敵になっていようとは
出来るならば説得したい
確かにランゴバルドよりはレックスとて容赦せぬ様に命じられていたが、ランゴバルドとて人の子である。自分の息子を好き好んで殺すなど容認したいとは思っていないだろう
その程度の主君の心を察せる程度にはスレーターとてランゴバルドとの付き合いは長い
「スレーター、退けっ!」
「レックス様こそ退いて頂きたい!
シグルドとバイロンは国家に対する反逆者ですぞ!!」
「お前は本当にそう思っているのか!」
「真偽はどうあれ、そう命じられたなら従うが我等の役目にございます!!」
レックスと斬り合いながらもお互いの主張をぶつけ合う
「だがなっ!」
「ランゴバルド様が悲しまれるでしょうが、やむを得ませぬ。レックス様御覚悟!」
レックスはスレーターの言葉に動揺した
あの権力にとりつかれた親父が自分の死を悲しむ?
そんな事があるわけが
しかし、ここは戦場。余所事を考えている余裕を持てる程、相手は甘くはない
「っ!」
レックスは眼前に迫る斧を見てしまった
が
「レックス!」
レックスに迫ったスレーターをアゼルが炎の魔法で牽制した
「くっ、ヴェルトマーのアゼル公子まで!」
「しっかりしなさいよ、レックス」
距離をとったスレーターに追撃の雷の魔法が飛ぶ
「フリージのティルテュ公女までもかっ!」
三対一。スレーターは窮地に立たされていた
横目で配下のグラオリッターを見ればほぼ一進一退。だが、指揮官であるシグルドは父親である傍にいるバイロンに気を取られている様である。その上、距離も近い
ならば
「うわっ!」
「きゃっ!」
「ちっ、手斧か」
スレーターは牽制にアゼルとティルテュに一本、レックスにも一本の手斧を投げつけた
アゼルとティルテュはアゼルの馬に同乗していた為にバランスを崩し、レックスも体勢を崩された
「なっ!」
「えっ!」
「ちっ!」
レックス達は驚いた。手斧を投げつけたスレーターは三人に背を向け、シグルドへと斬りかかったのだから
「なっ!」
シグルドも他の騎士を斬り倒した直後であり、対応が遅れた
「反逆者シグルド!覚悟!!」
「しまっ!」
シグルドは死を覚悟した
いつまでたっても届かない斧にシグルドは目を開けた
「ち、ち、父上ぇっ!!」
そこにはシグルドへの斧をその身に受けたバイロンの姿があった
スレーターはバイロンの捨て身の反撃により、心臓を付かれ即死していた
他のグラオリッター達も何とか撃退は出来たが
「父上、すぐに手当てを」
「手遅れ、だ」
「し、しかしっ!」
「シグルドよ、これを、持て」
「こ、これは?」
「バルドの、末裔、のあか、し
後を、頼む、ぞ」
「父上?父上!!」
元シアルフィ公爵バイロンは明日を息子シグルドに託し、息子に看取られて亡くなった
だが、これから起きる惨劇の前ではバイロンの死も序章に過ぎなかった
さて、聖戦の系譜名物、虐殺タイムだぁ(白目)
書く方にもダメージががが
とりあえず来月の中頃には更新したいです(願望)
子供世代のオリキャラは?
-
あり
-
なし
-
どちらでも