New Japan Fleet   作:YUKANE

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※祝UA2000!!

長かった······

そして小松基地の場所を石川県ではなく福井県だと書いてしまってた·······


Episode.20 開幕

2024年 3月25日 1:16

漆黒に覆われている日本海 朱雀列島西方50kmの海域。ここには今2隻の船が航行していた。

 

片方は日本が誇るイージス巡洋艦 いぶき型イージス巡洋艦3番艦 DDG-203 たかちほ。

もう片方はシ連が誇るステルスフリゲート ステレグシュチイ級フリゲート 335 グロームキー。

 

この日本海でフォークランド紛争以来の艦同士の戦いが始まろうとしていた。

 

「敵艦距離35km! 敵艦増速!」

「来るぞ·····」

 

敵艦が速度を上げて「たかちほ」に接近する。両艦の距離は次第に近づいていった。

 

「敵艦ミサイル発射!! 総数4!」

 

先手をとったのはシ連だった。敵艦中央部より轟音と煙を上げて,4発の3M24(ウラン)が放たれる。

4本の光の矢はレーダーに誘導されるがままに「たかちほ」に向かってきた。

 

電子戦(ECM)開始!!」

妨害電波(ジャミング)照射!」

 

コントロールパネルのスイッチを押すと電子戦装置 NQLQ-2Bが作動する。この装置より放たれた探知妨害電波は着実に3M24(ウラン)慣性航法装置(INS)アクティブ・レーダー・ホーミング(ARH)に影響を与えた。

 

3基のミサイルの軌道が乱れたかと思うとそのまま海面へと永遠にダイブした。

だが未だに一基の3M24(ウラン)は飛び続けた。

 

「敵ミサイル3基落下! 1基が本艦に向かってきます!!」

「主砲射撃用意!」

 

前甲板のMk.45 5inch砲がミサイルの向かってくる方に回転する。62口径長の砲身が少し上へと向き,ミサイルへと照準を定めた。

 

「てぇ!!」

 

砲身より砲弾が放たれ,空中で2つの異なる弾丸が激突する。激突した2つの弾丸は激しく光を放った。

 

「敵ミサイル全発撃墜!」

「よくやった。主砲を目標へ!」

「了! 第1主砲 艦対艦ミサイルランチャー(SSM)! 第2主砲 垂直発射装置(VLS)! 照準よし!」

 

第1・第2両主砲が左へ旋回し,目標に照準を定める。

 

「てぇ!!」

 

第1・第2主砲より数秒の時間差で放たれた砲弾が空を切り裂き,羽衣のような白い空気の幕を舞いながら突き進む。

 

糸がついているかのように目標に突き進んだ砲弾が時間差で着弾する。

艦前方と中央に光が爆ぜ,光が収まると代わりに黒煙と紅い炎が現れた。

 

「両目標に命中確認!! 」

「第1主砲 魚雷発射管(SUM)! 第2主砲 A-190 100mm単装砲(敵艦主砲)! 照準よし!」

 

砲塔が小さく動き,次の目標に照準を定めた。

 

「てぇ!!」

 

再び主砲が火を吹く。闇を切りながら目標に着弾しようとしたが,ここは戦場だ。想定外の事態なんてざらにある。

そして今想定外の事態が起きようとしていた。

 

「敵艦主砲旋回!」

 

あと数秒で着弾しようとした刹那,前甲板のA-190 100mm単装砲が回転し,火を吹いた。

 

「敵艦発砲!!」

 

一瞬にしてCIC内が緊張に包まれる。

 

1発でも被弾したらそれは艦の機能喪失を意味する。ここで被弾してしまったらこの後の作戦が全て消えることになる。

 

被弾してはいけない。艦の為にも,作戦の為にも,この船に乗っている乗組員の為にも。

 

鏡石はその頭脳をフル回転させる。答えを見つけるのに時間はいらなかった。

 

「機関後進!!」

「了····後進!?」

「いいからやれ!!」

「了! 後進全速!!」

 

ゼネラル・ダイナミックス LM2500のガスタービンが高速回転し,船を後進させた。

急な後進に乗組員達はバランスを崩し,咄嗟に周りの物を掴んでバランスを立て直した。

 

艦首の数m先に砲弾が着弾する。マストと同じくらいに高い水飛沫が舞い上がり,甲板や艦橋を濡らした。

着弾の衝撃によって発生した振動が収まると,CICの1人がボソッと発した。

 

「敵弾をかわしたのか······」

「よくやった····敵はどうなった!?」

 

急いで要員がパネルを操作して敵艦を確認した。

 

「敵艦沈黙!! 損傷は甚大と思われます!」

「ディスプレイに写せるか?」

「今写します!」

 

CIC正面のディスプレイに映像が写し出される。

画面に写っていたフリゲートは前甲板と艦中央から黒煙と炎を上げており,被害は甚大に見えたがそれは兵装だけであって航行用の装備は無傷(・・・・・・・・・)だった。

 

「あの船はフリゲートながらよくやりましたね。」

「そうだな。発光信号を送れ。“貴艦直ぐ様この海域より退却せよ”」

 

艦橋脇のデッキに設置された30cm信号探照灯から発光信号で文章が送られる。

 

送られて数分後に敵艦は大きくカーブを描き出した。

 

「敵艦,舵を北に向けています。」

「これで終わったな·······進路を多千穂島へとれ!!」

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

「ここまで正確に兵装を破壊するとはよくやったな。」

「今の軍艦では昔のような砲撃戦は想定されていません。ここまで危険な任務を損害0でやるとは流石鏡石艦長だ。」

 

「たかちほ」より送られた映像をCICで見ながら桐島と水上は感想を残した。

現代の艦船同士の戦いを艦砲で制する。常識では考えられない戦いにCIC要員は皆が見いっていた。

 

「すげえな。本当に武装だけを破壊したんだろ?」

「そうとしか考えられないだろ。確かに黒煙は上がっているが,船体はなんともなってないからな。」

「本当に凄腕だな····」

「砲雷長。どう思います?」

 

話かけられた宇津木砲雷長は冷静に映像から情報を切り取った。

 

「中々の腕だな。私は「たかちほ」の砲雷長を知らないが,相当な凄腕だな。

それとやはり鏡石艦長の指揮能力の高さだろうな。」

 

それと共にやはり鏡石艦長を評価した。こんなに皆から称賛されていると知ったら鏡石艦長はどう反応するのだろうか?

 

「やはり鏡石艦長は艦対艦ミサイル(SSM)という手もありながら敢えて砲撃戦(これ)を選んだのは無駄な死傷者や損害を抑えるためでしょうか?」

「確かに最低限の損害のみで終えるのも目的だろうが,この戦闘の目的にはパフォーマンスも入っているだろうな。」

「パフォーマンス?」

 

唐突に桐島から出た戦場の相応しくない言葉に水上は戸惑ったが,桐島はその反応を分かっていたかの様に説明しだした。

 

「普通は艦砲でなんて行わなずミサイルで一瞬で終わらせる。なのにわざわざこれを選んだという事は我々の実力を知らしめる為なのさ。」

「我々はシ連(お前達)よりも優れているという事を分からせる為ですか?」

「そうだ。この情報が正確に伝わればシ連兵の中には恐怖を覚えたりする者が現れるだろう。

そうなってくれれば艦隊若しくは軍全体に劣等感が植え付けられるかもな。

まあただの淡い期待だがな。」

 

そう言って一回話を切ると,通信機を手に取った。通信機ボタンを押して,通話を始めた。

 

「飛行隊長。航空甲板の様子は?」

E-2C(ホークアイ)EA-6C(プラウラー)は既に両艦から発艦済みだ。

数分前にイーグル隊が発艦を完了した。今からストーク隊が発艦だ。』

「了解した。事故がないように頼むぞ。」

 

通信を切って,通信機を置くと1度目を閉じて30秒程たつと再び開けた。

 

「これより作戦を開始するが,我々の作戦内容を再確認する。イーグル隊は上空の早期警戒管制機(AWACS)Su-35(フランカーE1)を落として制空権を確保。

その後ストーク隊が築館・多千穂両島の対艦ミサイル(SSM)と地上施設を攻撃し,破壊する。

偽装されている物に関しては「たかちほ」の囮で引き付け,発射位置が特定次第ストーク隊が攻撃する。」

 

ディスプレイには築館・多千穂両島と敵機の様子を写されており,その画面と自らの視線が合う位置に1枚の写真を並べた。

 

「その写真は?」

「これは衛星写真とOP-3Cが撮ったものを合わせた物だ。これによって我々は築館島の阿月空港に多数のヘリ部隊が駐留している事を確認出来た。」

「勿論このヘリ部隊も攻撃するのですね。」

「そうだ。ヘリを残してしまえば特戦群の被害が大きくなりかねないからな。」

 

写真を目の前のテーブルに置くと,桐島は唐突に溜息を吐くと難しい顔になった。

 

「だが端樹島にヘリがあったのは想定外だったな。」

「機体はMi-26(ヘイロー)だと思われますが,厄介ですね。」

「こいつの搭載量なら一気に80人程を輸送できる。厄介以外の物ではない。」

 

Mi-26 NATOコードネーム ヘイロー。

世界初の8枚翼を持ち,現在生産されているヘリコプターで世界最重を誇る大型輸送ヘリだ。

 

最大離陸重量56t。定員80名というそのチート級の性能はその秘めた実力を物語っていた。

 

「どうしますか? こちらも潰しますか?」

「可能であればやらせたいが,果たしてどうなることやら。」

 

目次の地図を見てもらえれば分かると思うのだが,築館・多千穂島と端樹島の距離は結構離れている。

 

そもそも第1目標が築館・多千穂島なので,端樹島は第2目標という事になるのだ。

 

「話が逸れたが作戦完了後,特殊作戦群が飛鷹島に降下して作戦終了だ。」

 

作戦について言い終わると後ろの椅子に座った。そしてCICの全員に聞こえる様に言った。

 

「この作戦は文字通りの天王山の戦いだ。これに勝ったものがこの戦いの全てを制せる。

皆はそう考えてもらいたい。だからそこ負けてはいけない。いや駄目なのだ。今日本の運命は我々の手に握らされているのさ。」

 

桐島は1度目をとじて開けると,意を決して言った。

 

「絶対に勝つぞ。02:00をもってしてOperation朱雀。作戦開始だ。」




ガスタービンと聞いてJR四国の2000系が思い浮かんだのは僕だけですかね?

ガスタービンの2000系ってなんぞやって人は電車でDを見ようね。

あと活動報告書いたので見ていってください。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=241498&uid=274301
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