第4航空団を第3航空団に変更
北海道の東方に約10個程の島で構成された諸島が存在する。
太平洋戦争終戦以来80年以上に渡り,日本とシ連(ソ連)の議論の話題となった場所 北方領土。
北方領土最大の島 択捉島。島の南部に位置する火山 小田萌山にシ連軍はレーダーサイトを建設し,何時や来るかもしれない自衛隊に備えていた。
本日も何人ものレーダー員がディスプレイを見ながら日々の業務を行っていた。
そこにある隊員が陶器製のカップに並々のココアを入れて仲間の元に渡した。
「やっぱりこういう寒い日は暖かいココアが一番だ!」
渡された彼が嬉しそうにココアを飲み始めたその時だった。彼の目の前のディスプレイに突如として光点が出現した。
思わず彼は手を滑らせ,飲んでいたココアをカップごと床に落として,床に溢れたココアと割れた陶器カップの破片が広がった.
「なっ······なな!? どういう事だ!?」
彼の叫び声とカップの割れた音で周りも異変に気がついたようだった。
皆がディスプレイを見たのと同時に窓から眩い光が差し込み,時間差で爆発音が鳴り響き,窓ガラスは粉々に割れた。
それとほぼ同時にディスプレイの画面は黒く染まった。
ガラスが割れ,窓枠しか残っていない窓から隊員の1人が周囲を見渡すと,レーダーサイトがあった場所が原型を留めておらず,紅蓮の炎と黒煙に覆われていた。
「レーダーサイトが!! レーダーサイトがやられた!!」
彼の叫びがレーダー員を驚愕させているなか,彼らの目の前を3機の戦闘機がドップラー効果を発生させながら通過した。
彼らの目の前を通過した
皆が爆発が起きた場所に何があるかは知っていた。
「飛行場が!!」
「おいおい嘘だろ!?」
小田萌山から北東に数kmの場所には軍用空港 ブレヴェスニク空港が存在する。
空港には5機の
「なんと言う事だ···········」
彼らは迎撃される事なく択捉島の空を飛んでいる
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北方領土から南南東に90km進んだ海域に2隻の巨大空母を中心に置いた艦隊が存在した。
艦隊先頭を「DDG-174 きりしま」が進み,中央の空母2隻の横には「DDG-201 いぶき」と「DDG-202 みょうぎ」が並走し,艦隊最後尾には「DDH-183 いずも」が守り,その間を6隻の護衛艦が展開していた。
中央の巨大空母 しょうかく型航空母艦「DDH-189 しょうかく」の
「択捉島と国後島の空港は全部叩いたそうだ。民間機は巻き込まれていないそうだが,何かと不安だよ。」
「そうならなかったのですから過度な不安は逆に神経を痛め付けますよ。」
「しょうかく」艦長
「取り敢えず後方の第2輸送隊の方に上陸用意って連絡してくれ。」
剱崎が艦隊後方に待機している第2輸送隊へと連絡しているのを横目に見ながら,座っている椅子の肘掛けを撫でる様に触れた。
「お前は一体何年ぶりの実戦かな? なあ
しょうかく型航空母艦はアメリカ海軍最後の通常動力空母キティホーク級航空母艦をフォレスタル級の様に退役後購入し,編入した物で「DDH-189 しょうかく」は元々「CV-64 コンステレーション」・「DDH-190 ずいかく」は「CV-66 アメリカ」を改造した物だ。
残りの「CV-63 キティホーク」と「CV-67 ジョン・F・ケネディ」は台湾海軍の方に渡され,中国が脅威を感じたのはまた別の話。
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一方の第1機動部隊より発艦した
島中の戦車・装甲車・トラック等の多数の軍用車両に加え,多数重火器・小火器が結集しており,上陸する自衛隊を撃破すべく兵士達の士気は高まっていた。
「士気が高いのは良いことなんだが空回りしなきゃいいがな·······」
択捉島駐屯部隊司令のターライド・スパークリア大佐は海岸で一番高い小山の頂上でこの様子を見ながら,高まり続けている士気に不安を漏らしたが,隣の参謀が不安など一切存在しないかのように返事をした。
「司令ご安心を!! 島内の戦力を結集したのですから自衛隊等一撃です!!
それにこの島には
「だといいがな·······」
ターライドは神威岳の方に配備されているであろう巨大な箱を積んだトラックを思い浮かべた。
K-300P NATOコードネーム SS-C-5 ストゥージ。シ連が2015年に開発した最も新しい
このミサイルが択捉島には2ユニット 8両・国後島には1ユニット 4両配備されており計24発の
この切り札に慢心している参謀に不安要素が更に増えたターライドが頭を抱えると,移動式レーダー車両から呼ぶ声がしたので彼は車内へと入った。
彼が車両内部のレーダー画面を見ると,画面はノイズが入った様に乱れており,正確な情報を掴むことが不可能になっていた。
「司令!! レーダーの調子がおかしいです!!
「くそ!! やりやがったな自衛隊め!! 全方位を警戒する様に全軍に通達しろ!!」
ターライドはレーダー妨害が日本の仕業だと判断すると共に,攻撃が近いと察した為,全軍に周囲の警戒を命じた。
この
「色丹島方面から敵機多数!!」
外からの叫びにターライドが車両から出て,首から下げていた双眼鏡で色丹島の方向である南西方向を見ると,青い空に擬態するかのように蒼い機影が幾つも浮かび上がっていた。
機体後部の巨大な単発エンジン,コックピット下の特徴的なエアインテーク,そして機体全体を包み込む蒼い洋上迷彩。
三沢基地を離陸した第3航空団所属のF-2A 6機は同じく飛び立った第601飛行隊所属の
「不味い········全軍散開!! 一兵でも生き残れ!!」
ターライドが直ぐ様指示を出すが,もう手遅れだった。
「
『
IHI/GE F-110-IHI-129 ターボファンエンジンの出力が増加し,速度が上昇する。
『
操縦桿のボタンを操作して,主翼のハードポイントから4発の
エアインテーク脇に取り付けられたAN/AAQ-33スナイパーポッドのレーザー誘導を受け,計8発のLJDAMは目標地点に落下して爆撃した。
目標地点に置いてあったT-90や装甲戦闘車両 BMP-T・最新鋭の重歩兵戦闘車 T-15・クルガネツ-25・
他のF-2A 3機も
残りの1機は
巨大な衝撃波が周囲を無慈悲に襲い,黒い爆煙が高く舞い上がる。
機体が去り,爆煙が消えた後にそこに残ったのは深く抉れた地面と,車両や兵器であった物の残骸,まるで炭の様に黒く焼き焦げ,原型を留めていない遺体だけだった。
択捉島以外にも国後島・色丹島にも計18機のF-2Aによる精密爆撃が行われ,陸上戦力の大半を失った。
結果,たった1時間にして北方領土のシ連軍は制空権・制海権に加え,大半の陸上戦力を喪失した。
この回書くのめっちゃ楽しかったです。そのお陰で最新話より早く書き終わったのは内緒w
今回は文字数は少ないですが,その分内容は濃いと思っています。
シ連レーダー員のくだりは「こりゃあ旨いココアだぜ」を思い浮かべながら書きましたw
次回も明日更新です。