北方領土攻撃中の第1機動部隊の後方5kmの海域に300m越えの巨大空母を中心に複数の巡洋艦・駆逐艦で輪形陣を構成した艦隊が航行していた。
アメリカ海軍艦隊の中で唯一恒久的にアメリカ国外に母港を保有し,世界の艦隊の中でも精鋭の艦隊 第7艦隊は悠然と航行していた。
艦隊中央のジェラルド・フォード級「CVN-80 エンタープライズ」の
「「DDH-189 しょうかく」より通信! “我が航空隊,北方領土全域の制空権を確保した。これより上陸作戦に移行する”以上!」
「御苦労だった。下がって良い。」
「エンタープライズ」艦長 ライダー・J・マッカートニー大佐は報告した兵が下がると,5km先に展開している第1機動部隊の方角を見た。
「最初は第2機動部隊があれだからどうなるかヒヤヒヤしたが,まさかここまで一方的とは········最早シ連軍がかわいそうに感じるレベルだ。」
彼の言葉は最早シ連への同情も感じられる程だった。
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F-2Aによる爆撃から1時間が経った頃。
択捉島の海岸10kmの海域に3隻の輸送艦で構成された第2輸送隊と護衛の「DD-105 いなづま」と「DD-110 たかなみ」が展開していた。
第2輸送隊はシ連・中国との
「LST-4004 つがる」・「LST-4005 ねむろ」・「LST-4006 のと」の艦尾門扉が開き,ウェルドックから
それとほぼ同時にヘリコプター甲板からも各艦3機ずつヘリコプターが離陸した。
爆撃を辛うじて生き残ったマイトン少佐はもうただの障害物に化したT-15の陰から双眼鏡で飛び立った機体を捉えた。
「
人1人しか入れない程横幅が細い灰色の機体構造・機体上部のエンジン脇の2つの巨大なエアインテーク・コックピット下に取り付けられたヘルメットと連動するガトリング砲。
本来
当初は野党から“金の無駄遣い”等論争を起こしたが,現在第1対戦車ヘリコプター隊所属の
敵残存部隊に対して両脇の
ロケット弾が着弾し,兵士や武器を吹き飛ばし,地面が抉れた。
M197機関砲による追い討ちも拍車をかけ,たった数分でシ連軍は海岸から消えていた。
マイトン少佐も逃げようとしたが,爆発の衝撃で転倒して頭を強打し,そのまま意識を落とした。
穴ぼこだらけになった海岸に計6隻の
搭載物を全て下ろすと,
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「くそっ!! ここまで我々がやられるなんて!!」
択捉島で奇跡的に爆撃を免れたT-90のキューポラから車長のライトン大尉は周囲を見渡しながら不満を爆発させていた。
彼が配備されていた部隊はT-90を10両程配備する戦車連隊だったが,F-2Aと
ライトンは組織的な攻撃は不可能と判断して,自衛隊への待ち伏せ攻撃を行うべく,現在もう1両のT-90と共に物陰に隠れていた。
だが突如反対側に配備されていたT-90が爆発した。砲塔が爆発で空中に持ち上がり,元あった位置からずれて車体に落下した。
「なっ··········」
ライトンは思わず言葉を失った。そして彼は双眼鏡で辺りを見回すと,
四角く画張った砲塔・なだらかに後部に上がっていく車体・特徴的な濃い色の迷彩。
「90式········」
第7師団第7偵察隊所属の90式戦車が彼の視線に写った。
彼は咄嗟に自らの危険を察した。
つまり奴の目標は自車だということが自動的に導かれたのだった。
「主砲を敵戦車に向けろ!! 急げ!!」
T-90の回転砲塔が右旋回する。主砲の直線上で90式と交差した。
「
T-90の2A46 125mm滑腔砲が90式に向け放たれた。長い矢の様な物の周りについていた装弾筒が分離し,長い矢の様な物 APFSDSが90式側面へと直撃した。
「命中だぁ!! これでぇ······あ?·····あぁぁぁぁ!?」
ライトンは情けない声をあげた。弾頭が直撃した90式戦車は装甲が歪んだだけだったからだ。
それもそのはず90式戦車の装甲は拘束セラミック型を装備しており,砲弾が命中したら逆に装甲を強化して砲弾自体を破壊し,万が一破壊してもその際に発生する高熱でセラミックが再焼結し自己再生するという異世界転生チート主人公ですら呆然とするレベルのチート能力なのだ。
ライトンが驚愕して固まっている間に90式は自らの砲塔をT-90へと向けた。
ドイツ ラインメタル社が開発した傑作戦車砲 ラインメタル 120mm L44滑腔砲が火を吹いた。
T-90と同じように
直撃した場所はよりによって
T-90の原型であるT-72は,弾薬を被弾の可能性が低い車体底部に集約しているのだが,その構造の結果誘爆した際に爆風が戦闘室を直撃し,一撃で戦闘不能に陥るというとんでもない欠陥を抱えていた。
実際に湾岸戦争やイラク戦争でそういった撃破された例があり,その実例がこの現場にも適応されていた。
APFSDSの侵徹体と衝撃波が車内に侵入し,
自動装填装置が破壊され,ちょうど装填中だった弾頭が誘爆し,車体底部の弾薬を巻き込んで大爆発した。
砲塔は吹き飛び,車体は内部から破壊され,ライトン大尉以下乗組員を肉片に変え,そのままT-90はただの鉄屑に化した。
戦車2両を撃破した90式は本部隊を安全に上陸させるために進軍した。
途中人海戦術で撃破しようとした部隊に対しては,砲塔上面に取り付けられた
その際に対戦車擲弾発射器 RPG-32の直撃を受け,機銃手が損傷する事態が起きたが,車体自体に重大な損傷はなく,機銃手も「つがる」で治療され,一命を取り留めた。
この他にも後方から奇襲しようとした部隊もいたが,同じく第7偵察隊所属の2両の89式装甲戦闘車のエリコンKD 35mm機関砲で一掃された。
偵察隊の先導の元,第7師団 第72戦車連隊と第11普通科連隊第1・2・4普通科中隊が上陸し進軍を開始した。
連続の攻撃で組織的な攻撃が不可能になったシ連軍は散発的な攻撃を行っただけで,第7師団は島の中央部へと容易に進軍出来た。
択捉島最大の都市
占拠過程で残党兵からの反撃があったものの,直ぐに殲滅された。
択捉島駐屯軍司令のターライド大佐は先程のF-2Aの爆撃で戦死していた為に代行していた中佐は降伏を決定した。
択捉島駐屯軍降伏と同時刻,別の場所でも戦闘が起きていた。
択捉島から国後島に向かった3機の
地上の脅威が無くなり,
「よし。降下開始!!」
機体側面の扉が開き,地上へと数本のワイヤーが垂らされると,それを伝ってある意味頭のおかしい陸上自衛隊の中でも一番おかしい部隊 第1空挺団第3普通科中隊60名が国後島メンデレーエフ空港へと降り立った。
いとも簡単に着地すると直ぐ様自らとワイヤーを切り離して,空港に隣接している国後島駐屯軍司令部へと迷わず向かった。
司令部内はやけに閑散としていて廃墟の様な雰囲気を漂わせていたが,空挺団中隊長大河以下全員は直ぐに罠だと気がついた。
「奴ら待ち伏せしているな。警戒しておけ! 何処から攻撃が来るか分からんぞ!!」
周囲を万全に見渡し,厳重に警戒しながら彼らは進んでいく。
進んでいくと左に90°折れ曲がった曲がり角に突き当たった。L字の先は顔を出さなければ視認できないだろう。
彼らはそこで一時停止した。中隊長の大河に隊員の1人である 宮崎が話しかけた。
「中隊長黒ですか? 白ですか?」
「黒だろうな。」
大河はMk.2破片手榴弾のピンを口で抜き,廊下の奥へと投げた。手榴弾が爆発し,何かが崩れる音と金属物が地面に当たる音が響いた。
「それっ! 突撃ぃ!!」
宮崎以下数名の隊員が煙の奥の人影に向けて89式小銃を放った。
人影が地面に倒れると,彼らは無駄の無い動きで素早く目的地へと進んだ。
“司令官室”と書かれた部屋の扉を先程の様に手榴弾で爆破して室内へと突入した。
中にいた駐屯軍司令は直ぐに降伏した。
この他色丹島・歯舞群島でも同様に攻撃が行わ,それぞれ降伏した。
最初の攻撃からたった数時間で北方領土全域は日本の占領化に下った。
日本国召喚wikiの兵器ページが有能すぎる······90式のセラミック装甲めっちゃ分かりやすかった。
あそこまで有能なサイトって他にありますかね?
3日連続更新は今回で終わりですので,次回から通常に戻ります。