第7潜水隊を第7潜水隊と第8潜水隊に変更
ハープーンの発射位置をVLSから魚雷発射管に変更&攻撃手段からトマホークを削除。
※2021 8/3 艦名を変更
「SS-514 とうりゅう」を「SS-514 しんりゅう」へ変更&第2潜水隊群第4潜水隊に「SS-512 とうりゅう」を追加。
北方領土奪還作戦“Operation蒼龍”が実施されている頃。「DDH-185 あまぎ」艦長 桐島は格納庫にいた。
彼の目の前には十数機の
桐島はその内の1機に手をかざした。
彼は元々パイロットだ。艦よりも機の方をよく知っている。
明らかに艦長より戦闘機パイロットが天職の彼がわざわざ艦長になったのは,自らの意思だ。
だがそんな自分の思いは叶うわけがなかった甘すぎた妄想だと彼は痛感した。
「何か悩んでそうだな。まあ大体さっきの事だろ?」
桐島が振り返ると,そこには渡島がいた。
渡島のさっきの事とは「AOE-427 いなわしろ」が被雷したことだ。
あの後雷撃で大破した「いなわしろ」と降伏した「K-295 サマラ」の護衛の為に,第14護衛隊「DD-151 あさぎり」と「DD-156 さわぎり」が舞鶴から急行し,「DE-232 せんだい」と共に護衛して舞鶴へと帰港した。
「いなわしろ」が大破した為に艦隊の半分の艦艇しか補給を受けられなかったが,故に艦隊はあと
これはつまり
一応舞鶴には「AOE-425 ましゅう」もいるが,自衛艦隊司令部は貴重な補給艦を失ったために慎重になっており,派遣は不可能だと彼は思っていた。
だが彼の事を痛め付けていたのは艦隊の事ではなかった。
「確かにそっちもですが,大半は自分についてですよ。」
彼は先程の潜水艦隊との戦闘前に“艦隊に一本たりとも魚雷を当たらせはしない”と宣言した。
これは艦隊の士気高揚目的ではなく自らへの
だがその楔は1時間も経たない内に無意味な物へと化した。楔はボロボロに砕け散り,楔で自ら開けた穴が自らを痛みつける最悪の状態だった。
「もう壊れてしまいそうですよ······たった1隻の船ですら守れないのですから。」
「“壊れてしまいそう”か········言ってしまうと余計壊れやすくなってしまうがいいのか?」
「問題ないです。どうせいつか壊れてしまいますから··」
自信など最早割れたガラスの様に意味をなさなくなっていた。
そんな様子の桐島に渡島は怒りを感じた。
彼は分かっていた。
自らの当初の計画が破綻すると全てが破綻するのが桐島の悪い癖だ。
彼が艦長になると分かった時,渡島は困惑した。彼が艦長で果たして成り立つのか? 彼によって何か起きるんじゃないかと。
その後彼は第47航空団司令として「DDH-185 あまぎ」へと着任した。
その際に久々に桐島と対面したが,副艦長の長瀬と艦隊司令で義父の石見のサポートもあってしっかりと仕事がこなせていると感じた。
彼自身も慣れない環境で頑張っているのだろうと思ったが,それと同時にどちらかが欠けた場合彼のメンタルが保てるのかという疑問が浮かんだ。
そしてそれは最悪の場面で襲来した。艦隊司令が事故でいない時にシ連が朱雀列島を占領した。
艦隊指揮権と「あまぎ」艦長という2つの枷が重くのし掛かった。
重くのし掛かった2つの枷は桐島のメンタルを簡単に壊していった。
「自分は1時間前に言ったことも達成できないようなただの無能ですよ。」
もう彼は自信を失っている。それは彼以外の誰が見ても分かることだったが,彼はそれを隠していた。
桐島が壊れれば艦隊全てが崩れ去る。桐島はそれを一番理解していたが,隠せば隠すほどメンタルは痛め付けられていった。
「一雨来そうなので······機体を宜しく頼みますよ。」
そう言い残して桐島は格納庫から去った。残された渡島はただそこに立っていた。
「一雨···あいつまさか!?··········副艦長に伝えないければ!!」
自身の嫌な予感を消すために渡島は行動を開始するのであった。
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桐島と渡島の話とほぼ同時刻。
朱雀列島北北東80kmの海上を7隻の船で構成された船団が航行していた。
朱雀列島増援部隊を乗せたシ連海軍大型揚陸艦「BDK-11 ペレスヴェート」と護衛の駆逐艦2隻とコルベット4隻で構成された船団は輪形陣で朱雀列島へと進んでいた。
先頭は対潜能力に優れたウダロイⅡ級駆逐艦「アドミラル・トリブツ」と「マルシャル・シャポシニコフ」が進み,搭載されている対潜ヘリ
「私がもし潜水艦の艦だったら,こんな厳重な対潜対策している艦隊になんか攻撃したくないもんだ。
こんな艦隊を相手にする日本の潜水艦が可哀想だと思わず思ってしまうよ。」
輪形陣先頭に陣取っている「アドミラル・トリブツ」の艦橋で艦長はそう呟いた。
艦橋要員がその発言に笑っていると,レーダー員がいきなり大声をあげた。
「1時方向敵ミサイル!! 距離30km!! 数4!!」
艦橋にさっきまで漂っていたまったりとした空気は一瞬で消え失せた。
艦長は冷静に判断を下した。
「「ペレスヴェート」に近づけるな!!
「アドミラル・トリブツ」の前甲板の8連装回転式VLSから
ミサイル同士がぶつかって爆発したために,「アドミラル・トリブツ」の船体は揺れ,艦橋の窓は爆風で痺れる様に揺れた。
「ミサイル全発撃墜!! あ!? 10時方向からミサイル!! 距離30!! 数4!!」
「そっちからもか!! 母体は航空機か!? それとも潜水艦か!?」
「詳細不明!!」
隣の「マルシャル・シャポシニコフ」から
だが1分も経たぬ内に正面の海上から再び敵ミサイルが6発ずつそれぞれ5秒の時間差を保ちながら亜音速で接近してきた。
「アドミラル・トリブツ」の艦長は冷静に状況を把握して指示を出した。
「
2隻の駆逐艦の前甲板に設置されている2基の
残るコルベット4隻と「ペレスヴェート」も自らの
艦隊から10km程でミサイルは
被弾面積が拡大した所に「マルシャル・シャポシニコフ」から放たれた主砲砲弾がミサイル本体に直撃した。
直撃したミサイルは軌道を乱し,隣を飛んでいた
連鎖爆発でたった1発の砲弾で計3本のミサイルを撃墜に成功する大戦果をあげたが,彼らの幸運はそれまでだった。
「ペレスヴェート」から見て5時方向で対空砲火を必死に打ち上げていたタランタル型コルベット「R-20」に1発の
巨大な閃光が周囲を包み込み,爆発の轟音が響き渡る。
光が止むとさっきまで「R-20」がいた場所には船体の残骸と燃料が広がっているだけだった。
「「R-20」·····轟沈!!」
見張り員の報告に「ペレスヴェート」の艦橋は恐怖に包まれた。
さっきタランタル級コルベット「R-20」と言ったが,この艦の艦種は大型ミサイル艇で,タランタル級ミサイル艇と言った方が間違いないかもしれない。
艦橋の両脇にソ連(シ連)製の
着弾した1発の
彼らが目の前の惨劇に動揺していると,今度は2時方向で光がはぜた。
光と轟音が空中を切り裂くように響き渡った。光と轟音が収まるとそこにいた筈の「R-261」は海の底に消えていた。
艦橋にいた者は皆察した。“次に殺られるのは
恐怖に戦く中,
『
「なんだとぉ!?」
この報告で皆敵が潜水艦だと察したがそれどころではなかった。
6時方向。つまり艦隊の一種の死角でもある真裏からミサイルが来るという事だ。
しかも艦隊後方を護衛するのは
直ぐ様
漸く駆逐艦から
3発の
搭載されていた燃料・弾薬に引火し,誘爆を起こす。艦内から起きた爆発で船体は簡単に崩壊していった。
シ連軍朱雀列島増援部隊を乗せた「ペレスヴェート」と3隻のコルベットは10分程で海の藻屑へと化した。
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シ連海軍艦隊から南西110kmの海中。深度10mの暗い海にその3隻は展開していた。
第3潜水隊群第7潜水隊。別名“
こう呼ばれているのには理由がある。何故なら艦隊を構成している艦が全て
日本初の原子力軍艦であった為に,メディアや野党等は猛反発し,内閣不信任決議案提出による衆議院選挙に至る事態にまで発展した。
結果導入に賛成の鈴村隆治が前総理の荒山鉄二を抑えて第100代総理大臣に就任した為に導入が決定し,現在に至っていた。
ただし“日本初”と言っても日本による新造艦ではなく,全てアメリカ海軍“ロサンゼルス級原子力潜水艦”の退役艦を自衛隊が購入した物だった。
時々メディアや本で“新造艦”と間違えられる事もあるという余談はさておきこの6隻は艦首の魚雷発射管から
と言ってもこの艦隊はタランタル級2隻を沈めただけで,残る1隻と
「敵艦隊半壊········初陣にしては上出来の戦果だったな。」
ロサンゼルス級原子力潜水艦もといひりゅう型原子力潜水艦「
周囲の駆逐艦2隻とコルベット1隻は乗組員の救助に追われて,敵潜に向ける目は少なくなっていたこともあって「
「これでシ連海軍は貴重な揚陸艦を失った。もう迂闊に動かすことは出来ないだろうな。」
「まるで今の
「気の効いた皮肉だな。そういえばさっきの通信は何だったんだ?」
「それなんですが········」
話していた乗組員は話しづらそうに躊躇ったが,通信内容を礼記に伝えだした。
「「SS-509 せいりゅう」からの通信で,“ウラジオストク東90kmの海域で,シ連海軍補給艦が攻撃を受け炎上中。攻撃先は不明”だそうです·····」
「········どういうことだ?」
「どうと言われても答えようが······」
彼らは困惑した。
彼ら以下現在日本海で行動している第2潜水隊群と第3潜水隊群に市ヶ谷の防衛省から“シ連及び中国の補給艦を沈めろ”と連絡が入った。
貴重な補給艦が殺られ,防衛省が怒り狂っている事が通信だけで彼らに伝わった。
第6潜水隊の「SS-509 せいりゅう」も同じ部隊の「SS-506 こくりゅう」と「SS-512 とうりゅう」を連れて,補給艦を探し回っていた所,偶然遭遇したのだろうと礼記は考えたが,あることが突っかかった。
(この内容だと
礼記は考えたが,納得できる答えが出ることはなかった。
「通信手。「せいりゅう」に“近海に友軍艦以外の艦艇は存在するか”と連絡してくれ。」
潜水艦の通信方法には幾つかの種類があって,海中深くまで到達する
その為彼らが使用する通信方法はマイクロ波通信が基本である。
「ひりゅう」はマストの通信アンテナを海上に上げ,通信衛星経由でのマイクロ波通信を行った。
返信は10分程で来た。
「返信来ました。“近海には中国海軍派遣艦隊6隻及び091型原子力潜水艦1隻を確認”だとの事。」
「友軍艦は無しか······」
新たに得られた情報から礼記はある答えに至った。
「まさか中国海軍がやったのか?」
「そんなのあり得ないですよ。第一中国にはシ連を攻撃する理由がありませんし。」
隣の副長はこの考えを真っ先に否定した。礼記自身もこの答えには納得出来てなかった為に,
「それもそうだな。シ連と中国は同盟関係にあるしな。」
礼記は現時点で答えのでない疑問を頭の隅に置いて船の指揮へと意識を振り向けた。
その答えが大当たりだとは知らずに。
小説のあらすじがなんか違和感が満載でしたので変えました。
その結果長くなってしまいましたw
あと今更ですが日本国召喚6巻買いました。