最初に言っておきますが,僕は前話の様な話を書くのが非常に苦手です。
今話も語彙力が信じられない程低下していますのでどうか暖かい目で見ていってください。
··········苦手なら書くなや。という話は受け付けません。
「それはどういうことですか?」
桐島と長瀬が一対一の会話をしている頃,朱雀列島 飛鷹島の洞穴にて朱雀警備隊普通科中隊中隊長の魚島と特殊作戦群群長の海藤は桐島がした話と全く同じ内容の話をしていた。
「そのまんまさ。自衛隊は朱雀列島を本気で守ろうとしていない。
正確には
“朱雀列島を自衛隊は見捨てた”そうとも言いきれる内容に魚島は頭の処理が追い付いていなかった。
「朱雀列島を捨てるって·····ここから東京までは約500kmですよ!!
ここが陥落すれば東京なんてあっという間に火の海ですよ!!」
「確かにそうだね········でもさ。それなら何でそんな重要な島に500名程しか配備してないんだろうね?」
海藤の質問交じりの言葉に魚島は答える事が出来なかった。
「答えは単純。そもそも逃げることを想定していたから。朱雀列島の島々に立て籠って,ゲリラ戦を仕掛けるためにね。」
質問の答えに魚島はある言葉を思い出した。飛鷹島に逃走する前に北西司令に言われた言葉“隊員を引き連れて飛鷹島へ脱出しろ”
魚島は2日を要してその言葉の真意を把握したのだった。
「じゃあ北西司令はこれを知ってああ言ったのか·····」
「当たり前さ。司令官が知らなかったら大問題だよ。恐らく司令官は君に託したんだろうね。」
司令がそこまで考えていたのかと魚島は驚愕した。
「もしかして警備隊と同じように航空自衛隊の戦力が少なかったのも····」
「同じだね。守ってますよ感を島民らに示すために。
海藤が個人的な意見を口から吐くと,魚島が聞いた。
「さっきあなたは“君に託した”と言いましたが,それも計画の内なんでしょうか?」
「これは憶測だけど,この様な事態に対して何重に対策を組んでいたんだろうね。
司令が死んでも指揮を取れるように候補を何人も用意して統率できる様に。」
「·······徹底的ですね。それが本当だとしたら私はそれに選ばれたって事ですよね?」
「そうなるね。北西司令も君を見込んでいたらしいしね。」
司令が自分の事を評価していた事に,魚島は少し喜びを得たが,直ぐにその感情を打ち消した。
「先程の話からこれは推測ですが,あなた方特戦群もこの事を知っていたのですね?」
「勿論だ。特殊作戦群にとって朱雀列島奪還は課せられた任務の一個だ。
だから幾度もここに視察にきて,各島の地形を徹底的に調べ上げたさ。」
この海藤の話で魚島はさっきの違和感の正体に気がついた。
「だからここの地理に詳しかったのか······」
「さっきの攻撃だって,ここの地形を把握していないと実行は不可能だったさ。
最もその攻撃で結構な被害を受けたけどね。」
海藤の目線の先には手当てを受けている特戦群隊員達の姿があった。
先程の戦闘で多くの隊員が傷つき,倒れた。仲間を失った彼の目には悲しみと自分への怒りが激しく籠っていた。
「彼らを巻き込んでしまったからには,きっちりと取り返さないと示しがつかない。
君達も協力してくれるよね?」
そう言った海藤の顔は戦士その物だった。
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「つまり
········なんて皮肉な話なんだろうな?」
「皮肉以外何かあるのか?」
桐島から“朱雀列島防衛プラン”の内容を聞いた長瀬は思わず苦笑いした。
桐島の表情は変わらず,失意に満ちていた。失意の表情の中話し出した。
「俺はこの話を司令権限を引き継ぐ際に司令から聞いて驚いたよ。
“日本はこんなにも黒かったのか”って思ったさ。そして同時にプレッシャーも大きくかかったさ。」
桐島の声はか弱く,自信を失っている様に感じられた。
「捨て駒として渡すということは奪還することが当然だ。それが果たして俺に出来るのか·······もし失敗したらどう弁明すれば良いのか。どう奪還すれば良いのか······考える度に,プレッシャーは増えていった。
何時からか,そんな事態が俺が指揮している間に起きてほしくないと願うようになっていった。
でも実際にそれは起きた。俺は何百万分の一の大凶を当てる不幸な男さ。」
桐島は自信を失っていた。“自分のせいで負けた”・“自分のせいで誰かが傷ついた”そうやって自らを追い詰め,抱え込んだ結果自信を喪失した。
そうとしか結論が出なかった長瀬は桐島に対して
「このまま指揮系統を俺が引き継ぐ,もしくは指揮系統を艦長が持つ。
どちらかの選択肢を選んでください。」
突然選択肢を選べと言われ,桐島は黙り込んだ。そんな様子の桐島に長瀬は遂に堪忍袋の緒が切れた。
「じゃあどうしたいんだよ!!」
思わず口調が変わっていたが,それを無視して長瀬は歩み寄った。
「今の話を聞いている限り,責任を1人で背負うしかないと思っているようだがそれは間違っている!!
人ってのは1人で生きていけるわけないんだよ!! 無人島で独り暮らししたってな,見えていない何処かで絶対に誰かの支えを受けているんだよ!!」
無意識のうちに胸倉を掴んで,桐島を揺さぶった。
「石見司令だってお前に託せると思って託したんだ!! お前がもしただの
そう言いきった長瀬はふと自分が艦長の胸倉を掴んでいた事に気づいて手を離した。
手を離された桐島は船の揺れもあって,そのまま床にへたり込んだ。
長瀬は下を向いて桐島を見ながら,
「確かにお前は船の艦長にはむいてないかもな。だけどな,自衛隊に職業は何個あると思ってんだ?
その中にお前の天職がある可能性なんて幾らでもあるかもしれないんだぞ。」
こう言って“最後に”と付け加えると,
「お前が本当にやりたい道へ行け。もしそれに反対する奴がいても無視しろ。
自分の進む道は自分でしか選ぶ権利は存在しないのだから。」
その言葉を最後に2人の周辺の空間を静寂が支配した。たった数分の経過時間も2人には数時間に感じられた。
静寂を破ったのは桐島だった。
「··········やっぱり俺には艦長は無理だったか。」
桐島は呟く様に話し出した。
「こんな重圧のかかる仕事なんか俺には苦手どころじゃない話だった。これなら前のように戦闘機パイロットをやっていた方がよかった··········馬鹿だな俺は。」
桐島は右手で後ろの手すりを握って立ち上がりつつ,
「
“前に進まなきゃいけない”なんて間違いだ。未来ってのは案外近くにあるかもしれないのだから。」
長瀬の言葉で立ち直り始めた桐島に長瀬は驚きを覚えた。自分でもあんな言葉は気休めにしかならないと感じていたからだ。
「自分で言うのもなんだが,あんな言葉で本当に吹っ切れたのか?」
「人を刺激するのは,何気ない言葉なんだよ。」
桐島のそんな発言に“人生分からないもんだな”と長瀬は思わずにいられなかった。
ふと壁に背中を預けると長瀬は先の通路でどうしようもなく立っている隊員を見つけた。
きっと話し込んでいたのを見て,引き下がっていたのだろう。
「·······どうした? 何か連絡でも入ったのか?」
「は,はい。先程第1機動部隊が北方四島に奇襲を仕掛け,占領したとのことです。」
この報告に2人は驚いたと同時に一種の希望が芽生えた。長瀬は桐島の方を振り向きながら,
「世界はまだ俺達を見捨てて無いようだぜ。」
「どうやら神様はまだ勝つ術を残してあげてるらしいな。」
桐島は長瀬の方を向きながら,
「考え直してみるよ。この俺が本当に艦長に
だが,まずは目の前の事態を解決してからじゃないと話にならないな。」
その言葉に長瀬は手応えを得た表情になり,通信内容を報告した隊員もうっすらと笑みを浮かべていた。
「副長。この嵐を抜けたら航空団長を呼んで,作戦立案の会議だな!」
桐島の顔にはうっすらとだが,笑みが戻りつつあった。
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