あと今回も無理矢理かも··········
「どうやら空戦が始まったようだな。」
海面スレスレを飛びながら,ストーク隊隊長 黄山翔弥はイーグル隊と敵戦闘機部隊の空戦が始まった事を知った。
現在ストーク隊の
だが海面スレスレを飛ぶという事は,一回バランスを崩してしまえばそのまま海面に突っ込む事になる。
その為,各パイロットは神経を使いながら操縦桿を握っていた。
最も隊長の黄山は別の不安要素を気にしていたのだが。
(唯一の不安は積んでいるミサイルがウェポンベイに搭載できない
現在ストーク1含め6機が搭載しているのはウェポンベイに搭載する事の出来ない
これには“ステルス性が無くなる”と航空団司令の渡島に抗議したのだが,“ウェポンベイに搭載可能なミサイルの残弾がもう無い”と言われてしまい言い返す事が出来なかった。
出撃前に他のパイロットから聞いた話では,“
“決戦なのに·······”と黄山は心の底で愚痴をついた。
その時だった。上空管制を行っていた
『
「何!? 敵機が他にもいたのか!!」
思わず黄山は舌打ちをした。よくよく考えれば艦隊周辺に展開していた20機のうち14機しかいなかった時点で可笑しいと思えば良かったと彼は後悔したが,直ぐ様思考を切り替えた。
「ストーク1より全機へ!! 敵機の数は少ない!! だが油断するな!! ストーク3・4は迎撃を! 残りはそのまま艦隊に向かうぞ!!」
『ストーク3
『ストーク4
そう宣言すると同じように低空を飛んでいたストーク3・4がエンジン出力を上昇させ,機首を上空に上げて敵機へと向かっていった。
敵編隊への距離が40kmを切った時,敵機 6機のうち4機が突如として降下を開始した。
この行動の理由を黄山は直ぐに特定できた。
「4機で我々を全機撃墜する気か!?」
黄山は瞳孔を見開いた。現在ストーク隊 9機が飛んでいるのは海面スレスレ。
この状態で攻撃を受けた場合に向かえるのは左右と上方向だけになってしまう。
しかし今の敵機は上空から迫っており,事実上逃げ道は無くなっていた。
そうしている間に敵機は
迫ってくるミサイルに対して黄山は効果的な考えが思い浮かばなかった。
辛うじて思い浮かんだ考えをじっくりと煮込む間もなく全機へ通信を行った。
「ストーク1より全機へ!! 全機上昇してチャフとフレアを着弾寸前にばらまけ!!」
通信を終えると直ぐに操縦桿を手前に引いて上昇を開始した。
ストーク1に続いて他の機体も海面から水飛沫を上げながら上昇を始めた。
敵ミサイルはそうとも知らず無慈悲に迫ってくる。コックピット内の
「今だ!!」
黄山は機体内部の
機体は真横に90°傾き,接近していた
黄山は一安心したが,ストーク5から悲鳴の様な通信が入った。
『ストーク8と11がやられた!!』
一気に2機も落とされた事実に黄山は無能な自分を恨みたくなったが,
黄山は機体を今度は降下させた。敵機もストーク1をつけるように降下を始めた。
黄山は機体を左右に小刻みにずらして敵ミサイルのロックオンから逃れようとした。
だが敵機のパイロットもそれを対処できない程無能ではない。
ストーク1のコックピットに
黄山がチャフ・フレアのスイッチに手を掛けたその瞬間だった。
後方の敵機が突如として爆発したのだ。
“何だ!?”と黄山が答えを出す前に答えが隣に現れた。1機の
黄山は並走する機体 ストーク5のパイロットに対して通信を行った。
「ストーク1よりストーク5へ!! 大丈夫なのか! 空母に撃ち込む分の
『大丈夫ですよ。空母に叩きつける分の
そう意気揚々と宣言したストーク5のパイロットはサムズアップをしていた。
そして左旋回して去っていった。
そんなストーク5の様子に黄山はフッと笑った。こんな自分の為にわざわざ部下が花道を作ってくれた事に最早バカバカしく思えていた。
「すまないな。わざわざこんな俺のために·······」
黄山は海面スレスレを単機で空戦海域を去っていった。
それから敵艦隊へ向け飛び続けて10分程が経過し,日付も変わろうとしていた時。
遂に敵艦隊を
黄山の操縦桿を握る手に自然と力が入る。覚悟を決めて宣言する。
「FOX2!!」
撃墜された仲間への思いを籠めて,ハードポイントから
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「艦隊2時方向より敵ミサイル!! 数4!! 距離30!!」
「馬鹿な!? 何故そこまで気づかなかった!!」
「艦長! そんなこと今はいい!!」
突如として入った情報に「S-107 ウリヤノフスク」艦長がレーダー員を怒鳴ったが,艦隊司令のレバルが制止した。
レバルは直ぐに指示を出した。
「右舷・左舷前方CIWS攻撃開始せよ!!」
右舷と左舷のスポンソンに搭載されているコールチク 2基の
漆黒の夜空に毎分4000~6000発の30×165mm口径弾が800m/sの初速で赤い線を描きながら,接近してくるミサイルに向けて放たれた。
火を吹きはじめて10秒程経過したとき,銃弾が向かっていく先で1発の花火が炸裂した様に見えた。
花火が炸裂した際の光は艦橋からも視認する事ができ,艦橋要員から歓声が上がった。
歓声は直ぐ書き消された。3発の
「うおぉ!!」
着弾の衝撃で艦橋は揺れ,レバルも司令官席の背もたれに捕まることで何とか耐えていた。
揺れが収まりミサイルが着弾した航空甲板を見てみると,そこはまるで陸上戦の戦場後の様だった。
着弾場所が大きく破損し,爆発の衝撃で壊れた油圧装置から漏れでた油に引火して火災も発生していた。
艦橋要員がこの惨状に驚愕しているとここからは確認できない甲板の損傷箇所の報告が入ってきた。
「カタパルト大破!! アレスティング・ワイヤー切断!! エレベーター動作しません!!」
「してやられた·········」
レバルが背もたれを叩いて悔しがっていると,「ウリヤノフスク」右舷側を航行していた「806 ジダーノフ」から突如として爆発が起きた。
「「ジダーノフ」が········」
艦橋の誰かがそう呟いた。
2発の
それから間もなくして反対側を航行していた「801 アドミラル・ラーザリェフ」にも2発の
こちらも同じく前甲板と艦橋を直撃しており,戦闘能力を喪失した。
3隻から爆炎が上がるなか,艦隊司令のレバルは“ふっ”と笑って,
「艦隊全滅か··········」
と呟いた。
シ連海軍太平洋艦隊にはこの3隻以外にも駆逐艦「アドミラル・バシスティ」とフリゲート「グレミャーシュチイ」が残っていたのだが,2隻とも飽和攻撃によって戦闘能力は喪失しており,「グレミャーシュチイ」に至っては海底へと傾き始めている状態だった。
つまりこの時を持ってしてシ連海軍太平洋艦隊は崩壊したのだ。
僕が一番書くのに時間がかかるシーンって人対人の感情的なシーンと空戦シーンだと思ってます。
空戦シーンって味方も敵も色々と難しすぎて筆が進まない······一方的な戦いを書く人が多い理由が分かった気がします。