ようこそ実力主義者の教室へ。元脳筋は苦労する。 作:赤山大和
HRが終わった後に声をかけてきたクラスメイトに誘われてクラスを出る。
ふむ。これは高校生活初めてのお友達フラグか?
さすがに入学初日から不良生徒の顔をかせではないと思うが。
「月村司って言ったな。お前はSシステムについてどう思う」
予測はしたがそれの事か。
俺が先生に質問したようにこの男も気になったのだろう。
「まぁ、毎月10万を全クラスの生徒に振り込むとかは無いだろうな。俺達の実力を見るというのなら普段の授業態度とかテストとかで増減するという事だとは思うがそれだけでは無いと思った」
そもそもの話、俺は勉強関連ならば劣等生とまでは言わないが低い方だ。ならば勉強だけで評価された場合に10万を払う価値等ないだろう。
それは俺だけではないだろうが。
「なるほど。他の浮かれている馬鹿どもよりは使えそうだ」
ずいぶんと上から目線。
それよりも問題は。
「……今更で悪いが名前を聞いてもいいか?うちのクラスはまだ自己紹介すらしてないからな。俺はお前の名前を覚えていない」
「くはっ。そうだったな俺の名前は龍園翔だ。まぁ、よろしく頼む」
「改めて名乗るが月村司だ。こちらこそよろしく頼む」
なんとなくだが中学の時にいた不良達のボスを思い出すな。龍園も人の上に立とうとするタイプか?
それだけの雰囲気はあるが。
「しかし、お前はクラスメイトに興味がなかったのか」
「いや、そういう訳ではないぞ。それに3人程気になる相手はいる」
「へぇ、誰だ?」
「龍園と巨漢の外国人。それと銀髪の文芸少女」
「――ああ、山田アルベルトと椎名ひよりか。お前も目をつけたか」
龍園もチェック済みか。
あの美少女は椎名ひよりというのか。
覚えておこう。
「山田の方は俺だけじゃなくてクラスの全員が気になったと思うがな。椎名さんについてはあれだけの美少女だ、他にも目をつけた男子生徒がいるだろう」
あれだけの美少女ならばモテるだろうし。
俺としても仲良くしておきたい。
「なんだ。ああいうのが好みなのか」
龍園は愉しげに笑う。
「否定はしないさ。外見的にはストライクだしな。後は実際に話して性格とかを知れれば。まぁ、それ以前に俺が怖がられなければの話だが」
暴力的な人間ってのは嫌われやすいだろうからな。
体格が良いというのも怖がる要素にもなるだろう。
「へぇ…………怖がられるね。確かに良い体格をしている。何か格闘技でもやっていた口か」
龍園の俺を見る目が鋭くなる。
龍園は喧嘩とか強そうだ。そういうのでのし上がってきた手合いっぽいか。
場合によっては殴り合う事になったりするかもな。
同じクラスメイトとして無駄に争うつもりはないが。
こちらが観察するように龍園からも観察されているというのはわかる。
「まぁな。家の近所にあった道場に通っていたし、中学時代はこれでも全国大会に出場したんだぜ」
暴力事件を起こして失格になったけどな。
部活も辞めたし。
虚勢を張らせてもらうよ。
「なるほどな。確かに鍛えてるみたいだ………なぁ、月村」
「ん、なんだ」
「お前はなかなか使えそうだ。俺の下につけ」
ああ、そういう勧誘か。
中学の時も何度かあったな。
特に暴力事件を起こした後は不良と呼ばれる集団とイロイロとな。
「…………今は、断る」
「………今は、か。まぁ、俺も初日から焦るつもりはないが理由を聞いとこうか」
「そりゃ、Sシステムについても龍園がどんな人間かもわからないからな。下に付くか判断に困る。まずは情報を集めるてからにしたい」
軽々しく不良達の仲間になったせいで迷惑かけた相手とかもいるし。
考えて動く事。
それができなけりゃ俺は成長をしてないことになる。
「ククッ、確かにな。ならSシステムの概要がはっきりしてから改めて声をかけるとするか」
「そうしてくれ。まぁ、友人としてならば今からでもいいのだが」
友人ならば歓迎。
この男と対等な立場ってのは難しいかも知れないが。
「そうか。これは俺の連絡先だ。何か有益な情報が入ったら教えろ。報酬は出す」
「了解だ」
とりあえず連絡先をゲットだぜってな。
高校生活初めての友人?友人ができたのか?下につけとか言われているし友人枠に入れていいのか?
まぁ、初めての友人ゲットだぜ。
そろそろチャイムがなるだろうし、まずはクラスに戻って入学式だ。
他にも友人ができると良いのだが難しいかもな。