ようこそ実力主義者の教室へ。元脳筋は苦労する。 作:赤山大和
入学式は無事に終了。
お昼の前に一通り敷地内の説明を受けた後に解散となったわけだが見事に1人だ。
早くもグループを作って仲良くしている中で入学早々にボッチと確定してしまった。
というか、回りのクラスメイトから避けられている気がしたのだが。
まぁ、これからだ。
とりあえず近くの自動販売機で飲み物を買おうと思うのだが無料となっている水が目に入る。
水だから無料なのか?
少し気になるのでそちらを購入。
飲んでみても普通に水だ。
引っ掛かるものを覚えつつ近くのコンビニの中に。
そしてその中にも無料と書かれたワゴンが。
ポイントを使いすぎた人への救済措置と考えるには違和感が。
上級生と思える生徒がワゴンから商品を持っていってるから余計に。
もしも毎月10万ポイントを貰い続けているのならば余裕をもって普通に商品を買うだろうしな。
とりあえず、歯ブラシやタオルは貰うとしよう。
後は日用品を買い足してと。
やはり、来月からも10万ポイントが貰えると考えるのは間違いだよな。
そもそも、いきなり得た大金で浪費癖とかがつくと困るし。
買い足した日用品を持って寮の自室に。
電気、ガス、水道代も無料か。
ここまで至れり尽くせりだと普通に怖い。
時間はまだお昼。
少し、探索するか。
先ずお腹を満たす為に食堂にいくのだがやはりというか無料の山菜定食が。
つまり、少ないポイントで遣り繰りする事になるのが確定しているという事だよな。
節約を考えるべきか。
んー、となるとこれからどうするか。
必要な物を購入するとして娯楽の類いは運動か読書くらいか。
ゲームとかを買えば数万が飛ぶから論外。
運動は部活に入る事を考えるとしてだ。
読書は本を買うお金を節約するとなると図書館で本を借りるのが良いかもな。
うん。行こう。
そんな訳で向かった図書館なのだがデカイな。
これならば俺が読めるような本もあるだろう。
そんな訳で図書館内を探索するのだがやはり漫画の類いはないな。
小説はラノベなんかも普通にある。
うん、これは朗報。
毎月新刊を買ってたらお金がな。
後は有名な推理小説やらに手を出して見るか。
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……………………………………。
…………………………………………どれが面白いんだ?
本の著者が外国人というだけで躊躇いを覚える俺はなんと情けないのだろうか。コナン・ドイルくらいは手を出せるはずだろうに。
ミステリーのコーナーで本を前に固まる俺は周りから奇異に見えるだろうがな。
本を手に取ってはあらすじなどをみて戻してを繰り返してしまう。
どうしたものか。
「………どうかしたのですか?」
悩んでいる俺に救いの手。
司書の方かと思って声の方を見ればクラスメイトの椎名さんの姿が。
偶然でも出会えたのは嬉しい。
「………えーと、クラスメイトの椎名さんでいいのだよな」
「はい。………確か貴方は月村くんでしたか」
うん。覚えてもらえていたとは。
地味に嬉しい。
「ああ。偶然だな」
「ええ。それでどうしたのですか?何か探している本でも?」
「いや、そういう訳では。………その、情けない話しだが今まで小説はライトノベルの類いや漫画化したような物しか読んだ事が無いんだ。それでまぁ、高校生になったのだし有名な文学史に手を出してみようと考えたのだけど中々選べなくてな」
王様ゲームとか漫画とかドラマから小説に入った物なら分厚い文学史を読めるのだけどな。こういうのはどう手を出せば良いのか。
有名な著者の名前をなんとなく覚えていたりはするのだけど。
「まぁ。それでしたら幾つかオススメの小説をお教えしましょうか?」
「お願いする。正直、助かる」
「いえいえ、私としても読書仲間が出来るのは嬉しいですから」
この子は天使か!
薦められる小説の幾つかを借りて図書館を出る。
彼女と別れたときに連絡先も交換する。
うん。素直に嬉しい。
だが、これで勘違いしたら普通に痛い奴になるから気をつけないとな。
向こうは読書の仲間が出来て嬉しいというだけなのだからな。
借りた本はちゃんと読むけど。
……………読めるよな。借りた本だから積み本は出来ないし、せっかく椎名さんとの話題のネタができたのだし。
あとやることはこの学校の情報集めだよな。
明日あたり龍園と話してみるか。